みかんの皮を肥料にする方法

みかんの肥料

みかんは、柑橘類の中でも人気の作物です。1980年頃と比較して1人当たりの果実購入量が大きく減少していますが、単価は1980年頃と比べて3倍以上となっています(果実の消費と生産の状況 – 農中総研 調査と情報2020年9月号)。

2020年においても、世帯で購入された金額が多い果物トップ5に入るという調査結果もあります(政府統計の総合窓口e-stat 家計調査 家計収支編 総世帯におけるみかんの購入金額参照)。

日常的に食べられるみかんの皮は皆さんどうしていますか?生ゴミと一緒にそのまま捨てていませんか?実はみかんの皮には豊富な栄養素が含まれていて、家庭菜園の肥料として有効活用ができます!

この記事では、みかんの皮に関する意外な事実とみかんの皮を家庭菜園の肥料として有効活用する方法を解説します。

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そもそもみかんの皮は肥料として使えるの?

みかんの皮の画像です
みかんの皮

結論から話すと、みかんの皮は肥料として使えます。みかんの皮や野菜くずなど有機質のものは、土作りのための堆肥や肥料として使うことができます。

但し、土にそのまま施用しても効果が現れるまでに時間がかかります。それは、有機物に含まれる栄養素を植物が吸収できるようになるまでの過程として、微生物による「分解」が必要だからです。

有機物は、土壌の微生物による分解を経て無機化されることによって植物に吸収されます。そのため、そのまま施用する場合は、かなりゆっくりと肥効が現れるようになります(遅効性)。

堆肥は、有機物を発酵させたものですが、微生物によって分解がある程度進んでいるため、比較的早く肥効が現れます。ぼかし肥料というものもありますが、これは発酵・熟成をさらに進めることによって速効性の肥料としての役割を果たします。

これらの前提知識を持った上で、みかんの皮を肥料として活用する方法を考えていきましょう。

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みかんの皮に含まれる栄養素と期待される効果

みかんの皮には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?ミカンの果実には、たくさんの栄養素が含まれていることは皆さんご存知ですが、皮にも植物を育てる上で重要な栄養素が含まれています。

みかんの皮には、植物の三大栄養素(三要素)と呼ばれる窒素、カリウム、リン酸が含まれています。また、カルシウムなども多く含まれています。

品名含水率
(%)
C
炭素
(%)
N
窒素
(%)
P
リン酸
(%)
K
カリウム
(%)
Ca
カルシウム
(%)
Mg
マグネシウム
(%)
Na
ナトリウム
(%)
みかんの皮72.644.50.760.0470.580.400.0640.065
にんじん90.140.71.360.242.70.270.0950.23
キャベツ92.736.83.830.372.70.590.190.068
バナナの皮90.941.81.320.226.60.200.280.17
リンゴ84.943.30.210.0660.730.0200.0200.00
グレープフルーツの皮76.542.51.250.0961.61.10.0800.12
鶏肉の骨55.737.97.125.10.245.70.100.22
卵殻(卵の殻97.30.750.0870.13360.330.26
米飯6042.91.170.0850.0730.00750.0180.0025
茶殻84.252.44.420.310.420.540.140.11
標準生ゴミの組成78.039.33.731.161.054.440.110.38
生ゴミの成分組成計算例 – 各種バイオマス成分のデータベース整備, 中村, 柚山, 農工研技法203 57〜80, 2005.

もちろん、全量が肥料として肥効を発揮、吸収されるわけではありませんが、みかんの皮が肥料として使用できるくらいの栄養素を持っていることをお分かりいただけたと思います。

肥料の三要素(三大栄養素)

窒素(チッソ)

窒素(N)は、肥料の三大要素の一つで植物の生育に最も大きく影響する要素です。光合成に必要な葉緑素、植物の体を形作るタンパク質など、植物が成長する上で重要な働きをする物質となります。窒素肥料は「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、生育の初期に効果的であり、茎と葉の生長に大きく影響します。

リン酸(リンサン)

リン酸(P)は、肥料の三大要素の一つで植物の遺伝情報の伝達やタンパク質の合成などを担う核酸の重要な構成成分となります。施肥を考える上では、「実肥」と呼ばれ、開花・結実を促すためにリン酸が必要となります。また、植物全体の生育や分げつ、枝分かれ、根の伸長など様々な要素に関わっています。

カリウム(加里・カリ)

カリウム(K、加里)は、肥料の三大要素の一つで植物体内でカリウムイオンとして存在しています。カリウムイオンは葉で作られた炭水化物を根に送り、根の発育を促したり、植物を丈夫にして病気などに対する抵抗力を高める働きがあります。そのため、カリウムは「根肥」と呼ばれます。

生ゴミを肥料として使う、生ゴミの堆肥化・ぼかし肥料の作成に関する記事

みかんの皮を肥料として使うときのコツ

みかんの皮を肥料として使用する場合、うまく使うためのコツがあります。これは、みかんの皮に限らず、野菜くずなどの生ゴミを肥料として活用するときにも言えることです。下記に箇条書きでまとめますので、心に留めておいてください。

  • 適切な大きさに切って使う(細かくしたほうが分解が早い)
  • 水分はしっかりと切ってから使う(濡れたままのものなどをそのまま使わない。乾燥させるのがベスト)
  • 腐ったものは使用しない

みかんの皮の肥料、作り方と使い方

まず、みかんの皮を肥料として使うときには、主に下記の3つの方法があります。

  • そのまま土に混ぜ込んで使う
  • 堆肥・ぼかし肥料にして使う

乾燥させてから肥料として使う

みかんの皮を最もお手軽に肥料にする方法として、しっかりと乾燥させてから使う方法があります。

みかんの皮は油分や水分を多く含んでいますので、可能な限り乾燥させて水分を抜いておくことが重要です。そうすることで、分解が早く進み、植物の栄養源となります。

みかんの皮を乾燥させる方法

みかんの皮を乾燥させる方法は2つあります。

みかんの皮を天日干しにする

水でよく洗ったみかんの皮を網やざるの上に並べて、風通しの良い日陰で乾燥させます。干す期間は1週間〜10日程です。大きな皮は、乾燥後に包丁やミキサーなどで細かく砕きましょう。

干す前にあらかじめ細かく切っておくやり方もおすすめです。

みかんの皮を電子レンジで乾燥させる

天日干しよりも早く乾燥させる方法として電子レンジを使う方法があります。水でよく洗ったミカンの皮を包丁などであらかじめ細かく切り、クッキングペーパーの上に重ならないように並べます。

そのあと、500W〜600Wで約2分程度あたためします。水分が十分に抜けているか確認し、足りなければさらに追加であたためをしてください。

みかんの皮を家庭用生ゴミ処理機で乾燥させる

家庭用生ゴミ処理機を使ってみかんの皮をラクに乾燥させることができます。

水でよく洗ったみかんの皮を生ゴミ処理機に投入し、スイッチを押すだけで肥料化されます。

みかんの皮を乾燥させて肥料にする手順

みかんの皮を乾燥させて肥料にする手順
  • 手順1
    みかんの皮を水でよく洗い、刻む

    可能な限り、みかんの皮を小さく切りましょう。だいたい1cmくらいの幅で切れば問題ないです。

    編集さん
    編集さん

    無農薬のみかんのほうが良い」と記載しているメディアなどもありますが、あまり関係ありません。スーパーなどで販売されているみかんの場合は、水で洗い流す程度で汚れも落ちます。

  • 手順2
    天日干し、もしくは電子レンジなどで乾燥させる

    天日干し、もしくは電子レンジ等で乾燥させましょう。

    パリパリになってきたら、完了です。

  • 手順3
    土に混ぜ込む

    乾燥させた皮を土に混ぜ込みましょう。すでに植物が植わっている場合には、土壌表面に撒いたあと、軽く土を混ぜ合わせます。

編集さん
編集さん

みかんの香りには忌避効果(虫除け効果)があると言われています。アブラムシなど害虫の予防に使える場合もありますが、あまり期待しないほうが良いでしょう。

そのまま土に混ぜ込んで使う

みかんの皮をそのまま土に混ぜ込んで使うこともできます。土中深くに埋めることで、微生物に分解され肥料として使われます。

土の上にそのまま置くと、悪臭などの原因となる場合があるのでおすすめしません。

例えば、苗の植え付けや種の播種の1ヶ月〜3ヶ月前までに他の生ゴミと一緒に埋め込んでおくと、土壌の微生物によって分解されて、肥料としての効果を発揮してくれるでしょう。大事なのは、苗を植えたり種を蒔く前にやることです。そのほうが、肥料としての効果を発揮してくれるでしょう。

下記の記事にて、生ゴミをそのまま畑に使用する場合の手順を解説していますので参考にしてください。

堆肥・ぼかし肥料にして使う

一番、安全かつ効果的に肥効を発揮できるのは、堆肥もしくはぼかし肥料にすることです。先述したとおり、堆肥化することによって微生物による分解がある程度進むので、肥効が現れやすくなります。米ぬかなどを混ぜ合わせると更に分解が早まります。

また、さらに発酵・熟成させることでぼかし肥料となり、速効性も備わった肥料になります。

下記の記事にて、生ゴミの堆肥化、ぼかし肥料の作り方を解説していますので参考にしてください。

みかんの皮のその他の活用方法

みかんの皮は、肥料にする以外にもたくさんの活用方法があります。

  • お風呂に入れて、香りを楽しむ
  • お菓子やお茶などに使用して、香りを楽しむ
  • ジャムを作る
  • 掃除に使う(みかんの皮に含まれるリモネンは油分を分解する働きがありますので洗剤代わりに使えます)
編集さん
編集さん

漢方薬では干したみかんの皮「陳皮(ちんぴ)」と呼び、健胃剤やせき止めなどに使っています。鎮静と消炎の働きがあるといわれています。

家庭では、お風呂に入れたりして活用することが一般的です。

みかんの種類

みかんにはたくさんの種類がありますが、ここでは代表的な種類をご紹介します。

温州みかん

和名はウンシュウミカン、学名はCitrus unshiuといいます。日本を代表するみかんで、たくさんの品種が存在します(青島、宮川、日南、興津など)。果実の収穫時期に応じて、極早生、早生、中生、晩生と分類されます。

夏みかん

和名はナツミカン、学名はCitrus natsudaidaiといいます。甘さよりも、爽やかな酸っぱさが特徴の夏に収穫できるみかんです。

みかんへの肥料のやり方まとめ

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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