美しく管理が行き届いた芝生は、見ているだけで素敵ですね。公園やサッカースタジアム、庭など、様々な場所で目にする芝生。どのように管理すれば美しく維持できるのでしょうか?
この記事では、「雨が降っているときに芝生肥料はあげても大丈夫?」なのかを解説していきます。
芝生の肥料は雨の日にあげても大丈夫?
結論から言うと、固形肥料(粒状、細粒状)は雨に日にあげても大丈夫、(寧ろ施肥後の水散布の手間がなくなる)液体肥料は雨の日の散布はNGです。
固形肥料の場合は、撒いた後、芝の葉の上に残って肥料焼け等を起こさないようにするために水を撒きます。雨が降る場合は散水せずに済むので、雨は寧ろ好都合です。
逆に液体肥料(液肥)の場合は、散布後に水は撒きません。散水すると液肥の成分が水で流れてしまい、肥効が得られなくなってしまうからです。
また、土砂降りのときは固形肥料であっても流されてしまうので、大雨、土砂降りの時は肥料をあげるのは避けるようにしましょう。
以下は補足として、固形、液肥それぞれのおすすめ芝生肥料をご紹介、またそもそも芝生の肥料はいつあげればいいのか説明します。
おすすめの芝生肥料
芝生に適している、使いやすい芝生肥料をまとめました。液体肥料も固形肥料もあるので、ご自身に使いやすいほうを選択して施用すると良いと思います。基本的な考え方として、以下のことは覚えておきましょう。
マイガーデン芝生用はすぐに効いてその後も安定した効果が2~3ヶ月持続する3ピーク・ブレンドの肥料です。マイガーデンの粒状肥料は樹脂コーティングされているため、肥料やけもしにくいです。土にも活力を与える腐植酸を配合し、生育中の芝生をもっと元気に、もっと健やかに育てる、ばらまくだけの粒状肥料です。
ゴルフ場で使用されている、芝生のプロ御用達の肥料です。芝生の隙間に入りやすい細粒タイプで、遅効性IBチッソと共にりん安 、硫安をチッソに使用していて、施肥直後から長期にわたり肥効が持続し、かつ肥料焼けも少なく 、安心して使用できます。
芝生肥料は他にも多くの栄養豊富な種類、商品がありますのでいろいろ探してみましょう。
粒剤の肥料を広範囲に撒く場合は、肥料散布機、また広範囲でなくてもハンディスプレッダーがあると便利です。
肥料を与える際の注意点
肥料のやりすぎ
元気に育ってほしいと肥料を沢山やりたい気持ちはわかります。しかし、休眠期に肥料をやる、また生育期でも規定以上の肥料をやるとやりすぎになってしまい、肥料焼けを起こして弱々しくなり、変色し、最悪枯れてしまいます。くれぐれも肥料のやり過ぎには注意してください。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
芝に肥料を与える時期は?
芝生の種類 暖地型、寒地型 とは?
芝生に使われるイネ科植物(いわゆる芝、芝草)は、一般的に15属30種類以上あると言われています。それらは生育適温や栽培地域の違いによって、大きく「暖地型」と「寒地型」に分けられます。
また、芝は日本に自生するものと海外から導入されたものがあります。一般的に日本に自生する芝を「日本芝(日本シバ)」、海外から導入された芝を「西洋芝(西洋シバ)」と呼びます。
暖地型/寒地型 | 日本芝/西洋芝 | 芝草の種名 |
---|---|---|
暖地型 | 日本芝 | 野芝(ノシバ)、高麗芝(コウライシバ)、ビロード芝(ビロード芝・キヌシバ) |
暖地型 | 西洋芝 | バミューダグラス、ティフトン芝(ティフトンシバ)、センチピードグラス、セントオーガスチングラス、シーショア・パスパラム |
寒地型 | 西洋芝 | ケンタッキーブルーグラス、クリーピングベントグラス、トールフェスク、アニュアルライグラス、ペレニアルライグラス、クリーピングレッドフェスク、チューイングフェスク、ハードフェスク |
日本を例に適している芝の種類を説明します。北海道から東北北部では、気温が低いため暖地型の日本芝は適さず、ケンタッキーブルーグラスやベントグラスなどの寒地型西洋芝がよく使われます。逆に九州や沖縄では、高温多湿に強い野芝や高麗芝(コウライシバ)、暖地型西洋芝のバミューダグラスなどがよく使われます。

「寒地型」と「暖地型」では肥料を与える時期や年間の管理スケジュールが異なります。目安のスケジュールはこのようになります。


肥料を与える時期
暖地型(野芝(ノシバ)、高麗芝(コウライシバ)など)の場合
肥料の時期の目安としては、「4月〜9月の生長期に与え、その他の時期には与えない」がベースになります。
「暖地型」の芝生の年間スケジュールと、各月ごとの、肥料やその他やるべきこと一覧になります。参考にしてみてください。
- 1月
休眠期なので、肥料は与えないでください。その他、水やりなども特にする必要はありません。
- 2月
休眠期なので、肥料は与えないでください。その他、水やりなども特にする必要はありません。
- 3月
3月も基本的に何もされなくて大丈夫です。例年よりも降雨が非常に少ない場合は、水やりで補完する程度で大丈夫です。
- 4月
- 5月
- 6月
肥料は、基本的には、肥料は、引き続き、固形肥料なら隔月に1回、液体肥料なら月1回の頻度が目安です。春にそれ以上の頻度で与えた場合は、半分に減らすなど調整しましょう。水やりは梅雨時期は行う必要はありません。
- 7月
肥料は6月のペースの頻度で大丈夫ですが、手間がかけれる場合は液体肥料をメインに行って下さい。施肥量のコントロールがしやすくなります。梅雨明け後は、土が乾いたら水を与えて下さい。水やりのポイントは、回数はなく、一度の量を多めに、です。(その方が地下茎がしっかり育ちます。)
梅雨明けの除草はしっかりと行いましょう。
- 8月
液体肥料を月1回与えて下さい。固形肥料が残っている場合は、施肥量を減らして下さい。水は土が乾いたらたっぷりやるようにしましょう。
また、7〜8月に1度エアレーションできるとベストです。
- 9月
肥料は回数を減らし、月1度施肥量を減らして液体肥料をやる程度で大丈夫です。水やりの時期、頻度は、乾いたらやるで大丈夫です。
- 10月
肥料はやらなくても大丈夫ですが、冬もある程度の緑を保ちたい場合は、少量の液体肥料を1度与えて下さい。水やりの時期、頻度は、乾いたらやるで大丈夫です。
- 11月
休眠期なので、肥料は与えないでください。その他、水やりなども特にする必要はありません。
- 12月
休眠期なので、肥料は与えないでください。その他、水やりなども特にする必要はありません。
寒地型の場合
寒地型の芝は、ケンタッキーブルーグラスやベントグラスなどが有名です。暖地型と違う点は、肥料をやる時期が11月までと長い期間であること、また、小まめに少量やる必要があることです。
- 1月
休眠期なので、肥料は与えないでください。その他、水やりなども特にする必要はありません。
- 2月
休眠期なので、肥料は与えないでください。その他、水やりなども特にする必要はありません。
- 3月
3月も基本的に何もされなくて大丈夫です。例年よりも降雨が非常に少ない場合は、水やりで補完する程度で大丈夫です。
- 4月
- 5月
肥料は、引き続き、固形肥料なら月1回、液体肥料なら月2回の頻度を目安に与えてください。水やりは乾いた日が続いた時にやる程度で大丈夫です。
また、4月にエアレーション、目土入れを行っていない場合は、この月に行うようにしてください。
さらに、この時期の除草によって、その後の生育、生長が異なってきます。下の除草記事を参考に、芝生雑草が目立ってきた場合は、除草すると良いでしょう。
- 6月
肥料は、基本的には、固形肥料なら月1回、液体肥料なら月2回の頻度が目安ですが、春にしっかりその頻度で与えた場合は、半分に減らして大丈夫です。水やりは梅雨時期は行う必要はありません。
- 7月
肥料は6月のペースの頻度で大丈夫ですが、手間がかけれる場合は液体肥料をメインに行って下さい。施肥量のコントロールがしやすくなります。梅雨明け後は、土が乾いたら水を与えて下さい。水やりのポイントは、回数はなく、一度の量を多めに、です。(その方が地下茎がしっかり育ちます。)
梅雨明けの除草はしっかりと行いましょう。
- 8月
少量の固形肥料、または液体肥料を月1回与えて下さい。前月の固形肥料が残っている場合はやる必要はありません。水は土が乾いたらたっぷりやるようにしましょう。
- 9月
少量の固形肥料、または液体肥料を月1回与えて下さい。水やりの時期、頻度は、乾いたらやるで大丈夫です。
- 10月
少量の固形肥料、または液体肥料を月1回与えて下さい。水やりの時期、頻度は、乾いたらやるで大丈夫です。この時期にエアレーションもできるとよいでしょう。
- 11月
休眠期に入る前の月です。いつもより少し多めに固形肥料、または液体肥料を1回与えて下さい。この施肥が春からの生長に大きく影響し、密で緑色の芝生を育てます。
- 12月
休眠期なので、肥料は与えないでください。その他、水やりなども特にする必要はありません。
固形肥料が残っている場合は、施肥しないようにしてください。芝が肥料焼け(肥料やけ)し、傷み枯れる原因となります。
暖地型も寒地型も、生育期に入る3月下旬頃に施肥を始め、その後は様子を見ながら上記の回数を目安として、葉の色が薄くなったり、成長が鈍化していると感じた時に施肥するようにしましょう。特に、梅雨時は生育が悪くなりがちなので、梅雨明け時に生育を促進させるために即効性の肥料を与えると効果的です。
注意点としては、梅雨入り後と猛暑時は施肥をしないことです。梅雨時期は、栄養過多と高温多湿が重なり芝生の病気が発生する可能性が高まります。また、暑い猛暑時は、芝が疲れて肥料を吸収することができず、肥料やけ、夏枯れしてしまうためです。出来れば早朝や夕方の涼しいタイミングに施肥して下さい。