短期集中でたくさん収穫!7月から始めるキュウリの放任栽培

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キュウリ基本果菜類栽培

キュウリは、水分が95%以上が水分であり、みずみずしさが特徴の野菜です。実は、食用とされているキュウリは未熟果のもので、品種や収穫するまでの期間に応じて、さまざまなサイズのものがあります。

夏野菜の代表的な作物として知られており、生育適温は昼間22℃〜28℃となっています。家庭菜園では、地植え栽培だけではなく、プランターや鉢植え、袋栽培でも栽培可能な作物です。プロ農家の場合は、品質と収量(収穫量)の向上のため、ハウス栽培されることが一般的です。

キュウリは、子づる、孫づるなどを各節で伸ばして果実を着けていき、適切な箇所で摘芯(摘心)する摘心栽培(摘芯栽培)が一般的です。適切に摘芯(摘心)することで長期間、収穫できるようになります。

それに対して、極力摘芯せずに子づる、孫づるを伸ばして栽培することを放任栽培と呼びます。7月に播種・植え付け(定植)した遅穫り用のキュウリなど、短期的にたくさん収穫したい場合におすすめです。

この記事では、キュウリの基礎知識や放任栽培の基本、メリット・デメリットなどを紹介します。記事が長いため、目次を見て必要な部分から読み進めてください。

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キュウリの基礎知識

キュウリのハウス栽培の様子です。プロ農家はハウス栽培することが一般的です。
作物名科目原産地育てやすさ種の価格の価格(円/1粒)苗の価格の価格(円/1苗)収穫までの日(目安)栽培できる地域作型栽培方法土壌酸度(pH)連作障害発芽適温生育適温日当たり光飽和点
キュウリウリ科インド西北部、ヒマラヤ山麓★★★☆☆10円〜100円程度100円〜1,000円程度発芽から約60日全国促成栽培
半促成栽培
抑制栽培
など

露地栽培
プランター・鉢植え栽培
施設栽培養液栽培
養液土耕栽培

6.0〜7.0あり(2〜3年)25〜30℃17〜28℃日なた55klx

きゅうりは、インド西北部などアンデス山麓原産の作物です。日本では、「白イボ系」と呼ばれる緑色が鮮やかで皮が薄い品種が流通の90%以上を占めています。他にも「黒イボ系」や「四川胡瓜」「ロシアキュウリ」など世界中で500以上の品種が栽培されています。

ブルームキュウリとブルームレスキュウリの違い

単純に言うと、ブルームが発生しやすいキュウリ(品種)か、そうではないかの違いです。

「ブルーム」とは、キュウリの果実の表面に発生する白い果粉を指します。キュウリの表面が白っぽく見えたらブルームが発生しています。ブルームは、キュウリの他にスイカやカボチャといったウリ科の植物、ブルーベリーやブドウといった果樹の果実など、ケイ素の吸収が多い作物に発生します。

ブルームは、果実の水分が抜けるのを防ぐために果実が分泌するもので、食味には全く影響がないとされています。主成分は、ケイ酸(正しくはシリカ、二酸化ケイ素)でこの程度の量であれば健康などにも全く影響はありません

しかし、その見た目から「農薬が付着して残っているんじゃないか」「病気にかかっているんじゃないか」などの風評被害が起こり、ブルームが発生しづらい品種が求められました。その結果、誕生したものがブルームレスキュウリです。ブルームレスキュウリは、ケイ素を吸収しづらい台木を接ぎ木することによって、ブルームの発生を抑制しています。

ブルームキュウリであろうが、ブルームレスキュウリであろうが、安全なものは安全ですし、美味しいものは美味しいということだけ覚えておいてください。

きゅうりの品種

きゅうりにもさまざまな品種があります。地這い栽培や立体栽培など栽培方法によって、適している品種が異なりますので、知っておくと大変便利です。下記に主な品種の一覧を掲載しますので、苗や種の購入の参考にしてください。放任栽培の場合は、節成り性で立体栽培に向いている品種が良いでしょう

品種タキイ種苗 VR夏すずみタキイ種苗 北進サカタのタネ 味さんごトキタ種苗 ミニQタキイ種苗 Vアーチ埼玉原種育成会 夏秋美人サカタのタネ よしなりサカタのタネ フリーダムタキイ種苗 夏太郎タキイ種苗 シャキット
向いている栽培方法立体栽培立体栽培立体栽培立体栽培立体栽培立体栽培・地這い栽培立体栽培立体栽培地這い栽培立体栽培
節成り性・飛び節成り性節成り性節成り性節成り性節成り性節成り性節成り性節成り性節成り性飛び節成り性節成り性
特徴べと病、うどんこ病、ウイルス病に強く、減農薬栽培が可能。家庭菜園でもおすすめ。側枝の発生が旺盛で果実が付きやすいうどんこ病、べと病に対して耐病性があり、特にうどんこ病に強い長さ約10cm、1個約40gの果実をつけるウイルス病、べと病、うどんこ病に耐病性があるべと病、うどんこ病に強く、無農薬栽培も可能べと病、褐斑病、うどんこ病に耐病性がある表面にイボがないイボなしキュウリ。
うどんこ病、べと病に耐病性がある
うどんこ病、べと病に強い表皮に細かいイボがある。うどんこ病、べと病、ウイルス病に耐病性ある
キュウリの栽培方法(仕立て方、誘引方法)には大きく2つあって、品種によって向き・不向きがある

キュウリは、品種によって、仕立て方、誘引方法が異なります。

他の果菜類と同様、園芸支柱や誘引ひも、ネットで上に誘引していく方法を「立体栽培」、誘引などをせず地面にそのまま這わせるように伸ばしていく方法「地這い栽培」と呼びます。

昨今では「立体栽培」が主流ですが、「地這い栽培」が向いている品種もまだ販売されています。地這い栽培をやる場合には、広いスペースが必要となるので注意しましょう。

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放任栽培とは?

一般的に放任栽培と呼ばれる栽培方法は、「側枝(子づる・孫づる)を極力摘芯せずに伸ばしていく」方法を指します(厳密な定義はありません)。子づる・孫づるを伸ばしていくことで節に果実どんどん着いていくのと同時に、葉もたくさん付くので、生長が一気に進みます。

また、生長点(つるの先端)を複数残すことで、土壌からの水分、栄養分の吸い上げが促進され、短期間でよく生長すると言われています。

但し、果実が一気に着くことによって成り疲れが発生したり、葉が混むことによって病害虫の被害に遭いやすかったりします。

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放任栽培のメリット・デメリット

まず、摘心栽培と放任栽培のメリット・デメリット、作業のしやすさをまとめてみましたのでご覧ください。

項目放任栽培摘心栽培(摘芯栽培)
メリット短期間で多くの果実を収穫可能。
摘心・摘葉作業を可能な限り減らすことができる。
草勢(樹勢)を適切に管理することで、成り疲れを抑え、長期間栽培することが可能。
デメリット葉が混むことで病害虫の被害に遭いやすくなる。
成り疲れなどによって、長期間栽培することは難しい。
草勢(樹勢)を見ながら、摘心・摘葉作業をしなければならない。

上記より、放任栽培は「栽培期間が短くてもたくさん収穫したい」場合と言えるでしょう。特に、7月の播種・植え付けなど、栽培開始時期が遅くなり栽培期間が短くなると想定されるときには挑戦してみても良いかもしれません。

編集さん
編集さん

「放任栽培」だからといって、なんでもかんでも放ったらかしで良いというわけではありません。

放任栽培に合う品種は?

放任栽培に合う品種は、短期集中で一気に果実を着けて収穫するという特性上、「節成り性」の品種と考えています。もちろん、「飛び節成り性」の品種でも放任栽培は可能です。

放任栽培の仕立て方

放任栽培は、植えたらそのまま放置すればよいというものではありません。栽培初期は、摘除・摘芯をすることで草勢(樹勢)が安定しますし、ある程度の背丈になってきたら親蔓の摘芯も必要です。また、立体栽培が基本となりますので、子づる・孫づるの誘引が必要です。

下記に、放任栽培のときの仕立て方について例を挙げますので、参考にしながら適宜作業を実施してください。

キュウリの放任栽培の仕立て方の例を表したイラストです。

5節目くらいまでは、草勢(樹勢)を安定させるために摘除(子づる・雌花を摘み取る)をしたほうが良いでしょう。6節目くらいからは子づる・親づるともに放任します。

但し、激しく混み合ってきたり(繁茂の状態)、著しく生長が悪いときには摘芯、摘葉、摘果をすることで少しでも長く栽培することができます。特に、病気や害虫にやられてしまった葉や枯れてきている葉を摘葉すると良いでしょう。

また、親づるは手の届く高さ(10節程度)で摘芯すると良いでしょう。

病害虫には注意

先述したとおり、放任栽培は繁茂の状態になりやすいため、病気や害虫にやられやすいです。栽培期間が短いという前提のため、最悪、病害虫の被害が出ても諦めることもできますが、可能な限り防除することも重要です。

特に下記のポイントは覚えておいて、損はないと思います。

生理障害・病害虫管理のポイント
  • 害虫(アブラムシアザミウマなど)を見つけた場合には必ず除去してください。害虫は病気を運んでくることも多いため、感染予防にも繋がります。
  • 特にキュウリの場合、ウリハムシの被害も大きいです。成虫であれば葉の食害、幼虫であれば根の食害と、幼虫も成虫も害虫です。
  • キュウリの病気は、特にウイルス病(モザイク病など)、べと病、うどんこ病が多いです。発生したときには、早めの対処を心がけましょう。
  • 生理障害を起こさないように植物の状態を適切に保ちましょう。特に追肥、手入れ(芽かきや摘果など)は重要です。生理障害を起こさないことで病害虫発生の予防にもつながります。
  • キュウリは草勢が落ちると、曲がり果や尻太り果など、果実の形に影響が出てきます。影響が出る前に草勢をコントロールするのはもちろんのこと、影響が出てきたときには追肥や葉面散布など早めに対処することを心がけてください。

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この記事を書いた人
農家web編集部

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