ラディッシュはダイコンの一種で、成長が早いことから「二十日大根」とも呼ばれます。実がなる野菜ですが、水耕栽培に向いている野菜で土の代わりとなる培土がなくても、スポンジだけで栽培が可能です。
この記事では、ラディッシュ(二十日大根)の種まきから始める水耕栽培の始め方や育て方について、わかりやすく説明します。
ラディッシュの基礎情報
ラディッシュは、明治初期にヨーロッパから日本に輸入されてきました。多くの品種がありますが、どれも育てやすく成長が早いのが特徴です。根にはビタミンCや消化酵素のジアスターゼを含み、葉にはビタミンCやカロチン、カルシウムを含んでいます。
種まきから30日~40日前後で収穫でき、根には赤以外にも紫や白色などがあります。冷涼な気候を好みますが収穫が早いので、真夏と冬をのぞけばいつでも栽培が可能です。地植えの他、プランターや水耕栽培でも育てられる野菜です。
学名 | Raphanus sativus var. sativus |
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属名 | アブラナ科ダイコン属(ラファヌス属) |
原産地 | 地中海沿岸 |
発芽温度 | 15℃~25℃ |
生育適温 | 15℃~20℃ |
耐寒性等 | 耐寒性 普通 耐暑性 やや弱い |
ラディッシュの水耕栽培の手順
ラディッシュの水耕栽培は、は種(タネまき)から始めます。ラディッシュは発芽率のよい野菜です。
種まきの時期
ラディッシュの発芽温度は15℃~25℃。露地栽培では春まきもしくは秋まきが主流です。適期は3月~5月、9月~10月です。
室内で育てる場合には、発芽温度が保てるのであればいつでも大丈夫ですが、生育温度は15℃~20℃程度と冷涼な気候を好むため、真夏の高温時は種まき・栽培とも避けた方がよいでしょう。
準備するもの
手順
- 手順1スポンジの準備
キッチン用のスポンジを、そのまま使います。カッターで、スポンジに深さ1㎝ほどの切込みを2列入れます。2層式の場合は、硬い方が上です。
タッパーに水をいれ、スポンジに水を吸収させます。
- 手順2種まき
切り込みを入れたスポンジに、竹串などをつかって1㎝間隔でタネをいれていきます。
- 手順3発芽を待つ
タッパーの蓋を、閉めずに、軽く斜めにおいて乾燥を防ぎます。蓋がない場合には、ラップを軽くかぶせ、竹串などで穴をあけておきます。さらに段ボールなどを被せて遮光します。
3日~5日ぐらいでで発芽、発根します。発芽、発根したら日の当たる場所に移動して育てましょう。
- 手順4間引き・水耕栽培に移行
本葉が複数になり、スポンジの下から、根がでてくるぐらいになったら水耕栽培移行する時期です。株間が3㎝~4㎝ほどになるように間引きします。
タッパーのままで育てることができます。水を肥料を入れた水(培養液)に変えて育てます。水位はスポンジの半分以下、3分の1ぐらいが目安です。タッパーは遮光のためにアルミホイルをまいておくとよいでしょう。
- 手順5収穫
種まきから30日~40日程度で収穫の時期です。根の部分が2㎝ほどになったら、収穫します。収穫が遅れると根が割れるので時期を逸しないようにしましょう。
容器について
水耕栽培の容器は、専用の容器などは苗を発芽させるスポンジの下に空間があるようにつくらています。これは、根が空気に触れることにより根腐れを防ぎ、根の成長を促進させる効果もあります。
根が大きく育つものは、根元が水につからないよう2㎝~3㎝ほど空けて育てるとよいでしょう。ペットボトルを使った容器などが使われます。ラディッシュは根の部分が膨らむのでそれほど長く伸びないので、タッパーなどの容器に、水を入れすぎなければ育てることができます。
100均一などでは、豆苗用の水耕栽培用の容器やザルとセットになった容器も、水耕栽培に向いており、水替えに便利です。なども販売されています。ハイドロボールなどをスポンジの下に敷くことで、空気を含ませることもでき、水やりも簡単で、野菜を固定する役割もあります。
ハイドロボールを使った栽培方法については、リーフレタスの水耕栽培の記事に記載しています。興味のある方はそちらも参考にしてください
ラディッシュの水耕栽培の育て方
置き場所・環境・水やり
ラディッシュは、日光がとても大切です。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。室内で育てる場合も、日当たりの良い窓辺で育てましょう。夜も蛍光灯やLEDライトの下で育てると、生育が早くなります。
水耕栽培では直射日光に当てると、容器内の水温が上がりすぎることがありますので、暖かい時期には注意が必要です。
水やりは1週間に1度程度交換します。水が濁っていたり不足しているようなら、交換や追加をしましょう。土での栽培と異なり、栄養は肥料でしかとれません。必ず水耕栽培用の肥料を一緒にいれて水やりをしましょう。
肥料
水耕栽培でラディッシュを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
水耕栽培用キットについて
水耕栽培は、室内で育てるための栽培キットも販売されています。LEDライトがついているものであれば、日照不足で育たたないということもありません。またポンプがついていると、水の中に空気をいれることにより、根に栄養と酸素を送ることができ大きく育ちます。また根腐れのリスクも軽減します。
水耕栽培の肥料で有名なハイポニカ液体肥料の会社である協和は、ホームハイポニカと言う水耕栽培キットも販売しています。下記に水耕栽培キットの説明もありますので参考にしてください。
まとめ
ラディッシュは、土で育てる(土耕栽培)でもプランターなどでも手軽に栽培が可能です。またパーライトやハイドロボールなどで育てるハイドロカルチャーでも栽培することができます。
スポンジだけで育てられるラディッシュは、栄養価も高く手軽で簡単な水耕栽培です。初心者の方でも簡単にチャレンジすることができます。自分で作った野菜を摘んで食べる喜びをぜひ味わってください。