ミニバラを元気にし、綺麗に咲かせるおすすめの固形肥料・液体肥料を紹介するとともに、肥料のやり方や、注意点、手入れ方法、また初心者がやってしまう、よくある失敗と、そうならない方法を説明します。
ミニバラに使える肥料は、どんな種類があるの?
作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。
バラには、ミニバラ、つるバラの一種であるモッコウバラやフロリバンダ(ハイブリッドティローズとポリアンサローズの交配種・四季咲き中輪種)のアンティークなど様々な品種がありますが、基本的な肥料・施肥の考え方は同じです。
ミニバラは、鉢植えで育てるのが一般的なので臭いや虫が気になる人は、化成肥料か臭いの少ない有機入りの固形肥料か、水やり代わりに与えられるバラ用の液体肥料が便利です。
ミニバラに肥料のやる時期と頻度
それでは、ミニバラの肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。ここではミニバラに肥料をやる時期と肥料について、基本的な考え方を説明します。
ミニバラの肥料時期
ミニバラは四季咲きで鉢植えで育てることが多いので、植えつけ時に元肥を施したら、生育期の3月~10月に肥料を切らさず育てます。
ミニバラの肥料のやり方の基本
- 春
- 夏
真夏までは、春と同様に、緩効性肥料を置き肥するか、2週間に1度程度液体肥料(液肥)を追肥します。
- 秋
春と同様に、緩効性肥料を置き肥するか、2週間に1度程度液体肥料(液肥)を追肥します。植え替え、植え付けもこの時期に行うことができます。
- 冬
生育や止まる時期です。鉢植えの場合は基本的に肥料は不要です。地植えの場合は、寒肥を行います。
ミニバラの肥料のおすすめ商品一覧
ハイポネックス 錠剤肥料ミニバラ用
ミニバラを丈夫にし、次々と花を咲かせるために必要な肥料成分と微量要素を配合しています。土の上に置くだけの簡単な錠剤タイプの肥料です。肥料効果が1ヵ月続くので生育期の3月~11月に毎月1ヵ月に一度、株に触れない場所に置いて使います。
バイオゴールド
天然有機100%のバイオゴールドというシリーズの肥料もバラ栽培向けに大変人気です。下の記事にバイオゴールドについて、バラ栽培向けのおすすめ商品や使い方を書いていますので一度ご覧ください。
マイローズ・花工場
マイローズ・花工場は住友化学園芸の肥料のブランド名です。マイローズは、バラに関する肥料や用土・殺虫剤など16アイテム販売されています。
商品名 | マイローズばら液体肥料 | マイローズばらの肥料 | 花工場 |
---|---|---|---|
概要 | |||
有機/化成 | 有機入り化成 | 有機入り化成 | 化成 |
固形/液体 | 液体 | 固形 | 液体 |
花ごころ
「花ごころ」は園芸用土や肥料など農業資材を取り扱う会社、もしくはそのブランドのことを指します。特にバラ栽培に関しては、様々な品種のバラを取り扱うほか、バラ用の土や肥料を販売していて、大変人気のあるブランドです。肥料の他バラのたい肥も販売しています。
商品名 | バラの肥料 | 特選有機 濃いバラの肥料 | 特選有機バラのたい肥 |
---|---|---|---|
概要 | |||
有機/化成 | 有機入り化成 | 有機 | 有機 |
固形/液体 | 固形 | 固形 | 固形 |
下の記事にも花ごころの詳細について解説していますので、ぜひ一度ご覧ください。
ハイポネックス
商品名 | ハイポネックス原液 | 専用液肥 -バラ- | Balife バライフ バラのまくだけ肥料 | Balife バライフ バラの置肥 | バラの有機肥料 | ハイグレード バラ |
---|---|---|---|---|---|---|
概要 | ||||||
有機/化成 | 化成 | 化成 | 有機入り化成 | 有機入り化成 | 有機 | 有機入り化成 |
固形/液体 | 液体 | 液体 | 固形 | 固形 | 固形 | 液体 |
ハイポネックスのバラの肥料は数多くあるので、どれをつかったらよいかわからない場合には、詳しい記事もありますので、そちらもご覧ください。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水はけが悪い用土や、水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水切れして、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通し、日当たりの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
ミニバラの栽培について
ミニバラ(ミニチュア・ローズ)とは、バラの中でも小型の株で、小さな花が咲くものを指します。コンパクトで、花がらを切るだけですぐに蕾をつけるほど四季咲き性が強く、比較的安価なのが特徴です。
なお、ミニバラには挿し木苗と接ぎ木苗がありますが、手軽に楽しむなら株が大きくなりにくい挿し木苗がオススメです。ベランダや窓辺、小さな場所でも育てられますよ。
ミニバラの種類
ミニバラは品種改良も進んでいて、毎年たくさんの新種が開発されています。その中でも初心者にオススメのものを紹介します。
スイート・シャリオット
花付きがよく、ミニバラには珍しく香りがあります。
ミルキーウェイ
花もちがよく、トゲがほとんどありません。耐病性に優れる品種です。
八女津姫(ヤメツヒメ、別名レンゲローズ)
非常に細い枝にも花をつけ、乾燥に強いが蒸れと暑さに注意が必要です。
グリーンアイス
初めはピンク、咲き進むとミントグリーンに。
テディベア
こんもりとした丸い形。開花から徐々に花色が変わって、最後には赤くなる。早咲きで、花つきがとても良い品種です。
ワンダーファイブ
花の大きさが1センチほど。寒さに強い品種です。
植え替え
ミニバラの開花鉢を手に入れたら、鉢増し(一回り大きな鉢に植え替えること)すると、生育が良くなります。開花中は根鉢を崩さないこと。花がらは早めに切り、肥料を与えて育てましょう。
用意するもの
- ミニバラの苗(春から秋に開花鉢を購入します)
- 一回り大きな鉢(通気性がよく蒸れにくいもの)
- 培養土
- 鉢底石(鉢底の穴がある程度大きい場合は、鉢底網を使用)
- 元肥専用肥料
鉢増しの手順
- 鉢底石を2cmほど入れ、水はけをよくする(または網をしく)
- 培養土を適宜入れる
- ポットから静かに苗を取り出す.根は崩さないようにする
- 鉢にセットし、苗の高さを確かめ、適当な高さになるように培養土を調整する
- 培養土を周りに入れる
- 培養土がしっかり入るように指なので軽く押し込み、根と培養土を密着させる
- 緩効性肥料を適量加える。元肥専用のものなら、培養土に混ぜても良い
- 鉢底から水が出るまで、しっかり水やりする
バラを上手に育てる7つのポイント
光を上手に当てましょう
十分にお日様の当たる場所で育てます。春秋は6時間、真夏は3時間が目安です。ただし、真夏の直射日光は、鉢が高温になり根が焼けてしまいます。遮光したり、打ち水でクールダウンしてあげるなどの対策が必要です。
風通しをよくしましょう
そよ風は病害虫を防ぎます。強風や無風は良くありません。鉢同士の感覚を広く取る、株の内側の枝が密集しないよう剪定を行いましょう。
水やりはメリハリをつけて
水やりは大切ですが、やりすぎると根腐れをおこします。何日に一度、といった法則はありません。鉢をしっかり観察し、土の表面がしっかり乾いたら、たっぷり与えましょう。
良い培養土を使いましょう
初心者の方はまず市販の培養土を使ってみましょう。その際、赤玉土(小粒)を4~5割ほど入れ、くん炭などを少し入れると良いでしょう。
また、培養土に元肥が入っているか必ず確認しましょう。入っていない場合は、自分で混ぜます。追肥用や未成熟の肥料を混ぜると根が痛みますので、必ず元肥専用のものを使います。
肥料で株を太らせましょう
バラは肥料がなくても育ちますが、花を綺麗に咲かせたければ、肥料は必要です。バラの専門肥料を使うと、バラに必要な施肥量が含まれており、量や頻度がわかって便利です。
適温を保ちましょう
バラは10℃以下になると活動しなくなり、温度が上がりすぎると蒸散も光合成もできなくなります.鉢の中が50℃以上になると根が死んでしまいます。真夏の暑さを避けましょう。
剪定をしましょう
風通しをよくするため、剪定を行います。また、花がら切りは早ければ早いほど、株が早く回復し、次の花も早く楽しめます。その際、込み合った枝や枯れ枝を取り除き、できるだけ形を整えておきましょう。
気をつけたい病害虫
病気
黒星病(黒点病)
6~7月、9~10月に発生します。葉に黒い斑点を生じ、次々と他の葉に伝播。定期的な薬剤散布で予防が大切。
うどんこ病
4~7月、9~10月に発生します。症状の出ている部分に集中して専用薬を散布します。
べと病
4~10月に発生します。できるだけ風通しの良い場所で育て、予防薬を散布します。
害虫
カミキリムシの幼虫(テッポウムシ)
株元に木屑があれば幼虫がいます。穴を見つけてノズル付きの専門薬を注入します。
コガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫はバラの根を食べます。表面の土がフカフカして、根がぐらつくようになると地中に幼虫がいるので、株の周りを掘って捕殺しましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは枝や幹に白い貝殻状の虫で、樹液を吸汁します。放っておくと病気の温床になるので見つけたら歯ブラシなどでこすり落としましょう。4~6月に幼虫が移動する際は、薬剤がよく効きます。
チュウレンバチの幼虫
バラの茎に産卵します。幼虫は頭部が黒く、体は艶のある緑色。孵化後、近くの葉を、葉脈を残して集団で食害します。幼虫は動きが鈍いので見つけ次第捕殺しましょう。成虫は羽が黒く、腹部はオレンジ色。産卵中は動けないので用意に捕殺できます。産卵された茎は、スジ状の産卵部分を爪楊枝でつぶすか、茎を切って処分しましょう。
アブラムシ
ウィルス病を媒介することがあります。見つけ次第捕殺するか、アブラムシ用の薬剤を散布しましょう。
ハダニ
体調0.2mmほどですが、葉裏から吸汁し、葉が白化、のちに落葉します。水を嫌うので、派生した場合はしばらく葉裏に散水しましょう。被害が甚大な時は、葉を取り除木、ハダニ専用の薬剤を散布します。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
まとめ
「花の女王」と言われるバラ。バラ全般の花言葉は「愛」、「美」と、正に女王に相応しい言葉ですよね。敷居が高いイメージのバラですが、思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。きっと生活に潤いを与えてくれますよ。