ヤーコン栽培　肥料の与え方の基本とおすすめ肥料

ヤーコンは、さつまいもに似た南米アンデス地方が原産のキク科の根菜で、「畑の梨」といわれるほど水分量が多く、シャキシャキとした食感で生でも加熱してもおいしく食べることができます。栽培期間は長いですが、病害虫には強くて丈夫なので農薬を使わず育てられるとして家庭菜園でも人気があります。

あまりスーパーなどでは見かけないヤーコンですが、肥料は何ををどのように与えたらよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。ここではヤーコン栽培の肥料の与え方の基本と、おすすめの肥料についてわかりやすく説明します。

ヤーコンの肥料時期と与え方
1. 地植え
  1. 元肥
    1. 土づくり
  2. 追肥
2. プランター・鉢植え
ヤーコンにおすすめの肥料
その他　ヤーコンの肥料で気をつけるポイント
1. 肥料の過不足
2. 肥料は絶対混ぜないで！
まとめ

ヤーコンの肥料時期と与え方

ヤーコンは種芋から始めるときは3月下旬、苗から始めるのであれば4月中旬から6月頃に植え付けをして、10月下旬から11月に収穫をします。生育温度は15～23℃、寒さに弱いので暖かくなってから植えつけをしましょう。

肥料は地植えでは、植えつけ時にゆっくりと肥料効果がつづく緩効性肥料を与えれば、追肥は基本的には不要です。プランター栽培では、水やりなどにより肥料成分が不足しがちなので、追肥を与えて育てます。

地植え

苗を植え付け（定植する）前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥（もとひ・もとごえ）」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。畑の元肥は土づくりと一緒に行いましょう。

元肥

元肥の方法は、全面施肥と溝施肥がありますが、ヤーコンは畑全体にまんべんなく肥料を与える全面施肥（全層施肥）で行います。有機肥料を使う場合は2週間前、化成肥料を使う場合は植え付けの1週間ほど前までに行います。

栽培するスペース（畝）を決め、土壌phの調整が必要な場合は苦土石灰1㎡あたり100ｇまいておきます。
1から2週間～3週間たったら、堆肥（牛糞など）1㎡あたり２kgを畝全体にまきます。
クワで堆肥を土にすきこむようによく混ぜます
さらに有機肥料や緩効性の化成肥料を1㎡あたり100ｇを畝全体に撒いて、クワでよく混ぜます。
ヤーコンは30cmほどになるので、20cmほど深く耕し、幅80～100cmの畝をたてます。
4から7日～10日ほどたってから、苗を植えつけます。

土づくり

元肥は、土づくりと一緒に行いましょう。ヤーコン栽培に適した土壌phは6.0〜6.5です。日本の土壌は雨や肥料などにより酸性に傾いていることが多いので、酸性に傾いている土壌は石灰などを使い酸度調整をする必要があります。

土の酸度が高いようなら、苦土石灰で調整します。土壌酸度は、市販の土壌酸度計や土壌酸度測定液をつかって図ります。家庭菜園をする人は一つもっているとよいでしょう。

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堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。土壌の改良には牛糞、馬糞、パーク堆肥、腐葉土などがよいでしょう。鶏糞は肥料分が多くふくまれていますが、土壌改良効果は少ないです。鶏糞は肥料としてつかうのがおすすめです。

未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。

家庭菜園などで、前作で堆肥を与えているおり、よい作物が収穫できている畑では、堆肥は不要です。土の状況をみて土づくりをしましょう。

追肥

追肥は基本的には不要ですが、8月頃に生育をみて葉色が薄くなっているようなら追肥を与えましょう。速効性の化成肥料を1㎡あたり30ｇ～50ｇか株間にまいて、土と軽く混ぜて株元に土を寄せる株寄せをします。液体肥料を水やり代わりに与えてもよいでしょう。

プランター・鉢植え

ヤーコンのプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。

追肥は植え付けから1か月ほどたってから行います。化成肥料10ｇ程度を土にまいて、土寄せをします。その後は1ヵ月に1度同様の追肥を行いましょう。液体肥料を使う場合は、2週間に1度水やり代わりに与えます。

栽培中にイモの部分が地上に出てきそうな場合は、増し土をして株元に土を寄せておきます。増し土に肥料が入ってるものを使う場合には、追肥は不要です。

ヤーコンにおすすめの肥料

有機肥料（有機質肥料）

やせた土地でも育つといわれ育てやすい野菜ですが、良質なイモを収穫するには水はけのよい、やわらかな土で作る必要があります。できれば堆肥は牛糞など土壌効果の高いものを使いましょう。

有機肥料はゆっくりと効果がでるのでヤーコンのように栽培期間が長い野菜におすすめです。有機肥料は、鶏ふんや油かす、米ぬかなどが使えます。油かすだけではリン酸とカリ分が足りないので、リン酸は過りん酸石灰や骨粉、カリは草木灰、硫酸カリなどを併用するとよいでしょう。

有機肥料は完熟のものを使い、米ぬかなどは生のものは使わず、ぼかし肥料の原料として使うのがおすすめです。ぼかし肥料や有機100％肥料などは、初心者の人でも使いやすい肥料です。

化成肥料

化成肥料を使う場合には、化成肥料8・8・8などの窒素・リン酸・カリウムが均等に入った肥料は、ほとんどの野菜に使えます。化成肥料は基本的に速効性の肥料が多く元肥や追肥にも使えます。肥料の後ろの数値は、肥料分がどれぐらい肥料が入っているかを表しています。8・8・8は肥料100ｇの中に肥料分が各8gづつ入っています。初心者の人には肥料成分がそれほど高くないため、肥料の施しによる失敗が少ないのでおすすめです。

ヤーコンには化成肥料は速効性なので、追肥につかうとよいでしょう。有機入りの化成肥料であれば、元肥にも追肥にも使えます。