サツキに肥料は必要?サツキの肥料について解説

赤色の花を咲かせているサツキの画像作物
作物知りたい肥料

皆さんは、サツキと聞いてどんな景色を思い浮かべますか?庭木、盆栽、街路樹などとして景色を彩るサツキを思い浮かべる人もいるかもしれません。最近では鑑賞目的の植物といえば、サボテンなどの多肉植物や観葉植物などがメジャーかもしれませんが、たとえば江戸時代ではそれはサツキをおいてほかにないといわれたそうです。

この記事では、サツキの育て方と照らし合わせながら、利用される代表的な肥料などを紹介します。

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サツキの概要

サツキ(Rhododendron indicum)は、ツツジ科ツツジ属の植物で、正式には略さずサツキツツジとよびます。ツツジ属には、850を超える種が存在するともいわれますが、そのうち日本には50種ほどが自生しています。原産地は広く北半球ですが、常緑性のツツジは日本や中国など東アジアにしか自生していません。サツキの原種は、本州中部から屋久島にかけて分布しています。

日当たりがよく温暖な気候を好むので、植え付けや置き場としては、少なくとも半日程度の日当たりがある場所を選ぶようにしましょう。ただし、極端な高温や直射日光に当たると弱ることがありますので、夏は半日陰となるような場所があればベストです。松やのように、ツツジを盆栽として扱う場合には、気温に応じて屋外や室内に出し入れすることがあります。

サツキは、ふつう片仮名で表記されるか、平仮名で「さつき」と表記されますが、漢字では「皐月」と表記します。これは、旧暦の皐月つまり5月から満開の花を咲かせることに由来します。大半のツツジ属植物が5月には花期を終える中で、逆行するように花期を迎えるサツキが重宝がられていたことがうかがえます。

ツツジ属には多くの種が存在しますが、代表的な種の一部は以下の通りです。古くから園芸化が進んでいたために、種間雑種や起源不明も多く、図鑑ごとに異なる分類がされることがあります。

種名特徴品種例
レンゲツツジ
(Rhododendron japonicum)
落葉性のツツジです。日本全土に自生しています。花色の基本はオレンジ色ですが、北にいくほど紅色になり、南にいくほど黄色になるとされています。・キレンゲツツジ
ミツバツツジ
(Rhododendron dilatatum)
落葉性のツツジです。関東から近畿にかけて自生しています。園芸化が進んでいないものの、逆にその天然の姿が和風だけでなく洋風のガーデンにも合うとして人気があります。・元之助
ヤマツツジ
(Rhododendron kaempferi)
常緑性のツツジです。日本全土の山地に自生しています。鹿児島県霧島地方に自生するヤマツツジから育種されたキリシマ品種が有名です。・キリシマ
・ベニキリシマ
・八重キリシマ
サタツツジ
(Rhododendron sataense)
常緑性のツツジです。鹿児島県大隅半島などに自生しています。福岡県久留米市で品種改良されたクルメツツジは、300品種を超えるともいわれるグループになっています。・麒麟
・常夏
・宮城野
ケラマツツジ
(Rhododendron scabrum)
常緑性のツツジです。奄美大島から沖縄諸島にかけて自生しています。ケラマツツジの交雑によって生じた大紫は、公園や道路の植え込みとして多く見かける品種です。・大紫
・ヒラドツツジ
・シャクナゲツツジ
シムシー
(Rhododendron simsii)
常緑性のツツジです。四季咲きの性質があり、10月頃からも開花します。狭義のアザレアであるベルジアンアザレアは、シムシーが母体になっているとされています。・ベルジアンアザレア
サツキ
(Rhododendron indicum)
常緑性のツツジです。5月下旬から鮮やかなピンクの花を咲かせます。開花時期が遅く季節感が異なること、多くの品種があることなどからツツジと区別されることが少なくありません。・松波
・日光
・山の光
マルバサツキ
(Rhododendron eriocarpum)
常緑性のツツジです。花色は紫色、葉は丸く光沢があります。サツキの盆栽として人気のある紫系の花は、このマルバサツキから受け継がれた形質とされています。・薫風
・伊達紫
・紫竜の舞

野生のサツキは、栄養分に乏しい山野や砂利地にも自然に生える生命力の強い植物です。そのため、管理が簡単で育てやすいことも特長です。同じように管理が簡単で育てやすい庭木や植木として、アジサイ(紫陽花)、レンギョウ(連翹)、ユキヤナギ(雪柳)、シャクナゲ(石楠花)、ジンチョウゲ(沈丁花)、ロウバイ(蝋梅)、ヤマボウシ(山法師)、サルスベリ(百日紅)、クチナシ(梔子)、ウツギ(空木)、モクレン(木蓮)、ナンテン(南天)、ツバキ(椿)、サザンカ(山茶花)、ハナミズキ(花水木)などが広く知られています。

サツキは、果樹やハーブ類を混植して、収穫を楽しむこともできます。レモン、キンカン、イチジク、ブルーベリー、オリーブ、スモモなどの果樹が手入れも比較的簡単で、人気があります。これらの果樹と同様に、サツキも家を目隠しする生垣として利用することができます。

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サツキの育て方と肥料を与えるタイミング

サツキは、普通の管理ができれば枯れることはないので、初心者でも簡単に育てることができます。基本的には温暖な気候を好みます。庭植えの場合、東北地方以北では、耐寒性の高い品種以外は冷害が起きる可能性があります。

サツキを庭植えする場合は、潅水や植え替えの手間が少ないというメリットがある反面、移動させにくいというデメリットがあります。日陰を避け、なるべく日当たりのよい場所に植え付けるようにしましょう。畑地であれば基本的に問題ありませんが、水はけがよく肥沃な土壌が好ましいです。また、家庭の庭やガーデニングとして、コンクリート塀の近くに植え付けると、土壌がアルカリ性に傾くことがあります。その場合、ピートモスや腐葉土などを施用し、土壌の酸度を調整して酸性寄りに戻します。

サツキを鉢植えする場合は、根が伸長することを考えて、少し大きめの鉢を用意するとよいでしょう(野菜などの作物と異なり、サツキは永年性の植物であることに留意しましょう)。用土は、鹿沼土を単用するか、赤玉土やピートモスのいずれかを3割くらい混ぜて利用します。

サツキ栽培の流れは、以下の通りです。その他にも、病害虫防除や水やりなどを行うこともありますが、ここでは共通して行う代表的な作業を記載しています。挿し木などの繁殖作業を行う場合は、新芽が充実し始める春から初夏が適期です。鹿沼土や赤玉土に挿し木して発根させた後、秋に移植させるとよいでしょう。サツキにとっても、冬は休眠期にあたります。

サツキの肥料は、「寒肥」、「お礼肥」、「秋肥」のタイミングで与えます。「寒肥」を必須として、その他のタイミングの施肥については、樹体の状況に応じて実施します。サツキは肥料が少なくても元気に育つ植物ですが、葉色のつややかさを保ったり、美しい花を咲かせるためには肥料が欠かせません。特にサツキの場合は、多くの花木や低木と異なり、狭い範囲にまとまった根を分布させます。根や幹を傷める肥料焼けを起こさないように、肥料を用土や土中に混ぜ込む方法は避け、地表に撒くか置き肥する方法を原則とします。

なお、イメージしやすいように、関東地方以西での作業実施月の例を記載しています。実際には、栽培地域や栽培品種によっても異なりますので、目安としてとらえてください。

サツキ栽培の流れ
  • 2月
    寒肥(元肥
    • 庭植えでは、樹冠下に有機肥料(骨粉や油かすなど)もしくは緩効性化成肥料を撒きます。
    • 鉢植えでは、固形有機肥料もしくは緩効性化成肥料を置き肥します。

  • 3~4月
    植え替えおよび植え付け
    • 植え替えおよび植え付けは、この時期に行います。
    • サツキをはじめとする常緑性ツツジでは、3月以降が適期です。
  • 6~7月
    お礼肥
    • 庭植えでは、樹冠下に有機肥料(骨粉や油かすなど)もしくは緩効性化成肥料を撒きます。
    • 鉢植えでは、固形有機肥料もしくは緩効性化成肥料を置き肥します。

  • 6~7月
    剪定
    • 花芽分化期に入る前の早いタイミングでの実施が望ましいので、花期が終わったらすみやかに行います。
    • 間引き剪定のほか、庭植えでは丸刈りや刈り込み剪定が行われます。
  • 9~10月
    植え替えおよび植え付け
    • 9月中旬から10月上旬にかけては、植え替えおよび植え付けができます。
    • ただし、枝には花芽ができており慎重に扱う必要があるので、春のタイミングで実施する方が望ましいです。

  • 10月
    秋肥
    • 花芽を育てると同時に、冬の寒風に備えるために、リン酸とカリウム成分を主体に施します。
    • 庭植えでは1株あたり50g程度、鉢植えでは5号鉢(直径15cm)で10g程度が目安です。

上記の「サツキ栽培の流れ」では割愛していますが、状況によっては、病害虫防除の作業もしなくてはいけません。病害虫防除には、花がらや落ち葉の処理、農薬散布などがあります。防除および駆除の対象となる主な病気や害虫には、次のようなものがあります。特に、ベニモンアオリンガやハマキムシの幼虫は、新芽や花蕾を食害するので、翌年の生育に影響します。まずは、日当たりと風通しをよくすることが病害虫予防の基本といえます。

  • もち病(病気)
  • 褐斑病(病気)
  • ベニモンアオリンガ(害虫)
  • ツツジグンバイ(害虫)
  • ハマキムシ(害虫)
  • ハダニ(害虫)

こうした病気や害虫が大量発生すると、農薬として殺菌剤や殺虫剤といった薬剤を施用しなくてはいけません。鉢植えであったり、庭植えでも小規模であったりする場合には、目視によって病斑部や食害部を見つけることができます。よく観察して、症状は早期に防ぐことを目指し、原因となる害虫は退治できるようにしましょう。

また、庭植えの場合、春先になると草花などの雑草が発生し始めます。雑草は、病気や害虫の発生源になるだけでなく、サツキに注がれるべき土壌中の養分を奪ってしまうという悪影響があるので、しっかり除草する必要があります。除草には、除草剤を用いる方法、刈払機を用いて下草を刈る方法などがあります。

サツキに与える代表的な肥料

代表的なサツキの肥料は、次の通りです。施肥については、肥料成分やタイミングによって、花芽形成、開花などの生育や生理状態に影響を及ぼしますので、重要な作業といえます。しかしながら、サツキは他の作物に比べるとはるかに丈夫なので、あまり考えすぎることなく積極的に挑戦してみるとよいでしょう。

油かす

油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機肥料です。油かす肥料が分解される過程で、臭いがしたり虫が発生したりすることがあります。このデメリットを抑えた発酵(醗酵)油かすというものもあります。事前に発酵(醗酵)させてあるので、臭いや虫の発生をある程度抑えられます。

花木・庭木の肥料

花木・庭木の肥料は、東商が開発販売する肥料です。有機肥料なので、安心して使うことができます。有機肥料は、腐葉土や堆肥などのようにゆっくり長く効く肥料なので、寒肥(元肥)にぴったりです。この製品はさらに、お礼肥や追肥としても利用することができます。一般的に花木・庭木では、窒素成分を控えめにしてリン酸を多めに与えることで、花や実を多く咲かせ充実させます。この製品は、窒素-リン酸-カリウム=4-6-3となっており、花木・庭木にとって最適な栄養バランスで配合されています。美しく健康に育てるために微量必要な、マグネシウム(苦土)とアミノ酸も配合されています。

グリーンパイル

グリーンパイルは、ジェイカムアグリが販売する肥料です。公園・街路・庭などの樹木に対しても用いられる、棒状の打ち込むタイプの肥料で、造園の施工で樹勢を回復させる目的でよく使われる資材でもあります。グリーンパイルには、樹木の生育にとって理想的なバランスで窒素・リン酸・カリウムが配合されており、樹木の根元から少し離れた位置に打ち込むことで、成分が土壌の深層までしっかりと浸透し長持ちします。とにかく処理が簡単な点が魅力です。

サツキ専用肥料

サツキ専用肥料は、アミノール化学研究所が開発販売する化成肥料です。肥料の三要素をサツキにとって最適なバランスで配合しています。また、光合成に必要な葉緑素の重要成分であるマグネシウム(苦土)も含まれており、葉色をよくすることが期待できます。さらに、日照不足や天候不順でも活力ある成長ができるようアミノ酸も含有させています。もちろんサツキ以外のツツジ属植物にも適しており、各種ツツジ、シャクナゲ、アザレアなどにもぴったりです。

サツキの肥料を購入

ホームセンターなど店舗で購入する

上記で紹介した肥料は、コメリなどのホームセンターでも販売されています。また、ダイソーなどの100円均一でも販売されていることがありますが、取り扱いのない店舗も多いようなので注意が必要です。

通販で購入する

店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。今ではAmazonや楽天市場など様々なECサイトで農業・園芸用品が取り扱われています。店舗よりも安く購入できる場合も多いですので、一度のぞいてみましょう。

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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