美しく管理が行き届いた芝生は、見ているだけで素敵ですね。公園やサッカースタジアム、庭など、様々な場所で目にする芝生。どのように管理すれば美しく維持できるのでしょうか?
この記事では、肥料としての成分を持ちながら、芝生に生える厄介な雑草を枯らしてくれる除草剤としても使える、除草剤肥料をご紹介します。
除草剤肥料 シバキーププラスV、シバキーププラスαとは?
肥料としての成分を持ちながら除草剤としても使える除草剤肥料は、シバキーププラスV、シバキーププラスαがあります。
概要
シバキーププラスV、αは除草効果と肥料効果のダブル効果を持つ画期的な商品です。内容は具体的には以下の通りです。
共に、肥料の三要素である窒素(チッソ):リン酸:カリをしっかり含有しておりバランスの取れた化成肥料といえます。さらに特徴として苦土(クド)も含有しています。クドは芝の葉緑素を促進させて、芝生をより緑色の鮮やかな色彩に生長させます。
除草成分に関してはDBNは共通しているものの一部異なります。それでは除草成分の特徴について詳しくみていきましょう。
シバキーププラスVの具体的な除草効果は?
シバキーププラスVの除草成分は、
- メコプロップPカリウム塩
- DBN(2,6-ジクロロベンゾニトリル(PRTR・1種))
です。
メコプロップはMCPPとも呼ばれ、オーキシン型の植物ホルモン作用を有し、植物ホルモン作用を攪乱することによる細胞分裂異常により除草活性を有するフェノキシ酸系除草剤になります。主な特長は、
です。
DBN(2,6-ジクロロベンゾニトリル(PRTR・1種))は、カソロンなどに代表される土壌処理剤に区分される除草剤の成分です。
DBNは、非ホルモン系の除草剤で,根部や生長点から吸収される移行型です。細胞分裂を阻害することで枯れさせる効果があります。具体的な効果は、土壌に1cmほどの処理層を作って、雑草の種子の発芽成長を妨げる発芽抑制効果があります。植物の根から吸収された場合は10~14日で枯れはじめ,60~90日間と長期間、雑草の発生を抑える効果があります。
特にDBNはギシギシ、ヨモギ、スギナ、ヤブガラシなど、非常に厄介な難防除雑草の発芽、初期生育を防ぐのに効果を示します。一度散布すればb60~90日間と長期間効果が持続するのも優れた点と言えます。
このように、シバキーププラスVは、芝の除草剤としてよく使われるMCPPとDBNという二つの要素を併せ持つ、非常に強力な除草効果があるといえるでしょう。
シバキーププラスαの具体的な除草効果は?
シバキーププラスαはDBNに加えて、トリアジフラムというトリアジン系の除草成分が入っています。
トリアジン系は広葉雑草に広く効き、さらにメヒシバやオヒシバ、ノビエといったイネ科の雑草にも効果がある点が特長です。ただし土壌処理剤なので雑草が大きくなると効果が劣ってしまいます。雑草の発生前にしっかり使用する必要があります。トリアジン系で有名な除草剤にシマジンなどがあります。
シバキーププラスV、シバキーププラスαの注意点
このように非常に便利なシバキーププラスV、シバキーププラスαですが、芝に使用する場合、日本芝(高麗芝(コウライシバ))にしか使えない点に注意が必要です。つまり、ブルーグラスやベントグラス、ケンタッキーブルーグラスなどの西洋芝には使えない点に気をつけてください。
また、どちらも除草効果を有しているため農薬に該当するので、商品に記載されている説明や適用表はしっかり確認するようにしましょう。
また、シバキープには納豆菌の仲間であるバチルス菌を配合したサッチ(芝生の刈りカスや枯れ葉などの茎葉が密に混じった堆積層)を分解することもできる「シバキーププロ芝生のサッチ分解剤」という商品もあります。サッチが気になる方にはこちらもおすすめです。
芝生と肥料の関係について
芝はイネ科の多年草の総称のことで、芝生とは芝草(芝と呼びます)が一面に生えている状態にし、絨毯のように密集して植栽した場所を指します。
植物が育つためにはチッソ(窒素)、リンサン(リン酸)、カリウム(加里)の三大要素のほか、マグネシウムやカルシウム(石灰肥料が有名)などの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄、マンガン、ホウ素をはじめとした「微量要素」が必要です。
芝草(芝)も当然植物なので、肥料は必要になります。
では、芝生にはいつ、どれくらいの頻度で肥料を与えれば良いのでしょうか。これについては下記に詳しく説明していますので、どうぞご参考ください。
また、芝生に合う肥料はどんなものがあるのか興味ある方は、是非下記もチェックしてみてください。
芝生に生える雑草と除草について
芝生に生える雑草
芝生には、約70種類程度の雑草を見かけることができます。雑草は、生育する季節によって以下の2つに大別できます。
- 「冬雑草」秋から翌年の初夏にかけての冷涼期に生育する雑草
- 「夏雑草」春から夏の高温期に生育する雑草
雑草の中には、花を咲かせるものも多いです。「綺麗だな」と残しておくと、雑草の繁殖につながるので見かけたら抜き取ったり、駆除、防除するなどの対策が必要です。芝生に生える代表的な雑草を掲載しますので、ご自身の芝生に生えてきたら該当するものかどうか調べてみてください。
植物名 | ウラジロチチコグサ | オオイヌノフグリ | カラスノエンドウ | スズメノカタビラ | オオアレチノギク | オランダミミナグサ | セイヨウタンポポ | ハルジオン | ハコベ | ノゲシ・ハルノノゲシ | ツメクサ | ノボロギク | オオバコ | エノコログサ | カタバミ | オヒシバ | メヒシバ | カヤツリグサ | ザクロソウ | コメツブウマゴヤシ | コニシキソウ | シロツメクサ | スギナ | チガヤ | ニワゼキショウ | ハマスゲ | チドメグサ | ヒメスイバ | ヒメクグ | ヨモギ |
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冬雑草/夏雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 |
芝生に生える雑草の除草方法
芝生に雑草が生えると、芝生があるため、雑草だけを草刈・草取り、手で引き抜くのは大変です。このため、芝生には影響なく、雑草だけ枯らしてくれる選択性の芝生に使える除草剤を使うのがおすすめです。アージラン(グリーンアージラン)やMCPP、24d(2,4-D「石原」アミン塩)、ザイトロンアミン液剤などがよく知られています。
芝生で使える効果的な除草剤について知りたい方は下記を参考にしてみてください。
(補足)芝生の手入れアレコレ
日当たり・水はけ
植物は光合成によってエネルギーを作ります。特に、芝は日光が大好きで日当たりが良い場所を好みます。また、野外で育てるため、水はけが良い土地が望ましいです。日陰が多い場所の場合は、日照時間が比較的少なくても問題ない品種を選ぶと良いでしょう。刈高を上げてできるだけ葉の面積を多くし、光合成を促進させるなどの工夫も有効です。
水やり・散水
芝は、生育期に比較的多くの水やりが必要な植物です。生育期、土が乾いたら、なるべく水をやるようにしてください。特に猛暑の時期は夏枯れを防ぐため水やりを毎日してあげましょう。一部の葉が徐々に巻いて丸まっている状態だとすると、明らかに水不足のサインが出ていますので、水やりをしてあげましょう。
基本的な水やりの頻度の目安は週に1〜2度で、夏はできるだけそれ以上に散水するといいでしょう。休眠期の冬場は特に散水する必要はありません。
また、芝を新たに栽培するときには、芝苗を張る「芝張り」の作業や「播種(種まき)」後は、基本的にたっぷりと水やりをしましょう。芝張り、芝の張り替えなどを行った際には、その当日にたっぷりと水やりをするのはもちろんのこと、その後1ヶ月間程度は、頻繁に水やりをします。この1ヶ月が芝生の養成期間となりますので、可能な限り乾燥させないことが重要です。
より詳しい情報は下記を参考にしてみて下さい。
小規模な芝生はジョウロや庭のホースからの散水で大丈夫ですが、公園やグラウンドのような大規模な芝生だとスプリンクラーなどが必要になってきます。
エアレーション
エアレーションとは、芝生に専用の穴あけ機で穴を開けることで、土壌中の酸素を増やし、透水性を高め、土壌表層に溜まる老廃物であるサッチの分解を促進させ、サッチの蓄積を防ぐために行います。
芝生は、畑と違って一度植えてしまうと、耕耘ができません。このため用土が固くなり、サッチが蓄積し、芝の育成を阻害してしまうのです。
エアレーションを行う適期は、芝生の生長がよい時期です。具体的には暖地型は初夏や梅雨明け、寒地型は春と秋が適期となります。また、エアレーションに合わせて、レーキや熊手で蓄積したサッチを取り除く、またサッチ分解剤を使ってサッチを除去するサッチングも行ってください。
目土
目土は、芝生の管理特有の言葉で、「めつち」と読みます。目土は、芝生の上に川砂などをかぶせ、覆うことで、サッチの抑制や表面のデコボコを平にしたり、新芽を保護したり地温を保つ効果があったりと、非常に重要です。具体的には年間に1〜2回、4〜5月、10月に行うのがベストです。
普通の土(そこらのへんにあるような土)を使うのは駄目ですよ!
芝生の目土用の土も販売されていますので、ご自身で目土作業を実施することも可能です。
広い敷地の芝生をお持ちの方は、造園業者などに目土を頼むと良いと思います。ご自身でやるより安く綺麗に仕上がります。
⇒草刈り・芝刈りなど造園を頼みたいときにはただし、7月〜8月頃の真夏の時期は一度にたくさんの目砂を入れることは避けましょう。真夏は地温が高温になることがあり、葉や茎が傷んでしまうリスクがあります。目土入れの適した時期としては4月〜6月頃、もしくは暑さが過ぎ去った秋頃が良いでしょう。
芝刈り
芝刈は、刈り込むことによって上への成長を止め、芽吹きを促進させて新芽を増やし、密度を高める働きがあるので、欠かせない手入れの一つです。葉が短くなる分、葉の枚数を増やして光合成ほ活発化させ、濃い緑になります。また、芝刈りしないと、芝が伸びっぱなしで害虫のすみかになってしまい、病気になりやすくなります。
生育期は月に2度以上、生育が旺盛で芝が伸びる最盛期は、出来れば週1くらいの頻度で芝刈りしてください。芝刈り機は様々な種類があり、電動、エンジン式、また刈る方式としてはリール式とロータリー式があります。さらに、芝刈り機は芝の際をうまく刈ることはできないので、見た目にこだわる方は、際刈りの為にハンディバリカンも必要になってきます。匍匐茎(ほふくけい)のような横に伸びるランナーは気にせず刈って大丈夫ですが、立ち上がりが目立つならば目土してください。
芝刈り機、芝刈りハサミやバリカンには様々な種類があるので、下記を参考にして必要な面積に応じて、ベストなものを選んでみてください。
芝生にはどんな雑草が生えるのか
芝生には、約70種類程度の雑草を見かけることができます。雑草は、生育する季節によって以下の2つに大別できます。
- 「冬雑草」秋から翌年の初夏にかけての冷涼期に生育する雑草
- 「夏雑草」春から夏の高温期に生育する雑草
雑草の中には、花を咲かせるものも多いです。「綺麗だな」と残しておくと、雑草の繁殖につながるので見かけたら抜き取ったり、駆除、防除するなどの対策が必要です。芝生に生える代表的な雑草を掲載しますので、ご自身の芝生に生えてきたら該当するものかどうか調べてみてください。
植物名 | ウラジロチチコグサ | オオイヌノフグリ | カラスノエンドウ | スズメノカタビラ | オオアレチノギク | オランダミミナグサ | セイヨウタンポポ | ハルジオン | ハコベ | ノゲシ・ハルノノゲシ | ツメクサ | ノボロギク | オオバコ | エノコログサ | カタバミ | オヒシバ | メヒシバ | カヤツリグサ | ザクロソウ | コメツブウマゴヤシ | コニシキソウ | シロツメクサ | スギナ | チガヤ | ニワゼキショウ | ハマスゲ | チドメグサ | ヒメスイバ | ヒメクグ | ヨモギ |
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冬雑草/夏雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 冬雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 | 夏雑草 |
芝生に生える雑草の除草方法
芝生に雑草が生えると、芝生があるため、雑草だけを草刈・草取り、手で引き抜くのは大変です。このため、芝生には影響なく、雑草だけ枯らしてくれる選択性の芝生に使える除草剤を使うのがおすすめです。アージラン(グリーンアージラン)やMCPP、24d(2,4-D「石原」アミン塩)、ザイトロンアミン液剤などがよく知られています。
芝生で使える効果的な除草剤について知りたい方は下記を参考にしてみてください。
養生
芝生の養生とは、芝生を踏みつけたりすることがないように立入りを規制することを指します。芝生を養生する理由は、外部からの衝撃を避けて芝の根や生長を促すためです。また、オーバーシーディングなど種まきをしたときにも、芝がしっかりと発芽して根付くように養生します。
特に芝張り、張り替え後、エアレーション後、種まき後、芝が弱っているときに行います。養生に使えるフィルム、シートや不織布などは下記を参考にしてください。
芝を増やしたい時
芝は冬枯れしたり、踏み付けられすぎたり等で枯れることもあります。枯れた後に芝を植えて、芝の量を増やして密度の濃い芝生を作りましょう。隙間を埋めて芝を増やしたい場合は、直に種まきするよりも、種を容器(ポットやプランター)で育苗し芝苗を作ってから、苗を地面に植え付けるという方法がおすすめです。植え付け後、養生期間を設けて土に定着させるようにしてください。
また、冬にも芝生を維持するために暖地型の芝生に寒地型の芝を種まきし、「芝を芝で覆う」オーバーシードという方法があります。寒地型でオーバーシードをする場合は、ウィンターオーバーシードと呼びます。一年中芝が必要な競馬場などではよく行われている方法です。オーバーシーディングは手間が非常にかかるので、メリットデメリットをよく考えた上で行ってください。