水菜(ミズナ)はシャキシャキとした食感とクセのない味わいで、鍋やサラダなど広く使われる人気の野菜です。
この記事では、種から始める水菜の水耕栽培の方法や、リボベジ(再生野菜)での水菜の水耕栽培の育て方についてわかりやすく説明します。
水菜(ミズナ)の基礎知識
水菜は、京都原産の伝統野菜で「京菜」とも呼ばれます。冬が旬の野菜ですが、ハウス内の水耕栽培も盛んなので、一年中手に入れるができます。
栽培は容易で、種まきから収穫まで、若葉を食べるサラダ水菜で1ヵ月ほど、通常の水菜でも40日前後と短期間で収穫できます。冷涼な気候を好むので、露地栽培では秋まきがおすすめです。室内であれば暑さ、寒さにも比較的強いので、一年中育てることができます。
学名 | Brassica rapa var. nipposinica |
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属名 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | 日本(京都) |
発芽温度 | 20℃~25℃ |
生育適温 | 15℃~25℃ |
耐寒性等 | 耐寒性 強い 耐暑性 やや弱い |
水菜(ミズナ)の水耕栽培のポイント
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。土の変わりにハイドロボールやゼオライトなどの培土を使った栽培も水耕栽培の一種でハイドロカルチャーと呼ばれます。水耕栽培で育てる場合には、土から栄養をとれないため水耕栽培で使える液体肥料を使って育てる必要があります。
葉物野菜は水耕栽培に向いており、リーフレタスやベビーリーフ、ルッコラ、大葉、クレソンなどのハーブ類は水耕栽培に向いています。収穫時期も短く、寒さ、暑さにも強い水菜も水耕栽培に向いた野菜といえます。ただし、水菜の栽培には日照が大切です。室内でも、日当たりの良い場所で育てることがポイントです。
水菜の水耕栽培は、播種(タネまき)から始めるのが一般的です。このほかリボベジ(再生野菜)といわれる、スーパーなどで購入した水菜の一部を使った方法も簡単です。
水菜(ミズナ)の水耕栽培の手順
ここでは、スポンジとペットボトルを使った水耕栽培の手順について説明します。サラダ水菜などの背丈の低いものであれば、スポンジとハイドロボールを使った水耕栽培もおすすめです。
小松菜のスポンジとハイドロボールの水耕栽培の記事もあります。小松菜は水菜と同じアブラナ科アブラナ属で、育て方も似ているのでたくさん収穫したい人は、こちらの方法もおすすめです。
種まきの時期
水菜の発芽温度は20℃~25℃。露地栽培であれば真夏を除く3月~11月までが種まきの時期です。生育適温が15℃~25℃で耐寒性が強く、害虫や病気などのリスクが低く、寒さに当たると甘さが増すことから、秋に散布して冬収穫するのが多く、冬が旬といわれます。
水耕栽培は室内でも育てられます。室内で育てる場合には、発芽温度が保てるのであればいつでも大丈夫です。ただし日照時間が少ないと水菜は大きく育ちません。暑さに強いとはいえ、真夏の直射日光は葉焼けの危険もあるため、春まきや秋まきがおすすめです。
準備するもの
- 水菜(みずな)の種
- スポンジ(台所スポンジでOK。やわらかいもの。メラニンスポンジは不可)
- ペットボトル 500ml以上
- 水耕栽培用の肥料
- 竹串や爪楊枝などの先のとがったもの
- カッターかハサミ
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは、外しておきます。
- 手順2スポンジの準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
- 手順3種まき
飲み口を逆さにしたペットボトルに、スポンジをセットします
スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を2~3粒差し込みます。あまり深く押し込まないようにします。
- 手順4ペットボトルにセットして発芽を待つ
切り取ったペットボトルの下部に水をいれ、手順3でスポンジをセットしたペットボトルをセットします。上からラップをして、爪楊枝で数か所穴を空けます。
直射日光のあたらない、暖かい場所で管理します。スポンジが乾かないように、水を足して発芽を待ちましょう。3日~6日程度で発芽します。
- 手順5育苗
発芽したら、すぐに明るい日の当たる窓際などへ場所へ移しましょう。根が伸びてきたら、ペットボトルの水の量を減らし、根の半分程度が水に浸るようにします。水は毎日取り換えます。
1つのスポンジから複数の芽が出て場合は、一番大きな苗を残して間引くと、残った苗が大きく育ちます。
- 手順6肥料を与える
ペットボトルの飲み口の部分から根がでるぐらいに成長したら、肥料を与えて育てます。濃度は、使用する肥料によって異なりますので、肥料のラベルをよく読んで適合する濃度に薄めると良いでしょう。まだ、苗が小さいときにはそのさらに半分程度の濃度で栽培すると安心です。
培養液(肥料をいれた水)は3日1度は交換しましょう。
編集さん光があたるとペットボトルには、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどでカバーしましょう。根が伸びやすくなる効果もあります。
- 手順7収穫する
草丈が15㎝以上になれば収穫の時期です。株元から2~3㎝残して収穫すれば、また収穫が楽しめます。収穫した後も肥料を与えて育てましょう。
水菜(ミズナ)の水耕栽培の育て方
置き場所・環境・水やり
水菜は、日の当たらない場所で育てると、ひょろひょろと細い茎が伸びてしまう徒長が起きてしまいます。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。
室内で育てる場合も、日当たりの良い窓辺で育てましょう。ただし暑さには弱いので、温度が上がりすぎない場所で育てましょう。LEDライトも有効です。
水は3日に一度は交換しましょう。交換するときには、ペットボトルに藻が発生しやすいのでペットボトルも洗います。発根してからは、水耕栽培用の肥料を入れた水(培養水)を使って育てましょう。
肥料
水耕栽培で水菜を育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
リボベジの場合は、元々の株に栄養が蓄えられているので、水だけでも育ちますが肥料を与えるとより大きく成長します。規定量の半分から始めましょう。また収穫も水だけですと1度限りですが、肥料を与えると複数回収穫が楽しめます。
水耕栽培用の肥料についての記事もありますので、こちらも参考にしてください。
水菜の水栽培 リボベジ(再生栽培)
リボベジはリボーンベジタブルの略で、野菜の再生栽培です。水菜はスーパーなどで売られているものは、水耕栽培で育てられているものも多く、リボベジしやすい野菜です。
しかし水位を間違えると、根元が腐って再生できないこともあります。ここでは、ペットボトルをつかった水菜の水栽培について手順を説明します。
水菜の準備
水菜の準備
水菜は、根元から3㎝~4㎝ほど残してカットします。根元に土等が付いている場合は洗い流しておきましょう。
準備するもの
- カットした水菜
- ペットボトル(350mlか500ml)
- 水耕栽培の肥料(なくても可)
- カッター、ハサミなど。
リボベジの水栽培の手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。さらに上部の口の部分をカットします。
- 手順2水菜をペットボトルにセット
ペットボトルの下に水と水耕栽培用の肥料をいれます。ペットボトルの上部を逆さにし、口の部分から、根元の部分がでるようにして、ペットボトルの下の部分にセットします。(画像はプラコップを使用)。水位は根元が水に浸かる程度です。
発根してきたら、水位を下げて根の3分の2が水に浸かるように育てます。
- 手順3栽培&収穫
水は3日に1度は替えましょう。直射日光の当たらない明るい場所で管理しましょう。
気温が高いと水が濁りやすくなります。水が濁ったら交換します。日に当てると藻が発生しやすいので、ペットボトルの下の部分をアルミホイル等でカバーをすると、藻が生えにくくなります。
水耕栽培用キットについて
水耕栽培は、室内で育てるための栽培キットも販売されています。LEDライトがついているものであれば、日照不足で育たたないということもありません。またポンプがついていると、水の中に空気をいれることにより、根に栄養と酸素を送ることができ大きく育ちます。また根腐れのリスクも軽減します。
水耕栽培の肥料で有名なハイポニカ液体肥料の会社である協和は、ホームハイポニカと言う水耕栽培キットも販売しています。下記に水耕栽培キットの説明もありますので参考にしてください。
まとめ
水菜は種からも栽培が簡単ですし、購入した水菜からも再収穫ができます。我が家の猫は水菜が好きなのですが、新鮮じゃなくなると食べなくなってしまうので、リボベジして育てたものを猫草かわりにあげています。
水耕栽培は、容器はペットボトルやお豆腐の空パックや、牛乳パックなど。家にあるもので工夫ができます。また虫も付きにくいのが室内で育てる場合は、うれしいポイントです。野菜やハーブ以外にも観葉植物なども育てることができ、おしゃれに部屋を飾ることができるます。
最近はダイソーなどの100均でも、水菜の種や水耕栽培のグッズもそろっているので手軽に始められます。ぜひこの記事を参考にして、水菜の水耕栽培にチャレンジしてみてください。この他にも農家webには、ハーブや球根、観葉植物などの水耕栽培の記事がたくさんありますので、ぜひ一度検索してみてください。