家庭でできるミニトマトの水耕栽培・水耕栽培キットをご紹介!

ミニトマトの水耕栽培のバナーです。栽培
栽培水耕栽培

トマトは、ビタミンC、カロテン、リコピンなどを多く含み、栄養や機能性に優れた野菜です。また、イタリア料理はもちろんのこと、日本でも家庭料理によく使われる人気の作物です。

ミニトマトは、「ミニトマト」という品種のトマトがあるわけではなく、一般的に30g程度以下の小さな果実のことを指します。ミニトマトの特徴としては、以下のようなことが挙げられるでしょう。

  • 味が濃く甘みが強い品種が多い
  • 果実の色が赤だけではなくオレンジ、黄色など様々ある

ミニトマトは、栽培の時期や期間、方法によって、栽培の管理が異なります。家庭菜園では、プランターや鉢植えなどでも育てることができ、比較的手軽に栽培できる作物です。日本ではプロ農家がビニールハウスを使った施設栽培(ハウス栽培)で長期間栽培(長期採り)されることが多く、ミニトマトが一年中スーパーの店頭に並びます。

ミニトマトの水耕栽培と聞くと、プロ農家だけが取り組んでいる栽培方法のように思えますが、実はご家庭でも簡単に水耕栽培に取り組むことができます。現在では、栽培システムも充実しており、キットを購入するだけで始められるものもあります。

また、一番手軽な水耕栽培の方法はペットボトルを使用した栽培です。ミニトマトであれば十分に生長させることができます。

この記事では、ミニトマトの基礎知識とミニトマトの水耕栽培の基本、おすすめの水耕栽培システム(水耕栽培キット)について、解説します。

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そもそも水耕栽培とは?

水耕栽培(Hydropinics)とは、養液栽培の一種で、固形培地を使用しないで栽培する手法のことを指します。水耕法、水栽培などとも呼ばれます。

トマトのロックウール耕(ロックウール栽培)の様子です

水耕栽培と聞くと、上記写真のような植物工場を思い出す方も多いかもしれません。実は、上記写真のような栽培方法は、水耕栽培と呼ばず、ロックウール栽培(養液栽培における固形培地耕の一種)と呼びます。

編集さん
編集さん

画像左上にロックウールのスラブ(ロックウールが詰まった細長い栽培培地)があります。わかりますか?

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液肥栽培の種類 水耕栽培とはどのようなものを指すのか

水耕栽培は、養液栽培の一種で培地に土などの固形物を用いず、養液(培養液)の供給のみによって栽培する方法です。植物は、養分、水分、場合によっては酸素を培養液から吸収することで生長します。

水耕栽培の長所、短所は以下のように考えられます。

  • 長所
    • 土耕栽培のような連作障害が起きない
    • 生育スピードが土耕栽培に比べて速く、再現性の高い栽培ができる
    • 定植、収穫等の作業も比較的綺麗で楽に行うことができる
  • 短所
    • 作物の生理ストレスへの緩衝作用が弱く、生理障害が起きやすい
    • 水伝染性の病害への緩衝作用が弱い
    • 土耕栽培よりも肥培管理(培養液管理)が重要であり、常に植物と培養液濃度に注視する必要がある

先述したとおり、水耕栽培にもいくつか種類があり、主に下記3種類の方法が家庭菜園・プロ農家問わず主流となっています。それぞれの特徴をまとめましたので、栽培方法を検討するときに参考にしてください。コストについてはピンキリのため、ここでは取り扱いません。

方式DFTNFT保水シート耕
培地の有無なしなしなし
根のある場所培養液中培養液中・空気中湿気中(透水シートなど)・空気中
養分の供給源培養液培養液培養液
水分の供給源培養液培養液培養液
酸素の供給源培養液空気中空気中
長所栽培中の濃度や組成の変化が緩やか。培養液の温度管理がしやすい、酸素欠乏症が起こりにくい酸素欠乏症が起こりにくい
短所作物によっては酸素欠乏症が起きやすい培養液の濃度・成分変化が起きやすい根圏に当たる培養液の濃度・成分変化が起きやすい
栽培作物の例ミツバ、レタス、キャベツなどの葉菜類
トマト、キュウリイチゴなどの果菜類
コマツナ、ホウレンソウなどの葉菜類
トマトなどの果菜類
サラダナ、葉ネギなどの葉菜類
トマト、キュウリ、イチゴなどの果菜類

DFT(湛液水耕)

DFTは、Deep Flow Techniqueの頭文字で、日本語では湛液水耕法やDFT水耕と呼ばれます。栽培ベッド(培地)を水平に保ち、培養液を比較的大量に貯めたベッドに苗を浮かべ、培養液を循環させて栽培する方式です。

ベッドの培養液の量が多いことから、栽培中の培養液濃度や組成の変化が起こりづらくなっています。しかし、高温時には溶解酸素量(溶存酸素量とも呼ばれる、水中にどれだけの濃度の酸素が溶存しているかを指す指標)が不足してしまい、作物によっては酸素欠乏症が起きやすいものもあります。

NFT(薄膜水耕)

NFTは、Nutrient Film Techniqueの頭文字で、日本語では薄膜水耕法やNFT水耕と呼ばれます。栽培ベッド(培地)を緩やかに傾斜させ、培養液を少量ずつ流しながら栽培する方式です。

培養液を薄く(少なく)循環させることによって、空気中の酸素をより多く溶解させるとともに、液面上の植物の根が酸素を空気中からも取り込むことができ、水耕栽培で起きやすい「酸素欠乏」を防ぎやすい方式となっています。また、培養液の冷却や加温(温度管理)が低コストでできる一方、培養液の濃度や成分の変化が起こりやすいため、培養液管理が難しいとされています。

保水シート耕

毛管水耕法は、苗のパネルの下に遮根シート、吸水性・親水性のある不織布を敷き、培養液を吸わせて、そこから植物の根に培養液を供給する方法です。栽培ベットはDFTと同じように水平にして、不織布の一部が培養液に浸かるように設置します。

NFT水耕と同じように根が空気に触れていることから、酸素欠乏症が起きづらい栽培方式となっています。また、植物への水分供給量のコントロールが可能となり、作物の生育コントロールや食味の向上なども期待できます。

家庭でできるミニトマトの水耕栽培システムと栽培方法

「家庭でミニトマトの水耕栽培をしてみたいけど、農家さんが使っているような資材は扱えない…」という方も多いのではないでしょうか?実は、水耕栽培は身近なものでもシステムを作ることができます。また、システムを作ることが難しそうであれば、栽培キットとして販売されているものもありますので、それらを活用することも良いでしょう。

下記に、水耕栽培に必要な設備、各システムの概要や自作するときに必要な資材についてまとめましたので参考にしてください。

前提条件!必要な設備

そもそも水耕栽培を始める上で、必要な設備にはどのようなものがあるのでしょうか?基本的には下記の設備が整っていれば、システムを導入したり、自作したりすることで水耕栽培は可能かと思います。

  • 水源(水道水、または飲用適の地下水など普段使用している水で良いです(※))
  • 100V電源(流動法の水耕栽培の場合、培養液を循環させるためのポンプや酸素を取り込むためのエアーポンプなどを使用することがあります)
  • 広く安定した場所(使用するシステムなどによりますが、それなりに広い場所が必要です。室内用の水耕栽培システムであればそこまで大きくないので安心です)

家庭で使用しやすい水耕栽培システム・水耕栽培キット

ミニトマトなど果菜類を育てるための水耕栽培システムも多数用意されています。使用する際に少し工夫が必要となってくることもありますが、果菜類用の水耕栽培システムをベースにミニトマト栽培のしやすいようにアレンジすると良いでしょう。

一番手軽にできる水耕栽培キット!ペットボトル栽培のキット

一番手軽にできる水耕栽培は、ペットボトル栽培ではないでしょうか?

ミニトマトのペットボトル栽培キット(グリーントイ)に含まれているものです。

現在では、さまざまなペットボトル栽培キットが販売されています。手軽に始めたい方は、栽培キットを購入されることをおすすめします。

商品名グリーントイグリーンペット
概要
お部屋でプチトマト栽培キット グリーントイ(プチトマトのたね付き) おうち時間 ミニトマト 室内 園芸 ガーデニング 入学祝い こどもの日 プレゼント ギフト ラッピング
エムアンドティー楽天市場店
ペットボトル型 底面給水栽培キット 育てるグリーンペット 選べる6種類!ミント バジル レモンバーム ワイルドストロベリー レタス ミニトマト(インテリアグリーン かわいい 家庭菜園 おしゃれ ハーブ 野菜 栽培セット)
ガーデニングと雑貨の菜園ライフ
ペットボトルの用意必要不要(キットに付属)
おすすめポイント培地のキットだけではなく、肥料や軽量スプーンがついていてすぐに始められる!メーカーページ[SCHEWINCEN(はせがわ佐藤商店)]もわかりやすい!可愛いペットボトルが付属済み!

2021年5月時点の情報です。掲載情報から変更されている可能性もありますのであらかじめご了承ください。

ホームハイポニカ 303/ぷくぷく/MASUCO/Sarah/Sarah+/601 果菜ちゃん(屋外向け)

ホームハイポニカは、協和株式会社から発売されている家庭・小規模用の水耕栽培システムです。ハイポニカは、1970年に協和株式会社の創業者によって開発された画期的な水気耕栽培システムで、それを家庭用にも使用できるように改良した栽培システムがホームハイポニカシリーズです。

ホームハイポニカには、いくつか種類があり、栽培する作物や大きさ、規模によって適している栽培システムが異なります。それぞれの特徴と屋外/屋内向けかをまとめましたので参考にしてください。ホームハイポニカは、ポンプを使用して培養液を循環する方式のため100Vの電源が必要です。

品名ホームハイポニカ303ホームハイポニカ
ぷくぷく
ホームハイポニカMASUCO(マスコ)ホームハイポニカSarah+(サラプラス)ホームハイポニカ601 果菜ちゃん
商品
水耕栽培キット ホームハイポニカ303 ハイポニカ肥料付 【あす楽】
水耕栽培専門店のエコゲリラ
水耕栽培キット ホームハイポニカ MASUCO マスコ 水耕栽培装置 水耕栽培器 協和 【あす楽】
水耕栽培専門店のエコゲリラ
水耕栽培キット ホームハイポニカ Sarah+ サラプラス レッド 赤 ハイポニカ肥料 付 【あす楽】
水耕栽培専門店のエコゲリラ
水耕栽培キット ホームハイポニカ601 ハイポニカ肥料付 【あす楽】
水耕栽培専門店のエコゲリラ
大きさ幅800mm×奥行665mm×高さ310mm直径320mm×高さ200mm約幅400mm×奥行396mm×高さ263mm幅640mm×奥行360mm×高さ330mm直径467mm×高さ300mm
重量4.5kg約1.8kg約5.3kg5.5kg3kg
液肥容量50L約9L約20L35L12L
参考価格34,800円(税別)5,980円(税別)17,000円(税別)26,500円(税別)16,000円(税別)
付属品果菜用マルチパネル、葉菜用マルチパネル、ハイポニカ液体肥料(1リットル)・果菜用培地(4セット)・葉菜用培地(300個)・鉢カバー(2個)・栽培鉢(2個)・計量カップ・取扱説明書・栽培のしおりハイポニカ液体肥料(250ml)・培地(2個)・育苗プラグ(1個)・ペットボトルキャップ(1個)・エアポンプ(1個)
※ペットボトルは付属していません。
ハイポニカ液体肥料(500ml)・果菜鉢・鉢カバー・支柱枠・うき・仕切り板・果菜/葉菜プレート・給液カバー・液肥タンク・栽培槽・液肥槽・循環ポンプ・チューブ・水位調節管・空気混入器・果菜、葉菜用スポンジ果菜用マルチパネル、葉菜用マルチパネル、ハイポニカ液体肥料(1リットル)・果菜用培地(4セット)・葉菜用培地(120個)・栽培鉢(1個)・栽培鉢カバー・計量カップ・取扱説明書・栽培のしおりハイポニカ液体肥料(500ml)・果菜用培地(4セット)・栽培鉢(1個)・支柱支持枠(2個)・取扱説明書・栽培のしおり
屋内向き/屋外向き屋外向き屋外向き屋外向き屋外向き屋外向き

2021年5月時点の情報です。掲載情報から変更されている可能性もありますのであらかじめご了承ください。

上記は、果菜類の栽培に対応したホームハイポニカシリーズです。定植用のマルチパネル(果菜用マルチパネル)や栽培鉢も付属しているため、すぐに栽培を始めることができます。

ご家庭で手軽にたくさんの実を収穫したい場合は、「ホームハイポニカ606」がおすすめです。12Lという小容量でありながら、支柱立てがしやすくなっており、茎をうまく誘引していくとたくさんの実を付けることができるでしょう。

また、初心者の方にはミニトマトの種があらかじめ付属している「ホームハイポニカぷくぷく」がおすすめです。水耕栽培に必要なエアポンプ、液体肥料も付属しているので、届いたらすぐに栽培を始めることができます。プランターのように土も使わないので、清潔を保つことができます。

編集さん
編集さん

うまくできると、この動画のようにたくさんの果実を収穫することができますよ。

ハイポニカシリーズを販売している協和株式会社から、各商品の詳細な説明書も公開されています。これらも参考にしながら、装置の点検や栽培を始めると良いでしょう。

例:

ハイポニカについて、肥料などの記事もまとめています。培養液づくりの参考にしてください。

cocochi saien (ここちさいえん) 心知菜園(室内向け)

水耕栽培キットここちさいえんの写真です

cocochi saien(ここちさいえん)はコンパクトサイズの陶器製水耕栽培キットで、インテリアとしても取り入れやすいキューブ型のデザインです。5色のカラーバリエーションを取り揃え、それぞれに種が付属しています。ハーブやバジル等の葉もの野菜、葉菜類、またミニトマトのような果菜類の家庭園芸を手軽にお楽しみいただけます。

cocochi saien(ここちさいえん)のバリエーションの種類
  • レモンイエロー(ルッコラの種付き)
  • オリーブグリーン(バジルの種付き)
  • ピンクローズ(ミニトマトの種付き)
  • ティールブルー(オレガノの種付き)
  • スノーホワイト(ミニトマトの種付き)

ミニトマトの種が付いているcocochi saien は以下の2つです。cocochi saien は、重量1.6kgと軽量で、かつ14cmの立方体ととてもコンパクトに水耕栽培を行うことができます。室内の日当たりの良い窓際に置くことで、十分に生長させることができ、インテリアとしても活躍します。

品名cocchi saien ピンクローズcocchi saienスノーホワイト
商品
水耕栽培 キット おしゃれ 心知菜園 (ピンク:プチトマトの種付き)  種 液肥付き 栽培 セット 簡単 家庭菜園 室内用 ミニトマト ハーブ 野菜栽培キット 室内
TOKILABOトキラボ楽天市場店
6個 個人宅・北海道不可 水耕栽培キット cocochi 心知菜園 [スノーホワイト] 卓上菜園 野菜 ハーブ ホームハイポニカ ココチサイエン カ園 代引不可
農業用品販売のプラスワイズ
大きさ幅140mm×奥行140mm×高さ140mm幅140mm×奥行140mm×高さ140mm
重量1.6kg1.6kg
液肥容量2L2L
参考価格4,300円(税別)/個4,300円(税別)/個
付属品ハイポニカ液体肥料(30ml)・培地(9個)・ミニトマトの種・育て方の手引きハイポニカ液体肥料(30ml)・培地(9個)・ミニトマトの種・育て方の手引き
屋内向き/屋外向き屋内向き屋内向き
編集さん
編集さん

終売が近くなっているようです!お早めにご購入されることをおすすめします!(2021年8月時点)

ゼンポー 水畑

ゼンポー社から発売されている水耕栽培システム「水畑」もおすすめです。キットには、容器の他にエアーポンプや培地用のスポンジ、肥料、種、支柱などが含まれています。取扱説明書も付属しているので、安心して組み立て、栽培をすることができます。

水畑の栽培ケースは、高さはないように見えますが幅が大きいため、しっかりと根を張ることができるようになっています。ナスなどの果菜類も育てられるようですので、ミニトマトやトマトを栽培したあとに違う作物の栽培に挑戦してみても良いかもしれません。

水畑 つるまき支柱付き 水畑 水耕栽培 水栽培 野菜 家庭菜園 水耕栽培器 セット キット 容器
カー用品と雑貨のゼンポー

大玉、中玉トマトも水耕栽培可能!但し、栽培容器が大きいものを選ぶ!

もちろん、大玉、中玉トマトでも水耕栽培は可能です。

但し、トマトは、植物体が大きく、果実ができることの負担も大きいことから、水耕栽培ではある程度大きい容器で育てる必要があります。植物の地上部に見合うだけの根を張ってもらう必要があるからです。

トマトの水耕栽培については、下記の記事にまとめていますので、参考にしてください。

身近なもので作ることができる!自作のミニトマト水耕栽培システム

ミニトマトの水耕栽培は、実は身近なもので簡単に実践することができます。今回は、以前、水耕栽培に挑戦したときに作った自作の水耕栽培システムを紹介します。

編集さん
編集さん

かなり昔にトマトの水耕栽培システムに挑戦したもので写真がありません…今度時間をみつけて、また水耕栽培に挑戦してみたいと思います。

必要なもの

自作の水耕栽培システムに必要なものは以下のとおりです。

  1. 容器(衣装ケースなどのプラスチックの箱、発泡スチロールの箱など)
  2. アルミシート(栽培槽の水に光が当たらないようにします)
  3. 培地用のロックウールやハイドロボール、パーム用土、バーミキュライト
  4. 苗床用のロックウールやスポンジ(播種から育苗する場合)
  5. 水耕栽培用のポット
  6. 循環式ポンプ(水槽用のウォーターポンプでOK)
  7. ポンプ用のフィルター(あればでOK)
  8. エアポンプ(酸素供給や培養液循環用、循環式ポンプがある場合はそれに空気混入器を付ければ十分な酸素が入ります)
  9. 種、もしくは苗(市販で売られている苗も使えます)
  10. 水耕栽培用の液体肥料(ハイポニカ、ハイポネックス、OATハウス肥料など)
  11. あとはちょっとしたアイデアと工夫とやる気

自作水耕栽培システムの作り方(簡易版)

自作水耕栽培システムの作り方について、概要を簡単に解説します。正直、その場のアイデアと工夫、やる気のほうが大事です。DIYが得意な方は、挑戦してみると意外にあっさりできたりします。

全体像は下記の図のようになります。

自作の水耕栽培システムの設備の一例です。
自作水耕栽培システムの作り方(簡易手順)

ミニトマトの水耕栽培 栽培方法の基礎知識

まずは、トマトの植物としての特性や基本的な栽培知識をおさらいしましょう。下の記事にトマトと栽培方法の基礎知識(家庭菜園の土耕栽培をベースにしています)をまとめていますので、参考にしてください。

水耕栽培においても、摘葉(葉の摘み取り)、摘芯(摘心)、誘引、わき芽かき、人工受粉(人工授粉)作業、摘果(不要な果実の摘み取り)、病害虫管理なども同様の方法で問題ありません。

ミニトマトは、芯止まり系の品種・非芯止まり系の品種、単為結果性(授粉の必要がない)の品種などさまざまあり、それらの品種に合わせた管理作業が必要です。種を購入する際に、パンフレットをよく読んだり、販売店に問い合わせをしてみてください。

ミニトマトの水耕栽培によく使われる品種は、ネネやレジナです。

ネネは、単為結果性の品種で受粉作業が必要なく育てやすいため、家庭菜園の水耕栽培に向いています。

レジナは、草丈が大きくなりづらい芯止まり系の品種です。芯止まり系の品種は、へたにわき芽かきや整枝をすると生長点がなくなり節が増えず、花房がつかなくなりますのでご注意ください。

また、ベランダなど屋外での栽培においては、病害虫にも注意しましょう。特に、ワタアブラムシやなどのアブラムシ類、チャノホコリダニやハダニなどのハダニ類、アザミウマ類など、害虫には注意が必要です。

水耕栽培のときは基本的には種から育てる

ミニトマトの水耕栽培において、苗は購入するよりも種から育てることが多いです。理由は、以下3点です。

  1. 市販の苗の販売時期が限られている(冬場に栽培を始めようと思っても苗がない)
  2. 市販の苗は土植えが基本のため、水耕栽培システムに植え付けするときには土を落としたり、根を水に慣らしたりなど面倒なことが多い
  3. 最初から水耕栽培の育苗培地で育苗することで、培地を水耕栽培システムに埋め込むだけで植え付けが済む。

水耕栽培キットには、育苗用の培地があらかじめ含まれているものもあるので、それらを使用すると何も準備が必要ありませんので楽ができます。

市販の水耕栽培キットを使用しない場合は、育苗用の培地としてスポンジやロックウールを用意して、発芽、育苗しましょう。

水耕栽培に使うスポンジの材質は何でも良いの?

水耕栽培の培地に使うスポンジの材質は、ウレタンが最もポピュラーです。ウレタンは、台所用のスポンジなどにも使われている材質なので、台所スポンジで代用できたりもします(材質は確認してください)。また、「激落ちくん」などのスポンジに使われるメラミンは密度が高すぎるため、水耕栽培には向きません。

育苗には、育苗用の容器(小さめの水耕栽培容器)や発芽までの期間に光を当てないための黒フィルムなどが必要となります。面倒な方は、水耕栽培の育苗キットも販売されていますので検討してみてください。

種は、ホームセンターや種苗店で購入しましょう。今ではネット通販でも手軽に手に入るのでおすすめです。

水耕栽培におけるミニトマトの播種・育苗

植え付ける苗は、基本的には育苗用の培地(スポンジやロックウール)を使って発芽させ、育苗します。簡単に育苗の流れを記載しますので、参考にしてください。

水耕栽培 発芽・育苗方法の簡易手順
  • 手順1
    スポンジやロックウールを用意する

    育苗用の培地として、スポンジやロックウールを用意しましょう。スポンジであれば、2〜3cm程度の正方形に切り分けて、その中心部に十字の切込みを入れておきましょう。そうすることで、種がしっかりと固定され、発芽したあとも根が張りやすくなります。

    水耕栽培の育苗用培地としてスポンジを使用するときに必要な大きさを示す画像
    水耕栽培に使用するスポンジに十字の切込みを入れる位置を示した画像
  • 手順2
    スポンジやロックウールをしっかりと水に湿らせる

    育苗用の培地として使用するスポンジやロックウールを水に浸け、十分に湿らせましょう。

  • 手順3
    育苗トレイなど小さな容器にスポンジを入れて固定する

    育苗トレイなどの小さな容器に培地を入れて固定します。培地を容器に入れたあと、容器内にも水を満たします。スポンジの高さくらいまで水があれば問題ありません。また、このとき液肥は必要ありません。

    小さな容器は、食品用の保存容器(タッパー)などでも構いません。

  • 手順4
    播種をする(種まきをする)

    準備が整ったら、スポンジの上に種まきをしていきましょう。種は、1粒ずつでかまいませんが、その場合は複数の育苗培地に種をまくようにしてください。全く発芽しないというリスクを回避するためです。

  • 手順5
    発芽させる

    発芽には、3つの大事な要素があります。

    1. 水分(種の内部まで水が浸透することで発芽が促されます)
    2. 温度(発芽適温というものがあります)
    3. 酸素(ウレタン培地は酸素が取り込みやすくなっています)

    上記の3つを守っていくことが大事となります。トマト・ミニトマトの場合は、25℃〜28℃程度です。25℃前後あれば、問題なく発芽してくるでしょう。

    温度と水分を保持するために、栽培容器にラップをかけることもおすすめです。ラップはサランラップなど食品用のラップでかまいません。かけてあげたあと、爪楊枝で複数箇所、穴を開けてください。また、トマト・ミニトマトの種は嫌光性種子ですので、暗い場所で発芽します。黒いフィルムをかけてあげても良いでしょう。

  • 手順6
    発芽した後

    数日〜1週間程度で発芽してくると思います。発芽してきたら、すぐにフィルムをはがして光に当てるようにしてください。

  • 手順7
    育苗

    水耕栽培システムに植え付けするまで、育苗していきます。本葉が展開してきたら、薄く液体肥料を水に混ぜていくと良いでしょう。発芽後は、水(培養液)を定期的(1週間に1回程度)に交換してください。

    普通栽培での定植適期は、本葉が8枚程度になってからが定番ですが、水耕栽培では苗の状態を見ながら生長が安定してきたら移しても良いでしょう。

    育苗している間に、もとの培地では大きさがもたなくなってきた場合は、さらに大きな育苗培地を用意して苗をさらにくるんであげると良いでしょう。水耕栽培システムの定植パネルに植え付けるのであれば、その穴の大きさに合わせた培地を用意して苗をくるんでおくと、植え付けのときに楽です。

市販のトマトの苗も水耕栽培に使用可能

市販の苗(土植えの苗)で問題ありません。市販の苗を使用するときには、よく土を落とし、根元付近を培地用のスポンジでくるんであげます。

さらに苗を安定させるためには、水耕栽培用のポットを使います。水耕栽培のポットは普通の育苗ポットとは異なり、穴がたくさん空いています。そこにハイドロカルチャーで使うようなハイドロボールと苗を入れて安定させます。

苗の準備ができたら、いきなり栽培容器にセットはせず、バケツなどに水を入れてそこで一週間程度慣れさせます。植物に萎れや根腐れなどの症状が起きなければ、栽培容器に移しましょう。

ハイポニカのメーカーである協和株式会社が詳しい解説をしていますので、こちらも参考にしてください。

水耕栽培用の液体肥料(液肥)について

水耕栽培においては、土耕栽培(プランターや庭植えなど土を使った栽培)とは、肥料のやり方が異なります。土耕栽培では、栽培を始める前に元肥を施して土作りをし、栽培途中に肥切れが起こらないように適宜、追肥を施します。

しかし、水耕栽培では、土を扱いませんので、元肥という考え方はなく、植物がある程度育ったら、追肥にあたる培養液を常に供給する必要があります。土耕栽培では、土が養分を保持しているので、ある程度の期間、肥料をやらなくても大丈夫ですが、水耕栽培は土がありませんのでそういうわけにはいきません。土耕栽培の元肥・追肥による肥培管理以上に、しっかりと培養液を管理することが必要です。

培養液は、水耕栽培用の液体肥料を混ぜて使用しましょう。水耕栽培用の液体肥料には、ハイポニカやハイポネックス、OATハウス肥料が有名です。下記のページにて、水耕栽培用の肥料をまとめていますので参考にしてください。

生長が悪いからといって、培養液濃度を上げることは望ましくありません。生長の阻害は、環境(温度、湿度、日射量など)や管理作業、水温などさまざまな要因が重なっておきます。まずは、培養液をしっかりと一定濃度で与え続けることから始めてください。

ハイポニカ液体肥料であれば、標準を500倍希釈として培養液を作るようにしてください。植物の生長ステージに合わせて、1000倍〜500倍の範囲で調整してみると良いでしょう。

培養液の濃度の別の目安として、EC(Electrical Conductivity/電気伝導率)値があります。プロ農家の場合、養液栽培を実践するときには必ずと言っていいほど、培養液の給液EC、排液ECを測定しています。

家庭用の水耕栽培キットで実践するのであれば、栽培槽の培養液にEC計を設置して測定してみるのが良いかと思います。ミニトマト・トマトは、塩濃度がある程度高くても根が持ちますので、1.0mS/cmから始めて、果実が肥大するころに2.5mS/cm 程度になるように徐々に上げていきましょう(あくまで一例です)。もちろん、高すぎると肥料やけを起こし、生長が悪くなりますので注意してください。基本は、薄めで管理することを心がけましょう。

参考情報:農林水産省 養液栽培の培養液管理(PDF)

EC値は、EC計で計測できるのでハンディタイプのものを一台持っておくと便利です(少し高いですが…私はこれを使っています)。

ポケットタイプ防水型EC計 ECテスター11 竹村電機
はかりの三和屋 楽天市場店

培養液の濃度は、培養液の量によっても変えましょう。栽培する株に対して、培養液の量が多い場合は薄め、逆に培養液の量が少ない場合は濃くするなど栽培環境による微調整が必要です。また、夏場は蒸散が活発となり、頻繁に給液が必要となりますが、このときの培養液濃度は薄めにしてあげましょう。

液体肥料や葉面散布時の希釈の考え方

希釈倍率500倍で30Lの希釈液を作りたいときには、60ml(g)の原液(原料)が必要ということになります。原液の量や水量を簡単に計算できるサイトもあります。

ミニトマトの水耕栽培におけるポイント・注意点

ミニトマトの基本的な栽培ポイントに追加して、水耕栽培におけるポイントと注意点を下記にまとめましたので意識してみてください。

  • ミニトマトは、植物体が大きくなるにつれて根をたくさん張り出します。栽培容器を少し大きめに余裕を持っておくと、のびのびと生長します。
  • 水耕栽培は、水が命です。水を切らしたり、水質が悪くならないように定期的に培養液のチェックをしてください。
  • ミニトマトは、日当たりの良い場所を好みます。屋外、屋内に関わらず日中帯は日当たりの良い場所に置くようにしましょう。

プロ農家向け!ミニトマトの植物工場、水耕栽培システムについて

今までご紹介してきた栽培システム、栽培方法はあくまで家庭菜園など趣味向けのものです。プロ農家向けには、最適化された水耕栽培システムが他にもあります。また、最近では養液栽培の一つであるロックウール耕も盛んに行われています。プロ農家向けには、別途記事を執筆しておりますので、参考にしてください。

(準備中)

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家庭でのトマトの栽培方法として、プランターや鉢植えによる土耕栽培が主流かと思います。しかし、今回は土を使わずに栽培ができるトマトの水耕栽培について、水耕栽培の基礎からトマトの水耕栽培における注意点まで幅広く解説します。
これでわかる!トマト栽培の肥料の基本とやり方
トマト栽培において、わき芽かきや摘芯、摘果などとともに重要となってくるのは施肥(元肥・追肥)です。この記事では、トマト栽培に向いている肥料の種類や肥料のやり方、品種別、栽培方法別の肥料の違いなどをわかりやすく説明します。
これでわかる!トマトの植え付け(定植)の方法
トマトの植え付け(定植)の方法を詳しく説明します。トマトの植え付けはポイントを抑えておけば何も怖くありません。時期と準備、方法をしっかりと理解して苗を植え付けましょう。やってはいけない注意点も記載しています。
これでわかる!トマト栽培のための土作り、畝立て、マルチ張り、支柱立て
トマトなど果菜類の栽培で重要になってくるのは畑の土作りです。トマトを丈夫に育て、たくさんの果実を収穫できるようにしっかりと土作りをしましょう。この記事では、トマト栽培における土作りからマルチ張り、畝立て、支柱立てまでの流れを紹介します。
トマト栽培・ミニトマト栽培で気をつけるべき病気は?主な病気をご紹介
トマト・ミニトマトは長期で栽培することから、病気や害虫の予防、対処が重要となってきます。これは家庭菜園であろうが、プロ農家の施設栽培であろうが同様です。本記事では、トマト・ミニトマトの基礎知識とともに、トマト・ミニトマトの主な病気、害虫についてご紹介します。
トマト栽培をハウスで!トマトの施設栽培について
近年では、ハウスを用いた施設栽培が主流です。そこで本記事では、ハウスを用いたトマトの施設栽培について、栽培方法の種類や施設栽培する上で必要となる栽培システム、トマトハウス栽培における栽培上のポイントについて、幅広く網羅的に紹介します。
袋で始めてみよう!手軽にできるトマト・ミニトマトの袋栽培・バッグ栽培の方法
トマト・ミニトマトは、3月から10月頃まで栽培することができ、うまく栽培できると多くの果実を収穫することができます。また、袋栽培(バッグ栽培)でも育てることができる人気の作物です。この記事では、トマト・ミニトマトの基礎知識や袋栽培・バッグ栽培の方法、ポイントなどについて解説します。
これでわかる!ミニトマト栽培の肥料の基本とやり方
ミニトマト栽培において、わき芽かきや摘芯、摘果などとともに重要となってくるのは施肥(元肥・追肥)です。この記事では、ミニトマト栽培に向いている肥料の種類や肥料のやり方、品種別、栽培方法別の肥料の違いなどをわかりやすく説明します。
これでわかる!ミニトマト栽培のための土作り、畝立て、マルチ張り、支柱立て
ミニトマトなど果菜類の栽培で重要になってくるのは畑の土作りです。ミニトマトを丈夫に育て、たくさんの果実を収穫できるようにしっかりと土作りをしましょう。この記事では、ミニトマト栽培における土作りからマルチ張り、畝立て、支柱立てまでの流れを紹介します。
支柱・仕立てが不要の品種も!ミニトマト栽培の簡単、丈夫な支柱の立て方
トマトなど果菜類の栽培で重要になってくる要素として、「丈夫な支柱をしっかり立てられるか」があります。ミニトマトは、たくさんの実を付けるため、基本的には支柱で支えてあげる必要がありますが、支柱での誘引が不要な品種もあります。この記事では、簡単で丈夫な支柱の立て方と支柱が不要な品種について解説します。
ミニトマトの栽培時期は夏だけ?栽培時期と作型について
ミニトマト栽培は、プロ農家の営農のための作物だけではなく、家庭菜園での栽培も人気の作物です。夏野菜と言われる、ミニトマトの栽培時期は夏だけなのでしょうか?この記事では、家庭菜園に多い露地栽培、雨よけ栽培の栽培時期とプロ農家が使用する栽培モデルである作型について、詳しく解説します。
手軽に栽培体験ができる!ミニトマトの栽培キットをご紹介!
ミニトマトは、家庭菜園においてもプランターや鉢植えなどでも育てることができ、比較的手軽に栽培できる作物です。しかし、栽培に必要なものの準備や苗の購入など面倒なことが多いのも事実です。本記事では、そのような面倒事を一気に解決する栽培キットのおすすめ商品、栽培方法のポイントを紹介します。
家庭でできるミニトマトの水耕栽培・水耕栽培キットをご紹介!
家庭でのミニトマトの栽培方法として、プランターや鉢植えによる土耕栽培が主流かと思います。しかし、今回は土を使わずに栽培ができるミニトマトの水耕栽培について、水耕栽培の基礎からトマトの水耕栽培における注意点まで幅広く解説します。
ペットボトルで植物栽培!?ミニトマトのペットボトル栽培のすべて
ミニトマトは家庭菜園でも人気の作物です。実はペットボトルで手軽に水耕栽培をすることもできます。この記事では、ミニトマトの基礎知識やペットボトル栽培の方法、ペットボトル栽培キットの商品について解説します。
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