これでわかる!盆栽へ施す肥料の基本とやり方

整えられた盆栽とカエル作物
作物知りたい肥料

盆栽は、英語で「BONSAI」とそのまま通じるほど、日本の文化として海外にも広く認知されています。盆栽において、手入れとともに重要となってくるのは肥料です。剪定や施肥がしっかりと管理され適切な時期に行われると、病害虫にも強くなり、綺麗な樹に成長してくれます。庭木と盆栽の管理方法、肥料のやり方は異なりますので注意してください。

肥料は「施すことが重要」ですが、与え過ぎたりすると逆に盆栽を枯らしてしまいます。そのため、肥料の種類、時期、やり方の基本をしっかりと理解して、盆栽を育てることが重要です。この記事では、盆栽に向いている肥料の種類や肥料のやり方、品種別・栽培方法別の肥料の違いなど幅広くわかりやすく説明します。

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盆栽に適した肥料とは

そもそも盆栽に肥料は必要なのでしょうか?盆栽は小さい樹であり、鉢に植えられていることがほとんどかと思います。鉢の限られたスペースの中で、盆栽の樹は根を伸ばし成長、生育に必要な養分を吸い上げています。鉢の土壌中の養分はどんどんなくなっていくため、人間の手で必要な養分を補う必要があるというわけです。

盆栽は、葉肥である窒素、実肥であるリン酸、根肥であるカリウム(加里)の三大要素がすべて必要で、どれも欠けることなく養分を与え続ける必要があります(もちろん、マグネシウムなどの微量要素も必要です)。ただし、盆栽の種類によっては養分がそこまで必要ではないものもあります。

それでは盆栽に適した肥料とは、どのようなものなのでしょうか。盆栽の肥料は春から秋にかけて適宜、肥料を施していきます。一般的に早春には、樹自体の成長を促すために窒素が多く含まれた肥料が有効であり、秋の施肥では冬に備えて窒素とともに、窒素より多めのリン酸、カリウム(加里)が含まれた肥料が有効です。

もちろん、盆栽は肥料だけではなく日射量や手入れ、潅水など他の要因、作業も大事になってきます。

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品種別の盆栽肥料

緑樹や落葉樹はもちろん、花物や実物盆栽でもその時期が異なってきますから、それぞれの樹種に適した施肥をしないといけません。樹種によっては、施肥が少ないほうが良いものもあります。品種別に施肥の目安と適した肥料、時期を考えてみました。

施肥は控えめを心がけてください。施肥量が多すぎると、根が肥料で焼けてしまったり、徒長枝が増え樹形が悪くなったり、樹自体が弱ってしまったりする可能性があります。そうならないためにも1回の施肥量は控えめに、施肥の回数で調整するという形が良いでしょう。

養分が必要な樹種とそこまで必要ではない樹種

施肥の必要性が高い樹種と低い樹種を分けてみました。実物・花物類は施肥の必要度が高く、黒松(クロマツ)や赤松(アカマツ)、五葉松など盆栽として人気のある樹種は必要度が低いというのが基本的な考え方です。ただし、必要度が低くても養分は必要ですから、根が焼けない程度に普通のものに比べて少量の施肥をしていくことが重要です。

施肥の必要度樹種
高い実物・花物類(長寿梅、木通、石榴など)
雑木類(銀杏、欅など)
普通実物・花物類(、藤など)
雑木類(モミジ、楓など)
松柏類(唐松、蝦夷松など)
低い松柏類(黒松、赤松、五葉松など)

この中でも人気のある盆栽について、施肥の基本的な考え方を説明します。

桜盆栽

桜盆栽の追肥は、固形肥料を3月〜7月頃、9月〜10月頃に月1回ほどの間隔で施します。肥料の種類によって、肥料のやる間隔は異なるため、肥料のラベルを確認しましょう。液体肥料を置肥などと合わせて施すのも効果的です。また、桜盆栽は春に花を付けますので、花を付け終わる5月頃にお礼肥として有機肥料緩効性肥料を施すと良いでしょう。

梅盆栽

梅盆栽の追肥は、固形肥料を3月〜7月頃、9月〜10月頃に月1回ほどの間隔で施します。肥料の種類によって、肥料のやる間隔は異なるため、肥料のラベルを確認しましょう。液体肥料を置肥などと合わせて施すのも効果的です。

また、梅盆栽は1月〜2月頃に花を付けますので、花を付け終わる3月頃にお礼肥として有機肥料や緩効性肥料を施すと良いでしょう。

松盆栽

松盆栽の追肥は、固形肥料を3月〜6月頃、8月下旬〜11月上旬頃に月1回ほどの間隔で施します。肥料の種類によって、肥料のやる間隔は異なるため、肥料のラベルを確認しましょう。液体肥料を置肥などと合わせて施すのも効果的です。

松は、種類によって養分の必要量が異なりますが、一般的にはそこまで多くの肥料を必要としない植物です。樹勢や樹の大きさなどを考慮して、控えめに肥料をあげていくとよいと思います。

ミニ盆栽

ミニ盆栽は、普通の盆栽に比べると鉢が小さいため、必然的に用土も少なくなります。用土が少ないことから水やりの回数は普通の盆栽に比べると多くなり、その分肥料も使われずに流れ出てしまう量が多くなります。そのため、ミニ盆栽にも一定の間隔で肥料をやり続けることが必要です。

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盆栽の肥料はどのような商品がある?

盆栽への追肥は、植えられている樹種によっても異なりますが、松である場合、固形肥料を3月〜6月頃、8月下旬〜11月上旬頃に月1回ほどの間隔で施します。ミニ盆栽には、「玉肥」など大きめの固形肥料は使いづらいので、「バイオゴールド」など小さめの固形肥料がおすすめです。

盆栽の肥料をやる時期とやり方

盆栽の肥料のやる時期とやり方を詳しく説明します。盆栽の肥料の必要な時期としては、以下の4つがあります。

  • 元肥:植え替え時に土壌に混ぜ込む肥料
  • 追肥:置き肥や液体肥料などを早春〜初夏頃(3月〜6月頃)・晩夏〜秋(8月下旬〜11月頃)に樹の成長を助けるために施す肥料
  • お礼肥:花物類や実物類の盆栽について、花・実をつけ消耗した樹を回復させるために施す肥料
  • 寒肥:春からの活動に向けて施す肥料
時期液体/固体肥効のタイプNPK
元肥(植え付け、植え替え時)固体緩効性
追肥(春・秋)液体/固体緩効性
お礼肥(花・実を付け終わったあと)液体/固体速効性、緩効性
寒肥(冬)液体/固体緩効性

元肥(植え付け、植え替えのとき)

植え替え時には、肥料を土壌に混ぜ込んで施すことが一般的です(元肥)。植え替えのときにすでに肥料が混入されている用土を使用する場合は、元肥は必要ありません。元肥の肥料の性質として重要なことは、根に優しく、すぐに溶け出さずにゆっくり効いてくることです。植え替えは、根が傷み植物にとってはストレスが大きい作業となります。しっかりと樹が土に馴染み、根張りが進むまでは速効性の液体肥料や化成肥料などを濃い濃度であげたりしないでください。植え替え後は、2〜3週間は肥料(追肥)をあげません。

元肥に使用する肥料でおすすめは、ハイポネックス「マグァンプK中粒」です。「マグァンプK中粒」は緩効性の化成肥料となっており、ゆっくり長く(約1年間)効き続け、植物の生育を良くします。用土1Lあたり2~8gの使用量が目安です。

「マグァンプK中粒」以外にも、緩効性の化成肥料も有用です。このとき成分比が高すぎるもの(高度化成肥料)は使用せずに、窒素、カリウムがそれぞれ6〜8%くらいで抑えられているものが良いでしょう。

用土は盆栽用のものを使用しましょう。山砂や硬質赤玉土などを混ぜており、通気性、排水性が優れています。くれぐれも普通の園芸用の土で栽培しないようにしてください。

追肥(樹の成長を助ける肥料)

追肥の時期は、2つあります。

  1. 早春〜初夏頃(3月〜6月頃)
  2. 秋(8月下旬〜11月頃)

時期はその土地や樹種によっても考え方が様々なので、お近くに盆栽仲間を見つけると良いでしょう。

追肥のやり方は、肥料の種類によって異なります。

固形肥料で追肥

固形肥料とは、粉状、粒状、錠剤など固形の状態となった肥料のことです。固形肥料は、その形状や原料の性質、肥効(肥料の効き方)の種類によって、呼び名が変わることがあります。

固形肥料を追肥として施す回数は、早春〜初夏頃に3回(月1回程度)、秋に3回(月1回程度)とすると良いでしょう。肥料の効く期間や樹の状態によっても異なりますので、これを目安にして調節してください。

固形肥料で追肥をする方法としては、2つあります。

  1. 固形肥料を置肥として使用する
  2. 固形肥料を用土に散布する

肥料を置く場所、散布する場所の考え方は樹の根元ではなく、樹の根が張っている先の方です。樹が中心にあり、根が周りにまんべんなく張っている場合は鉢の縁側に均等に施肥すると良いでしょう。樹が片方に寄っている場合はその反対側に根が張っていると思いますので、樹の反対側を多めに施肥すると良いでしょう。

固形肥料を置肥として使用する

置肥とは、その名の通り錠剤タイプやだんご状の肥料などを直接土の上に置き、潅水によってゆっくりと溶かしていく肥料です。

置肥の弱点として潅水や雨風によって肥料が飛んでなくなってしまうことがあります。針金などでも抑えることができますが、針金から肥料が外れてしまうことも少なくありません。これを防ぐために肥料固定用の肥料容器を使用しましょう。置肥にはセフティ3「プチドーム」、TAKAGIの「肥料容器」と呼ばれる商品がおすすめです。肥料の飛散を防止してくれますし、鳥類などの外敵からも肥料を守ってくれます。

錠剤タイプの肥料として、おすすめの商品を4つ紹介します。

東商「醗酵油かす置肥 まんぞく」

菜種油かす・大豆かす・魚粉・米ぬかなど8種類以上の有機物が配合されています。また、リン酸分が強化されているので、花や実をたくさん付けてくれます。

東商「超醗酵油粕 おまかせ」

東商独自の多段階醗酵技術により作られた「におわない」「かびない」「虫がつかない」有機肥料です。顆粒、中粒、大粒、置肥と種類が豊富にありますので、用途に合わせて使い分けることができます。

東商超醗酵油粕 おまかせ5kg
ガーデニングどっとコム
「マルタ玉肥」

厳選された昔ながらの菜種油かす(油粕)に骨粉が配合されています。安心・安全な有機肥料で、ゆっくりと長く肥料効果が得られることから人気がある肥料です。

タクト「バイオゴールドオリジナル」

「盆栽の神様」と呼ばれる村田久造氏(九霞園・初代園主)との共同開発の末に生まれた肥料で、ミネラル分を多く含み、盆栽にも効果的な肥料です。天然有機肥料なので根が焼けるなどの心配がありません。

ハイポネックス「プロミック いろいろな植物用」

ハイポネックスのさまざまな植物に使用できる肥料です。安定した肥料効果が2ヶ月ほど続きます。臭いも少ないため、玄関先やベランダ、室内などにおすすめです。

天然素材を使用した成分が多い有機肥料は、素材から臭いが発生したり、 細かい虫が寄ってくることがあります。室内での使用やベランダ栽培にはあまり向きません。

固形肥料を用土に散布する

固形肥料を用土に散布する場合は、緩効性肥料を中心に樹勢が落ちてすぐに効かせたい場合は速効性肥料を組み合わせて施肥すると良いでしょう。

緩効性の固形肥料でおすすめの商品は「マグァンプK小粒」や一般的に販売されているN(窒素)-P(リン酸)-K(カリウム)=6-6-6や8-8-8の肥料、油粕(油かす)などです。散布する量は鉢や樹の大きさ、肥料の種類によって異なりますので、肥料のラベルを確認しながら施肥量を決めましょう。

液体肥料で追肥

液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。液体肥料は、用土に混ぜ込んで元肥として使用することはほとんどなく、追肥として使用することを主としています。液体肥料には

  1. そのまま希釈せずに使用するタイプ(ストレートタイプ)
  2. 定められた希釈率で液肥を薄めるタイプ

の2タイプがありますので、その製品の使い方をよく読みましょう。希釈した液体肥料は土壌に散布します。

また、液体肥料は速効性(効き目がすぐに出やすい)タイプのものが多いため、前述したとおり追肥としての使用がおすすめです。

液肥は葉面散布できる?

液体肥料(液肥)は土壌散布用に製造、販売されているものが多く、基本的には葉面散布(植物の葉にかける)の方法では施肥ができません。葉面散布が可能かどうかは製品によって異なりますので必ずラベルをよく読みましょう。

盆栽に対して、液体肥料で追肥をする場合の基本的な考え方は、薄い濃度で頻度高くやることが重要です。液体肥料は、速効性肥料であることがほとんどで肥効が1週間ほどしか持続しません。また、潅水や雨によって流れ出してしまうため、1週間に1度くらいの頻度で投与することが重要です。

液体肥料だけでの施肥管理は大変なので、固形肥料(置肥、散布)と合わせて樹勢を回復させたいときなどに液体肥料を組み合わせて使用すると良いでしょう。

液体肥料のおすすめ商品としてはハイポネックス「ハイポネックス原液」がおすすめです。

お礼肥(花物類や実物類の盆栽に施す肥料)

お礼肥とは、開花後や収穫後に施す追肥の一種です。主に花木や果樹、球根植物に施す必要がある肥料で、植物の樹勢を回復させるために施します。お礼肥には、効き目の速い化成肥料や液体肥料を使うことが一般的です。

盆栽にとっても花や実をつけることは、樹に大きな負担となります。そのため、花が咲き終わったあとや実をつけ終わったあとにはお礼肥を施しましょう。

お礼肥にはリン酸が多めに含まれている肥料がおすすめです。骨粉や鶏糞とともに油粕(油かす)を施したり、「ハイポネックス原液」などの液体肥料を施しましょう。

寒肥(春からの活動に向けて施す肥料)

寒肥とは、庭木・花木・果樹など休眠期のある植物に対して、冬期に施す肥料です。 多くの植物は冬に休眠し、春には休眠から目覚めて萌芽します。地上部が生育を始める前に根から肥料を吸わせるために施します。寒肥には、成分がそこまで高くなく、緩効性である有機質肥料を使うことが一般的です。

盆栽に対しても、寒肥を施すことがあります。基本的には成分含有量が低い肥料や有機質肥料を少し施す程度です。冬場は気温も低く、植物も休眠期であるとともに、土壌中の微生物も活動が鈍くなるため、肥料の分解が遅いです。春に向けて暖かくなってきたときに少しずつ効いてくるという形になります。

上記で紹介した骨粉や油粕(油かす)、もしくは有機系の固形肥料をおすすめします。

肥料を施してはいけない時期は?

上記で紹介した肥料のやる時期(元肥・追肥・お礼肥・寒肥)以外は肥料をやることをおすすめしません。特に真夏は植物の光合成が進み、水とともに土の養分をたくさん吸い上げる時期となりますので、樹勢が強くなりすぎたり、樹形が崩れたりする原因になります。肥料をやってはいけない時期をまとめましたので、確認をして施肥をしましょう。

  • 冬季間(寒肥1回は除く)と夏(花芽分化期含む)
  • 梅雨時期
  • 植え替えの直後(植え替えから2〜3週間は肥料を施さない)

盆栽の肥料おすすめ商品一覧

商品名東商 超醗酵油粕東商 まんぞくマルタ玉肥 大粒マルタ玉肥 小粒バイオゴールドプロミックハイポネックス原液マグァンプK 中粒マグァンプK 小粒
概要
東商超醗酵油粕 おまかせ5kg
ガーデニングどっとコム
有機/化成有機有機有機有機有機有機いり化成化成化成化成
固形/液体固形固形固形固形固形固形液体固形固形

盆栽の肥料の購入

店舗で購入する

上記で紹介した盆栽向けの液体肥料や固体肥料は、一般的な大規模ホームセンターでも販売されています。ただし、盆栽に特化した専門肥料はコメリなど、農業・園芸に特化したホームセンターにしかない場合があります。

また、ダイソーにも液体肥料が販売されていることがありますが、取り扱いのない店舗も多いようなので注意が必要です。

通販で購入する

店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。今ではAmazonや楽天市場など様々なECサイトで農業・園芸用品が取り扱われています。店舗よりも安く購入できる場合も多いですので、一度のぞいてみましょう。

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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