ホームセンターの園芸、ガーデニング、資材コーナーにはほぼ必ず除草のコーナーがあり、そこには、様々な除草剤と、草刈り道具や防草シートが置かれています。
庭や駐車場、畑地や田んぼ(水田)、除草したい場所や環境によってベストな除草道具、使える除草剤は変わってくるもの。ここでは、除草したい場所の広さ別に、どんな除草道具を選ぶべきなのか、ベストな除草道具の紹介をしていきます。
庭や駐車場、空き地 約200㎡以内の場合
200㎡以内の比較的限られた広さでの、庭や駐車場、お墓まわりでは、ある程度、軍手、人力でで草抜き、草むしり、草いじりが出来る広さです。手で抜ける程度の雑草の草丈、生長ぶりの場合は、特に除草道具は必要ありません。ちょっと草抜きしてみて、なかなか抜けない場合に下記のような除草道具を検討してみてください。
草刈り鎌(草刈りガマ)
草刈りガマは草を根元から切り取り、刈り取ることに長けている刃物です。ある程度草丈が伸びて繁茂していて、ちょっと手で抜き取ることができないような場合に使用します。
難点は根っこから削り取れない点です。このため多年生雑草の本質的な解決にはなりません。多年生雑草は、草刈りガマで草丈を抑えて、根、地下茎まで枯らせるグリホサート系の除草剤を草刈り後に散布することをおすすめします。また、錆びると効果半減しますので、研ぐなどしっかりとした手入れを心がけましょう。
ねじり(ネジリ)ガマ
あまり聞き覚えがないねじりガマという商品ですが、ねじり(ネジリ)ガマは刃がねじれている草刈り専用のカマで、刈るだけでなく、草を削り取りやすい仕組みになっています。このため、土壌をけずり取って根から抜き取ることが可能で、狭い範囲であれば、これひとつで除草がすむ優れものです。非常におすすめの商品です。
除草スコップ
除草スコップは土を削り、深い根の雑草を抜き取るのに使う細長いスコップです。土壌が固い場合、またアザミやタンポポ、その他多年生の雑草など深く根を張る雑草が庭に多い場合などは、あると大変便利なアイテムです。
また類似アイテムとして、側面がギザギザになって地中の根も切れる草抜きシャベルや、電動バイブレーター機能がついていて、力を使わなくてもバイブ効果で雑草を土ごと掘り起こせるものもあります。
庭や駐車場、空き地 約200㎡以上の場合
三角ホー
三角ホーの「ホー」は「hoe」つまり長柄の鍬(クワ)を意味していて、通常の鍬は四角なのですが、除草に適するため鋼、鉄の金属部分が三角になった鍬のことを指します。もともと田畑の農作業用の用具として使用されているポビュラーな農具です。
草むしりや草取り作業を中腰で行い続けるのは腰への負担が大きいです。三角ホーだと、立ったまま除草作業ができるため、除草したい面積が約200㎡以上とある程度広い場合は重用したいアイテムです。
鍬の金属部分が三角になっているため、繁茂した雑草も簡単に刈り取ることができ、側面の広い部分を使えば、まとめて広範囲の雑草を刈り取ることもできます。また、逆側の側面を通常の鍬のように使って、土壌を平らに平す(ならす)、畝立て、土寄せ、中耕(浅く耕すこと)といった農作業ができ、菜園や畑地でも使える優れものです。
また、より草とりに適した形状のスーパーマルチホーク 草ヌッキーや、草を取るクルポン、株式会社ドウカンのけずっ太郎など、富士鋼業、浅香工業などが開発した、ここから派生した草刈り専用の長柄アイテム、片手で使えるものも多くあります。また、ドイツのガーデニングメーカー、WOLF Garten(ウルフガルテン)も様々な草刈りアイテムを販売しています。
ぬかるみ、田んぼなどで雑草を取り除きたい場合は、下記アイテムが、粘りが強い雑草の草抜きに最適です。グリップはエラストマー樹脂で握りやすく、柄はアルミパイプで軽く刃は炭素鋼(クロームメッキ仕上)なので、丈夫で耐久性も高いアイテムです。
熊手(クマデ)
木の棒にクマの爪のような鋼、ステンレス材質の櫛状になったものを取り付けた農具で、地面を引っかけて雑草をけずり、削ぎ落とすことができます。また三角ホーと同じく、また土寄せや中耕(浅く耕すこと)ができ、元来、菜園や畑地で使われる代表的な農具の一つです。三角ホーよりも一度で行える幅が広いため、広範囲の農地などに有効です。レーキも同様の使い方ができますが、レーキはフォーク形状のため熊手とは形が異なり、熊手の方がより雑草の除草、掃除に適しています。
電動、エンジン草刈り、草払い機
除草範囲が約200㎡以上と広い場合は、もはや人力で草抜き、草刈りを行うことはかなり大変かと思います。雑草を大量に刈り込む場合は、電動、エンジン草刈り機がおすすめです。特に最近の草刈り機は軽量なもの、またバッテリー式でもかなりパワフルに草を刈り込むもの、また静音のものがあります。
ここでは数多くある草刈り機の中でも、自宅の庭や住宅街の駐車場で使いやすい静音でバッテリータイプのものを2種類ご紹介します。
マキタ 充電式草刈機18V 刈込幅230mm樹脂刃3枚式
電動工具大手のマキタ(makita)の樹脂刃の静音、コンセントいらずのはバッテリー式の草刈機です。ループハンドルで重さも2.8kgなので女性の方でもそんなに重く感じず作業できます。一つのバッテリーで120〜150㎡の草刈りができます。この商品はなんと言っても静かなことに尽きます。樹脂刃に不安を抱く方もいらっしゃると思いますが、樹脂刃はチップソーなどに比べ圧倒的に静かです。
実際に10a(アール)以上の畑で使用していますが、周りが言うほど耐久性がないわけでもなく、しっかり雑草を切ることができます。また、ナイロンコードなどに変えることももちろん可能です。約2.5万円とある程度高額なマキタ草刈機ですが、長く使うことを考えると、おすすめです。
工進(KOSHIN) 18V 2.0Ah 充電式 草刈り機
こちらは、約1万円強の草刈り機で、除草したい範囲が300㎡以内で、電動で草が刈れる安価なものをお探しの方にお勧めしたい商品です。こちらもループハンドルですが、上記のマキタよりも1kg軽量の1.8kgとより扱いやすくなっています。チップソーと樹脂ブレードの2種類が標準装備されています。仮幅が小さいため、一度で草刈りできる面積はどうしても小さくなってしまう点、また切れ味がどうしてもハイスペックの草刈り機より落ちる点が難点なので、300㎡くらいが限界だと思います。
より大規模な場所の草を刈る場合は、下記を参考にしてみてください。
ムサシ 除草バイブレーター (ムサシ)
ムサシ 除草バイブレーターは、電動のバイブレーションを利用して、振動を与えて掘り起こし草を抜く除草機械です。バイブレーター機能で力をかけずに土、泥を削いで草抜きができ、草刈機や鎌(カマ)に比べて、根こそぎきれいに抜けるため、土の表面の草刈りよりも雑草の再生を遅らせ、草を生えにくくします。
また、様々なアタッチメントがあり、いろんな用途に使用が可能で、非常に便利な雑草抜き道具、スーパーグッズと言えるでしょう。
その他 用途いろいろ
コンクリートや防草シートの隙間に生える雑草を取り除きたいとき
モンブラン 草取り一番百発百中
モンブラン 草取り一番百発百中は、刃先のギザギザ部分が草を引っ掛けて、根こそぎ引き抜くことができるアイテムです。このため、コンクリートやアスファルト、防草シートのすき間に生えた雑草、花壇の植え込みのすき間、菜園の株間の雑草をピンポイントで抜き取れます。また、芝を避けて芝生に生えた雑草だけを抜き取ることにも適した雑草抜き道具です。
まとめ
雑草退治、草取は、時間との勝負です。除草道具をしっかり利用して早め早めの除草対策を心がけたいものです。ここで紹介したアイテムはカインズやアークランドサカモトなどのホームセンターのガーデン、資材コーナーに置かれていますので、気になる方は現物を確認してみて下さい。また、雑草には様々な種類があり、一年生のものから多年生のものまであります。雑草ごとにも除草のポイントは違ってきますので、下記コンテンツも参考にしていただければ幸いです。
また、除草剤やザバーンのような防草シート、砂利による防草対策など、除草に関する全てを下記にまとめていますので、除草した後、しっかりと雑草を生えないようにしたい方は、是非ご参考ください。
芝生を刈る鋏(はさみ)や手動の芝刈り機(芝刈機)については、下記がお役に立てると思います。