庭に生い茂る雑草。雑草対策、雑草除去を徹底して、来年の夏場こそは、草刈りや草むしりから解放されたいものですよね。
ここでは、除草剤をまいた後は、どんな風になるのか、またその後はどんなことをすれば、長く雑草を抑えることができるのか、詳しく解説していきます。
除草剤をまいた後は、どんな風になるのか
そもそも除草剤とは?
除草剤とは、植物を枯らす効果を持つ薬剤の総称です。その種類は、液体だったり、固形の細粒、粒状だったり、またどんな効果で植物を枯らすのか、効きめの持続力もまちまちです。
ここではまず、除草剤の種類と特性に合わせた効果的な使い方、そして具体的に販売されている除草剤がどれに該当するのか、簡単に解説します。
発芽抑制する「土壌処理剤」か、茎葉処理する「茎葉処理剤」か
「土壌処理剤」と「茎葉処理剤」 特徴と見分け方
まず、除草剤の大きなタイプ分けとして、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。また、この両方の効果を持つタイプもあって、「茎葉兼土壌処理剤」と呼ばれるものもあります。
「土壌処理剤」は、土壌に処理層を作り、雑草の発芽成長を妨げる発芽抑制効果があるなど、茎葉処理のものより多くの植物を除去することができます。しかしながら、草丈20〜30cm以上草が生長、生育している場合は、効き目が弱く、効果を出すためには、草をある程度刈る必要があり、その後での散布が必要になってきます。
「茎葉処理剤」は、散布された薬剤に接触した部分の植物組織だけを枯らします。このタイプの薬剤は種類を限定して効果を発揮することができる選択的除草剤が多くあります。実際に除草剤を手にとっても、明確に「土壌処理剤」なのか「茎葉処理剤」なのかわからないケースがありますが、そんな時は、「土壌散布」と書かれているものは、「土壌処理剤」、「茎葉散布」と書かれているものは「茎葉処理剤」と判定してもらって間違いありません。
「土壌処理剤」と「茎葉処理剤」 使う時期は違うの?
「土壌処理剤」を使用する時期は、雑草が発生する前や、まだ生え揃っていない耕耘後、または播種(定植)前後になります。既に大きくなってしまった雑草や、塊根、塊茎から出ている雑草を枯らすことは期待できません。
対して、「茎葉処理剤」は、雑草が発生して育っている時期に使用します。
葉や茎にしっかりかかると効果が出るため、あまりにも雑草が繁茂していると、全てにしっかり除草剤がかからず、残ってしまうこともあります。このため、どちらしても、雑草が茂る前に対策することが重要です。それぞれ使用する時期が異なるので、上手く使い分けることが重要です。
主な葉茎処理剤一覧
商品名 | ラウンドアップマックスロード | サンフーロン | ネコソギロングシャワーV8 | アースカマイラズ | カダン 除草王 ザッソージエース | タッチダウンiQ | サンダーボルト007 | グリホエース | アイリスオーヤマ 除草剤 速効除草剤 | 早く効いて根まで枯らす除草剤 | バスタ液剤 | ザクサ液剤 |
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概要 | ||||||||||||
販売元 | 日産化学(株) | 大成農材(株) | レインボー薬品(株) | アース製薬(株) | フマキラー(株) | シンジェンタジャパン(株) | 日本農薬(株) | (株)ハート | アイリスオーヤマ | トムソンコーポレーション(株) | BASFジャパン(株) | 明治製菓ファルマ(株) |
有効成分 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサート ピラフルフェンエチル | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 + MCPA | グリホサートイソプロピルアミン塩 + MCPA | グルホシネート | グルホシネートPナトリウム塩 |
農耕地使用 | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ | ほぼ✖️ | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ○ | ○ |
葉茎処理剤は主に液体の除草剤であり、商品によっては、原液を希釈して薄めて使用する必要があるものと、希釈せずにそのままシャワーヘッド(ジョウロヘッド)等が付属し、噴霧器などを使わずとも、すぐに使用できる液剤があります。
主な土壌処理剤一覧
商品名 | カダン除草王 | ネコソギパワー粒剤 (ネコソギトップW) | ネコソギエースV(粒状) | クサノンEX粒剤 |
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概要 | ||||
販売元 | フマキラー(株) | レインボー薬品(株) | レインボー薬品(株) | 住友化学園芸(株) |
有効成分 | カルブチレート | アミカルバゾン ブロマシル | ヘキサジノン DBN、DCMU | ターバシル フルミオキサジン |
農耕地使用 | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ |
葉茎処理剤を撒いた後は
実際に当社の圃場でグリホサート系除草剤を散布し、散布前と散布後で写真を撮りました。
このように、生い茂っていた雑草が変色し、萎れて枯れているのが明確にわかります。
除草剤をまいた後はどんなことに気をつければいいの?
また生い茂らないように対策するには?
除草剤をまいた後ほっとくと、多年草の場合、またグングン生えてきます。また生い茂らないためには、どうすればいいのでしょうか。
多年草が多い場合は、グリホサート系除草剤をしっかり散布する
グリホサートの大きな特徴としては、(茎葉)吸収移行型のため、葉だけでなく、接触した植物の地下茎(スギナなど)、根も含めて全体を枯らす効果があります。スギナ、ドクダミ、カタバミ、ヤブガラシ、竹やササなどの厄介で頑固な多年生雑草を枯らして、また生えにくくするのは、グリホサート系除草剤がピッタリです。
商品名 | ラウンドアップマックスロード | サンフーロン | ネコソギロングシャワーV8 | アースカマイラズ | カダン 除草剤 ザッソージエース | タッチダウンiQ | サンダーボルト007 | アイリスオーヤマ 除草剤 速効除草剤 | 早く効いて根まで枯らす除草剤 |
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概要 | |||||||||
販売元 | 日産化学(株) | 大成農材(株) | レインボー薬品(株) | アース製薬(株) | フマキラー(株) | シンジェンタジャパン(株) | 日本農薬(株) | アイリスオーヤマ | トムソンコーポレーション(株) |
有効成分 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサート ピラフルフェンエチル | グリホサートカリウム塩 + MCPA | グリホサートイソプロピルアミン塩 + MCPA |
農耕地使用 | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ | ほぼ✖️ | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ |
また、これらの強力な雑草は、一度の散布ではなかなか除草できません。薬剤の濃度や散布方法も工夫してみましょう。薬剤の希釈、また効率的に散布する噴霧機(散布機、スプレイヤー)については下記コンテンツが役立つかと思います。
除草後の防草として、防草シート(除草シート)を敷設する
雑草や草を生えないようにするため、土面に設置する防草シート。繁茂した雑草をシートで覆って押さえ、太陽光の熱で枯らしてしまう除草シート、マルチングシートもありますが、一般的には、雑草を抑え、マルチングするシートを、防草シートや除草シートと呼んでいます。防草シートは除草に大変役立つツールです。
防草シートの種類と機能
防草シート(除草シート)は、日光を遮る(遮光)ことで、植物に光合成を行えないように抑制します。この結果、植物は炭水化物を生成できなくなり、生長しなくなります。しかし、防草シートの種類によって遮光率や耐用年数、水はけ、透水性(雨水で水たまりが出来やすいかどうか)も違ってきますし、使い方によって経年劣化の速度も変化します。
下記では、防草シートの機能やおすすめの防草シートをはじめとして、防草シートを敷き詰めて隙間をゼロにし効果を最大にする養生テープ、ピンなどの資材もご紹介しています。是非ご一読ください。
商品名 | ||||
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1㎡(平方メートル) 当たり単価 | 約400円 | 約600円 | 約200円弱 | 約330円 |
遮光率 | 99.7% | 99.7% | 96.7% | 99.9% |
不織布かどうか | 不織布 | 不織布 | 不織布 | 不織布 |
透水性 | ○ | ○ | ○ | ○ |
性質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン |
耐久性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
防草シート砂利、バークチップ、ウッド チップ、人工芝と組み合わせてパワーアップ!
市販されている防草シートは、最大手のプランテックス(旧名称 ザバーン)はじめ、全ての防草シートは、むき出しで使用していると、日光の紫外線で徐々に劣化していきます。またむき出しのままだと、見た目も殺風景です。
劣化を防ぎ耐久性を高めるために、防草シートを下地にして、玉砂利や砕石、石、バークチップ・ウッドチップや人工芝を敷いて紫外線をカットする方法があります。またシートの目隠しにもなり、景観、色合いも綺麗になります。高機能な防草シートだと、この方法で格段に耐久性が高まり、半永久的に雑草の繁茂を防ぐことができます。
除草後の防草として、レンガ、タイル、コンクリート、防草砂を敷設する
また、防草砂という、雑草が地面から生えてくるのを防ぐために作られた砂もあります。砂にセメントを混ぜて、固まることで物理的に下から雑草を生えてこないようにする「固まる防草砂」というものが主流です。またそれに似ているもので、コンクリートで舗装して雑草を生えなくしてしまう方法、またレンガを敷き詰めてしまう方法も同じです。
固まる防草砂の施工は混ぜ方などで硬度が変わったり、スコップなどで平らに整地するには難しく、溝の設置も難しく、結果、庭の排水性を損ねてしまって蚊、虫が大量発生するリスクもあります。慣れていないとDIYで行うのは難しいかもしれません。コンクリート、レンガ、タイルについても同様です。施工経験がない方はエクステリア外構業者に頼むことをおすすめします。
除草後の防草として、芝生などのグランドカバープランツを植える
除草後、防草シートを張って、人工の芝を敷くことの他に、芝生やヒメイワダレソウ、クラビアを植えたりするなど、自生するグランドカバープランツ(地面、地表を覆うために植栽する植物)、低木、植木を植え付け覆うことで緑化し、景観を美しく保つ方法があります。この場合は、植栽シートをうまく活用したり、グランドカバーの手入れが必要になってきます。植栽シートと芝、ヒメイワダレソウなどのカバープランツの組み合わせは非常に色合いも美しいので、チャレンジする価値があります。どんなグランドカバープランツがいいかは、植え付ける場所が日陰なのか、日当たりがいいのかなどで異なってきますので、場所に応じて選んでください。
業者に頼んで除草、防草、庭づくりしてもらう
除草剤を撒いたり、雑草処理、落ち葉処理、また防草シート、敷石を設置することは時間と労力がかかる重労働です。自力で除草できる範囲や、雑草の状態であれば大丈夫ですが、広範囲で既に雑草が繁茂している状態かつ、至急除草したい場合などは、思い切って業者に頼んだ方がいいでしょう。
また庭木の剪定や芝生の刈り込み、フェンス、塀、デッキの設置、外壁のメンテナンス、庭づくりなども造園、エクステリア外構業者に依頼することもできます。コストは面積に応じるパターンが多いです。
下記では簡単に草刈り業者の見積もりが取れますので、業者に頼む場合はご活用ください。
(参考)刈り取ったり、引き抜いた後の雑草処理はどうすればいいの?
雑草を抜く、刈る後、雑草処理の適切な手順は以下になります。しっかり除草、防草するために参考にしてみてください。
- 刈り取った、引き抜いた雑草をしっかり日干しし、乾燥させます。(ブルーシートやアスファルト、道路脇に置くと効果的です) 乾燥させないまま土中に入れると、復活する雑草がいるためです。
- 乾燥した雑草を、土に穴を掘り土中に埋めるか、またはゴミ袋に入れて燃やすゴミとして処分します。土に埋めた場合、土に還り堆肥になります。
雑草を抜く便利なアイテムを紹介している記事もあるので、参考にしてみてください。
まとめ
除草剤を撒いた後の状態、また撒いた後に雑草が生えてこないようにするには、どうしたらいいのか、様々な方法をご紹介しました。雑草が減ると、害虫の発生が減り、コロリスプレーのような害虫を殺すための殺虫剤、また虫除けスプレーの使用量も減らすことができます。
上記の記事が、防草のお役に立てば幸いです。
除草剤についての補足
対雑草別 除草剤の種類と使い方
特に困っている雑草はありませんか?
雑草と一言で言っても、メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、ブタクサ、ツユクサ、ハコベなど一年生雑草といわれる一般的な雑草、下草から、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、スギナ、カタバミといった多年生広葉雑草、ススキ、チガヤといった多年生イネ科雑草、ヤブガラシのような多年生つる植物、ササ類など、様々な雑草が存在します。ここでは、地下茎、根を地中に張り巡らす、特にしつこい厄介な難防除雑草の個別攻略法を記載しました。
スギナに困っている方
スギナは多年草の中でも、非常に広く深く地下茎を張り、一部の地下茎からでもどんどん生長する高い繁殖力、また草刈りなどで衝撃を与えると、辺り一面に胞子、種子を撒き散らして繁殖を促すという面でも、最も厄介な雑草と言えるかもしれません。その地下茎の張り巡らし方を指して「地獄草」とも呼ばれるほど、退治しにくい、しつこい難防除雑草の代表格としての側面も持っています。下記では、最も厄介な雑草スギナを、どうやって駆除し、防除していくのか、おすすめの除草剤を中心に説明していきます。
ドクダミに困っている方
ドクダミは多年草で、ちぎれた、一部の地下茎からでも繁殖するため、ほかの雑草が生えなくなるくらい高い繁殖力を持っています。放置しておくと一面ドクダミだらけになるほどです。また強い臭気があることと、地下茎を伸ばして地中に根びこってしまうため、退治しにくい、しつこい難防除雑草の代表格としての側面も持っています。下記では、難防除雑草ドクダミを、どうやって駆除し、防除していくのか、おすすめの除草剤を中心に説明していきます。
竹(タケ)や笹(ササ)に困っている方
竹や笹はその強い成長力から、農耕地等、望まれない場所で生長すると、非常に厄介な雑草となります。その成長力から周りの樹木の光合成を阻害したり、マルチを敷いても簡単に突き破り、恐ろしい速度で地下茎を伸ばし広げていきます。下記では、竹や笹を、どうやって駆除し、防除していくのか、様々なシチュエーション(農耕地、山林、庭や空き地)を考慮しながら、説明してきます。
苔(コケ、ゼニゴケ)に困っている方
苔は地面に張り付いて生えるため、手で草取りしたり、撤去するのは大変困難です。下記では、苔、イシクラゲの除草の仕方を詳しく説明しています。
非選択性除草剤か選択性除草剤か
非選択性と選択性の違い
次に、除草剤は接触した全ての植物を枯らす「非選択性除草剤」か、対象とする植物種を枯らす「選択性除草剤」かに分けられます。除草剤の研究により、枯らす対象となる植物を絞り込む「選択性除草剤」が多く開発されています。枯らす仕組みは主に、光合成を阻害して枯らすもの、植物ホルモンを撹乱させて生長を阻害するもの、植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して枯らすものがあります。
光合成を阻害して枯らすもの
植物は、生長するために光合成を行い、空気中の二酸化炭素(炭酸ガス)と水に光のエネルギーを加えて炭水化物を生成し、酸素を放出する機能を有していますが、その中の光が関与する明反応の部分を阻害して、枯らす作用のタイプです。代表的な薬剤として、トリアジン系(CAT、シメトリンなど)、酸アミド系(ジフルフェニカンなど)、尿素系(DCMUなど)、ダイアジン系(ベタゾンなど)、ダイアゾール系がこれに当たります。
植物ホルモンを撹乱させて生長を阻害するもの
植物の生長に必要なオーキシンというホルモンの類を施用して、主に広葉の雑草の生長のリズムを撹乱(かく乱)し、整体機能を衰退させることで枯らしてしまうタイプです。代表的な薬剤として、フェノキシ系(2,4PA , MCPなど)がこれに当たります。
植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して枯らすもの
植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して、枯らしてしまうタイプです。代表的な薬剤として、スルホニルウレア系(ベンスルフロンメチル、イマゾフルフロン、ピラゾスルフロンメチルなど多数)、除草剤として最も使われている非選択性接触型のアミノ酸系(グリホサート、グルホシネート、ビアラホスなど)がこれに当たります。
具体的に市販されている除草剤がどのタイプの除草剤に該当するのか、それに合わせて購入したい方は、是非下記コンテンツをご参照ください。
成分別 除草剤の種類と使い方
除草剤は様々な成分が使用されていますが、特に、葉茎処理剤のグリホサート系とグルホシネート系のものが市場に広く普及しています。ここでは、グリホサート系とグルホシネート系の除草剤の成分の説明と代表的な除草剤、そして安全性について徹底解説します。
グリホサート系(ラウンドアップ 、サンフーロンなど)とは
「グリホサート 」とは、主にグリホサートイソプロピルアミン塩、グリホサートカリウム塩のことを指し、アミノ酸である“グリシン”と“リン酸”の誘導体です。
グリホサートは、植物体内での5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸の合成を阻害し、植物固有のアミノ酸を含むタンパク質や代謝産物の合成をできないようにします。この結果、植物を枯らし、グリホサート自体は土壌中の微生物と光によって時間をかけて分解されます。
このような、植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して、枯らしてしまうタイプの代表的な薬剤は、グリホサート系の他に、スルホニルウレア系(ベンスルフロンメチル、イマゾフルフロン、ピラゾスルフロンメチルなど多数)、非選択性接触型のアミノ酸系(グルホシネート、ビアラホスなど)があります。グリホサートは、イネ科、広葉の一年生雑草、多年生雑草、ササ類、雑灌木などほぼすべての草種に有効で、枯らす効果があります。性質は遅効性で効果の発現に3 ~ 7日、そして完全な効果に10日~ 2カ月ほどを要します。
グリホサートの大きな特徴としては、(茎葉)吸収移行型のため、葉だけでなく、接触した植物の地下茎(スギナなど)、根っこも含めて全体を枯らす効果があります。このため、水稲が残る水田や根を残したい田んぼの畔や傾斜地には向きません。
非選択性(どんな植物にも効く)のため、農業に使用する場合など、散布の際に、作物にかからないよう注意する必要があります。日産化学工業のラウンドアップマックスロードなど、代表的なグリホサート系除草剤は下記があります。
商品名 | ラウンドアップマックスロード | サンフーロン | ネコソギロングシャワーV8 | アースカマイラズ | カダン 除草王 ザッソージエース | タッチダウンiQ | サンダーボルト007 | グリホエース |
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概要 | ||||||||
販売元 | 日産化学(株) | 大成農材(株) | レインボー薬品(株) | アース製薬(株) | フマキラー(株) | シンジェンタジャパン(株) | 日本農薬(株) | (株)ハート |
有効成分 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサート ピラフルフェンエチル | グリホサートイソプロピルアミン塩 |
農耕地使用 | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ | ほぼ✖️ | ○ | ○ | ✖️ |
液体の除草剤であり、商品によっては、原液を希釈して薄めてジョウロなどで使用する必要があるものと、希釈せずにそのままシャワーヘッド(ジョウロヘッド)等が付属し、噴霧器などを使わずとも、すぐに使用できる液剤があります。
下記では、更に詳しくグリホサートとは何なのか、どんな効果があるのか、またグリホサートの安全性について徹底解説していますので、是非ご参考にしてください。
グルホシネート系(バスタ 、ザクサ)とは
「グルホシネート 」とは、アミノ酸系の除草剤で、植物のグルタミンの生成とアンモニアの解毒に必要な酵素であるグルタミンシンテターゼを阻害します。この結果、植物を枯らしてしまいます。このような、植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して、枯らしてしまうタイプの代表的な薬剤は、グルホシネートの他に、グリホサート系、スルホニルウレア系(ベンスルフロンメチル、イマゾフルフロン、ピラゾスルフロンメチルなど多数)、非選択性接触型のアミノ酸系(ビアラホスなど)があります。
グリホシネートは、イネ科、広葉の一年生雑草、多年生雑草、ササ類、雑灌木など、スギナやドクダミ、竹など頑固な雑草含め、ほぼすべての草種に有効で、枯らす効果があります。性質は速効性で効果の発現に2 ~ 5日、そして完全な効果に5日~ 20日ほどを要します。
非選択性除草剤のため、水稲が残る水田や、定植後、枯らしたくない作物が残る農地、農耕場所、菜園には向かず、農業に使用する場合は施す際に、作物にかからないよう注意する必要があります。
代表的なグルホシネート系除草剤は下記があります。
商品名 | バスタ液剤 | ザクサ液剤 |
---|---|---|
概要 | ||
販売元 | BASFジャパン(株) | 明治製菓ファルマ(株) |
有効成分 | グルホシネート | グルホシネートPナトリウム塩 |
農耕地使用 | ○ | ○ |
下記では、更に詳しくグルホシネートとは何なのか、グリホサートとどんな違いがあるのか、またグルホシネートの安全性について詳しく記載していますので、ご参考ください。
除草剤の使い方
除草剤と言っても、葉茎処理剤や土壌処理剤があり、使う時期や形状も液体から粒状、その中でも細粒、微粒まで様々です。下記では、除草剤の形状毎のの散布方法や撒き方、また散布時の服装の話、そして除草剤のタイプ毎の散布時期について詳細説明していますのでご参考ください。
雨が降る場合など、降雨と除草剤の関係については下記を参考にしてみてください。
除草剤の安全性について
除草剤というと、近年のグリホサート系除草剤にまつわる様々な話など、人体に非常に危険なイメージをもたれている方も多いでしょう。下記では、除草剤の安全性について、そもそも除草剤は安全なのか、またガーデニング・庭での庭木や果樹、畑での植えた苗や作物に散布しないようにするなど除草剤を使用するときに気を付けたいポイント、そしてグリホサートの毒性、薬害、安全性で議論になっている論点を詳細に解説していますので、除草剤の安全性について興味がある方は是非ご一読ください。
草刈を楽にする草刈機(刈払機)
楽に草を刈りたい時は、草刈機(刈払機)が欠かせません。下記では草刈り機の選び方を徹底解説しています。