フェイジョアは花も果実も食べることができる果樹で、香りがよく甘酸っぱい果実は生で食べたりジャムやジュースなどにも使えます。日本では珍しい果樹ですが、育てやすくエキゾチックな花は観賞用としても人気があります。
庭植えや鉢植えで育てることができるフェイジョアですが、肥料はいつ、どのように与えたらよいのでしょうか。ここではフェイジョアの肥料の与え方の基本と、おすすめの肥料についてわかりやすく説明します。
フェイジョアの基礎知識
肥料の話をするまえに、フェイジョアについて知っておきましょう。植物の栽培をするうえで、その植物の特徴を知っておくことは大切です。自生地や生育期などを知ればその植物がどのような環境で育てると、枯れずに元気に育つのかわかってきます。
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学名 | Acca sellowiana(Feijoa sellowiana) |
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属名 | フトモモ科アッカ属 |
原産地 | ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部 |
樹高・草丈 | 1.5m~4m |
耐寒性等 | 耐寒性:普通 耐暑性:強い |
花言葉 | 「情熱に燃える心」「甘美な思い出」「実りある人生」 |
フェイジョアは南米原産の常緑広葉大低木で、別名をパイナップルグアバとも呼ばれます。南国原産ながら比較的寒さに強く、関東以西であれば地植えも可能です。病害虫にもつよく無農薬でも育てることができるため家庭での栽培も容易ですが、自家不結実性しにくいので別に異品種を育てる必要があります。
夏に赤と白のコントラストが美しい花を咲かせ、秋に果実が実ります。果実は緑色の楕円形をしており、パイナップル、バナナ、イチゴを合わせた甘酸っぱい味ともいわれます。花はエキゾチックな雰囲気で、白い花弁は甘く食せます。葉は銀色で常緑種のため生け垣などにも使われます。
フェイジョアに肥料を与える時期とやり方
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それではフェイジョアの肥料の与え方について、地植えと鉢植えの基本的なやり方について説明します。
地植え
寒肥(元肥)
寒肥とは、冬の休眠期の庭木や果樹に与える肥料で、通常は12月下旬~2月頃に行います。フェイジョアの寒肥の適期は2月頃がよいでしょう。元肥(もとひ・もとごえ)ともいわれることもあります。樹木が目を覚ます前に寒肥を与えることにより、元気な新芽がでてきます。
1年のうちで最も大切な肥料で、寒肥がしっかり施肥できれば追肥が不要なこともあります。またこの時期に有機肥料を施すと、有機質の肥料は冬の間に分解され、春の芽吹きのころにゆっくりと効果を発揮します。肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施し、春先の成長に備えて、土に栄養分を与えるとともに、土壌改良の効果も期待できます。
有機肥料を根元から少し離したところに置き、軽く土をかぶせるとよいでしょう。量は各製品のラベルに準拠しますが、おおむね一掴み程度が目安です。土壌は、弱酸性を好み微量要素のマグネシウムを補強できるので、苦土石灰も散布しておくとよいでしょう。
追肥
果実の収穫が終わった11月頃にお礼肥として緩効性肥料を追肥を与えます。若い苗木の場合は植え付けから果実が実るまでには3~4年かかります。果実が実らない場合も10月頃に緩効性肥料を与えましょう。
鉢植え
鉢植えの場合は、地植えより水やりなどで肥料が流れやすくなるため、春からの芽生えのために3月に元肥を、6月の下旬から7月に実肥を、11月にお礼肥として追肥を施します。
鉢植えの場合には、臭いが気になる人は化成肥料か、臭いが少ない有機入りの化成肥料がおすすめです。元肥にはゆっくり効果のでる緩効性肥料がおすすめです。追肥には化成肥料やプランター用の置き肥も便利です。
葉色が薄くなったり葉が大きくならない場合は肥料不足の可能性があるので、その場合は液体肥料を与えて様子をみてみましょう。
フェイジョアにおすすめの肥料
フェイジョアの元肥には、ゆっくり効果のでる「緩効性肥料」がおすすめです。地植えでは、有機質肥料や堆肥などを使うと、土壌微生物の活性が高まり、排出性・保水性・通気性のよい土壌を作ることができるので、冬に施肥する寒肥には有機肥料がおすすめです。
有機肥料
庭植えの元肥や寒肥には土壌改良効果もある有機肥料がおすすめです。有機肥料には油粕、米ぬか、鶏糞などがありますが、油かすは庭木によくつかわれます。
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。庭植えの元肥によく使われます。
油かすだけでは、リン酸やカリウムが足りないので骨粉などと合わせて使うとよいでしょう。未発酵の油粕は根に当たると肥料焼けしてしまう危険があるため、使い慣れていない人は発酵済の油粕をつかいましょう。骨粉や魚粉などと組み合わせてリンやカリウムを高めている肥料もあります。
お礼肥・寒肥(JOYアグリス)
お礼肥 寒肥は、JOYアグリスが販売する肥料です。米ぬか100%の有機質肥料でペレット状になっているので使いやすい肥料です。有機質肥料は、腐葉土や堆肥と同じくゆっくり長く効く肥料なので寒肥(元肥)としてぴったりですが、この製品はお礼肥や追肥としても利用することができます。N(チッソ):2 P(リン):5 K(カリウム):3 Mg(マグネシウム):1で、リンとカリウムが多い肥料です。
果樹の肥料
有機肥料は肥料成分が製品によってまちまちで、使い方が難しいと思われる人は、市販の有機肥料がおすすめです。肥料成分や使い方、量などが書いてあるので安心して使えます。花ごごろが販売する「果樹・花木の肥料」や大和「 甘いフルーツの肥料」などがあります。庭植えにも鉢植えにも使えます。
ハイポネックス マグァンプK
鉢植えにはハイポネックスの元肥の定番肥料の粒状肥料のマグァンプKがおすすめ。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていています。植えつけ時の元肥には大粒がおすすめです。
錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用
追肥には、置くだけでOKな簡単な肥料もおすすめです。ハイポネックスの「錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用」は追肥に利用する錠剤タイプ。窒素:リン酸:カリ=8:10:9で配合されているほか、マグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウムも加えられています。
液体肥料
液体肥料は、鉢植えの追肥として水やり代わりに与えたり、葉色が薄くなってきた場合などに速効性のある肥料としておすすめです。液体肥料はハイポネックス原液やマイガーデンベジフル液肥などが使えます
肥料の基礎知識
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そもそも肥料ってなに?
肥料の定義は肥料取締法で決まっています。肥料は土壌に科学的変化をもたらし、植物が健全に育つように土地に施されるものを言います。つまり、農作物(植物)の健全な生育に欠かせない栄養を与えるものです。
農作物(植物)が育つためには窒素やリン酸、カリウムの三大要素のほか、微量要素などが必要です。大雑把にはなりますが、窒素(N)は葉肥(はごえ)、リン酸(P)は実肥(みごえ)、カリ(K)は根肥(ねごえ)と呼ばれています。肥料の箱や袋などに記載されているN-P-Kの表示はこれらを指しています。
植物は土に根を張り、それらの養分を吸い上げて成長しています。そのため、土壌中の栄養分は植物が吸い上げることにより、どんどん乏しくなっていきます。それを補うために土壌に肥料を施すことを「施肥」と言います。
肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
肥料の種類
作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。
肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。
「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。
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大きな植木鉢で用土を使う場合は、植え付け時や植え替え時に緩効性の化学肥料や臭いの少ない有機肥料を元肥として十分に施し、その後生育を見ながら液体もしくは固形の化成肥料を追肥として施していくと良いでしょう。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
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実つきが悪いのは肥料のせい?
フェイジョアは肥料過多(窒素)になると、葉と茎ばかり大きくなり花つきや実がつかないことがありますが、実つきが悪いのは肥料のせいではないかもしれません。
フェイジョアは、若い苗は3年~4年は実をつけません。また自家受粉できない品種もあるため異なる品種を2本育てる必要があります。確実に受粉させるには人工受粉を行いましょう。また剪定しすぎて花芽がつかないこともあります。肥料だけでなく、環境や受粉状態などを確かめて判断しましょう。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
まとめ
フェイジョアは、あまり市場ではみかけない果実ですが、栽培も容易で花もエディブルフラワーとして利用できます。葉は銀色でバランスのよい樹木で、花も美しいため観葉植物としても楽しめます。実を楽しみたいのであれば小果の品種が味がよいのでおすすめです。
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農家webには、このほかにも観葉植物や花、野菜などの肥料の与え方の記事が多くあります。
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