撒くだけで芝生のサッチを分解する!サッチ分解配合肥料について

芝生のサッチ取り(サッチング)に使用するレーキの画像です。栽培
栽培芝生

サッカー場などの競技場から公園、ご家庭の庭まで、芝生はさまざまなところに植えられています。芝生の緑色は、心安らぐ空間を与えてくれます。

芝生の手入れ作業には、芝刈りや水やり、エアレーションなどのほかにもサッチング(サッチ取り)という重要な作業があります。芝生のサッチング作業は、通気性や透水性(水はけ)、新根の伸長の改善、病気の予防などのために必要な作業です。

ですがサッチングは重労働であるため、できれば少しでも作業の頻度やサッチの量を減らしたいものです。そのようなときにはサッチの分解を助けてくれる肥料の使用を検討しましょう。

この記事では、サッチの分解を助けるサッチ分解成分が配合された肥料について、仕組みや安全性、おすすめの商品をご紹介します

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サッチとは

綺麗な芝生を維持、管理するためには、芝刈り作業が必要です。ゴルフ場や競技場、ご家庭の庭など、芝生を栽培しているところは必ずと言っていいほど芝刈りをしているはずです。また、芝生は一度植えたらそのまま栽培を続ける永年植物であるため、古くからある根や匍匐茎(ランナー)などが徐々に老化して枯れて蓄積します。

そのような刈込み後の刈芝や枯れた匍匐茎(ランナー)や根、芝草が土壌と混ざったものを「サッチ」と呼び、長年に渡って蓄積した層を「サッチ層」と呼びます。

サッチは、基本的にはサッチング(サッチ取り)と呼ばれる作業を実施することで取り除きます。

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サッチによる影響

サッチを芝生に残したままにすると、芝生の生長に大きく影響します。サッチ層による芝生への主な影響は、以下のとおりです。

  • 通気性が悪化する
  • 水はけ(透水性・排水性)が悪化する
  • 新根が伸長しにくくなる
  • 病原菌の温床になり、芝生が病気になりやすくなる

通気性が悪化する

サッチが芝生の土壌の上に堆積することによって、土壌の通気性が悪化します。

土壌の通気性が悪くなると、嫌気状態になりやすく、病原菌などの悪い菌も発生・繁殖しやすくなります。また、土壌に酸素が供給されづらい状況になることで、微生物の活動も悪くなりサッチや古い根の分解もされづらくなります。

水はけ(透水性・排水性)が悪化する

サッチの蓄積によって、土壌の水はけ(透水性・排水性)が悪化します。

想像しやすいのが芝生にできる水溜りです。水はけが悪いと、芝生に水溜りができやすくなり、芝生の生長に大きく影響します。

芝生は湿気の多い状態が続くと湿害に遭いやすくなります。芝生の湿害は主に酸素不足と高温によって引き起こされ、その影響で芝生の根が激減し茎葉部が水分不足で枯れてしまいます。

その他にも病原菌が繁殖しやすくなったりすることで、病気にもなりやすい状況になり得ます。

新根が伸長しにくくなる

サッチは芝生の根が張る土壌の上に堆積するので、根にも多大な影響を与えます。特に、新根が張りにくくなることによって、芝生全体が老化しやすくなる状況に陥ります。

新根が張りにくく伸長しづらくなる理由は、通気性・透水性が悪くなるためです。

病原菌の温床になり、芝生が病気になりやすくなる

通気性・透水性が悪くなることによって病原菌の温床になりやすく、芝生が病気になりやすくなります。

芝生の病気には、以下のようなものがあります。

  • サビ病
  • ラージパッチ(葉腐病)
  • カーブラリア葉枯病
  • ダラースポット病
  • 炭疽病(炭そ病)、ブルーグラス炭疽病(炭そ病)
  • ブラウンパッチ

特に過湿によってかかりやすい病気は、「カーブラリア葉枯病」「炭疽病(炭そ病)」「ブラウンパッチ」などがあります。これらの病気を予防するためにも、サッチ層はしっかりと取り除き、透水性・排水性を確保することが重要です。

サッチング(サッチ取り)とは

サッチング(サッチ取り)とは、芝生・土壌の上に蓄積したサッチを取り除く作業を指します。芝生を綺麗に管理したい方は、エアレーションなどと並んで重要な作業の一つとなります。

芝生のサッチ取り(サッチング)に使用するレーキの画像です。

サッチングには、熊手やレーキなどを使用します。手作業のサッチングに最も向いている道具は「金属製の熊手」です。

一般的に販売されている金属製の熊手は、先の幅を自由に調節することができるため芝の掴み具合を自由に変えることができます。また、先端が丸く加工してある熊手は、芝生を傷めにくいのでおすすめです。

近年では、サビに強く軽い素材であるステンレスが採用されている熊手もあり、楽に作業ができるようになってきています。

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編集さん
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ゴルフ場など広い場所では、手作業でのサッチングではなく機械を使うことが多いです。

家庭用に使えるサッチングマシンもあります。キンボシのサッチング専用マシン(電動ローンコーム)やリョービのスーパーマルチツールに取り付けるサッチング用のアタッチメントなどを使用すれば、サッチング作業もかなり楽になります。

サッチ分解剤が配合された肥料とは

サッチング作業が重要、かつ大変な作業であることがおわかりいただけたと思います。可能であれば、サッチング作業の頻度を減らしたいですよね。そのためには、サッチの蓄積する量を減らすことが必要となりますが、どのような対策をすればサッチの堆積を減らすことができるでしょうか。

一つの解決策として、「サッチ分解剤(サッチ分解促進剤)」が配合された肥料を定常的に使用することです。

サッチ分解剤(サッチ分解促進剤)は、主に微生物や放線菌、酵母などによってサッチの分解を助ける働きのある資材で、市販されているものについては肥料に配合されていることが多いです。

サッチ分解剤を使う理由

実は自然環境下でも、サッチは土壌の微生物によって分解されていきます。しかし、芝生を継続して育てていると冬枯れした葉や芝刈りによる刈草、代謝で古くなった葉や茎・根などサッチの元はどんどん発生するため、分解が追いつきません。

また、芝生の葉はリグニンやセルロースなどの繊維質が非常に多く、他の植物と比べて分解されにくい特徴もあります。

サッチ分解剤を撒くことで、土壌にいる微生物の数が増えたり、微生物が出した酵素が供給されるため、自然環境下よりも早くサッチを分解することができます。

サッチ分解剤の種類

サッチ分解剤には、自然界に広く存在する「バチルス菌(納豆菌の仲間)」などの微生物が配合されています(配合されている微生物は製品によって異なります)。サッチ分解剤には分解促進方法の違いによって、大きく2つの種類に分けることができます。

  1. 微生物が出す酵素をそのものを分解剤とした商品
  2. バチルス菌などの微生物の力を活用した商品

どちらも微生物による力を利用したものですが、「バチルス菌などの微生物の力を活用した商品」のほうが安定した効果を長期間持続できるという特長があります。

バチルス菌がサッチを分解するメカニズムとは?

バチルス菌がサッチを分解するメカニズムは、バチルス菌の増殖過程で植物残渣を分解する酵素を産生し、その酵素がサッチを分解してくれます。

サッチ分解剤配合肥料のメリット

サッチ分解剤が配合された肥料を使用する主なメリットを以下に挙げます。

  • サッチング作業などのコストが削減できる。
  • サッチは養分となり、肥料効果を発揮します。
  • サッチが減ることによって、芝生の生育環境がよくなり、綺麗な芝生を維持、管理しやすくなる。
  • 芝生管理の省力化ができる。

このように、サッチ分解剤を使用すると芝生の管理作業の省力化、良好な生育環境の維持ができます。

サッチ分解剤配合肥料の安全性

サッチ分解剤と聞くと、「危険な薬品なのではないか」と思われますがそうではありません。基本的には微生物の力を使用している商品が多いため、有害な化学薬品の成分は含まれていません。

芝生は人も犬などのペットも気軽に触れることができるため、可能な限り安全なものを使用したいです。その点で、サッチ分解剤は比較的安全な資材であると言えます。もちろん、商品によって含まれている成分が異なるため、ラベルやパンフレットなどをしっかりと確認してください。

サッチ分解剤配合肥料のおすすめ商品

サッチ分解剤が配合された肥料のおすすめ商品を紹介します。

  • シバキープPro芝生のサッチ分解剤(シバキーププロ芝生のサッチ分解剤)
  • イデコンポシリーズ
  • サッチ分解促進剤入り芝生専用肥料 グリーンクリーナー
  • 万緑-NHT
  • 芝の肥料 サッチ分解成分入

レインボー薬品 シバキープPro芝生のサッチ分解剤

レインボー薬品のシバキープPro芝生のサッチ分解剤は、有機肥料に納豆菌の仲間であるバチルス菌を配合したサッチ分解剤配合肥料です。バチルス菌を使用しているため、比較的安全性の高い製品です。ペレット状になっているため、散布しやすいのも特長です。

日本芝と西洋芝、どちらにも使用することができ芝生のメンテナンスに重宝する商品です。

芝生の生育期(3~10月中旬)にパラパラと均一になるように散布します。年に2〜3回程度散布するのがおすすめです。散布したあとに水やり(散水)をするとより効果が現れやすくなります。

出光アグリ イデコンポシリーズ

出光アグリのイデコンポシリーズは、バチルス菌を配合したサッチ分解剤配合肥料です。ニーズに合わせた豊富な商品ラインナップが特徴です。

商品によって、製品の形状や含まれている成分、肥料(窒素リン酸、カリウム、石灰、苦土、ケイ酸など)の成分含量などが異なります。上記のリストのリンクから、それぞれの商品詳細ページ(公式サイト)を確認して適したものを選んでください。

園芸用として市販されている最も手に入りやすい商品は、イデコンポガーデンEVです。

イデコンポガーデンEV 5kg 芝生 肥料 土壌改良剤 サッチ分解促進
池田ショップ楽天市場店

サッチ分解促進剤入り芝生専用肥料 グリーンクリーナー

サッチ分解促進剤入り芝生専用肥料 グリーンクリーナーは、バチルス菌、放線菌、酵母を含んだサッチ分解剤入り肥料です。

窒素、リン酸、カリウムがほどよく含まれた肥料となっています。バチルス菌に放線菌と酵母を加えることでサッチ分解効果を高めています。

発売元は東日本肥料となっており、ネット通販ではバロネスがグリーンクリーナーを販売しております。

サン化成 万緑-NHT

芝生用土壌改良剤 万緑-NHT 20kg 細粒タイプ サッチ分解 善玉化効果 トレハロース ケイ酸
芝生のことならバロネスダイレクト

サン化成の万緑-NHT(ばんりょく-NHT)は、バチルス菌のほかに好熱菌(バクテリア ホウジョウ菌)、光合成細菌やトレハロースを含んだサッチ分解効果のある土壌改良材です。

本商品の最大の特徴は、トレハロースが含有されていることです。トレハロースが含まれていることで以下の効果が期待できるとされています。

  • バチルス菌や光合成細菌の休眠覚醒効果
  • 作物の乾燥害や凍結防止効果
  • 作物細胞有機成分(タンパク質など)の変性抑制及び老化抑止効果
  • 作物の品質(鮮度保持など)保護効果
  • 生育のエネルギー向上効果

細粒タイプもあるので、用途に合わせて選択しましょう。

芝生用土壌改良剤 万緑-NHT 2kg 細粒タイプ サッチ分解 善玉化効果 トレハロース ケイ酸
芝生のことならバロネスダイレクト

自然応用科学 芝の肥料 サッチ分解成分入

自然応用科学の芝の肥料は、微生物が含まれたサッチ分解成分入りの機能性肥料です。

微生物の力でサッチを分解し、養分に変える効果があります。

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