夏の風物詩のスイカ(西瓜)は、家庭菜園でも人気があり、大玉は難しいですが小玉スイカなどの小さいものならプランターでも栽培することができます。甘くておいしいスイカを育てるには肥料が大切です。
しかし肥料の種類は多く、何をどのようにあげたらよいかわからない人も多いのではないでしょうか。この記事では、スイカにおすすめの肥料や、肥料のやり方についてわかりやすく説明します。
スイカの肥料時期と与え方
スイカ肥料の与え方のポイントは、元肥は控えめに追肥はしっかり行います。
スイカはキュウリなどと比べると肥料はそれほど多く必要はありません。スイカは、つる性のため生育初期に肥料が効きすぎるとツルや葉がのびすぎて花や実がつきにくくなる「つるボケ」がおきるため、植え付けから雄花や雌花が咲くまでは肥料はあまり必要ありません、実がついてからは肥料を多く必要とするため追肥を行います。
元肥は、土を幅40㎝ほど掘り起こして、底に堆肥と有機肥料などの緩効性肥料を入れその上に掘り起こした土をいれておく、鞍築を苗の植え付け15日前までに行っておきましょう。追肥は、実が鶏卵ほどの大きさになってから速効性の化成肥料を畝の肩もしくはつる先に、ところどころにばらまきます。3週間後にもう一度同様に追肥しましょう。
土壌と肥料について
スイカに限らず、野菜づくりには土づくりが大切です。水はけと通気性がよく水持ちのよい土が野菜づくりには必須です。そのためには、堆肥を土に入れてよく耕して土を団粒構造にします。つる割病の予防には苦土石灰も混ぜるとよいでしょう。
堆肥とは、鳥や豚・牛などの家畜のふんや、わらや落ち葉などの有機物を堆積して発酵させたもので、腐葉土も堆肥です。堆肥で土づくりをしっかり行い、さらに元肥を施し足りない肥料分を補います。
スイカにおすすめの肥料
有機肥料
元肥には、有機肥料がおすすめです。スイカは元肥が多肥になると葉に栄養が行き過ぎて、よい実がつきません。有機肥料はゆっくり効果が出る緩効性肥料で、肥料やけなどのリスクも軽減します。またスイカの食味が良くなったり糖度が上がるともいわれています。
米ぬか
米ぬかは、精米の際に削り取られる外皮の部分を有機(有機物)肥料として利用するものです。リン酸が多く含まれている、緩効性のリン酸肥料です。糖分やタンパク質も含まれているため、有用な土壌微生物の働きを活性化させる効果もあります。
油かす(油粕)
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。
鶏ふん
鶏糞は、ニワトリの糞を乾燥させた有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)、リン酸、カリの各成分が豊富に含まれています。同じ堆肥として牛ふんが比較されることがありますが、成分が異なるとともに、牛ふんは土壌改良の目的でも利用される点が異なります。
鶏ふんは堆肥として使うこともあります。堆肥として鶏ふんを使った場合は、牛糞を使った場合の同量の化成肥料を元肥として施肥すると肥料の上げすぎになるので注意しましょう。

主に、窒素は葉や茎、リン酸は花や果実(実)、カリウムは根の生長をサポートします。
化成肥料
固形肥料
元肥には有機肥料がおすすめですが、プランターなどでベランダで育てる人には臭いや虫が気になる人もいるでしょう。その場合は化成肥料を使いましょう。また実がついた後の追肥にはすぐ効く化成肥料がおすすめです。
化成肥料は、不足している栄養素を補うために行うため、土によって与える肥料は異なりますが、家庭菜園などでは、元肥にはN-P-K=8-8-8など窒素とリン酸・カリウムが同量含まれている肥料などがよいでしょう。追肥にも使えます。追肥には、NK化成肥料など窒素とカリのみを含む肥料もおすすめです。
スイカ専用肥料
スイカ専用の肥料も初心者の人にはおすすめです。元肥にも追肥にも使えます。有機入り肥料の「花ごごろ スイカ・メロンの肥料」や 「アミノール化学 すいか・メロン専用肥料」「グリーンメール メロン・ゴーヤ・スイカの肥料」などがあります。
液体肥料
肥料不足の場合やプランター栽培には追肥として液体肥料をつかってもよいでしょう。液体肥料は野菜用のものを使うとよいでしょう。住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」やハイポネックスジャパンの「野菜の液肥」などがあります。