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水田の除草・防草雑草別対策

田んぼに発生する厄介な水田雑草について、種類、生態から防除方法まで徹底解説!

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田んぼ(水田)の生育期の写真 水田の除草・防草

雑草はたくさんの種類がありますが、大きく分けると、一年で枯れる「一年生雑草」、複数年生育する「多年生雑草」があり、それぞれ「イネ科雑草」「広葉雑草」に分類されます。

基本的に、稲に害をなす雑草は、群生する雑草が多くなります。群生することで必要以上に害虫を大発生させるなどの害を及ぼします。

しかし、田んぼに生える雑草は、全てを除草しなければならない雑草ではないのです。アゼナやホシクサ、マツバイは稲に害を与えることはありませんし、アカウキクサ、アオウキクサ、オオアカウキクサ、ウキクサ、アオミドロ(藻類)のように、田植え後に水面に広がってくれると他の草を抑える働きをする益草もあります。

ここでは水田に生える水田雑草の中でも、特に害草になってしまう種類、品種、それぞれの特徴と、それぞれを駆除、防除するにはどんな方法があるのか、徹底解説していきたいと思います。

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クログワイ

田んぼに生える難雑草クログワイ
出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
カヤツリグサ
種類多年草
分布北海道以外
学名Eleocharis kuroguwai Ohwi
別名クワイヅル,イゴ,ゴヤ

クログワイの特徴

クログワイは塊茎で繁殖する多年草で、水田や沼、池に多く発生します。水田に発生する代表的な雑草です。

クログワイの防除方法

冬季に水田を乾燥させて塊茎を地表に出させることで乾燥によって塊茎を枯らし、死滅させることができます。水田に発生している場合は、下記のような、水田に使える除草剤を使用して駆除することになりますが、一度で除草することは難しく、2,3回除草剤を散布する必要があります。

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イヌホタルイ

水田に繁茂するイヌホタルイの写真
出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
カヤツリグサ科
種類多年草
分布日本全土
学名cirpus juncoides Roxb. var. ohwianus T. Koyama
別名

イヌホタルイの特徴

イヌホタルイは塊茎で繁殖する多年草で、水田や沼、池に多く発生します。非常に密集、多発生する水田に発生する代表的な雑草です。似ている雑草にホタルイがありますが、ホタルイは水田には発生しません。

イヌホタルイの防除方法

基本的には、水田に使える除草剤を使用して駆除することになります。一度で除草することは難しく、2,3回除草剤を散布する必要があります。一発処理剤(スルホニルウレア系化合物(SU)系の除草剤、通称SU一発処理剤と呼ばれます)はイヌホタルイの除草に有効ですが、近年、スルホニルウレア系化合物に抵抗性を持つイヌホタルイ、所謂SU抵抗性雑草のイヌホタルイが全国的に出現しているので、この場合は、下記のような抵抗性生物型に有効な成分を含む除草剤を使用してください。

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コナギ

水田雑草の代表格、コナギ
ミズアオイ科
種類一年草
分布本州以南
学名Monochoria vaginalis (Burm.f.) Presl var. plantaginea (Roxb.) Solms-Laub.
別名ナギ、オトゲナシ

コナギの特徴

春に発芽する一年草で、葉が球形、卵形の種子で繁殖する代表的な水田の害草です。分げつ期の稲(イネ)と生育が競合してしまうことから、コナギが多数発生すると稲の生育が遅れ、コナギはますます生育するという悪循環を招いてしまいます。

コナギの防除方法

上記のように、分げつ期の稲に多大な影響を与えてしまうため、その前に駆除することが重要になってきます。具体的には、稲の生育初期、つまり田植え前後に土壌処理剤、一発処理剤で抑えていく必要があります。しかし近年、コナギも、スルホニルウレア系化合物に抵抗性を持血、一発処理剤が効かないコナギが全国的に出現しているので、この場合は、下記のような抵抗性生物型に有効な成分を含む除草剤を使用してください。

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コナギは種子が小さく軽いため、非常に拡散しやすいのが特徴です。除草剤を撒いて防除していても毎年生えてくるので、毎年しっかり防除することが大事です。

イヌビエ

難雑草イヌビエ
イネ科
種類一年草
分布日本全土
学名Echinochloa crus-galli Beauv.
別名ノビエ

イヌビエの特徴

「ノビエ」と総称される雑草ヒエ(稗)の中で、最もよく見られる、種子で繁殖し、春に出芽する夏生一年草です。水田の灌水が不十分、浅水の場合に発生しやすく、畑地においても問題になる雑草です。

イヌビエの防除方法

下記のような土壌処理剤、一発処理剤を除草剤の包装に書かれた使用時期と使用条件をよく読んで、使用しましょう。イヌビエは成長過程によって、除草剤の成分と量が異なってくるためです。

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初期に防除した後、残ったイヌビエは下記のような後期剤で処理するようにします。

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イボクサ

水田に繁茂し、綺麗な花を咲かせるイボクサ
出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
ツユクサ科
種類一年草
分布日本全土
学名Murdannia keisak (Hassk.) Hand.-Mazz.
別名イボトリグサ

イボクサの特徴

イボクサは湿地、水田、畦畔によく見られ、広範囲に個体が集まり繁茂するため小さい水路を覆って水路の障害となったり、その強烈な繁茂力で稲(イネ)にも実害を及ぼす害草です。

イボクサの防除方法

基本的には発生期に下記のような一発処理剤を散布することが有効ですが、いったん成長し、後期に水田で繁茂すると、茎が節から切れやすいため完全除去が困難になります。このため、発生期にしっかり防除することが重要になります。後期に多発した場合は、後期除草剤で処理するようにしてください。

後期除草剤は下記になります。

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除草剤を使わない場合は、代かきを丁寧に行って、ほふく茎を土中に埋め込んでください。また、成長したイボクサを手取りで除草する場合は、畦畔に置くと活着するため、集めて土中に埋め込むようにしてください。

オモダカ

水田に繁茂するオモダカ
出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
オモダカ
種類多年草
分布日本全土
学名Sagittaria trifolia L.
別名ハナグワイ、サンカクグサ、イモグサ、オトゲナシ
オモダカの生育スケジュール

オモダカの特徴

オモダカは溝,水田が浅水のときに生えます。また,稲刈取り(収穫)後、再成長して再び塊茎が形成され,翌年の発生源となってしまうケースがあります。オモダカは一度発生すると稲(イネ)よりも成長し、除草剤の効きにくい多年生広葉雑草として有名です。

オモダカの防除方法

オモダカの効果的な防除方法は、田植え後の一発処理剤の施用が挙げられます。また、SU剤(スルホニルウレア系除草剤)に抵抗性のあるオモダカが発生しているので,この場合には抵抗性生物型に有効な成分を含む除草剤を使いましょう。

後期除草剤は下記になります。

バサグラン液剤 500ml
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SU剤(スルホニルウレア系除草剤)とは?

SU剤とは、除草剤の有効成分であるスルホニルウレア系化合物(SU)を含む除草剤のことを指します。

スルホニルウレア系化合物(SU)とは、1970年代に米国のデュポン社によって発表され、日本の水稲用として使用されている例としては、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、アジムスルフロンなどがあります。

近年、SUが効かないSU抵抗性雑草が問題になってきており、SU抵抗性雑草に対する有効剤が多く開発されています。例としては、プレチラクロール、ブタクロール、カフェンストロール、ペントキサゾン、ピラゾキシフェン、ピラゾレート、ベンゾフェナッブ、クロメプロップ、ダイムロン、ベンフレセート、ブロモブチド、ベンゾビシクロン、MCPB・シメトリン、ベンタゾンがあります。

特定の雑草だけが増えている、またSUを含む除草剤を連続して使用している場合は、SU抵抗性雑草の可能性が高いとみていいでしょう。

まとめ

水田に生える雑草は、その他コウキヤガラ、タイヌビエ、ミズガヤツリ、ヒルムシロ、アメリカアゼナ、キカシグサ、ウリカワ、クサネム、シズイ、ハリイ、タマガヤツリ、ミゾハコベ、タケトアゼナ、キシュウスズメノヒエ、タカサブロウ、ミソハギ、ウキヤガラ、アゼトウガラシ、タウコギ、イグサ、ゴマノハグサ、カズノコグサ、ミズハコベ、ミズワラビ、ヒメタイヌビエ、タガラシ、デンジソウ、ヒメホタルイ、トチカガミなどがあります。まずは早期発見、早期の撤去を軸としつつ、土壌処理剤、一発処理剤で防除し、生育したものに対しては後期に使える薬剤を散布する方法などで駆除をしていきましょう。何よりも早め早めに土壌処理剤でしっかり防除することで、カメムシなどの害虫の発生、病害虫による病害の発生も防ぎ、殺虫剤も減らせますし、農作業を楽にすることができます。早期発見、予防を心がけましょう。

また、田んぼの肥料や、発芽・幼苗期の代かきや田植、灌水、分げつ期、穂ばらみ期など、時期、適期毎の稲の育て方を下記で詳しく説明しています。

水田で使える除草剤について、液剤も含めて下記で概略を説明しています。

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