オリーブと聞くとオイルを連想する人も多いと思いますが、オリーブの木は樹形や葉の形が美しいことから庭木や植木としても大変人気があります。
オリーブに肥料をやる最適な時期はいつなのでしょうか?この記事では、オリーブに肥料をやる時期について解説します。
オリーブに肥料をやる時期
オリーブは、「元肥(寒肥)」、「追肥(夏肥)」、「お礼肥(秋肥)」の年3回を基準として考えます。庭植え、プランターや鉢植栽培、どれも同じ考え方で問題ありません。
- 2〜3月頃
元肥(寒肥)
適している肥効タイプ
- 緩効性肥料
- 遅効性肥料
使用する肥料の例
固形肥料、中でも以下のものがおすすめ。
肥料のやり方概要
植え付け、植え替え時、もしくは毎年萌芽前に施します。寒い時期に施すので「寒肥」や「春肥」とも呼ばれます。魚粉や骨粉なども有機質肥料ですが、窒素、リン酸、カリウムがバランス良く含まれた油かす肥料を使うと良いでしょう。
オリーブの生育適正pHは6.5〜6.8程度で弱酸性〜中性土壌を好みます。そのため、植え付け時には、植え付けの1ヶ月前くらいに有機石灰や苦土石灰を散布して中和します。どのくらいの量を散布するかは酸性度合いによります。市販の酸度計などを使用して測定すると良いでしょう。pHを1上げるためには、300g/1㎡程度の苦土石灰が必要です。
- 6月頃
- 9〜11月頃
お礼肥(秋肥)
適している肥効タイプ
- 速効性肥料
使用する肥料の例
液体肥料・固形肥料等の化成肥料。
肥料のやり方概要
オリーブの木は、実を付ける(結実する)ことによって大きく体力を消耗します。消耗した樹体を回復させるために肥料を施します。追肥と同様、すぐに植物に吸収されやすい速効性の肥料がおすすめです。
肥料のやり方詳細
庭植えの場合
庭植えのオリーブの肥料のやり方の基本は、根が広がっている範囲に施すことです。「根の広がる範囲なんて掘り返してみないとわからない」と思われるかもしれませんが、一般的な樹木は基本的に「葉の広がっている範囲が根の広がっている範囲」と言えます。葉の広がっている範囲を確認して、その下の土にまんべんなく散布すると良いでしょう。
「施肥量はどのくらいが良いの?」とよく聞かれますが、品種や樹齢、樹・土壌の状態によって異なるのでなかなか的確なアドバイスはできません。目安として、樹冠直径1mくらいのオリーブの木における元肥・追肥・お礼肥の施肥量を掲載しますので、これを参考に増減させてみると良いでしょう。
時期 | 1株あたりの施肥量の目安 |
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元肥 | 油かす 150g |
追肥 (必要であれば) | 化成肥料(12-12-12)など 40g〜50g |
お礼肥 | 化成肥料(12-12-12)など 20g〜30g |
プランター・鉢植えの場合
鉢植えのオリーブにも庭植えのオリーブと同様に施肥が必要です。鉢植のオリーブに施肥する場合は、株元(根元)を囲むように肥料を施します。
施肥量は、品種や樹齢、樹の状態、プランター・鉢の大きさなどによって異なります。目安として、8号鉢の場合の元肥・追肥・お礼肥の施肥量を掲載しますので、これを参考に増減させてみると良いでしょう。
時期 | 1株あたりの施肥量の目安 |
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元肥 | 油かす 30g |
追肥 | 化成肥料(12-12-12)など 8g〜10g |
お礼肥 | 化成肥料(12-12-12)など 6g〜8g |
そもそもオリーブに肥料は必要なのか?
そもそもオリーブの木に肥料をやる必要はあるのでしょうか?答えは「必要」です。
オリーブに限らず植物は、土壌にある養分を根で吸収し、光、二酸化炭素などを利用して光合成することで、葉や果実の組織を作ったり維持しています。土壌に常に養分がある状態であれば問題ありませんが、根はどんどん養分を吸収しますので補給をしてあげなければ養分が足りなくなってしまいます。そのため、基本的に肥料をやることは必要となります。ただし、オリーブの木は肥料やけもしやすい植物なので注意が必要です。
オリーブに適した肥料と購入方法
オリーブの肥料は、ホームセンター、100均、インターネットなどで購入可能です。肥料を購入できる主な場所・方法は以下のとおりです。
\オリーブの肥料の購入場所・購入方法の一覧はこちら/
オリーブ肥料のおすすめ商品
オリーブの肥料を購入するときに、参考にしてほしいおすすめ商品を紹介します。基本的にはオリーブ専用の肥料を使用すると安心です。その他にも果樹用の肥料もおすすめです。
一般的な化成肥料や液体肥料なども使用することができますが、オリーブは肥料やけしやすいため、成分や特性をよく理解した上で注意して使用しましょう。
\オリーブのおすすめ肥料商品/
参考:オリーブ栽培の基本
オリーブは、庭植えでも鉢植えでも育てられる植物です。園芸で手軽に育てられるため、コニファー(針葉樹の総称)と並んで人気の樹木です。
オリーブの木の栽培はざっくりと以下のような流れです。
- 苗木の選択苗木の選択のポイント
- 耐寒性や耐病性など品種によって性質が違うのでよく選びましょう。
- 品種によって樹形(直立型・開樹型)、果実の大きさ・量、葉の大きさ・色が違います。
- 植え付け植え付けのポイント
- 真夏と真冬を避ければ通年大丈夫です。その中でも3月中旬〜5月中旬が適しています。
- 苗木は深植えしないようにしましょう。
- 仕立て仕立てのポイント
- 枝をどの向きに広げていきたいかのイメージが大事です。
- 樹形は1年後、2年後を想像して整えていくことが大事です。
- 摘芯・摘果摘芯・摘果のポイント
- オリーブの摘果の適期は、6月〜7月上旬です。
- 自然に実が落ちる生理的落果に加えて摘果をすると本来の実の大きさで収穫できる。
- 開花・収穫開花・収穫のポイント
- 花が咲く時期は5月中旬〜6月上旬頃です。
- 「自家不結実性」のオリーブは同じ品種の花粉では受粉しません。
- 「自家結実性」のオリーブもありますが、他の品種を用意したほうがよく実ります。
- 剪定・切り戻し剪定・切り戻しのポイント
- オリーブの実がよく実るかどうかは剪定次第です。しっかりと花を咲かせるためにも剪定はしっかりやりましょう。
- 新梢を残しつつ、混み合った中心部分の枝を選定します。
- 剪定の適期は2月中旬〜3月です。
- オリーブは枝の先端〜中間に花芽をつけます。このため、剪定で枝先を切り取っても果実が付きます。
- オリーブは花芽と葉芽の大きさがわかりにくく、区別がつきにくいので剪定のときは注意しましょう。
- 植え替え・鉢替え植え替え・鉢替えのポイント
- 鉢植えした場合は3年に1回を目安に新しい土に植え替えましょう。
- 植替えの適期は、3月中旬〜5月中旬です。
- オリーブの木を増やすオリーブの木を増やすポイント
- 増やすときは「挿し木」という方法で増やします。
- 挿し木の適期は6月〜7月上旬頃です。
先述したとおり、育てる環境は鉢植えでも庭植えでも栽培することが可能です。
鉢植えでの栽培
オリーブは、鉢植えで育てることができます。植木鉢は、できればプラスチックのプランターではなく、素焼きやテラコッタのものを選びましょう。素焼きやテラコッタの植木鉢は、通気性、吸水性、排水性に優れています。用土は、オリーブ専用の培養土が販売されていますので、これを利用すると便利です。
庭植えでの栽培
オリーブは、水はけのよい土壌であれば丈夫に健康に成長します。庭植えでもオリーブ用の培養土を利用してもちろん問題ありませんが、コストを抑えたい場合には、赤玉土7、腐葉土3くらいの割合で配合し、用土として利用するとよいでしょう。
オリーブは、庭木や植木としてブルーベリーと並んで高い人気を誇ります。もしどちらを植え付けるか迷っている場合は、ぜひブルーベリーの記事もご覧ください。