油粕(油かす)は、ナタネ(菜種)やダイズ(大豆)から油を搾る工程の残りかすを指し、それを主な原料として使用する有機(有機物)肥料を油かす肥料と呼びます。
「油かす肥料にカビが生えてきた」という経験をした人もいるのではないでしょうか?油かす肥料にカビが生えたらどうすればよいのでしょうか?
この記事では、油かす肥料のカビについて、原因と対処法を紹介します。
油かす肥料にカビが生える原因
粉末の油かす肥料や未発酵の固形油かす肥料を使用した場合、降雨や散水により適度水分が保持されると、菌の働きによりカビが発生します。
油かす肥料に生えたカビへの対処法
カビにも、青カビ・赤カビ・白カビなど種類があり、その種類によって対処法が異なります。
白いカビであれば大丈夫
白いカビであれば、見た目の問題を除くと、園芸などの露地栽培では基本的に実害はありません。白いカビは、乳酸菌・麹菌などの有効菌です。これらが活発に活動し始めると、油かすなど土壌に含まれる有機質の分解・発酵が進みます。
そのため、白いカビはそこまで気にする必要がありません。栽培面積の小さいプランターなどでは、植え付け時や挿し木時にカビが生えたままにすると、稀に害が出る場合も考えられます。気になる方は、土に埋め込むと消えるでしょう。
家庭菜園などでも、白カビが出たら耕運機や鍬を用いて、埋め直すと良いでしょう。
青カビや赤カビなどには要注意
青カビや赤カビなど、白カビ以外のものは有効菌ではないと考えられます。取り除いておいたほうが無難でしょう。
カビが生えないようにしたいのであれば醗酵油かす肥料を使う
カビが気になる方は、醗酵油かす肥料を使うと良いでしょう。醗酵油かす肥料はすでに発酵、分解が進んでいるため、粉末の油かす肥料等に比べて、白カビなども生えづらいと考えられます。また、臭いやガス害による植物への影響も最小限にできます。
油かす肥料とは
油粕(油かす)は、ナタネ(菜種)やダイズ(大豆)から油を搾る工程の残りかすを指し、それを主な原料として使用する有機(有機物)肥料を油かす肥料と呼びます。
油かす肥料は、その油かすの種類によっても成分が異なります。
ナタネ(菜種)油かすは、窒素が主成分で、リン酸やカリウムも多少含んでいることが特徴です。また、土壌で分解されるのが遅いため、効き目が長い、遅効の肥料ということになります。
ダイズ(大豆)油かすも、窒素が主成分ですが、リン酸やカリウムをあまり含んでいないのが特徴です。また、土壌で分解されるのが早いため、ナタネ(菜種)油かすと比較すると、効果が表れるのが早い、即効の肥料ということになります。
単位:% | ナタネ(菜種)油かす | ダイズ(大豆)油かす |
---|---|---|
窒素(N) | 5 | 7 |
リン酸(P) | 2 | 1 |
カリ(K) | 1 | 2 |
油かす肥料の使い方の基本
油かす肥料は、元肥・追肥のどちらの用途にも使用可能です。一般的に粉末の油かす肥料は、元肥(基肥)として土作りの際に混和させることが多いです。
ただし、微生物の働きにより分解される過程で発生するガス(アンモニアガスや亜硝酸ガス)に芽や根がさらされ、枯れることがあります。これを避けるため、作付けの2週間以上前には土に混ぜるようにしましょう。
また、油かす肥料には固形のものもあります。固形油かす肥料は、油かすのほかに米ぬかや骨粉などの有機質、ミネラル分(海藻成分)、フルボ酸などが混ぜ、水で練り込んだものを発酵・乾燥させたものです。追肥に使用することができ、用土の上に置くことで効果を発揮します。
事前に発酵させ「ぼかし肥料」として利用する方法や、水を加えて発酵させ液体肥料(液肥)として追肥に利用する方法もあります。
油かす肥料の基本的な注意点
油かす肥料を使用する上で、注意しておきたい点が3つあります。