有機肥料(有機質肥料)

骨粉肥料の概要と特徴、使い方

骨粉肥料の袋パッケージ有機肥料(有機質肥料)

骨粉肥料は、リン酸含有量の大きさと肥効の長さが特徴の動物性有機質肥料です。

野菜、果樹、花卉などあらゆる作物の栽培に効果的です。日本でも2000年代に発生した牛海綿状脳症BSE(狂牛病)の影響で流通量が減少していましたが、実は安全性の向上とともに、再注目を浴びている資材でもあります。

この記事では、骨粉肥料の成分やおすすめ商品をご紹介します。

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骨粉肥料とは

牛、豚、鶏などの骨を粉砕し、粉末にしたものが骨粉です。それを肥料として用います。骨粉肥料は、動物性有機質肥料の中でもメジャーな存在です。

化成肥料と異なり有機質肥料なので、肥料成分の補給にとどまらず、土壌改良の効果も期待できます。有機物が有用な菌などの微生物の餌となることで、微生物の活性が高まり、団粒構造が促進されます。団粒構造が形成された土壌は、保水性、透水性、排水性が良好で、作物の増収や品質向上につながります。

さらに、微生物による分解や発酵(醗酵)などで地力の高まった土壌では、病害虫(病気と害虫)の発生が少ないため、農薬(殺菌剤や殺虫剤)の散布を抑えられるという利点もあります。

骨粉肥料を家畜への飼料として利用することはできません。植物への肥料としてのみ利用しましょう。

骨粉は、原料や製法により異なる表記がされることがあります。骨粉と名がついた登録銘柄としては、以下の5種類があります(令和4年現在)。

また、上記の他に、特殊肥料として「焼成骨粉」もあります。

肉骨粉

肉骨粉は、屠殺場や缶詰工場から廃物としてでる肉片、内臓、骨、脂肪などを集めて小さく切り、蒸気で圧搾乾燥したものです。骨粉の中では、窒素含有量が高く、リン酸含有量は低いです。

肉骨粉は普通肥料として分類されます。そのため、保証成分量(含有される成分の最低量)の掲載が必要であり、三要素の公定規格は下記のように設定されています。

窒素全量りん酸全量
5%5%
肉骨粉の公定規格(令和4年現在)

生骨粉

生骨粉は、骨をそのまま水とともに煮沸し、脂肪を取り除いたあと粉砕したもので、骨粉の中では最も肥効の遅いリン酸肥料です。

生骨粉は普通肥料として分類されます。そのため、保証成分量(含有される成分の最低量)の掲載が必要であり、三要素の公定規格は下記のように設定されています。

窒素全量及びりん酸全量の合計量窒素全量りん酸全量
20%3%16%
生骨粉の公定規格(令和4年現在)

蒸製骨粉(脱こう骨粉を含む)

蒸製骨粉は、生骨を荒く砕いて、加圧蒸気釜の中で約2気圧に加圧して2〜4時間ほど蒸熱し、脂肪とゼラチンを除去し、その後、乾燥・粉砕したものです。

脂肪やゼラチン、タンパク質が少なく、骨粉の中では、窒素含有量が少なく、リン酸含有量が多い肥料です。生骨粉に比べて、肥効の現れが速いです。

脱こう骨粉は、軟骨のゼラチン質をニカワの原料用に取り除いた残りの部分の細かい粉末です。肥料の登録銘柄としては、蒸製骨粉に含まれます。

蒸製骨粉は普通肥料として分類されます。そのため、保証成分量(含有される成分の最低量)の掲載が必要であり、三要素の公定規格は下記のように設定されています。保証するものの条件によって異なります。

窒素全量及びりん酸全量の合計量窒素全量りん酸全量
21%1%17%
蒸製骨粉(窒素全量及びりん酸全量を保証するもの)の公定規格(令和4年現在)
りん酸全量
25%
蒸製骨粉(りん酸全量を保証するもの)の公定規格(令和4年現在)

「蒸製骨粉」は、肥料取締法の定めにより、普通肥料に分類されています。一方、「蒸製骨」は特殊肥料に分類されています。特殊肥料とは、普通肥料と異なり登録義務がない、昔ながらの肥料のことです。米ぬか、肉粕、魚粕、カニガラ草木灰、グアノ、堆肥(牛ふん鶏ふん、馬ふん等)のように肥料含有量のみに依存せずその価値が認められ、農林水産大臣により指定されています。

蒸製鶏骨粉

蒸製鶏骨粉は、生の鶏骨を砕いて加圧蒸製し、脂肪とゼラチンを除去後乾燥、粉砕したものです。蒸製骨粉の鶏骨バージョンと思ってください。

蒸製鶏骨粉は普通肥料として分類されます。そのため、保証成分量(含有される成分の最低量)の掲載が必要であり、三要素の公定規格は下記のように設定されています。

窒素全量及びりん酸全量の合計量窒素全量りん酸全量
17%1%13%
蒸製鶏骨粉の公定規格(令和4年現在)

蒸製てい角骨粉

蒸製てい角骨粉は、動物のひづめ、角、骨を蒸熱し、軟化したのち取り出し、乾燥後に粉砕したものです。

蒸製てい角骨粉は普通肥料として分類されます。そのため、保証成分量(含有される成分の最低量)の掲載が必要であり、三要素の公定規格は下記のように設定されています。

窒素全量及びりん酸全量の合計量窒素全量りん酸全量
15%6%7%
蒸製てい角骨粉の公定規格(令和4年現在)

焼成骨粉

原料は、骨です。原料を炉で高温加熱(およそ800~1,500℃)する焼成工程を経て、粉砕したものが焼成骨粉です。リン酸とカルシウムが多く含まれます。蒸製骨粉などとは異なり、特殊肥料として分類されます。

肥効が長く続く、匂いが少ないという特徴があります。

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骨粉肥料の特徴と成分

骨粉肥料の特徴

骨粉肥料の特長は、以下のとおりです。

  • 窒素だけではなく、リン酸が豊富に含まれています。
  • 同じ動物性有機質肥料である魚粉やカニガラと比べて、緩効性で肥効が長いです。
  • 加里(カリウム)がほとんど含まれていません。そのため、別途カリウム肥料の施用が必要です。
  • カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの補給にも適しています。

また、原料、製造方法によって、成分や肥効の現れ方が少し異なります。

骨粉を使った各肥料の成分の違い

先述したとおり、骨粉を使った肥料は、原料や製造方法の違いによって複数の銘柄があります。下記に各骨粉肥料の成分の違いをまとめましたので、参考にしてください。

肥料名窒素(N)の
平均含有量
リン酸(P)の
平均含有量
肉骨粉5%〜9%5%〜20%
生骨粉3%〜5%16%〜20%
蒸製骨粉(脱こう骨粉を含む)3%〜4%17%〜24%
蒸製鶏骨粉3.5%〜5%13%〜21.5%
蒸製てい角骨粉6%以上7%以上
各骨粉肥料の窒素(N)、リン酸(P)の平均含有量

骨粉肥料の使い方

使い方は土に撒けばOKですが、液肥と異なり鳥や虫の被害を受けることがあるため、これを回避するためにも土壌や用土と混ぜることが望ましいです。元肥としても追肥としても施肥できるので、穴や溝を掘り、粉末を散布するとよいでしょう。

また、土壌微生物の活力が高まり、土壌環境が改善されると、農薬(殺菌剤や殺虫剤)を散布しての病害虫(病気と害虫)防除が少なくて済むという利点もあります。

成分は、根や微生物が分泌する酸性の有機酸に溶けて吸収されます。したがって、草木灰や石灰を施すことでアルカリ性になった土壌や用土では、十分に吸収されないことがあるので注意が必要です。

使用目安量は、各商品のラベルに記載されているとおりに使用すると大きな問題は起きないでしょう。

果樹の栽培で使われることが多いですが、野菜や花木の栽培でもよく利用されています。油粕や堆肥(牛ふん、鶏ふん、馬ふん等)などと混ぜ、分解や発酵(醗酵)させることで、ぼかし肥料(ボカシ肥料)として利用している人もいるようです。

おすすめの骨粉肥料

骨粉肥料を選ぶ際のポイントは、容量、形状、他の成分が配合されているか等です。用途に応じて選ぶことになりますが、他の成分が配合されていないシンプルな製品の方が安価です。ここでは実績のあるおすすめの商品をご紹介します。

蒸製骨粉 有機入り配合みのり1号

徳岡商會が販売する骨粉肥料です。1袋20kg入りの大容量なので、プロ用もしくは業務用といえるでしょう。徳岡商會は、「牛脊柱等が混合しない製造工程の大臣確認事業場」として農林水産省に認められているので、安心安全です。

牛と豚由来の骨に加え、パームカリが配合されているので、保証成分量は窒素2%、リン酸23%、カリ1%となっています。

蒸製骨粉 有機入り配合みのり1号 20kg パームカリ5%入り 徳岡商曾
グラントマト 楽天市場店
¥ 3,890(2022/09/02 16:48時点)

蒸製骨粉 オール有機100%

サンアンドホープが販売する骨粉肥料です。4kgの手ごろな容量で、家庭菜園や小規模菜園などにもぴったりです。純国産かつ有機100%なので、安心安全に利用できます。保証成分量は窒素4%、リン酸16%です。野菜、果樹、花卉などあらゆる作物に効果的です。

また、鉢、プランター、花壇ごとの使い方であったり、元肥や追肥ごとの使い方であったりも分かりやすく説明されています。500g、2.5kg、15kgの規格もあります。

粒骨粉

東商が販売する骨粉肥料です。1kgの手軽な容量で、家庭菜園や小規模菜園などにもぴったりです。主な原料である豚および鶏由来の骨は、牛海綿状脳症BSE(狂牛病)が発生していない国から仕入れたものを全て使用しています。その他、公的研究機関認定製造工程で加工するなど、徹底的に安心安全にこだわった製品です。

保証成分量は窒素2%、リン酸20%です。粒状(もしくはペレット)なので、庭木、盆栽、観葉植物などにも利用しやすいです。2kgの規格もあります。

東商 粒骨粉 1kg
アイム
¥ 539(2022/09/02 16:48時点)

骨粉肥料の購入方法

骨粉肥料は、ホームセンター、インターネットなどで購入可能です。肥料を購入できる主な場所・方法は以下のとおりです。

肥料を購入できる場所
  • JAなどの農業資材店
  • ホームセンター
    • コメリ
    • カインズ
    • コーナン
    • etc
  • インターネット
    • Amazon
    • 楽天市場
    • ヤフーショッピング
    • etc

各購入場所・購入方法のメリット・デメリットをまとめました。購入方法選びの参考にしてください。

購入方法ホームセンター100均インターネット
メリット
  1. 行けばすぐに購入できる
  2. 品揃えが豊富
  3. 知識を持った店員に相談できる場合がある
  1. 行けばすぐに購入できる
  2. 小袋など少量の商品がある
  1. 24時間いつでも購入できる
  2. 品揃えが豊富
  3. 知識を持ったショップに相談できる場合がある
  4. 家まで運搬してもらえる
デメリット
  1. 運搬が面倒
  2. 在庫切れや取り扱いがない場合もある
  1. 運搬が面倒
  2. 在庫切れや取り扱いがない場合もある
  1. 一般的に店頭で購入するよりも高い
  2. 送料がかかる場合がある
肥料の購入方法メリット・デメリット
執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
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