光沢感のある鮮やかな緑の葉は、やわらかく甘みがあるサラダ菜は、その名のとおり生でサラダとして食べるのに向いています。レタスの仲間のなかでも、小ぶりで暑さに強いので栽培が簡単で水耕栽培でも十分収穫が楽しめます。
ここではサラダ菜の水耕栽培について、タネから始める手順や収穫までの育て方について、わかりやすく説明します。
サラダ菜の水耕栽培について
サラダ菜の基礎知識
レタスには、一般的なレタスのように玉のように結球する玉レタスや、サニーレタスのように葉が結球しないリーフレタスなどがありますが、サラダ菜はゆるくまとまる半結球タイプ。なめらかな光沢からバターヘッドレタスとも呼ばれます。
一般的な玉レタスより栄養価も高く、リーフレタスに比べ暑さにも強く、夏にトウ立ちしにくいので、夏でも栽培が可能なレタスです。成長した外側からかき取って収穫できることから長く収穫が楽しめます。
種からも栽培が簡単で、品種によりますが、種まき後40日~55日で収穫できます。冷涼な気候を好み、25℃以上の高温と長日で花芽分化しとう立ち(抽だい)します。とう立ちすると株が大きくならず、味が落ちます。栽培時期に25℃以上にならない時期に種をまいて、夜は街頭などの光にもあたらないように真っ暗な場所で管理して育てることが失敗しないポイントです。
作物名 | サラダ菜 |
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科目 | キク科アキノノゲシ属 |
原産地 | 西アジア、地中海沿岸 |
発芽適温(地温) | 15℃~20℃ |
生育適温 | 15℃~20℃ |
育てやすさ | やさしい |
品種
品種名 | 岡山サラダ菜 | サマーグリーン | ニュー赤サラダ菜 |
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概要 | |||
特徴 | 暑さ、寒さに強い極早生種 周年栽培できる 濃紺の葉はやわらか | 作りやすい極早生種 暑さ寒さに強い 葉は濃紺色のリーフ型 | 葉の赤いサラダ菜 食感はサニーレタスと似ている 栽培に少し時間がかかります。 |
サラダ菜の水耕栽培の手順
ではサラダ菜の水耕栽培の手順について説明していきます。栽培の容器は、水耕栽培キットなどを使う方法や自分でペットボトルやタッパーなどをつかって自作する方法があります。
ここではタッパーを使った方法で説明します。タッパーの容器は大きさに合わせて、複数株作くれるので葉物野菜などが便利です。
事前準備
種まき用のスポンジと、水耕栽培に使うタッパーの準備をしておきます。タネまき用のスポンジは、水耕栽培用のスポンジ倍地なども販売されていますが、キッチンスポンジでも代用可能です。柔らかめのものを選びましょう。メラニンスポンジは目が細かすぎるので使えません。
- スポンジを2.5cm~3cm程度の四角にカットし、中央に十字の切り込みをいれます。
- タッパーのふたに1のスポンジをセットして使います。株間(スポンジとスポンジの間)が10cmになるようにして、2cm程度の穴をくりぬきます。
用意するもの
- サラダ菜の種子
- スポンジ
- タッパー
- 水耕栽培用肥料
- カッター、ハサミ
手順
- 手順1事前準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
タッパーのふたに株間10cmで2cm四方の穴を空けておく。 - 手順2種まき
タッパーに水をいれ、スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を2~3粒差し込みます。あまり深く押し込まないようにします。
ラップをかけて、爪楊枝などで複数個穴をあけて明るい場所で管理します。スポンジが乾かないように注意しましょう。 - 手順3タッパーにセット
発芽し、スポンジの下から白い根がでてきたら、水耕栽培用のタッパーにセットします。
事前に準備した、タッパーのフタの穴にスポンジをセットします。
タッパーに、根が水につかるように水をいれ、水耕栽培用の肥料をいれます。 - 手順4間引き
本葉5枚程度でたら、生育の良い苗を残し1スポンジ1個になるよう根元をハサミで切って間引きます。間引き菜も食べることができます。
- 手順5収穫
葉がゆるくと丸まってきたら収穫のタイミングです。
サラダ菜の水耕栽培の育て方
栽培環境・置き場所
サラダ菜は、日の当たらない場所で育てると、ひょろひょろと細い茎が伸びてしまう徒長が起きてしまいます。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。
室内で育てる場合も、日当たりの良い窓辺で育てましょう。半日程度日が当たる場所で管理します。ただし暑さには弱いので、夏に栽培がかかる場合には、直射日光を避け温度が上がりすぎない場所で育てましょう。LEDライトも有効です。高温と長日(日中の時間が長い)で、花芽がついてとうが立ちやすくなります。ベランダや室内で栽培するときには、街頭の光や部屋の光が当たらないように夜間は遮光して育てましょう。
水やり
水の交換は、3日に1度、最低でも1週間に1度は行いましょう。水道水でかまいません。水やりは1週間に1度程度、水道水でOK。土での栽培と異なり、栄養は肥料でしかとれません。必ず水耕栽培用の肥料を一緒にいれて水やりをしましょう。
成長してくると水を良く吸うので水切れには注意が必要です。また暑い時期は水が腐りやすいので、水が濁っているときには水を交換しましょう。
培養液(肥料を入れた水)の水位は、根が2/3~1/2程度浸かる程度。水の中は空気が少ないので、根元は空気に触れるよう濡れないようにします。
肥料
水耕栽培でリーフレタスを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
収穫
サラダ菜は、株ごと収穫することもできますが、外葉から使う分だけ、摘み取り栽培も可能です。
下葉から順にかき取って収穫しましょう。1株あたり2~3枚程度にすると、また新たな葉ができてきて長く収穫が楽しめます。
エアーポンプ・水耕栽培キット
葉物野菜は、エアーポンプなしでも十分育ちますが、土壌栽培のように大きく育てたい場合や、実がなる野菜などの栽培では、容器内に酸素を送るため、エアーポンプを水の中にいれてつかいます。エアーポンプは熱帯魚用のものでOK。使う容器の大きさに合わせて選びます。
また水耕栽培ようのキットなども多く販売されています。日が当たらない場所で育てたい場合にはLEDライト付きのもの、自動水やりができるものなどもあるので初心者の人でも大きく元気な野菜やハーブなどが収穫できます
まとめ
サラダ菜のやわらかい葉でくせのない味は、サラダにぴったり。自分で育てれば農薬も使わず、とれたてを楽しめます。サンドイッチや、お弁当の色どりとしても便利です。サニーレタスなどに比べてクセがないので、子供たちも食べやすく、暑さに強いので育てやすいのでぜひ水耕栽培で育ててみてください。
ハイドロボールをつかったレタスの水耕栽培の記事もあります。
『農家web』にはこのほかにも、水耕栽培のコンテンツが豊富です。野菜だけでなくハーブや、観葉植物、多肉植物、花を楽しむ球根なども水耕栽培で育てることができます。