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ウチワサボテン

ウチワサボテンのふやし方!失敗しない挿し木や胴切りの方法。

ウチワサボテン

サボテンサボテン科に属する原産地が南米・メキシコの多肉植物で別名仙人掌とも呼ばれます。200以上の属があり属に含まれる種類は2000種以上あるといわれています。しかしその形からサボテンは大きく「木の葉サボテン」「柱サボテン」「ウチワサボテン」「球サボテン」の4つに分かれることができます。

「ウチワサボテン」は、茎が平らなうちわ型に上に伸びるのが特徴です。ほかのサボテン亜科ことなり棘の表面に細かな返しがついています

100円ショップや、インテリアショップでも見かけることの多いウチワサボテンの苗ですが、実は以外と簡単に増やすことができるのも魅力の一つです。

この記事ではウチワサボテンの増やし方について、初心者の方でもわかりやすく説明します。

ウチワサボテンふやし方の時期と方法

多肉植物は、種まきから増やす実生、葉挿し、挿し木、株分けで増やすことができます。多肉植物の1種であるサボテンは、「挿し木」と「実生」で増やします。

初心者でも簡単に増やせる挿し木ですが、いつどのように行えば失敗なくふやせるのでしょうか。ここではウチワサボテンの挿し木と実生のやり方と時期について、基本的な考え方を説明します。

挿し木の種類と時期

多肉植物は春秋型、夏型、冬型の3タイプに別れ、それぞれ生育期と休眠期が異なります。サボテンは、ほとんどが「夏型」に 該当します。夏型は夏に盛んに生育し、春と秋はゆっくり生育し、冬は休眠します。

ウチワサボテンの挿し木の時期は、生育が盛んな3月から4月もしくは、9月~10月が適期です。できれば晴れた午前中に行いましょう。サボテンは多湿が苦手なため、湿度の高い梅雨時や雨の多い時、また真夏は避けた方がよいでしょう。

ウチワサボテンは、生長が早く繁殖力も高い品種が多いので茎からどんどん新芽が出てきて子株ができます。その子株を挿し木にして増やすのが、一番手軽に行えます。また胴切りは柱サボテンのように胴切りしたサボテンを土に埋め込む方法と、切った一片を横たえて増やす方法もあります。

挿し木 子株

準備するもの 鉢・用土・ピンセット・カッター

  1. 親株から、子吹きした小さな茎の節近くをピンセットで挟み、前後にゆっくり茎を倒して、節をはずします。ピンセットで簡単に外せない茎は、カッターで子株を切り離します。
  2. 切り離した子株は、半日陰において2~3日切り口を乾かします。切り口が大きいときはさらに2~3日乾かしましょう。
  3. 鉢に、新しい用土を入れ乾いた子株を植えつけます。
  4. 水やりは植え付け後、1週間から2週間後に行います。その間は半日陰に置いて根が出るのをまってから、新しい環境にならしていきます。

挿し木 胴切り①

準備するもの 鉢・用土・ピンセット・カッター

  1. 元気な株を選んで、下から半分より上の先端をカッターで横方向に切り取ります。カッターはライターなどで火であぶって消毒したものを使います。
  2. 切った先端は、1週間から2週間ほどしっかり乾燥させます。
  3. 切った先端の断面から芽が生えるので、切断面を下にして鉢に、新しい用土をいれて植えつけます。
  4. 水やりは植え付け後、1週間から2週間後に行います。その間は半日陰に置いて根が出るのをまってから、新しい環境にならしていきます。

挿し木 胴切り②

準備するもの 鉢・用土・ピンセット・カッター

ウチワサボテンは、オプンティア属などの扁平ウチワサボテンは、その扁平さを生かして切り分けて増やすことができます。

  1. 扁平したウチワ型の茎を大きくカッターで切り取ります。傷んだ部分は除き切り分けます。切る一片の大きさは、表にも裏にも刺があるようにすることが重要です。
  2. 新しい鉢に、新しい用土をいれ、そのまま一片を横たえておきます。鉢が大きければ離していくつか横たえます。 土は被せません。
  3. トゲのある場所から芽と根が生えてきます。半日陰に置いて根が出るのを待ちましょう。水やりはそのあとで行い、新しい環境にならしていきます。

タネから育てる実生

ウチワサボテンを増やすには、挿し木が簡単ですがタネからでもふやすことができます。種から育てるのは少し難しいですが、一度に多くふやすことができ、珍しい品種などに出会える可能性もあります。

種をまく時期は、5月から6月、気温が20℃から30℃のころが適期です。

  1. 底の浅い平鉢に小豆台の小石と川砂をいれて、等間隔になるように種をまきます。
  2. まき土はせず、水やりは、鉢ごと水につけて鉢底から十分吸わせる腰水で行います。その後皿の水は少なめにしておきます。
  3. ガラス・アクリル板・ビニール袋などで鉢を覆い、保湿しましょう。蒸れを防ぐために、割り箸などを挟むとよいです。ビニール袋の場合は、昼間は日中は外しておきます。また高温になりすぎないよう直射日光には与えないようにします。
  4. 10~15日位で発芽します。発芽後は少しずつ通常の環境にならして大きく育ててから植え替えます。

用土

挿し木の用土

サボテンは挿し木をした後は、そのまま育てます。さし木用の土を用意する必要はありません。そのまま育てず、発根させてから、植え替えする場合は、「挿し芽・タネまき用の培養土」赤玉土中粒・バーミキュライトのどちらかを使います。

一般の観葉植物では、鉢植えの場合は、赤玉土と鹿沼土を基本用土として、ピートモス、バーミキュライト、パーライトやココヤシチップといった改良用の土を基本用土にプラスして使います。

しかし、サボテンや・多肉植物は休眠を伴うものが多く、休眠中の多肉植物は、根もほとんど給水しないので、根腐れを防ぐために鉢土を完全に乾燥させる必要があります。通気性や保水性にすぐれた土を好みます。市販のサボテンや多肉用の培養土が便利です。

自分で配合する場合は、赤玉6・腐葉土2・川砂2の割合がおすすめです。パーラライトや軽石なども混ぜても排水性のよい、水はけのよく通気性のよい土ができます。

サボテンの用土についてはおすすめの土の記事もありますので、興味のある方はお読みください。

実生の用土

種をまく「まき土」は、雑菌が入らないようによく洗い、日光消毒した無菌状態の川砂を使います。まき土用の培養土でもよいでしょう。あらかじめ殺菌剤で消毒しておくと、発芽時に菌が発生して腐敗することを防げます。まき土には肥料はいれません。

水栽培・ハイドロカルチャー

サボテンは、水栽培(水耕栽培)やハイドロカルチャーで育てることもできます。植え替え時より子株から、移行する場合の方が、土を洗ったりする手間がないので簡単に行えます。

サボテンは水栽培(水耕栽培)や、土を用いず、ハイドロコーン・ハイドロボールやゼオライトなどの保水性、吸水性のある用土(倍土)使ったハイドロカルチャーでも育てることができます。

植え替え時より子株から、移行する場合の方が、土の根を終わらせて、水で育てる根を発根する手間が省けるので簡単に行えます。

水栽培に興味がある方は、詳しい記事がありますので読んでみてください。

その他 ウチワサボテンの栽培で気をつけたいポイント

栽培環境・水やり

ウチワサボテンは、日当たりの良い風通しの良い場所を好みます。できれば生育期の春から梅雨までは、屋外の日の当たる場所で屋外で管理しましょう。梅雨明けからは直射日光のあたらない半日陰で管理しましょう。場所を移せない場合などには寒冷紗などで遮光します。真夏の直射日光は葉焼けの原因にもなるので気をつけましょう。

太陽に当たらないと、ウチワサボテンはヒョロヒョロと弱って徒長して茎が小判型でなくなり、枯れてしまうこともあります。屋内で育てる場合もできるだけ窓辺などに置き、日当たりには十分注意して、なるべく庭やベランダにだして、日に当ててあげましょう。

サボテンは元々メキシコなど日差しが強く温暖な地域に生息しているため、耐寒性は強くありません。霜の降りる冷え込む前には室内で管理してください。特に冬場は夜、窓際に置いておくと気温が下がり寒くなります。置き場は温度が5℃以下にならない場所で管理すれば冬越しは可能です。

多肉植物は、雨が少ない場所や岩場などに生育するものが多い植物で、乾燥した過酷な環境を生き抜くために、根や茎、葉などを肉厚にして水分を蓄えるようになっています。だからといって、水やりが必要ではないわけではありません。

サボテンの水やりのポイントは、生育期と休眠期で水やりの方法を変えることです。サボテンは多肉植物の夏型なので、基本的には生育期の3月〜9月は、土が乾いたら水をやり、休眠期にはいる10月〜2月は水は徐々に水を減らし、冬は断水気味にします。

メキシコなどの暑く乾燥した場所で元々自生するウチワサボテンは、水の上げすぎは根腐れの原因ともなりますので、水やりは注意が必要です

サボテンの水のやり方についての記事もありますので、水やりに興味のある方は読んでみてください。

肥料

砂漠などの栄養の少ない土でも育つサボテンですが、肥料をあげることで元気にすくすくと育ちます。

サボテンなどの多肉植物は、元肥は植え付け、植え替え時に行います。 植木鉢などで栽培する場合は、元肥をしっかりと施し、適期に追肥を行っていきます。追肥はサボテンは3月〜9月の生育期は肥料が必要です。

休眠期は絶対に肥料をやらないようにしてください。肥料やけを起こし、枯れる原因になります。

サボテンの肥料についての記事もありますので、肥料について興味のある方は読んでみてください。

植えつけ、植え替え

ウチワサボテンは、ほとんどの品種がサボテン科オプンチア(オプンティア)属に属しています。ミニサボテンとして多く流通している小型の品種から最大4mにもなる大型種まであり花が咲く品種も多くあります。小さな株なら1年に一度、大きな株なら2年から3年に一度植え替えるのがおすすめです。

園芸店などで購入してきた苗の鉢は、インテリアに合わせて、素焼き鉢や、陶器やグラスなどにも植え替えすることもできます。またウチワサボテンが病気で根元から腐ってしまったときは、すぐに植え替えが必要です。

時期は4月から9月頃まで行えますが、梅雨や高温になる夏はおすすめしません。できれば4月に一回り大きな鉢に移し替えます。根から土を落とし、傷んだ根っこや根腐れを起こしているものは、根元から切り取ります。根を半分ほど切り取り4日ほど日陰で乾かしてから、新しい土に埋めて移し替えます。

植え替えをしないと根詰まりなどをおこして土から栄養分がとれなくなるため、植え替えは重要です。サボテンの植え替えについての記事もありますので興味がある方は読んでみてください。

剪定(胴切り)

病気や伸びすぎたウチワサボテンは、「胴切り」とよばれる、サボテンを大きくカットする剪定を行います。

時期は植え替え時と同じ3月から4月に行いましょう。できれば午前中の晴れた日がおすすめです。切り方は、よく切れる刃物で傷んだ部分や、カットしたい部分を水平になるようにカットするだけです。

胴切りした後の断面は、風とおしのよい涼しい場所に置いて乾燥させます。

健康な胴切りした上部で、増やすこともできます。

病害虫

カイガラムシ・コナカイガラムシ・ハダニアブラムシ、ネジラミ、ワタムシ、ヨトウムシなどの害虫が発生する恐れがあります。梅雨にはナメクジが発生する恐れもあります。それぞれの害虫によって対応も異なり、幼虫や成虫などによって対応は変わります。見つけたら早めに取り除いてあげましょう。殺虫剤なども有効です。

サボテンは、湿気の多い場所に置いておくと菌に感染して、根腐れ病・黒斑病・すす病・茎枯れ病・茎腐れ病などを発症します。

予防には、湿気の少ない風とおしの良い場所に置いてあげましょう。もし病気にかかったら、変色した部分を切り取る胴切りをしましょう。

病害虫については下記に駆除や対策を説明しているので、実際に発生してしまって困っている時など、参考にしてみてください。

まとめ

ウチワサボテンは、姿がうさぎのように見えることからバニーカクタスと呼ばれている、春に開花する象牙団扇や白桃扇、観賞用ではなく食用として育てられているバーバンウチワ、ミニサボテンとして広く流通している姫団扇などがあります。

メキシコではノバルという名前の野菜として一般家庭で食べられています。サボテンステーキなど聞いたことがある人も多いのでは。

その他サボテンには、花を咲かせやすい球サボテンのマミラリア属や、花が魅力のシャコバサボテンやクジャクサボテンなど多種多彩です。ミニサボテンやほかの多肉植物とのの寄せ植えも人気があります。水やりの手間も少なく丈夫な観葉植物なので、初めての人でも挑戦しやすく、また奥深い魅力があります。

また花言葉は、枯れにくいところから「枯れない愛」や「燃える心」などがあります。プレゼントとしても素敵ですね。ぜひ、お気に入りのサボテン品種を見つけて、自分だけのサボテンを育ててみてはいかがでしょうか。

ここで紹介した農薬は、JA販売店やホームセンターのガーデニング・資材、庭木コーナーにあるものもあります。ほ場で早期発見し、適切な薬剤や防除方法でしっかり発生を予防、ガードできると、農薬散布と言った農作業の回数を減らすことができます。

編集さん
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『農家web』では、この他、球根系から播種(は種)系、水生、宿根草、アサガオシクラメン、ヒヤシンス、紫陽花クレマチス、ベゴニア、ひまわり、チューリップ、ハーブ、アリウム、ポインセチアシャクヤクポトスペチュニアまたサボテンなどの多肉植物、常緑のガジュマルパキラ、クラピア、ビカクシダなど様々な観葉植物、ツツジなどの庭木、果樹、イチゴトマトなどの野菜のおすすめ記事があります。

また、雑草もイネ科雑草広葉雑草など一年草から多年草、また茎葉処理剤、土壌処理剤等の薬剤も幅広く解説しています。

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執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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