防草シートの上に砂利は、なぜ防草により効果があるの？
そもそも防草シートって？
防草シートとは、雑草を抑え、生えないようにするシートのことを指し、防草シート、また除草シートとも呼ばれています。空き地などを一面に覆って敷いているシートがそうで、ホームセンターの園芸コーナーに行くと、たくさんの種類の防草シートが販売されています。
防草シートの機能
では、防草シートはどうして雑草を抑えることが出来るのでしょうか？
そもそも植物は、生長するために空気中の二酸化炭素(炭酸ガス)と水に光のエネルギーを加えて炭水化物を生成し、酸素を放出する機能、光合成を行います。防草シート(除草シート)は、光を遮る(遮光)ことで、植物に光合成を行えないように抑制します。この結果、植物は炭水化物を生成できなくなり、生長しなくなる、という仕組みです。
このため、防草シートは、まず遮光率が高いことが重要です。真夏の強い日光で、光合成を完全に阻害するまでの遮光率は、99.5%以上と言われています。購入する際に、目安の遮光率にしてください。
雑草は、地面の下から、上に向かってはえるため、防草シート(除草シート)には、光を通さないことに加えて、雑草を貫通させない、物理的な強度と耐久力が必要になります。
特に、チガヤやハマスゲ、セイタカアワダチソウ、竹、笹などの突抜け性の強い多年生の雑草、また ドクダミ、スギナ など大変力が強い雑草が多数存在し、シートの隙間を突き抜け破れます。不織布などの材質のシートの方が突き破りを防ぎやすいですし、また厚みと強度があるほうが、当然貫通に対する防御力は増します。また、不織布は端の切り口がほつれにくく、劣化しにくい特性もあります。更に、防草シートは野外で使用するため、日光による劣化のほかに、水にさらされ続けることで加水分解する材質は劣化も早く、透水性が低いと水はけが悪くなり、雨が降る際にぬかるみを作ってしまいます。また酸性、アルカリ性に弱い材質も、そうでない材質のものより劣化が早くなります。
このため、ポリエチレン(ビニール袋、マルチング)よりも、透水性が高く、酸性、アルカリ性に強い材質のポリプロピレンを使用している防草シートの方が耐久性があり長持ちします。またポリプロピレン製は、ハサミやカッターで切断し易く施工しやすい特性も有しています。
防草シートの上に砂利を敷くと、どんな効果があるの？
市販されている防草シートは、最大手のプランテックス(旧名称 ザバーン)はじめ、全ての防草シートは、むき出しで使用していると、紫外線で徐々に劣化していきます。そもそも安価な防草シートは、日光に露出(曝露)して数年も放置できるように作られていません。また、非常に性能が高いザバーンのような防草シートでも、むき出しで使用すると、最もグレードが高いザバーン350Gで、約10〜15年の耐用年数になります。後々後悔しないためにも、防草シートを下地にして、玉砂利や砕石、バークチップや人工芝を敷いて紫外線を防ぐことが重要になってきます。またシートだけでは外観が殺風景になってしまいます。
しっかりと砂利や砕石、バークチップで紫外線を防ぐことが出来ると、シートの目隠しになり、高機能な防草シートだと、半永久的に雑草の繁茂を防ぐことができます。例えば、下記の丈夫な防草シートは砂利との組み合わせで半永久的に効果が持続します。
| 商品名 |  |  |  | |
|---|---|---|---|---|
| 1㎡(平方メートル) 当たり単価 | 約400円 | 約600円 | 約200円弱 | 約330円 |
| 遮光率 | 99.7% | 99.7% | 96.7% | 99.9% |
| 不織布かどうか | 不織布 | 不織布 | 不織布 | 不織布 |
| 透水性 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 性質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン |
| 耐久性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
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防草シートは、シートの隙間に雑草が生えないように、また飛来する雑草の種子を地面に付着させない為にも、専用の粘着養生テープなどで隙間なく敷き詰めることが重要です。シートを固定するための打ち込む、穴を開けマルチングにも使えるピン、プラピンやワッシャー、シートとシートをしっかり接着する養生テープがありますので、是非利用してみてください。
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防草シートについて更に詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
防草シートを下敷きにのせる、おすすめ砂利、バークチップなど８選！！
砂利
どんな砂利を選ぶかは、景観を考慮して選ぶようにしましょう。一般的な砂利から、丸い玉砂利など、形も色も様々なものがあります。また、踏むと大きな音がする防犯対策用の砂利もあります。
バークチップ、ウッドチップ
バークチップ、ウッドチップは、砂利と異なり、ガーデニング・造園の景観と合わせ易い素材です。日光が防草シートに当たるの防ぐことが出来るため、砂利と同様の効果が期待できます。デメリットは、砂利などの石の素材と比べて、虫がついたりして劣化し易いことです。
人工芝
最近の人工芝製品は、加工し易く、防草シートを下敷きにしてのせることで、砂利と同様の効果が得られます。値段や、U字ピンで固定したり養生テープや接着剤などでの設置の手間はかかりますが、庭など、用途に合えば外観も綺麗で、是非チャレンジしたい素材です。
防草砂(除草土)とは？
防草砂の種類
防草砂(除草土)とは、雑草が地面から生えてくるのを防ぐために作られた砂です。様々な種類があり、用土や砂などの天然素材に、雑草の種子の発芽抑制や成長の阻害に効果があるホウ酸カルシウムを混ぜた、固まらない防草砂(除草土)があります。
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砂にセメントを混ぜて、固まることで物理的に下から雑草を生えてこないようにする「固まる防草砂」というものもあります。「固まる防草砂」は主にアスファルトの代わりで駐車場を整地するため、また花壇の周り、庭の通路として整地するために使われます。
固まる防草砂とは？
「アイリスオーヤマ 超硬い 固まる防草砂」に代表されるように、砂にセメントを混ぜて、水をかけてから約3日~1週間で固まる砂が「固まる防草砂」です。下記の手順でDIYで施工することが出来る点と、土色、オレンジなど色んな色があり、ガーデニング・造園などに使い勝手がいい点が魅力です。
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固まる防草砂の施工方法
防草砂を敷くときは、地面に雑草がない状態にする必要があります。季節で言うと、雑草が生えていない、冬は適期と言えます。既に雑草が繁茂して雑草だらけの場合は、必ず草取りや草刈り、草むしりを行って、地面を雑草がない状態にしてください。
また、草刈りをしても、雑草が多年生雑草の場合は、根が残っているため、またすぐに生えてきます。このような場合、使用が可能であれば、草刈り後に グリホサート系(ラウンドアップ 、サンフーロン) などの除草剤を散布し、土中の根や地下茎まで枯らしてしまうことが有効です。
雑草の根や地下茎が残ったままだとすぐに雑草が生えようとし、チガヤやハマスゲ、竹、笹、セイタカアワダチソウなどの突抜け性の強い多年生の雑草は尚更、 ドクダミ 、 スギナ 、ナズナなど非常に強い雑草が生えている場合は、除草剤を使用して、根や地下茎まで除草をするようにするとベストです。
もともとの地盤が緩い場合は、踏み固めや重石を使って地面を固めて、表面を水平にならしてください。そして、晴れの日を選んで、施工部分に平らに一定の厚さで撒いていきます。平らにしないと、この後の散水で水を均等に染み込ませられなくなったり、排水が上手くいかず、水たまりが出来る原因になってしまうので、スコップの裏などで出来るだけ地面に水平な状態にしましょう。
ジョウロやホース、噴霧機で均一に散水します。散水量は購入した防草砂の説明書に従ってください。目安としては、撒いた砂と同量ほどです。その後、一時間ほど晴れ間に放置しておくと防草砂は硬化、固化して完成します。
芝生などのグランドカバープランツによる防草
除草後、防草シートを張って、人工の芝を敷くことの他に、芝生やヒメイワダレソウ、クラビアの種、苗を植えるなど、自生するグランドカバープランツ(地面、地表を覆うために植栽する植物)や低木、植木を植え付け覆うことで緑化し、景観を美しく保つ方法があります。この場合は、植栽シートをうまく活用したり、グランドカバーの手入れが必要になってきます。植栽シートと芝、ヒメイワダレソウなどのカバープランツの組み合わせは非常に色合いも美しいので、チャレンジする価値があります。どんなグランドカバープランツがいいかは、植え付ける場所が日陰なのか、日当たりがいいのかなどで異なってきますので、場所に応じて選んでください。
