バラの肥料の与え方は四季咲き、一季咲きなどの品種や、育て方(地植え、鉢植え)によってもかわります。この記事では、バラ栽培の肥料について、肥料の時期やおすすめの肥料、与え方についてわかりやすく説明します。
バラの肥料時期
肥料のやる時期は大きく3つあります。ここで説明するのは、一般的なバラ栽培ですので、栽培する土地や品種によっても変わりますので、注意してください。
一季咲き品種の生育期の追肥は、秋に花が咲かないため3月と6月、四季咲きは3月、6月、9月に与えるのが一般的です。追肥は与える肥料によっても異なりますが、緩効性肥料であれば、3月・6月・9月に行います。
3月は芽吹きの時春の開花のために、6月はバラの生育最盛期で若い枝「シュート」がどんどん伸びます。このころの追肥は夏バテを防ぐ効果もあります。9月は夏剪定の後に追肥することにより、芽の成長がよくなり花つきもよくなります。
育て方や品種別の肥料の時期については、下記に詳しく説明しています。
バラにおすすめな肥料
バラには、一般的な花の肥料が使えますが、バラ専用の肥料が多く販売されているのでそちらを使うのがよいでしょう。
しかしバラの専用肥料も多くのものがあり、どのバラの専用の肥料をえらんでよいかわからないという場合の選び方のポイントについて説明します。
- 地植え(庭植え)の寒肥には、土壌改良効果もある有機肥料がおすすめ
- ベランダなどで鉢植えで育てる場合は、臭いの少ない有機配合肥料か化成肥料がおすすめ
- 追肥は、ゆっくり効果のでる緩効性肥料を使いながら、肥料不足などの症状がでたら速効性のある液体肥料のがよいでしょう
バラ栽培に有機肥料がおすすめ?
バラの専用肥料を探していると有機肥料や有機配合肥料が多いことに気が付いた人もいるのではないでしょうか。
有機肥料とは、油粕や米ぬかなどの「植物性の有機物」、鶏糞や魚粉、骨粉などの「動物性の有機物」を使って作られている肥料を指します。
有機肥料には、肥料の3要素(チッソ・リン酸・カリウム)以外にも、植物の生育に大切な微量要素も補充されています。
有機肥料や堆肥は土壌を改良する効果があり、特に地植えでは長い間化成肥料のみをつかっていると、土壌の環境が悪くなり土が固くなったり、肥料以外の微量要素が不足することもあります。
また土壌が改良されて土がふかふかになると、根がしっかりと張り栄養分を十分吸収することができるため花つきがよくなったり、株が強くなるため、有機肥料が多く使われています。
しかし有機肥料は土壌を改良する効果ががありますが、未熟なものを使うとガスなどが発生し植物が傷んでしまうリスクもあります。
化成肥料は与えたい肥料分を、素早く与えることができる手軽な肥料ですが土壌を改良する効果はありません。どちらがよくてどちらが悪いということではありません。両方の特性を踏まえ、上手に使うことが重要です。
寒肥には、野菜や樹木の栽培にも使われる安価で使いやすい油粕も人気があります。
バラの肥料のやり方
バラ肥料のやり方 地植え
庭などに地植えする場合は、植えつけ時に元肥を施しましょう。土壌改良が必要な場合は腐葉土や牛糞などの完熟堆肥と緩効性肥料を土と混ぜて植えつけます。
追肥は、株元から30㎝~40㎝のところに円を描くように10㎝ほど土を掘り起こします。そこに緩効性肥料を施して、土を戻して軽く耕します。
寒肥も追肥と同様に株元から30㎝~40㎝のところに円を描くように10㎝ほど土を掘り起こします。そこに完熟堆肥と緩効性肥料を施肥し、土を戻して軽く耕します。
バラ肥料のやり方 鉢植え
ポット苗などを購入した場合は、元肥入りのバラの培養土を使うのが便利です。
植え替えや元肥がはいっていない土を使う場合には、根が肥料焼けしやすいので土に混ぜず、植え付けしてから2週間ほどしてから根から離して鉢の縁に置いて軽く土を被せます。
追肥は、根から離して鉢の縁に置いて軽く土を被せます。置くだけでよい肥料もあります。
品種ごとの肥料の与え方や、寒肥についてはさらに詳しく説明している記事があるのでそちらも参考にしてください
木立バラとつるバラの肥料の与え方の違い
多くの種類があるバラは、株姿により3つに分類されています。木立性のブッシュローズ、つる性のつるバラ、半つる性のシュラブローズの3つ。
つるバラと木バラ(ブッシュローズ)の肥料の与え方に違いはあるのでしょうか。基本的には与え方や時期に大きな違いはありません。
しかし木バラは成長しても同様に肥料を与えるのに対し、つるバラは苗木の成長に合わせ肥料を調整します。
新苗や生長させたい若い木には、肥料を規定量より薄め、その分回数を多く施します。大きく成長した苗木に同様の肥料を与えると、大きくなりすぎる心配もあります。
これ以上大きくさせたくない場合は、庭植えの場合は冬の寒肥をしっかり行い、鉢植えの場合は冬の植え替えの時にしっかり元肥を施せばよいでしょう。
苗の様子を見て、全体の葉が黄色くなってきたら肥料切れのサインです。速効性の液肥などを与えて調整しましょう。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
バラは「肥料食い」などと呼ばれるため、美しい花をたくさん咲かせたいと肥料をあげすぎてしまい、肥料焼けをおこしてしまうことがあります。肥料は、与えれば与えるほどよいわけではありません
肥料焼けの症状には、葉が焼けたようになり枯れたり、茎がしおれたようになったり、根が変色し最後には枯死してしまうこともあります。肥料は適量を適期に与えることが大切です。
葉が枯れたり萎れたりするのは、肥料だけでなく病害虫などのことが原因のこともあります。肥料焼けかな?と思うことがあったらこちらも参考にしてください。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。