花の女王とも呼ばれる美しいバラは、世界中で古くから愛され花束だけでなく、ガーデニングでも人気があります。
バラは季節ごとの手入れとともに大切なのが肥料です。この記事では、バラ栽培の肥料について、やり方・肥料の種類などをわかりやすくまとめています。
バラの肥料時期
肥料のやる時期は大きく3つあります。ここで説明するのは、一般的なバラ栽培ですので、栽培する土地や品種によっても変わりますので、注意してください。
バラの肥料のやり方
元肥
元肥は、庭などに地植えする場合は土を横幅・深さともに40㎝~60㎝ほど掘ります。地植えの場合は、水はけがよく肥沃のよい土が必要です。土壌改良が必要な場合は腐葉土や牛糞などの完熟堆肥と緩効性肥料を土と混ぜて植えつけます。
ポット苗を植え替える場合は、根が肥料焼けしやすいので土に混ぜず、植え付けしてから2週間ほどしてから根から離して鉢の縁に置いて軽く土を被せます。用土に元肥入りのバラの培養土などを使った場合は肥料は与えません。
堆肥や有機肥料は、完熟しているものを使うとよいでしょう。未熟なものは微生物の働きにより分解(発酵)される過程で発生するガス(アンモニアガスや亜硝酸ガス)に芽や根がさらされ、枯れることがあります。
追肥
追肥は、株元から30㎝~40㎝のところに円を描くように10㎝ほど土を掘り起こします。そこに緩効性肥料を施して、土を戻して軽く耕します。鉢植えの場合は、根から離して鉢の縁に置いて軽く土を被せます。置くだけでよい肥料もあります。
追肥は与える肥料によっても異なりますが、緩効性肥料であれば、3月・6月・9月に行います。3月は芽吹きの時春の開花のために、6月はバラの生育最盛期で若い枝「シュート」がどんどん伸びます。このころの追肥は夏バテを防ぐ効果もあります。9月は夏剪定の後に追肥することにより、芽の成長がよくなり花つきもよくなります。
寒肥
寒肥はその年のスタートとなる肥料で、1年を支えるベースとなる肥料です。庭植えのみ行い、鉢植えでは不要です。
寒肥の時期は12月下旬から2月です。株元から30㎝~40㎝のところに円を描くように10㎝ほど土を掘り起こします。そこに完熟堆肥と緩効性肥料を施肥し、土を戻して軽く耕します。
バラの寒肥は、その年の生育を決める大切な肥料といわれています。寒肥や冬の管理に関しては詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。
おすすめの肥料
バラの肥料は、ゆっくり効果のでる緩効性肥料や、土壌改良効果もある有機肥料、または肥料不足や鉢植えなどに便利な液体肥料や活力剤などを使います。それぞれの特色とおすすめを紹介します。
有機肥料(有機質肥料)
有機肥料(有機質肥料)とは、動植物由来の原料を使って作られている肥料を指します。庭植えなどは特に肥料とともに土づくりが大切ですが、土づくりには有機物が必要なため、有機肥料はバラの肥料としても人気があります。
有機肥料は、油かすや米ぬか、鶏ふんなどがあります。初心者の人には少し扱いが難しいので、有機物だけで作ったバラ用の肥料も便利で使いやすい肥料です。
特選有機 濃いバラの肥料 | ブリリアントガーデン バラの天然有機肥料 |
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有機 | 有機 |
バラ用の肥料
バラには肥料メーカー各社からバラ用の肥料が多く販売されています。バラに必要な成分が配合され、分量などがパッケージにもかかれているので、とても便利な肥料です。庭植えなどで土壌改良が必要であれば有機肥料を。鉢植えには有機入りの化成肥料などは臭いの心配も少なくて便利です。錠剤などは置くだけで肥料効果が続くため、簡単で根が傷むリスクも減らせます。
マイローズ ばらの肥料 | Balife バライフ バラの置肥 | 花ごころ 「バラの肥料」 |
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有機入り化成 | 有機入り化成 | 有機入り化成 |
液体肥料
生育の途中で、株全体の葉の緑が薄くなり黄化するなどの症状が出たら肥料切れの合図です。そんなときには速効性のある液体肥料(液肥)もおすすめ。鉢植えなどでは水やり代わりに肥料を与えられるため液体肥料も一つあると安心です。バラ専用のものもありますが、ハイポネックス原液など園芸用のものも使えます。
ハイポネックス原液 | マイローズ ばら液体肥料 | 花工場 |
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化成 | 有機入り化成 | 化成 |
肥料焼け
バラは「肥料食い」などと呼ばれるため、美しい花をたくさん咲かせたいと肥料をあげすぎてしまい、肥料焼けをおこしてしまうことがあります。肥料は、与えれば与えるほどよいわけではありません
肥料焼けの症状には、葉が焼けたようになり枯れたり、茎がしおれたようになったり、根が変色し最後には枯死してしまうこともあります。肥料は適量を適期に与えることが大切です。
葉が枯れたり萎れたりするのは、肥料だけでなく病害虫などのことが原因のこともあります。肥料焼けかな?と思うことがあったらこちらも参考にしてください。
木立バラとつるバラの肥料の与え方の違い
多くの種類があるバラは、株姿により3つに分類されています。木立性のブッシュローズ、つる性のつるバラ、半つる性のシュラブローズの3つ。
つるバラと木バラ(ブッシュローズ)の肥料の与え方に違いはあるのでしょうか。基本的には与え方や時期に大きな違いはありません。しかし木バラは成長しても同様に肥料を与えるのに対し、つるバラは苗木の成長に合わせ肥料を調整します。
新苗や生長させたい若い木には、肥料を規定量より薄め、その分回数を多く施します。大きく成長した苗木に同様の肥料を与えると、大きくなりすぎる心配もあります。これ以上大きくさせたくない場合は、庭植えの場合は冬の寒肥をしっかり行い、鉢植えの場合は冬の植え替えの時にしっかり元肥を施せばよいでしょう。
苗の様子を見て、全体の葉が黄色くなってきたら肥料切れのサインです。速効性の液肥などを与えて調整しましょう。
ミニバラの肥料
ミニバラは、ミニチュア・ローズとも呼ばれ、正確には「ミニマ」の小型の性質を引き継いでいる品種に限られていますが、一般的は小型の株にたくさんの花を咲かせる品種はミニバラと呼ばれています。
ミニバラは庭植えでも育てれますが、鉢植えがおすすめです。次々と花を咲かせるミニバラは剪定なども簡単なので初心者の人にもおすすめです。基本的な肥料のやり方は変わりません。
モッコウバラの肥料
小さな可愛らしい花咲かせるモッコウバラ(木香薔薇)。つるバラの一種ですが、性質が少し他のつるバラとは異なるため肥料の与え方も変わります。
モッコウバラの肥料の与え方については、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。