有機農業で利用可能な有機JAS規格に適合した肥料とは

有機肥料（有機質肥料）

2022.10.02

近年、有機農業に注目が集まっています。スーパーなどの食料品店でも有機農産物やオーガニック製品が販売されることも増えてきました。

実は、有機農産物を生産するときには、有機JAS規格に適合した資材（肥料、培養土など）を使用する必要があります。

この記事では、有機JAS制度の概要から、有機JAS規格に適合した肥料の種類などを解説します。

有機JAS制度とは

有機JAS制度とは、JAS法に基づき、「有機JAS」に適合した生産が行われていることを第三者機関（登録認定機関）が検査し、認証された事業者に「有機JASマーク」の使用を認める制度です。この制度に基づいた生産方法に関する規格を「有機JAS規格」と呼びます。

農産物、畜産物及び加工食品は、有機JASマークを付けたもの以外「有機〇〇（有機農産物、有機栽培農産物等）」や「オーガニック」と表示することができません。

近年、有機農産物の需要が高まり、それに伴って有機農業にも注目が集まっていますが、安心、安全である一定基準に沿った生産方法が行われているかを保証する制度があることを知っておきましょう。

有機農産物を生産するときには、有機JAS規格に適合した資材（肥料、培養土など）を使用する必要があります。また、正規の有機許容原料100％の資材であること、化学原料の添加や化学的な製造工程がないことなどを証明する為の「証明書」の取り寄せ、保管が必要となります。

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有機農産物として生産、販売等実施する場合には、第三者（登録認定機関）による認証が必要となります。各資材の使用可否は、登録認定機関によって異なる場合がありますので、認定を受ける予定がある場合は、予め登録認定機関に問合せをしておくとよいでしょう。

有機JAS制度については、農林水産省のホームページに全容が掲載されています。

有機JAS制度には、下記のようなメリットがあります（有機JAS制度について – 農林水産省）。

諸外国と同様に、コーデックス(食品の国際規格を定める機関)のガイドラインに準拠し、農畜産業に由来する環境への負荷を低減した持続可能な生産方式の基準となっている。
- 堆肥等での土作りを行い、化学合成肥料及び農薬の不使用を基本とする栽培方法
- 有機農産物等の給与、過剰な動物医薬品の使用制限、動物福祉への配慮等による家畜生産
- 遺伝子組み換え技術の使用禁止など
有機認証について、米国やカナダ、スイス、EU、台湾などと相互で認証する仕組みがある。

有機JAS規格に則った肥料とは、どのようなものなのでしょうか。一番まとまっている資料は、農林水産省が作成している「有機農産物のJAS規格別表等資材の適合性判断基準及び手順書平成28年4月改訂版」です。この手順書に従って、有機JAS規格に適合しているかを確認します。

具体的にどのようなものが有機JAS規格に適合している肥料か、一部を紹介します。

登録認定機関による適合性の評価を行った資材のリストも公開されていますので、こちらも参考にすると良いでしょう。

有機農産物の生産に使用予定の肥料や土壌改良資材などの資材が、有機JAS規格で使用できるかどうかを確認するためのおおまかな手順は以下のとおりです。

適合性の判断基準及び詳細な手順については、農林水産省が作成している「有機農産物のJAS規格別表等資材の適合性判断基準及び手順書平成28年4月改訂版」を確認してください。

有機JAS制度、規格について、簡単にまとめます。

有機JAS制度とは、JAS法に基づき、「有機JAS」に適合した生産が行われていることを第三者機関（登録認定機関）が検査し、認証された事業者に「有機JASマーク」の使用を認める制度。
農産物、畜産物及び加工食品は、有機JASマークを付けたもの以外「有機〇〇（有機農産物、有機栽培農産物等）」や「オーガニック」と表示することができない。
有機JASに適合した生産をする場合は、有機農産物の生産に使用予定の肥料や土壌改良資材などの資材が、有機JAS規格で使用できるかの確認が必要。