竹の特性
竹は地下茎の範囲が非常に広く、一部の地下茎からでもどんどん繁殖します。なかなか引っこ抜くことも物理的に困難なため、本質的な駆除には、地下茎をしっかり枯らすことが不可欠です。
伐採で竹を除草
上記の通り、竹は一部の地下茎からでも繁殖するため、地表に出た生長した竹の地上部をノコギリや鉈(ナタ)で伐採しても、また生えてきます。
しかしながら、年に2回、複数年伐採を継続することで、地下部に蓄積する養分や水分を減少させて弱らせ、駆除することができたケースがあります。(当ケースでは7年間)このため、年に2回、複数年継続して伐採を行うことは、竹の駆除として有効です。
また、竹の休眠期である落葉の季節から冬(11月後半〜2月)に、1mの高さで竹を切り倒すという方法、通称「1m切り」と呼ばれる方法があります。
この時期は竹の休眠期のため、竹が水を吸い上げなくなります。竹は切られたことに気づかないまま、春先に根や地下茎から水や養分を吸い上げて切り口に放出します。結果、根や地下茎の養分を使い果たして、春先から夏にかけて根や地下茎も枯れるというわけです。この方法は新しい方法であり、検証結果が乏しいこと、また切り株は枯れても周囲から再生竹が発生するというケースが発生していることから、よく検討の上、実施するかどうかを決めるようにしましょう。
伐採に際しては、下記記事もご参考ください。
除草剤(葉茎処理剤)で竹を除草
竹を短期間でしっかり駆除しようとすると、やはり除草剤の使用が欠かせません。除草剤は簡単には、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。
ここでは、既に生えている竹の駆除なので、「茎葉処理剤」がベストです。
「茎葉処理剤」でも様々な種類があり、地上部の葉を中心に速効性があり枯らすもの(グルホシネート系など)から、地下部の根や地下茎まで全てを枯らし、根絶やしにするもの(グリホサート系)があります。
竹は地下茎が厄介で、地下部をしっかりと枯らすことが重要なので、地下部の根や地下茎まで効果が効いて全てを枯らす、グリホサート系の葉茎処理剤がおすすめです。
商品名 | ラウンドアップマックスロード | サンフーロン | エイトアップ | ネコソギロングシャワーV8 | グリホエースプロ | はやわざ | アースカマイラズ | カダン 除草剤 ザッソージエース | タッチダウンiQ | サンダーボルト007 | アイリスオーヤマ 除草剤 速効除草剤 | 早く効いて根まで枯らす除草剤 |
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概要 | ||||||||||||
販売元 | 日産化学(株) | 大成農材(株) | (有)チャレンジサービス | レインボー薬品(株) | (株)ハート | (株)ハート | アース製薬(株) | フマキラー(株) | シンジェンタジャパン(株) | 日本農薬(株) | アイリスオーヤマ | トムソンコーポレーション(株) |
有効成分 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサート イソプロピルアミン塩 | グリホサート イソプロピルアミン塩 | グリホサート イソプロピルアミン塩 + MCPA | グリホサート イソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサート ピラフルフェンエチル | グリホサートカリウム塩 + MCPA | グリホサート イソプロピルアミン塩 + MCP A |
農耕地使用 | ○ | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ほぼ✖️ | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ |
除草剤の竹への使い方は、噴霧器を使用したりする通常の雑草への使い方と異なり、夏から秋の生育期の竹の節にドリルなどで穴を開け、薬剤の原液を10ml注入し、穴をテープで塞ぎます。
ここではグリホサート系除草剤を中心に、代表的な除草剤を具体的にいくつか紹介します。
ラウンドアップマックスロード(日産化学(株))
最もメジャーなグリホサート系の除草剤(液剤)です。成分は、グリホサートカリウム塩で、グリホサートイソプロピルアミン塩のラウンドアップ やサンフーロンなどよりも、散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい特性があります。
ラウンドアップ は、原液を希釈して薄めて使うタイプから、そのまま使えるシャワータイプのALシリーズなど、様々なシリーズがあり、用途に合わせて経済的に使用できます。
サンフーロン(大成農材(株))
サンフーロンは、ラウンドアップのジェネリック品で、成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩です。
ジェネリック製品なので安価に手に入れることができ、効果は、グリホサートイソプロピルアミン塩の他の製品と変わりません。このため、経済的にご利用可能です。
その他グリホサート 系では、ネコソギロングシャワーやネコソギクイックプロといったネコソギ シリーズやアースカマライズ、カダンのザッソージエースなどもおすすめです。グリホサート系は農薬登録されているものも多く、農耕地で使用可能なものも多いです。
グリホサート系除草剤については、下記で詳しく説明、紹介していますので、是非参考にしてください。
また、グリホサート系ではありませんが、竹にも効く、よく使用されているものをご紹介します。
フレノック10粒剤 (三井化学アグロ(株))
成分 テトラピオン
フレノック10粒剤は、もともと笹(ササ)やススキ、チガヤ用の除草剤で、竹類の登録はないのですが、秋から春に散布でき、竹にも効用があり、枯れると評判で、農家の方では愛用されている方も多い商品です。
除草剤を使用した場合、注意したいこと
除草剤を使用した場合、使用した付近でのタケノコ(竹の子)の採取は、行わないようにしてください。
タケノコ畑に使える除草剤は「タケノコ」または「野菜類」に登録があるもので、その中に「竹類」に効くものはなく、ラウンドアップ などのラベルには、「処理竹から15m以内に発生したタケノコを2年間は食用にしないでください」と注意書きがされています。
除草剤の成分が残っているかもしれないので、自家用で食べるのも、避けるようにしてください。
その他の除草方法
最近、塩を撒くことで、除草することを勧めている記事、また除草塩という商品などが見受けられます。確かに塩分濃度が高くなると雑草は枯れるので、除草の効果はありますし、塩は非常に土壌に残留、蓄積するので、雑草が新しく生えてくることも防ぎます。
しかしながら、塩は土の中で分解されないため、半永久的に効果が持続します。このため、未来にわたって植木や花などはもちろん、野菜や穀物などの作物が一切育たたくなってしまうのです。
また、土壌はつながっています。雨などで塩が流れ出て、隣の土壌にも多大な被害を及ぼします。
このため、除草に塩を使うことはくれぐれも避けてください。
防草シートでの防除
竹をしっかりと駆除した後、その場所に防草シートを貼ることが可能であれば、防草シートを貼ることは、有効な竹の防除になります。
防草シート(除草シート)は、光をほぼ遮光することで、植物に光合成を行えないように抑制するもので、竹、笹含め、スギナ、ススキ、ドクダミ、ツユクサなどあらゆる雑草に大変有効です。
防草シートについては、プランテックス(ザバーン)をはじめとして下記のコンテンツに詳しく説明していますので、防草シート資材を敷くことが可能な方は、是非参考にしてください。




防草シートを貼るときは、事前に草刈り、除草を行う必要があります。重労働な草刈りを効率的にする刈払機(草刈機)の選び方や服装については、下記をご参考ください。