エゴマの葉は、韓国料理でおなじみで焼肉を包んでたべたり、しょうゆ漬けにされたりします。家庭菜園初心者でも簡単に栽培でき、水耕栽培なら、必要な分だけ収穫しながら育てることができます。
ここでは、エゴマの水耕栽培について、タネまき、苗から始める手順や葉や実の収穫までの育て方について、わかりやすく説明します。
エゴマの水耕栽培について
エゴマの基礎知識
エゴマは、シソ科の一年草で日本でも古くから油をとるために栽培されてきました。ナタネ油やゴマ油の普及により栽培が減ってきましたが、近年、実からとれるエゴマ油に必須アミノ酸のα‐リノレン酸が多く含まれていることがわかり、注目されている健康食材です。
エゴマの葉は、シソの葉より大きく、繊維が固くにおいが強め。韓国料理のサムギョプサルや焼肉な、しょうゆ漬け、キムチなどの幅広い料理に使われます。
栽培はシソと同様に簡単で、苗から始めるのが簡単ですが、あまり流通していないのでタネまきから始めるのが一般的です。春に種子をまいて収穫しながら育てるので、夏の間収穫が楽しめます。丈夫で半日陰でも育つので水耕栽培でも作りやすい植物です。
作物名 | エゴマ(荏胡麻) |
---|---|
科目 | シソ科シソ属 |
原産地 | 東南アジア |
発芽適温(地温) | 15℃~25℃ |
生育適温 | 20℃~25℃ |
育てやすさ | 簡単、初心者でもOK |
栽培時期
水耕栽培では室内で栽培することが多いので、温度管理がしやすく生育温度を保てれば栽培は可能ですが、育てる植物の生育時期に合わせて育てると栽培が容易です。できるだけ土耕栽培と同じ時期に育てるとよいでしょう。
エゴマの栽培期間は、春に種まき、苗の植えつけをします。エゴマには中性種、晩生種があるので収穫は品種によって違いますが、葉は夏から秋にかけて収穫します。タネは秋に収穫します。
種まきからエゴマの葉の収穫までは約2か月ほどかかります。寒さに弱いので、春十分に暖かくなってきてから種をまきましょう。下記は露地栽培での栽培時期の目安です。
地域 | 播種(タネまき)時期 | 植え付け時期 | 収穫時期 |
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寒冷地 | 5月~6月中旬 | 5月中旬~7月上旬 | 6月下旬~10月 |
中間地 | 4月中旬~6月中旬 | 5月~7月中旬 | 6月中旬~10月 |
暖地 | 4月~6月 | 4月下旬~7月 | 6月中旬~10月 |
エゴマの種類(品種)
エゴマにはタネの色により白種(白エゴマ)、黒種(黒エゴマ)が一般的で、ピンク色のものもあります。黒種より白種のほうが搾油量が少ないといわれますが家庭菜園では、油は採取しないのでどちらでもよいでしょう。
また収穫した種は食べることもできます。そのままでも食べることができますが、ゴマのように煎ると香ばしさがまします。白種のほうが粒がおおきく、さっぱりしていて、黒種のほうが油分が多いのでつぶすと少しねっとりします。エゴマの葉を食べるのであれば、韓国種が、葉を食べるのに特化した品種がおおいようです。いろいろ育ててみるのがおすすめですが、エゴマはシソ科の植物と交雑しやすいので、近くには植えないようにしましょう。
エゴマの水耕栽培のポイント
水耕栽培は、土を使わず「水で栽培をする方法」の一つです。水耕、水栽培などとも呼ばれます。水耕栽培は、野菜だけでなく、観葉植物や果物などのさまざまな植物を衛生的に育てることができます。
水耕栽培ではさまざまな野菜や植物を育てることができますが、サニーレタスなどの葉物野菜や大葉やバジルなどのハーブは特に栽培が簡単で、エゴマも特別な設備がなくともペットボトルやスポンジなどをつかって、簡単に栽培することができます。
エゴマの水耕栽培は、播種(タネまき)、挿し木、苗から始められます。ホームセンターなどで販売されているポットの苗から始めるのが一番簡単です。種からでも栽培は簡単で、ダイソーなどの100均などでも手軽に買えるのでたくさん作りたい人には種がおすすめです。
タネまきから始める水耕栽培
準備するもの
- エゴマの種
- スポンジ(キッチン用のスポンジでOK 。メラニンスポンジは不可。やわらかめがおすすめ)
- 水
- ラップ
- 竹串(爪楊枝でも可)
- 500ml以上のペットボトル
- 水耕栽培用の肥料
- カッターもしくはハサミ
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは、外しておきます。
- 手順2スポンジの準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
- 手順3種まき
飲み口を逆さにしたペットボトルに、スポンジをセットします
スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を2~3粒差し込みます。あまり深く押し込まないようにします。
- 手順4ペットボトルにセットして発芽を待つ
切り取ったペットボトルの下部に水をいれ、手順3でスポンジをセットしたペットボトルをセットします。上からラップをして、竹串などで数か所穴を空けます。
直射日光のあたらない、暖かい場所で管理します。スポンジが乾かないように、水を足して発芽を待ちましょう。7日~15日程度で発芽します。
- 手順5育苗
発芽したら、すぐに明るい日の当たる窓際などへ場所へ移しましょう。根が伸びてきたら、ペットボトルの水の量を減らし、根の半分程度が水に浸るようにします。水は毎日取り換えます。
1つのスポンジから複数の芽が出て場合は、一番大きな苗を残して間引きしましょう。もったいなからといって残しておくと大きく生長しません。
- 手順6肥料を与える
ペットボトルの飲み口の部分から根がでるぐらいに成長したら、肥料を与えて育てます。濃度は、使用する肥料によって異なりますので、肥料のラベルをよく読んで適合する濃度に薄めると良いでしょう。まだ、苗が小さいときにはそのさらに半分程度の濃度で栽培すると安心です。
培養液(肥料をいれた水)が切れないように継ぎ足して育てます。1週間に1度は、すべての水を交換します。汚れた容器も洗いましょう。
編集さん光があたるとペットボトルには、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどでカバーしましょう。根が伸びやすくなる効果もあります。
- 手順7収穫する
葉の大きさは10cm~15cmほどになったら収穫のタイミングです。使う分だけ切り取って収穫すると長く収穫が楽しめます。
苗から始める水耕栽培
土で育たったポット苗から水耕栽培を始めるのは簡単です。早く収穫したい人や水耕栽培を早く始めたい人におすすめです。
時期
エゴマの苗は、園芸店やホームセンターなどで4月頃から出回ります。苗を買ったらすぐ水耕栽培が始められます。寒いと生育がよくないので5月以降に購入したほうが、栽培が簡単です。
準備するもの
- エゴマの苗
- スポンジ
- ペットボトル (苗の大きさに合わせたもの)
- 水耕栽培用肥料
- 水
手順
- 手順1根を洗う
ポットから苗を取り出し、土をほぐして落とします。その後、水でよく洗い流します。シャワータイプやキリなどを使って、根をほぐしながら土をよく落としましょう。
- 手順2ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは不要です。ペットボトルの下部に水をいれておきます。
- 手順3ペットボトルにセットする
3cm角に切ったスポンジは、中央に切れ目を入れます。洗った苗の根元にスポンジを挟み、切り取ったペットボトルの上部を飲み口を下にして、飲み口から根がでるように苗をセットします。
苗が大きく根が全部出ない場合は、飲み口の部分をカットして、根が傷つかないようにして下にだします。その場合は苗が下に落ちないように、スポンジの大きさを調整しましょう。
- 手順4肥料を与えて育てる
水耕栽培用の肥料を水にいれて、育てます。明るい窓辺などでに日当てて育てます。日光に当たると藻が発生するのでアルミホイルなどで、ペットボトルをカバーをします。
培養液(肥料を入れた水)は、継ぎ足しながら育て、1週間に1度はすべて入れ替えましょうこの時、ペットボトルが汚れていたら洗い流します。
- 手順5収穫
葉の大きさは10cm~15cmほどになったら収穫のタイミングです。使う分だけ切り取って収穫すると長く収穫が楽しめます。
エゴマの水耕栽培の育て方
容器・用土
エゴマは、特別な設備がなくとも十分収穫が楽しめます。ペットボトルを加工した栽培キットは、さまざまな野菜や観葉植物の挿し木などにも使えます。ペットボトルの容量は500ml~1ℓ程度のものを使うとよいでしょう。容器が大きいほど苗は大きくなります。
複数株作りたいのであれば、少し大きめのタッパーや発砲スチロールなどもよくつかわれます。その場合は株間は10cmほどあけるとよいでしょう。
透明な容器は、光にあたることでアオコ(藻)が発生します。根に藻がつくと根から酸素を呼吸できなくなり、生育に影響を及ぼします。容器は必ず遮光して育てましょう。アルミホイルなどで容器を包むほか、見た目が気になるならペットボトルカバーや、好きな柄の布やバンダナなどを巻いても。
栽培環境
エゴマは日当たりの良い場所を好みますが、日に当たると葉が固くなったり、夏に直射日光にあたると葉焼けしたり、容器の水の温度が上がりすぎる可能性もあります。しかし長期間日陰に置くと、株が軟弱になったり、ヒョロヒョロと徒長することもあります。できれば明るい日陰で管理しましょう。葉が大きくやわらかくなります。
水位・水やり
植物は葉や茎そして根からも酸素を吸収しています。水栽培で育てている場合は土やハイドロカルチャーに比べて、酸素が吸収しにくくなります。水の温度が上がると酸素の溶け込む量がすくなくなるため、弱って枯れてしまう可能性もあります。特に夏場は注意が必要です。
育苗をする場合の、理想的な水栽培の水位は、根の半分から3分の2が浸かる程度。少なくとも根元3㎝は空気に触れるようにします。週に1回程度は交換しましょう。成長してきたら、培養液がきれないように継ぎ足しして育てましょう。
ただし気温が高くなると水が濁るので、濁ったら水を交換します。容器に苔がつくことがあります。根に藻がつくと成長を阻害するので、できるだけ根の部分は遮光し、水替えの時に容器も洗ってあげましょう。
肥料
収穫を楽しむエゴマ栽培は、土から栄養がとれないため水耕栽培専用の肥料を使って育てます。水の交換や継ぎ足しのときに、水に溶かして使います。苗が小さいうちは、規定量より薄めて使いましょう。
肥料は、かならず水耕栽培用の肥料を使いましょう。水栽培やハイドロカルチャーに使える肥料は、ハイポネックス微粉やハイポニカ液体肥料などがあります。
摘心・花芽つみ
草丈が30cmほどになったら、葉の収穫をかねて摘芯をおこないましょう。主茎の先端を摘みとると、わき芽がでて側枝になり、枝葉が増えて収穫量が増えます。
エゴマは花が咲くと葉が固くなります。葉の収穫が目的であれば、こまめに花芽を摘み取りましょう。花穂も穂ジソと同様にして食べることもできます。
収穫
草丈が30~50cm、葉が10枚ほどになれば、エゴマの葉を収穫できます。大きくなった葉から順次収穫をしましょう。収穫に適している葉の大きさは10cm~15cmほどのものです。それより大きくなってしまったら光合成のためにとっておくとよいでしょう。
エゴマは背丈が高くなりすぎると、管理が大変なので摘心しながら収穫し大きくなりすぎないようにしましょう。また株が混みあうと病気にかかりやすいため、株が混みあってきたら枝からカットして風通しをよくします。
実の収穫は、9月に開花した花が落ちて、莢(さや)が茶色く変色しはじめたら。株ごと切り取って、1週間ほど風通しの良い場所で乾燥させてから、枝を叩いて取り出します。目の細かいふるいなどで、ごみや殻を取りのぞきましょう。
挿し木
エゴマは種から増やすのが一般的ですが、剪定した茎葉からもも増やすことができます。スーパーなどで売られている茎が少ししかないエゴマの葉は使えません。成長点がないので、それ以上大きくはなりませんのでエゴマを育てている知り合いから譲っていただくか、自分で育てたエゴマを使って挿し木を準備しましょう
- エゴマの先端から10㎝から15㎝の部分をカットします。一番上の葉だけ残して、あとはカットします。上の葉が大きいときは、蒸発を防ぐため、半分にカットします。一番下の切り口は斜めにスパッとかっとします。断面を広げることで、水を吸い上げやすくします。
- コップなどの透明な容器に、水をいれ1で準備したエゴマの茎葉を入れます
- 発芽するまで2~3日に1回に水は変えましょう。
- 1週間程度は明るい日陰で室内で管理しましょう。7日~10日程度で新しい根が生えてきます。
- 新しい根が生えてきたら、ペットボトルの水耕栽培用の容器に移し替えて肥料を与えながら育てます。
病害虫
エゴマは、アブラムシやハダニ、ヨトウムシ、ベニフキノメイガなどの害虫が付きやすいので注意が必要です。これらの虫が発生した時は、水を勢いよくかけて弾き飛ばす、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、葉っぱを観察して発見した時はすぐに捕殺するようにしましょう。
またエゴマの実は、小鳥の大好物なのでネットなどを被せて鳥害を防ぎましょう
病気は、さび病や斑点病にかかることがあります。病気をみつけたら早めに除去しましょう。斑点病は高温・多湿で起こりやすいため、梅雨時などは軒下などにいれ雨にあたらないようにし風通しの良い場所で管理するようにしましょう。混みあった株も原因になります。剪定して風通しをよくしましょう。
ベニカマイルドスプレーは、食品成分を使用した殺菌殺虫剤で様々な野菜やハーブ、果樹などで使えます。
まとめ
エゴマの葉は、抗酸化作用を持つβ-カロテンやビタミンCなどを含む栄養価の高い野菜です。「食べると十年長生きできる」ともいわれ地方では「じゅうねん」という名でも呼ばれています。最近ではスーパーなどでも見かけるようになりましたが、大葉と比べると手に入れにくいので、肥料もあまりいらず栽培も簡単なので、ぜひ水耕栽培で育ててみてください。
『農家web』にはこのほかにも、水耕栽培のコンテンツが豊富です。野菜だけでなくハーブや、観葉植物、多肉植物、花を楽しむ球根なども水耕栽培で育てることができます。
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