ダリアは花の色や形、大きさが多彩で華やかな雰囲気を持つ花が多い人気の球根植物です。花壇などの庭植えや鉢植えで育てることができます。
ダリアを上手に咲かせるには肥料はいつ、どのようなものを与えたらよいのでしょうか。ここではダリアの肥料の与え方の基本とおすすめの肥料についてわかりやすく説明します。
ダリアの基礎知識と肥料を与える時期
ダリアの基礎知識
植物の栽培をするうえで、その植物の特徴を知っておくことは大切です。自生地や生育期などを知ればその植物がどのような環境で育てると枯れずに育つのかわかってきます。
ダリアはキク科の多年草で、メキシコに自生しています。ダリアが自生しているメキシコ高原は、夏は涼しく冬は暖かいため、耐寒性は弱く、耐暑性もある程度はある程度ありますが、日本の真夏は苦手です。
春植え(夏咲き)球根で、桜が散る頃に植え付けをし、6月下旬から秋まで花を咲かせますが、真夏は暑さで花が咲きにくくなります。水栽培には向きませんが、地植えや鉢植えで育てることができます。
学名 | Dahlia |
属名 | キク科ダリア(テンジクボタン)科 |
原産地 | メキシコ、グアテマラ |
草丈 | 20㎝~150㎝ |
耐寒性等 | 耐寒性 弱い 耐暑性 普通 |
花言葉 | 「華麗」「優美」「気品」 |
肥料を与える時期
ダリアは、開花が長く続くので、肥料を切らさずに育てます。植えつけ時に元肥を施し、開花が始まったら緩効性肥料を追肥し、その後は真夏は肥料は与えず、9月下旬に緩効性肥料をもう一度追肥します。
ダリアの肥料の与え方
地植え
寒冷地でなければ、防寒対策をすれば植えたまま冬越しも可能です。日当たりと風通しのよい場所を選んで植えつけましょう。
元肥
球根や苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。地植えの場合は、土づくりと同時の行いましょう。
- 栽培するスペースを決め、深さ20cm~30cmまで深く耕し、完熟堆肥や腐葉土を入れて土とよく混ぜます。
- 緩効性肥料をばらまき、土とよく混ぜます。
- 2から2週間ほどたってから、地表面から5cm~10㎝ほどの植穴を掘り、球根もしくは苗を植えつけます。
土壌について
ダリアに適した土壌酸度(pH)は、5.6〜6.5と弱酸性を好みます。日本の土壌は弱酸性に傾きがちなので、苦土石灰などを使った、酸度調整は必要ないでしょう。
堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。球根には不牛ふん堆肥がおすすめです。植物性の堆肥を使いたいのであれば腐葉土を使いましょう。
未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。
追肥
植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。
庭植えの追肥は、6月と9月中旬に行います。株の周りに溝をほって緩効性肥料をばらまき、土を戻します。堀り上げを行い場合は、元肥の代わりに翌年の4月に緩効性肥料を施しましょう。
鉢植え
鉢植えやコンテナで育てる場合は、元肥入りの草花用培養土が便利です。肥料が入っていない場合は、草花用の緩効性肥料をまぜてから植えつけしましょう。
鉢植えの場合は、水やりで肥料が流れやすいので追肥は、緩効性化成肥料と液体肥料を併用するのがおすすめです。花が咲き始めた5月~6月に、固形の緩効性化成肥料を置き肥し、液体肥料を7日~10日1度水やり代わりに与えます。その後は7月まで液体肥料を追肥し、8月の暑い時期は肥料は与えません。9月中旬になったら、固形の緩効性化成肥料を置き肥し、液体肥料を与えます。液体肥料は10月まで与えましょう。
鉢植えであれば、冬は暖かい室内に取り込んでおけば球根を掘り上げする必要はありません。堀り上げしない場合には春の芽吹きの時期に、緩効性肥料を施しましょう。
ダリアにおすすめの肥料
球根は、窒素分が多いと球根が腐りやすくなるため、窒素は少なく、花をさかせるリン酸と球根を太らせるカリが多い肥料がおすすめです。
球根の肥料
球根には専用の肥料があります。専用肥料であれば肥料成分が球根の生育に合わせた配合になっており、肥料量も記載されていることが多いので、誰でも簡単に使えます。基本的には窒素(N)が少なく、リン(P)やカリ(K)が多く配合されています。元肥にも追肥にも使えるものが多く、地植えでは有機配合肥料がよいでしょう。
ハイポネックス マグァンプK
鉢植えの元肥には化成肥料のハイポネックスの緩効性肥料の粒状肥料のマグァンプKがおすすめ。ゆっくり効果がつづく緩効性肥料で、リンの配合量が多く様々な草花に使える肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていています。植えつけ時の元肥には中粒がおすすめです。
草花用の緩効性化成肥料
庭植えや鉢植えの肥料は、草花用の緩効性化成肥料が使えます。土にばら撒いて使う固形のものや、鉢植えなどでは、鉢の植えに置いておけば水やり時に、肥料分が溶け出して肥料が続く肥料がおすすめです。
置き肥では「プロミックの草花・鉢花用」やばら撒いて使える「プランティア 花と野菜と果実の肥料」などが窒素分が少なくリンとカリの成分が多いので球根におすすめです。
液体肥料
追肥には液体肥料がおすすめです。草花用の肥料であればどれでも使えますが、窒素分がすくないハイポネックス原液や、住友園芸化学の花工場原液などがおすすめです。
その他ダリアの栽培で気をつけること
栽培環境
ダリアは日当たりのよい風通しが良く、水はけのよい場所を好みます。初夏から秋に開花しますが、日本の真夏はダリアにとって暑すぎます。庭に植えつける場合には、夏には草花の影になるような場所に植え付けるか、遮光などの対策が必要です。鉢植えの場合も直射日光の当たらない場所で管理しましょう。
寒冷地では、冬に球根が凍り腐ってしまうことがあるため、地上部が枯れたら堀り上げしておきましょう。その他の地域でも、地上部が枯れたら茎を切り取り、水が入らないように茎の部分にアルミホイルで蓋をして、その上に腐葉土やわらをかけて保温しておきます。春になったら掘り上げて、分球してから植えつけましょう。
水やり
庭植えの場合、水やりは特に必要ありません。夏に乾燥が続くときには夕方に水やりをしましょう。
鉢植えの場合は、鉢の中の水が完全に乾いてから鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。メリハリが大切です。鉢の中の水が完全に乾かないうちに水を与えると、球根が腐ってしまうことがあるので注意しましょう。夏は夕方に株全体に水をかけて冷やしてあげるとよいでしょう。
開花後の管理
花をたくさん咲かせるためには、開花後の管理が重要です。花が終わったら花がら摘みをします。花首から切り取りましょう。小まめに花がら摘みをすることで次の花の開花を促し、病気を予防する効果もあります。また夏に切り戻しをすることで株を若返りさせることができます
まとめ
ダリアにはたくさんの種類があり、大輪の花をさかせて豪華であでやかな姿をみせてくれる品種もあれば、かわいらしい小輪の花を咲かせるものもあり、品種によってさまざまな姿を見せてくれます。球根だけでなく種から育てられる品種もありますし、挿し木で増やすこともできます。
栽培期間も長いので、ぜひお気に入りの品種をみつけてさまざまなダリアを楽しんでください。
農家webには、このほかにも観葉植物や花、野菜などの肥料の与え方の記事が多くあります。
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