サボテンはサボテン科に属する原産地が南米・メキシコの多肉植物で別名仙人掌とも呼ばれます。また多くの交配種があり2000種以上が知られている多肉植物の代表格です。
100円ショップや、インテリアショップでも見かけることの多いサボテンの苗ですが、インテリアに合わせた鉢に移し替えたい、大きくなって鉢が根が出てきたときなど、どうしていいのわからないことが多いのではないでしょうか。
サボテンは少なくとも2年に1度、生長に合わせて植え替えが必要です。この記事ではサボテンの植え替えについて初心者の方でもわかりやすく説明します。
サボテン植え替えの時期と方法
サボテンは、小さな株なら1年に一度、大きな株なら2年から3年に一度植え替えるのがおすすめです。
植え替えをしないと、土に栄養分がなくなって鉢いっぱいに根が広がってしまうので、生長できず根詰まりや根腐れを起こして枯らしてしまう可能性もあります。
ではサボテンの植え替えは、いつどのように行えばよいのでしょうか。ここではサボテンの植え替えのやり方と時期について、基本的な考え方を説明します。
植え替え時期
多肉植物は春秋型、夏型、冬型の3タイプに別れ、それぞれ生育期と休眠期が異なります。サボテンは、ほとんどが「夏型」に 該当します。夏型は夏に盛んに生育し、春と秋はゆっくり生育し、冬は休眠します。
サボテンの植え替えは、生育期の直前3月から4月が適期です。植え替えるときには、時期だけでなく天気や時間帯にも気をつけましょう。サボテンは多湿が苦手なため、天気の良い午前中に植え替えるとよいでしょう。午後雨が降るときにはさけたほうがよいでしょう。
春以外で植え替えが必要な場合などは、植え替えの時期についての記事がありますので、興味のある方は読んでみてください。
植え替え準備
準備するもの
・鉢 今までつかってたものより一回り大きいものを用意します。鉢底に穴のない植物用の器でなくとも、水やりを調整すれば鉢として使用できます。植木鉢はプラスチック製のものより素焼きの鉢が通気性がよくおすすめです。
・用土 今までつかっていた土は使わず、必ず新しいものを用意します。古い用土は栄養がなくなり害虫などが沸いている可能性もあります。大きな鉢を使う時は床土に大粒の赤玉土などのごろ土や軽石を使うと水はけがよくなります。
・消毒済みのハサミ 植物を剪定したハサミには病気などが付着している恐れもあるので、使った後は次亜塩素酸ナトリウムやアルコールなどを使って消毒しておいたものを使いましょう。
このほか軍手や土入れ、ピンセット(割り箸)などももあると便利です。
植え替え用の土について
植え替え時には、新しい用土を用意と、植え替え準備のところで記載しましたが植え替えの土はどのようなものがよいのでしょうか。
多肉植物は休眠を伴うものが多く、休眠中の多肉植物は、根もほとんど給水しないので、根腐れを防ぐために鉢土を完全に乾燥させる必要があります。このため、一般の観葉植物と異なり、赤玉6・腐葉土2・川砂2の割合で混ぜた土がおすすめです。パーラライトや砂土・軽石などもブレンドしても排水性のよい、水はけのよい土ができます。市販のサボテンや多肉用の培養土も便利です。
配合土については、どれが正解というものもなく、市販のサボテンの培養土も各社配合は異なります。植え替え用の土については、詳しい記事がありますので興味のある方は読んでみてください。
またサボテンは水栽培(水耕栽培)や、土を用いず、ハイドロコーン・ハイドロボールやゼオライトなどの保水性、吸水性のある用土(倍土)使ったハイドロカルチャーでも育てることができます。ハイドロカルチャーで育てる場合は、土からの植え替えとは多少異なり、水栽培と同様に土の根を終わらせて水で育てる根を発根してから植え替える必要があります。
水栽培やハイドロカルチャーに興味のあるかたは、サボテンの水耕栽培の記事をお読みください。
植え替えの方法
- 植え替えるサボテンは1週間ほど水を上げずに乾燥させてから、鉢から外します。
- 根っこをほぐすように土を落とします。
- 根が細いサボテンは、伸びた根を半分から3分の2ほど切ります。腐った根は根元から切ります。
- 日陰で、4~5日乾かします。湿ったままだと病原菌が発生するためです。
- 新しい鉢に植え付けします。鉢の底に大粒の赤土土か軽石を入れ、その上に緩効性粒上肥料を加えます。苗を押さえながら培養土いれて植え込みます。最後にピンセットや割り箸などで土をならします。
- 水やりは植え付け後、4日から5日後に行います。その間は半日陰に置くか、ティッシュなどをかけておきましょう。
肥料
砂漠などの栄養の少ない土でも育つサボテンですが、肥料をあげることで元気にすくすくと育ちます。
サボテンや多肉植物の培養土には、すでに緩効性肥料が混合されているものあるので、その場合は特に必要ありません。自分で配合する場合や、培養土に肥料が混ぜれていない場合は、元肥としてハイポネックスなどの緩効性肥料を他の観葉植物の2/3程度の量を目安に与えるようにします。
元肥をしっかり施しておけば、しばらくは追肥はいらないかもしれません。肥料の容器もしくは袋に記載されている、通常の草花の使用目安量の1/2~2/3程度を施しましょう。肥料を与える時期は、3月~9月です。休眠期に肥料を与えると肥料やけを起こして枯れる原因ともなりますので注意しましょう。
その他 サボテンの栽培で気をつけたいポイント
栽培環境・水やり
生育期の春から梅雨までは日当たりのよい、風通しのよい屋外で管理します。梅雨明けからは直射日光のあたらない半日陰で管理しましょう。場所を移せない場合などには寒冷紗などで遮光します。真夏の直射日光は葉焼けの原因にもなるので気をつけましょう。
日が当たらないと、サボテンはヒョロヒョロと弱って徒長して枯れてしまうこともあります。屋内で育てる場合もできるだけ、日当たりには十分注意し、できるだけ庭やベランダにだして、日に当ててあげましょう。 寒さは苦手ですので、霜の降りる前には室内で管理しましょう。
サボテンの水やりのポイントは、生育期と休眠期で水やりの方法を変えることです。サボテンは多肉植物の夏型なので、基本的には生育期の3月〜9月は、土が乾いたら水をやり、休眠期にはいる10月〜2月は水は徐々に水を減らし、冬は断水気味にします。
サボテンの水のやり方についての記事もありますので、水やりに興味のある方は読んでみてください。
剪定(胴切り)
病気や伸びすぎたサボテンは、「胴切り」とよばれる、サボテンを大きくカットする剪定を行います。
時期は植え替え時と同じ3月から4月に行いましょう。できれば午前中の晴れた日がおすすめです。切り方は、よく切れる刃物で傷んだ部分や、カットしたい部分を水平になるようにカットするだけです。
胴切りした後の断面は、風とおしのよい涼しい場所に置いて乾燥させます。
健康な胴切りした上部で、増やすこともできます。
ふやし方
サボテンは、種まきや、胴切りと、親株から子株を株分けして挿し木や葉挿しで増やすことができます。成長を早く進めて大きく育たてたいときなどには、健康なサボテンを台木にして接ぎ木で増やすこともできます。
株分けは、親株から子吹きをして芽がでた子株を切り取り挿し木にします。胴切りの場合は、切り落とした上部を挿し木にして使用します。挿し木は、切り落とした後風通しの良い場所で切り口を2週間程度乾燥させてから、用土に植え付けします。水はすぐにやらずに、1~2週間後に与えてください。
種まき(実生)で増やす場合は、底の浅い平鉢に小豆台の小石と川砂をいれて、等間隔になるように種をまきます。まき土はせず、水やりは、鉢ごと水につけて鉢底から十分吸わせます。その後皿の水は少なめにしておきます。ガラスやビニール袋などで鉢を覆い、保湿しましょう。10~15日位で発芽します。10~15日位で発芽します。発芽後は少しずつ通常の環境にならして大きく育ててから植え替えます。
種まきも挿し木で増やす場合も時期は春に行いましょう。種まきは温度が20℃以上にならないとないと発芽しにくいです。
病害虫
カイガラムシ・コナカイガラムシ・ハダニ・アブラムシ、ネジラミ、ワタムシ、ヨトウムシなどの害虫が発生する恐れがあります。梅雨にはナメクジが発生する恐れもあります。それぞれの害虫や、幼虫・成虫よっても対応は異なりますが、見つけたら早めに取り除いてあげましょう。殺虫剤なども有効です。
サボテンは、湿気の多い場所に置いておくと菌に感染して、根腐れ病・黒斑病・すす病・茎枯れ病・茎腐れ病などを発症します。
予防には、湿気の少ない風とおしの良い場所に置いてあげましょう。もし病気にかかったら、変色した部分を切り取る胴切りをしましょう。
病害虫については下記に非常に詳しく対策を説明しているので、実際に発生してしまって困っている時など、参考にしてみてください。
サボテンの種類別植え替え方法
柱サボテンの植え替え
ウチワサボテンの植え替え
カニサボテンの植え替え
ミニサボテンの植え替え
まとめ
サボテンには花を咲かせるシャコバサボテンや月下美人、ウチワサボテン等様々な種類があり、一般の観葉植物と比べて毎日手をかけなくても育つので、観賞用としても非常に人気のある植物です。
サイズも100均で買える小さなものから、部屋のインテリアとなる大きなものまで多種多彩です。サボテンやほかの多肉植物を寄せ植えも人気があります。水やりの手間も少なく丈夫な観葉植物なので、初めての人でも挑戦しやすく、奥深い魅力があります。
また花言葉は、枯れにくいところから「枯れない愛」や「燃える心」などがあります。プレゼントとしても素敵ですね。ぜひ、お気に入りのサボテン品種を見つけて、自分だけのサボテンを育ててみてはいかがでしょうか。