果樹におすすめの肥料と与え方、注意点

美しく整備された柿の果樹園作物
作物知りたい肥料

果樹は観葉植物と楽しむこともでき、かつ実を取って食べたり、さまざまな用途に利用することができる一石二鳥の植物です。特に最近では、地植えや鉢植えと、果樹をいろんな形で楽しむ方が増えてきています。

せっかく買った果樹。肥料など、どう手入れしていけばいいのでしょうか。この記事では、主な果樹の種類や特徴、また肥料のやり方、おすすめの果樹肥料などをご紹介します。

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果樹の種類

果樹は、「2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするもの」と定義されています。(農林水産省HPより)このため、メロンやイチゴ、スイカといった一年生草本植物は果樹には含みません。

果樹には様々な種類があります。いろんな分け方がありますが、大きく分けると下記のように分ける事ができます。

名称特徴代表的な種類
落葉果樹冬に葉を落として休眠する果樹。高木性、低木性、つる性の果樹がある。リンゴ、ナシ(梨)、モモ(桃)、クリ(栗)、さくらんぼ、カキ(柿)、ブルーベリー、ラズベリー、ブドウ、キウイなど
常緑果樹常緑の木で亜熱帯果樹とも呼ばれる。柑橘類(みかんレモンなど)、ビワなど
熱帯果樹常緑の木で熱帯原産の寒さに非常に弱い果樹。アボガド、マンゴー、バナナ、パイナップル、パッションフルーツなど
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果樹に肥料は必要?

果樹には肥料が必要か? 必要です。

果樹は他の樹木と比べて、多くの花を付けるタイプが多く、その後結実し果実を大きくしていきます。このため、他の樹木に比べ、肥料を多く必要とするのです。

特に柑橘類の果樹は「肥料食い」と言われ、果樹の中でも多くの肥料を必要とします。白い花をたくさんつけ開花させること、また枝葉を旺盛に茂らせるため、と言われています。

また、果樹は地植えはもちろん、鉢植えの場合も、土壌から養分を吸収して成長します。露地栽培がほとんどということもあり、様々な環境変化に土壌の強さで乗り切っていく必要があります。このため、土壌の水はけの良さ、保水力、たい肥や腐葉土などの有機質が分解、発酵し微生物が活発に活動している団粒構造になっているか、ミネラル豊富なふかふかな土壌か、など土壌の状態にかかっています。

このため、肥料はできる限り有機肥料元肥で使い、土壌改良に努める必要があります。

肥料を与える時期

すもも(果樹)の木

果樹の肥料の頻度は、「基肥(元肥)」,「追肥」,「礼肥」の年間3回施肥を行うことを基本とします。

活動しない冬の時期(寒肥とも呼ばれることも。果樹によって異なります)に元肥として有機(有機物)肥料もしくは緩行性化成肥料を年間施肥量トータルの40%ほどを施すようにし、花芽をつける時期を目安に速効性の化成肥料を年間施肥量トータルの20%ほどを追肥するとよいでしょう。そして収穫後20%の緩効性肥料を礼肥として施すようにしてください。

名称時期適している肥効タイプ肥料の例概要
基肥(元肥)活動しない時期(冬の場合、寒肥と呼ばれる)緩効性肥料・遅効性肥料固形肥料

堆肥
油かす
などの有機質肥料

緩効性化成肥料
魚粉や骨粉なども有機質肥料ですが、窒素リン酸、カリウムがバランス良く含まれた油かす、鶏糞肥料を使うと良いでしょう。緩効性化成肥料も有効です。
追肥花、果実の生育中速効性肥料液体肥料・固形肥料

化成肥料
など
元肥だけでは栄養が不足してくるので肥料を追加で施します。速効性肥料などを中心に施しましょう。
樹勢が明らかに弱っているときは速効性の液体肥料を使ってみるのも効果的です。
礼肥収穫後緩効性肥料・遅効性肥料固形肥料

堆肥
油かす
などの有機質肥料

緩効性化成肥料
魚粉や骨粉、鶏糞、油かす肥料を使うと良いでしょう。緩効性化成肥料も有効です。

たくさんの花を咲かせるので、他の花木同様、摘花および摘果を行います。もったいなく感じてしまうことがあるかもしれませんが、摘花および摘果によって、元気に強い樹勢でもって育つことができます。

また、たくさん実ができる年と全く実ができない年を繰り返す「隔年結果」という現象を摘果によって抑え、毎年一定量の収穫に近づける効果もあります。

果樹によって頻度などは異なりますので、具体的に育ててみたい果樹が決まっている場合は、下の個別種類の説明を参考にしてください。

肥料をあげすぎて肥料焼け?

肥料は、多ければ多いほどよいというわけではありません。土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなり、植物に障害が発生したり枯れてしまったりすることがあります。これが「肥料焼け」です。成長が楽しみで、ついつい肥料を多くあげたくなってしまうかもしれませんが、一般に肥料をあげすぎると、かえって植物が弱ることがあり、樹や枝葉に障害が生じることもあります。肥料は過多にならないよう注意しなくてはいけません。また、苗(苗木)は成木に比べ弱いので、特に苗(苗木)の段階では施肥量を減らす工夫が必要です。

おすすめの果樹肥料

果樹を育てる際におすすめの汎用的な果樹肥料をご紹介します。

果樹におすすめの有機肥料、有機配合肥料

おすすめの有機肥料としては、油かす、鶏ふん、米ぬかなどがあります。元肥として植え付け時や毎春使用しても良いでしょう。油かすは窒素成分を多く含んでいるので施用する際には施用量に気をつけましょう。また、鶏ふん、米ぬかはリン酸などの豊富に含まれていますが、窒素成分が不足する可能性もあるので、その場合には緩効性化成肥料と併用してみましょう。

油かす(油粕)

油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。

鶏糞

鶏糞は、ニワトリの糞を乾燥させた粒状の有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)、リン酸、カリの各成分が豊富に含まれています。特に、植物の実や花に栄養を与えたい時に使われるリン酸が豊富です。同じ堆肥として牛糞(牛ふん)が比較されることがありますが、成分が異なるとともに、牛糞(牛ふん)は土壌改良の目的でも利用される点が異なります。

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米ぬか

米ぬかは、精米の際に削り取られる外皮の部分を有機(有機物)肥料として利用するものです。リン酸が多く含まれている、緩効性のリン酸肥料です。糖分やタンパク質も含まれているため、有用な土壌微生物の働きを活性化させる効果もあります。

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この他、おすすめの有機肥料としては、石灰系(牡蠣殻、貝殻)、魚粉(魚を乾燥させた粉末)、木灰、熟成させたぼかし(ボカシ)肥料なども取り入れられている農家の方は多くいらっしゃいます。

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果樹におすすめの化成肥料

ハイポネックス(Hyponex)

ハイポネックスジャパンが製造販売する「錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用」という肥料もあります。追肥に利用する錠剤タイプで、置くだけでOKという簡便な肥料です。窒素:リン酸:カリ=8:10:9で配合されているほか、マグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウムも加えられています。

また、ハイポネックスには「ハイポネックス原液」などの液体肥料シリーズもあり、樹勢が弱っているときに与えると良いでしょう。ハイポネックスには他にも固形肥料などたくさんのシリーズが販売されているので適している肥料を選択して、使ってみましょう。

マイガーデンベジフル

マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、粒状の様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができる肥料です。栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得していることや、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしていることや、肥料成分は樹脂コーディングされていて、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶出する量が調節され、効き目が持続するのが本製品の特長です(リリースコントロールテクノロジー)。

追肥として、「マイガーデンベジフル」が有効です。また、「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」、「ベジフル液肥」は速効性の液体肥料なので、樹勢が弱り始めたときに薄めの濃度で与えてあげると良いでしょう。使用方法は各商品のラベルの指示に従ってください。

地植えにおすすめ!打ち込み型肥料グリーンパイル

ちょっと変わった肥料に打ち込み型のグリーンパイルがあります。グリーンパイルは樹木に理想的なバランスで必要な栄養:N(窒素)-P(リン酸)-K(カリウム)を配合した樹木(植木・庭木)専用の打ち込み型肥料です。棒状なので打ち込むだけで施肥が簡単にできます。地植えの樹木におすすめの肥料です。

花ごころ IBのチカラ グリーンそだちEX

花ごころの「IBのチカラ グリーンそだちEX」は、N-P-K=10-10-10であり、バランス良く配合されています。バラや花に効く肥料を中心に様々な商品を販売しています。

IB肥料」(イソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)を配合した肥料)なので、水にゆっくりと溶け出していく粒状の緩効性肥料です。

果樹の栽培で気をつけたいポイント

果樹全般に該当する気をつけたいポイントをまとめてみました。参考にしてみてください。

栽培方法

果樹は実は、地植えはもちろん、家庭菜園の場合は鉢植えでもほとんどの種類を栽培することができます。

地植え

水はけのよい土であれば育てることができます。地植えの場合、植え替えることが難しいので、日当たりの良好な場所を選んで植え付けるようにしましょう。

植え付けする苗の大きさにもよりますが、約20〜50cm程度の深さの穴を掘り、土:腐葉土:赤玉土を5:3:2位の割合で混ぜ合わせ半分ほど土を戻します。そのあと、苗を植えて残りの混ぜ合わせた土を戻します。植え付けは真夏、真冬を避けて3月〜4月頃がよいでしょう。植え付けのときには根を触らないようにしましょう。

元肥として施用する場合は、緩効性化成肥料や有機肥料(有機質肥料)がおすすめです。

鉢植え

庭土を用土として利用することができます。市販の用土を利用する場合は、赤玉土小粒7~8、腐葉土3~2の割合で配合し混ぜるようにしましょう。果樹専用の培養土もあります。植木鉢は、できればプラスチックのプランターではなく、素焼きやテラコッタのものを選びましょう。素焼きやテラコッタの植木鉢は、通気性、吸水性、排水性に優れています。

植木鉢を使う場合は、鉢底に鉢底石を敷き、そこに用土(培土)を半分程度入れて苗を植え付けます。植え付けた苗の周りにも用土(培土)を入れて苗を安定させ、水をたっぷりと与えると根がしっかりと張ってきます。用土には、果樹用の土が売られていますのでそれを使えば問題ないでしょう。植え付け、植え替えは真夏、真冬を避けて3月〜4月頃がよいでしょう。植え付けや植え替えのときには根を触らないようにしましょう。

病害虫

果樹にはさまざまな害虫が発生し、病気をしてしまいます。主には、病気としては、そうか病、灰色かび病、黒点病、果実腐敗病などが発生する場合があります。害虫としては、アブラムシ類、サビダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、エカキムシ、オオタバコガなどが発生する場合があります。農薬や殺虫剤を散布するなどして防除および駆除に努めましょう。下記コンテンツに防除方法を詳しく説明しています。

病害虫の発生を予防する方法としては、まず適度な乾燥や、排水の良い土壌を維持するように努める事が重要です。雑草をしっかり除草することも、病害虫の予防に大変有効なのでこまめに除草しましょう。

摘蕾、摘果

果樹によっては一つの花房にたくさんの花芽を付け、100を超える花をつける種類もあります。このため、美味しい果実に育てようとすると、早めの摘蕾が欠かせません。また、摘蕾後、春になっての摘果もできる限り行うようにしましょう。

摘蕾、摘果とは?

「摘蕾」とは、果樹などで、開花・結実による余分な養分の浪費を防ぐために、蕾(つぼみ)を摘み取ることをいいます。「摘果」とは、果実がつきすぎた場合に余分のものを幼いうちに摘み取ることをいいます。

品質(形、味など)を揃えた果実を生産するためにどちらも必要な作業です。

剪定、整枝

果樹にとって整枝・剪定は大事です。具体的には、古くて伸びすぎた側枝やかぶさり枝や、主枝・亜主枝の背面からでた徒長枝,弱く短い下垂枝を剪除(剪定して取り除くこと)し間引き,中庸な枝に揃えていくことが重要です。

しっかり剪定することで、一見、枝と枝の間が空きすぎて不安になるかもしれませんが、この結果、風通しをよくし木の中まで光が入ってくるため、結果新しい新芽、花芽を促し、生長、樹勢もよくします。

個別の果樹の肥料、育て方情報

特定の果樹でより詳しい育て方、肥料について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

落葉果樹

常緑果樹(柑橘系)

その他

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果樹の肥料を購入

ホームセンターなど店舗で購入する

上記で紹介した肥料は、コメリなどのホームセンターのガーデニング・資材コーナー等で販売されています。また、ダイソーなどの100円均一でも販売されていることがありますが、取り扱いのない店舗も多いようなので注意が必要です。

通販で購入する

店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。今ではAmazonや楽天市場、プロトリーフなど様々なECサイトで農業・園芸用品が取り扱われています。店舗よりも安く購入できる場合も多いですので、一度のぞいてみましょう。

まとめ

果樹は難しそうに感じますが、果実が実るのはもちろん、比較的育てやすく、花が咲くこと、緑鮮やかなことから観葉植物としても楽しめる植物です。是非、お好きな果物の果樹にチャレンジしてみてください。

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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