この記事では、水耕栽培の肥料や液体肥料(液肥)が100均(100円ショップ)で販売されているか、水耕栽培に適した肥料とはどのようなものか、100均で購入できる水耕栽培用の材料など、わかりやすく解説します。
100均で水耕栽培肥料は売っているか?
結論、販売されていないと思われます。実際に大型店から近所の100円ショップ(ダイソーやセリア、キャン★ドゥなど)を10店舗ほどまわってみましたが、水耕栽培用の肥料は販売されていませんでした(2024年9月22日時点)。
また、水耕栽培というわけではありませんが、希釈して使用するタイプの液体肥料(液肥)は、最近、ダイソーから発売されました!(2024年9月22日時点)
しかし、最近の100均は品揃えが豊富になってきていますので、今後水耕栽培用の肥料が追加されるかもしれません。現に、基本的な園芸用品は100均でもそろえることができます。
100均で販売されている肥料は?
100均(100円ショップ)に全く販売されていないということはありません。普通化成肥料のほかに、石灰肥料やリン肥などの単肥、油かすなど有機質肥料(有機肥料)も販売されています。
また、先述したとおりダイソーから液体肥料が発売され、手軽に購入できるようになりました。
また、アンプルタイプの活力剤や木酢液なども販売されています。
水耕栽培に普通の肥料を代用することはできるか?
結論、基本的には代用できません。理由としては、下記のことがあげられます。
- 水に溶けずに水質の悪化につながる可能性がある
- 肥料の成分やpH(酸度)などが水耕栽培に適していない
液体肥料(液肥)であれば水耕栽培に使用できそうですが、液体肥料も水耕栽培用のものでない限り、基本的にはNGです。水耕栽培には「水耕栽培用」の肥料を使用するようにしてください。詳しくは、次の章で解説します。
ダイソーで販売されている液体肥料は水耕栽培には適しません。
水耕栽培に適した肥料
水耕栽培に適した肥料は、主に以下のような特徴があります。基本的には「水耕栽培用」として販売されている肥料を購入して、使用するようにしましょう。
- 水に溶けやすい
- 水耕栽培の培養液として希釈したときにバランスのとれた養分・EC・pH(酸度)になっている
- 根の生長を促進させるため、カリウム(加里・カリ)が多く含まれている
実際に、ハイポネックスから販売されている同じブランドの肥料も、土栽培用のものと水耕栽培用のものでは成分が違います。水耕栽培用の「微粉ハイポネックス」はカリウム成分が高くなっていることがわかります。
肥料を溶かした液体(培養液)は、光が当たると藻が繁殖しやすいです。藻が繁殖すると見た目が悪くなるだけではなく、水質も悪くなります。できるだけ、培養液に光が当たらないように、アルミホイルを容器に巻いたりするなどの工夫をしましょう。
水耕栽培におすすめの肥料
微粉ハイポネックス
ハイポネックスの粉状肥料として最も有名なものは「微粉ハイポネックス」です。水に溶かして液肥として使用するタイプのものとなります。様々な植物に適用でき、鉢植、家庭菜園だけではなく、水耕栽培やペットボトル栽培にも使用することができます。特に植物の根を丈夫にするカリウム(加里)が多く含まれ、植物に活力を与え、強健な植物の生育に効果的です。
ペットボトルの水耕栽培にも使いやすい肥料なので覚えておいてください。ミニトマトのペットボトル栽培は始めやすく、果実の収穫もできるのでおすすめです。
液体肥料ハイポニカ
液体肥料ハイポニカは、協和(株)の栽培方式である循環式のDFT式水耕・湛液型水耕栽培方式に使用する肥料技術から生まれた家庭用液体肥料です。A液とB液があり、それぞれを水に合わせて薄めて使います。
下記の記事にハイポニカの水耕栽培システムと肥料について詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
液体肥料ハイポニカの詳しい解説はもちろん、ハイポニカを使った水耕栽培キット「ホームハイポニカ 」についても知ることができますよ!
ベジタブルライフA
ベジタブルライフAは、プロ農家御用達の肥料を開発しているOATアグリオ(株)が水耕栽培向け肥料として販売している液体肥料(液肥)です。肥料の三大要素である窒素・リン酸・カリは勿論、鉄・銅・亜鉛・モリブデンなどの微量要素も含んでいて、各種野菜の水耕栽培に最適な肥料バランスがとられた液肥です。
ほかの肥料と同様、薄めて使います。1液で済むので手軽に使用することができます。また、土耕栽培やプランター栽培などにも使用することができます。
10kg入の大容量のものもあり、プロ農家も使用しています!
100均で販売されている栽培に使えそうなもの
100均には、肥料以外にも栽培に使えそうなものがたくさん売られています。
除草剤
ダイソーなどには、除草剤も販売されています。農耕地用(農地で使用できるもの)と非農耕地用(農地では使用できないもの)がありますので用途に合わせて選択してください。
用土やハイドロボール
鉢植えやプランター栽培で使用する用土も販売されています。また、水耕栽培でよく使用されるハイドロボールも販売されているので水耕栽培の準備をすることも可能です。
鉢や支柱
100均には鉢も販売されています。特に私が行ったダイソーの大型店舗には、様々な大きさ・種類の鉢が販売されていました。鉢受けの皿もセットで販売されているなど、とてもお買い得に購入することができそうです。
また、プランター栽培などで使用する園芸支柱も販売されていました。地植え(畑や庭)で使用するには細くて心もとない感じではありましたが、プランター栽培や鉢植え栽培であれば問題なく使用できると思います。
水耕栽培の容器やスポンジ
水耕栽培に必要な容器やスポンジも100均でそろえることができます。スポンジは、種まきのときから使用できます。基本的には、スポンジに種まきをして種から発芽したら間引きをして、育苗・栽培という流れになります。
果菜類は、スポンジに種まきをして発芽後、一部間引きをしつつ、大きな栽培容器に移していきます。果菜類は葉や実を多くつけるので、皆さんが思っている以上に根をたくさん張ります。そのため、大きな栽培容器へ移植していくことが必要です。ある程度、苗として大きくなった段階で土に植えても良いでしょう。
逆に、種まきをせずに購入した苗をスポンジでくるんで水耕栽培を始める方法もあります。
葉物野菜は、最初に種まきをしたスポンジと栽培容器のままで栽培をしていくことができます。
葉物野菜の水耕栽培の場合は、水切りかごのようなものを容器にしても良いでしょう。水をためておける容器と水切りができるザル・かごをセットで使用します。
特にセリアは、オシャレな容器や花瓶も豊富にあるので水耕栽培をより楽しむことができます。
安く手軽に水耕栽培をはじめよう
今は100均(100円ショップ)でもさまざまな道具や容器が販売されているので、簡単に水耕栽培を始めることができます。プランターや庭での栽培まではちょっと・・・という方にも、水耕栽培は始めやすいので、可能な限り100均でものを集めて水耕栽培を始めてみませんか?
そもそも水耕栽培とは
水耕栽培(Hydropinics)とは、養液栽培の一種で、固形培地を使用しないで栽培する手法のことを指します。水耕法、水栽培などとも呼ばれます。
水耕栽培と聞くと、上記写真のような植物工場を思い出す方も多いかもしれません。実は、上記写真のような栽培方法は、水耕栽培と呼ばず、ロックウール栽培(養液栽培における固形培地耕の一種)と呼びます。
画像左上にロックウールのスラブ(ロックウールが詰まった細長い栽培培地)があります。わかりますか?