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米ぬか肥料

米ぬかの肥料としての使い道・使い方

米ぬかの画像です。 米ぬか肥料

米ぬかは、精米するときに玄米の表面が削られて粉状になったものを指します。精米の際に削り取られる外皮の部分を有機(有機物)肥料として利用できます。

米ぬかは、畑の肥料として使えることが知られていますが、実際にどのように使うと効果的なのでしょうか?

この記事では、米ぬかを肥料としての使い道をいくつかご紹介します。

米ぬかとは

米ぬかの画像です。
米ぬかの画像

米ぬかは、精米するときに玄米の表面が削られて粉状になったものを指します。精米の際に削り取られる外皮の部分を有機(有機物)肥料として利用できます。リン酸が多く含まれ、糖分やタンパク質も含まれているため、有用な土壌微生物の働きを活性化させる効果もあります。

米ぬかは脂質を多く含み、有機物に含まれる炭素(C)含有率(%)と窒素(N)含有率(%)の比を表すC/N比(炭素率)が高いため、土壌中での分解が相対的に遅いので、そのまま使用するよりもぼかし肥料の原材料として使用するのが一般的かと思います。

米ぬかはコイン精米機やJAのライスセンターでもらえることもありますし、資材として販売されていることもあります。

米ぬかの肥料としての3つの使い道

米ぬかをそのまま散布する

一番手軽に利用する方法として、そのまま散布する方法があります。畑に散布し土壌と混ぜ物理性、生物性を改善したり、水田に流し込み散布するなど用途も様々です。

しかし、畑や果樹園などで使用するときには注意が必要です。発酵していない米ぬかは、土にそのまま散布したところですぐには肥料の効果が現れません。それだけではなく、逆に土や植物の状態を悪化させてしまう原因となってしまうこともあります。

下記注意点に留意しながら、その特性を理解した上で使用するべきでしょう。使用するとしても土作り時の元肥として土壌に混ぜ込み、1ヶ月以上経ってから、植物の苗の植え付けや播種をする必要があるでしょう(但し除草や病害虫防除の用途で使用する場合など、考え方が異なる場合があります)。

  1. 微生物急増による窒素飢餓が発生しやすくなる。
  2. 炭酸ガスが発生しやすくなる。
  3. 発酵熱によって根が傷み、植物が弱る。
  4. 害虫などの虫が寄ってくる。

下記に肥料としてそのまま米ぬかを使う場合の注意点を詳しく解説しています。

米ぬかをぼかし肥料にして施肥する

一番安全で、かつ効果的に米ぬかの肥効を引き出すのは、ぼかし肥料にしてから施肥することです。

ぼかし肥料にすれば、先述したようにそのまま使用するときの注意点をクリアできますし、肥料の効果も現れやすくなります。しかし、ぼかし肥料を作るには相応の手間がかかります。

米ぬかぼかし肥料の作り方

米ぬかぼかし肥料は、米ぬかなどの有機物とコーランネオなどの発酵促進剤を利用することで比較的簡単に作ることができます。作り方の流れは以下のとおりです。

  1. 米ぬかなど原材料と水を混ぜ合わせます。
  2. 容器へ格納します。
  3. 保管、発酵させます。
  4. 完成の確認をし、乾燥させ、保管します。

下記に、詳しい手順が掲載されていますので参考にしてください。

米ぬかぼかし肥料の使い方

ぼかし肥料は、元肥・追肥として使用することできます。ただし、ぼかし肥料は速効性を兼ね備えているとともに窒素も多く含まれているため、使い方には注意が必要です。効かせすぎると樹勢が強くなりすぎたり、病害虫による被害を受けやすくなったりします。

私の印象ですが、速効性があるので、追肥として使用するほうが栽培しやすいかもしれません。元肥として使用して定植後に樹勢が強くなりすぎてしまう方を多く見てきました。

また、ぼかし肥料は、原材料によって成分が異なります。そのため、一概に「どの程度撒けばいいか」ということが言えません。含まれている成分と土壌、作物の様子を見ながら、少量から施していくと良いでしょう。

下記に、ぼかし肥料全般の使い方についてまとめていますので、参考にしてください。

米ぬかと他の有機物を混ぜて堆肥化する

米ぬかと他の有機物を混ぜて、分解・発酵させることで堆肥にすることができます。堆肥は、肥料としての効果だけではなく、土壌の物理性の改善(土がふかふかになる)に繋がります。混ぜ合わせる有機物としては、下記のようなものが挙げられます。

米ぬかとコーヒーかすを混ぜて肥料(堆肥)にする手順を詳しく解説していますので、気になる方は覗いてみてください。

作物別、米ぬか肥料の使い方

米ぬかが肥料として適しているか、どのような施肥をすればよいかは作物ごとに異なります。それぞれ下記から確認してみてください。

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肥料としての使い道以外は?

病害虫防除に使う

米ぬかを病害虫防除の資材として使用することもあります。下記に具体的な例を挙げます。

除草に使う

米ぬかは、除草にも使われます。特に水田の除草で重宝されています。

田植えの1ヶ月以上前、田植え直後に米ぬかを散布することで、宿根性雑草以外の雑草は抑えられることが知られています。これは、トロトロ層(微生物・小動物分解層)が作られることで、コナギをはじめとした水生雑草の発芽が抑制されることが一つの要因とされています。

普段の生活で使う

米ぬかは、普段の生活でも大いに役に立ちます。普段の家事や美容にも使えると知られていますので、気になる方は調べてみてください。一例としては、以下のような使い方があります。

  • 掃除に使う
  • パック、スキンケアに使う
  • 料理に使う

参考:ぼかし肥料とは

ぼかし肥料とは、油かすや米ぬか、籾殻(もみ殻)、鶏糞(鶏ふん)など複数の有機質資材を配合させたものに土(土着菌)や発酵促進剤などを加えて、発酵させた肥料のことを指します。昔は有機質を土などで肥料分を薄めて肥効を「ぼかす」としていたことから、ぼかし肥料という名前がついたと言われています。

ぼかし肥料は、昔の農家では自分たちで独自で作っていましたが、化学肥料が発明されて窒素、リン酸、カリウム(加里)などの養分が手軽に補えるようになったことから、製造、使用されることも少なくなりました。しかし、近年は可能な限り化学肥料を使わない栽培方法(特別栽培や有機栽培)が人気となり、再び「ぼかし肥料」に注目が集まっています

発酵させることにより、有機肥料(有機質肥料)に比べて植物が吸収することができるアンモニア態窒素硝酸態窒素に無機化されるため、施してからすぐに肥料が効き始める速効性が備わっています。緩効性、遅効性という有機肥料の特長に、速効性を併せ持つことによって、より使い方の幅が広がる肥料となっています。

また、自分でぼかし肥料を作ることもできます。正直、良質なぼかし肥料を作るのは結構難しく手間のかかる作業なので、家庭菜園や園芸などで有機栽培に挑戦されたいという方は購入されることをおすすめします。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
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