里芋(サトイモ)の栽培 肥料のやり方の基本とおすすめ肥料

里芋(サトイモ)の栽培 肥料のやり方の基本とおすすめ肥料 里芋肥料

芋煮などの煮物に、ねっとりした食感がおいしいサトイモ(里芋)は、栽培期間は長いですが手間がかからず、病害虫の被害も少なく、子いもがたくさん収穫できます。

収穫まで半年以上かかるサトイモは肥料の与え方が大切です。この記事ではサトイモの肥料について、やり方やおすすめの肥料、気をつけたいポイントをまとめています。

サトイモの栽培と肥料時期

サトイモは、種芋から育てます。植えつけ時期は春です。発芽適温が25℃~30℃と高いので4月中旬から5月中旬に行いましょう。植えつけ後に地温を高めるためにマルチをすると早く芽がでます。収穫は霜が降りる前に、10月初旬ごろから行います。

肥料は植え付け時期に元肥を施し、発芽してから3週間後に1度目の追肥を。2回目の追肥は1度目の追肥から1か月ほどたったら与えます。

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サトイモの肥料の与え方

では実際にどのように肥料をやるのか、説明していきましょう。肥料のやり方は育て方によってもいろいろありますが、基本的な施肥の仕方について説明します。サトイモは畑などの地植えで育てるのが一般的ですので、地植えの肥料の与え方について説明します。

元肥

苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。

元肥の方法は、全面施肥と溝施肥があります。サトイモの場合は農家などは全面施肥で行っているようですが、家庭菜園などは肥料焼けなどの心配のすくない溝施肥でもよいでしょう。有機肥料を使う場合は2週間前、化成肥料を使う場合は植え付けの1週間ほど前までに行います。

元肥① 全面施肥

元肥の方法で、畑全体にまんべんなく肥料を与えることを全面施肥(全層施肥)といいます。多くの野菜に使われる元肥の方法です。

  1. 栽培するスペース(畝)を決め、深く耕し、土や石などを取り除きます。
  2. 完熟堆肥牛糞など)1㎡あたり3kgを畝全体にまきます。
  3. クワで堆肥を土にすきこむようによく混ぜます
  4. さらに有機肥料や化成肥料をを畝全体に撒いて、クワでよく混ぜます。
  5. 畝幅60cm、高さ10㎝の畝を作ります。
  6. 株間30㎝ほど深さ5㎝~7㎝程度のところに種芋の芽を上にして植えつけます。

元肥② 溝施肥

元肥の方法で、作物の下に肥料がくるように溝を掘り、肥料を埋め込んで与えることを溝施肥といいます。

  1. 栽培するスペース(畝)を決め、深く耕し、土や石などを取り除きます。
  2. 畝幅90㎝の畝を作ります。
  3. 深さ15㎝ほどの深さに植え溝を作り、完熟堆肥(牛糞など)と有機肥料や化成肥料を入れ土を戻します。
  4. 3から2週間ほどたったら、肥料を入れた溝に、株間30㎝ほど深さ5㎝~7㎝程度のところに種芋の芽を上にして植えつけます。

地温が低いときには、芽出し植えをしてから植えつけましょう。箱植えにしてビニールなどを被せて保温します。日中は外の日当たりに当てましょう。本葉が3枚ほどになったら植えつけます。

追肥

追肥は2回行います。1回目の追肥は、発芽して3週間ほどたったら、2回目はその追肥から1か月ほどたったら行いましょう。2回目の追肥はできれば梅雨明け前が理想です。

追肥は、株のまわりに化成肥料を1株あたり一握りほど株の周りにまいて、除草し周りを軽く耕す中耕を行いましょう。この時には土寄せを忘れずに行います。子イモは親芋より上にできるため、土寄せして子イモがでないようにします。土寄せは根元が隠れるように1回目は5㎝程度、2回目は10㎝ほど行うとよいでしょう。

土壌について

おいしい野菜をつくるには、土づくりは大切です。サトイモは乾燥に弱いため、土壌は保水性がよく常に湿り気のあるところを好みます。連作は嫌いますので、3年~4年の輪作にしましょう。

牛ふんなどの堆肥は、植え付け1か月前までには行いましょう。土壌酸度(pH)は、5.5~6.5です。土の酸度が高いようなら、苦土石灰で調整します。

堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。土壌の改良には牛糞、馬糞、パーク堆肥、腐葉土などがよいでしょう。鶏糞は肥料分が多くふくまれていますが、土壌改良効果は少ないです。鶏糞は肥料としてつかうのがおすすめです。

未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。

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サトイモにおすすめの肥料

実をつける野菜は、リン酸(P)が大切ですが、根菜のサトイモは根が成長するため、根肥といわれるカリウム(K)が必要です。基本的には、肥料は、3要素(窒素・リン酸・カリウム)がバランスよく含まれているものを施しましょう。

化成肥料は、3要素がバランスよく含まれて使いやすい肥料ですが、頼りすぎると過不足によるアンバランスをおこしやすくなります。畑など地植えでは、元肥などで有機肥料を使い、追肥で化成肥料を使うのがおすすめです。最近では有機質を含む有機入りの化成肥料なども多く出回っています。

有機肥料

有機肥料(有機質肥料)とは、動植物由来(油粕や米ぬかなど植物性の有機物、鶏糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物)の原料を使って作られている肥料を指します。表示された成分以外にも生育に必要な成分(動植物由来のアミノ酸など)が含まれていることもあります。

有機肥料は、有機物を土壌微生物が分解することで、植物が吸収できる養分に変化します。そのため、肥料の効き始めがやや遅く、肥効が長く続きやすい肥料が多いです(緩効性肥料、遅効性肥料)。

サトイモには、油かすや鶏糞などがつかうことができます。単体ではカリの成分がすくないため、草木灰などと組み合わせて使うとよいでしょう。またぼかし肥料と呼ばれる、米ぬかなどの有機物をあらかじめ発酵しておいた肥料もおすすめです。

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化成肥料

追肥には速効性の化成肥料がおすすめです。家庭菜園などでは、N-P-K=8-8-8など窒素とリン酸・カリウムが同量含まれている肥料などがよくつかわれます。サトイモだけでなく幅広い野菜の栽培に使うことが可能です。

またサトイモ専用の肥料や、マイガーデンベジフルなど野菜用に作られた肥料もおすすめです。追肥におすすめの商品は、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。

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その他 サトイモの肥料で気をつけるポイント

肥料のあげすぎ

肥料は、多ければ多いほどよいというわけではありません。土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなり、植物に障害が発生したり枯れてしまったりすることがあります。これが「肥料焼け」です。

成長が楽しみで、ついつい肥料を多くあげたくなってしまうかもしれませんが、一般に肥料をあげすぎると、かえって植物が弱ることがあり、樹や枝葉に障害が生じることもあります。肥料は過多にならないよう注意しなくてはいけません。

サトイモは、元肥を与えすぎると、茎葉が茂りすぎてサトイモの分球肥大に影響がでることがあります。追肥のときに、葉が茂り過ぎなら肥料は控えめにしてください。

サトイモが大きくならないのは肥料不足?

サトイモが大きくならない要因は、肥料不足とは限りません。まず最初に水分不足を疑いましょう。サトイモは高温多湿でよく育ちます。特に夏の乾燥には弱いです。降雨が少なく、土が乾き過ぎるようでしたら灌水(かんすい)を心掛けましょう。梅雨前に藁をまいておくと乾燥を防ぎます。

また土寄せも忘れず行いましょう。子イモが外にでてしまうと大きくなりません。追肥と同時のタイミングでしっかり行いましょう。

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