ピーマンはカロテンやビタミンCを多く含んでいる栄養価の高い野菜です。サラダや和え物だけではなく、日々の炒めものなどにも使用している方も多いと思います。ピーマン独特の匂いや苦味が苦手な方もいると思いますが、加熱したり味付けをすることによって美味しくいただけます。
ピーマンは夏の暑さにも強く、病害虫による被害も他の作物に比べて少ないため、家庭菜園や栽培初心者にはおすすめの作物です。品種もさまざまで、大きさや形、肉厚の具合が異なってきます。通常皆さんが食べているピーマンは未熟果のため緑ですが、完熟させると赤色や黄色、オレンジ、紫などに変化します。
この記事では、ピーマンの基本知識や家庭菜園などで使える栽培方法の基本、重要事項、注意点について解説します。記事が長いため、目次を見て必要な部分から読み進めてください。
ピーマンの基礎知識

作物名 | 科目 | 原産地 | 育てやすさ | 種の価格の価格(円/1粒) | 苗の価格の価格(円/1苗) | 収穫までの日(目安) | 栽培できる地域 | 作型 | 栽培方法 | 土壌酸度(pH) | 連作障害 | 発芽適温 | 生育適温 | 日当たり | 光飽和点 |
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ピーマン | ナス科 | 熱帯南アメリカ | ★★★★☆ | 5円〜50円程度 | 50円〜1,000円程度 | 開花から15日〜25日 | 全国 | 促成栽培 半促成栽培 抑制栽培 など | 露地栽培 プランター・鉢植え栽培 雨よけ栽培 施設栽培 養液土耕栽培 養液栽培 など | 6.0〜6.5 | あり(3〜4年) | 30〜33℃(地温) | 25〜30℃(日中) 15〜20℃(夜間) | 日なた | 30klx |
ピーマンは、熱帯南アメリカ原産の作物です。ナスなどよりも高温に強い作物であるとともに、気候への順応性も高いため、秋の徐々に寒くなる気候にも順応し霜が降りる頃まで栽培ができます。一方で育苗時から定植後にかけて低温にあうと、その後の生長に大きく影響するので注意が必要です。
また、ピーマンは土壌の乾燥・加湿にはやや弱く、適度な保水力を持ちかつ排水性のある土壌が適しています。ほかの果菜類に比べて、多くの肥料(多肥)と潅水(水やり)を好みますが、過湿になると病害の発生が多くなるので注意しましょう。
品種や作型、気候によっても異なりますが、植え付け(定植)から1ヶ月程度で収穫を開始することができます。
スーパーなど野菜の販売店では、ピーマンとカラーピーマン、パプリカが区別して販売されていますが、種類としてどれも同じトウガラシ属の仲間です。主に色づきや大きさによって区別します。
パプリカはカラーピーマンの一種ですが、ハンガリーで品種が開発され、オランダなどで品種改良や栽培技術が確立されました。アメリカやブルガリア、スペイン、オランダのみならず、韓国やニュージーランドなど幅広い国と地域で栽培されています。日本国内でも茨城県などの産地があります。(パプリカ – Wikipedia)
カラーピーマンとパプリカの区別ですが、主に大きさや果肉の厚さによって区別されているようです。
項目 | ピーマン | カラーピーマン | パプリカ |
---|---|---|---|
色 | 緑 | 赤、黄、オレンジなど | 赤、黄、オレンジ、紫、黒、白など多数 |
大きさ | 比較的小さい | 比較的小さい | 比較的大きい |
果肉の厚さ | 比較的薄い | 比較的薄い | 比較的厚い |
甘み | 比較的弱い | 比較的強い | 比較的強い |

普通のピーマンの品種でも完熟すれば赤くなったりしますよ。
ピーマン栽培のポイント
- 発芽適温は30℃程度で、20℃以下になると極端に発芽が遅れるので注意しましょう。
- ナスなどの果菜類よりもさらに高温性の高い作物です。
- 育苗時から定植後にかけて低温にあうと、その後の生長が悪くなるので注意しましょう。育苗期や定植直後はビニールトンネルで覆うなどの保温対策が必要となる場合があります。
- 夏の暑さには強く、最適温度は昼間の温度が25℃から30℃、夜間の温度が15℃から20℃となります。
- 日当たりのよい場所を好みますが、ほかの果菜類に比べて光飽和点が低く、少ない日照でもそれなりに収穫量(収量)を確保することができます。
- 過湿、乾燥土壌にやや弱いため、適度な保水力を持ち排水性もある土壌で栽培することが望まれます。
- 多肥、多潅水を好みますが、土壌が過湿状態になると病害が発生しやすくなるので注意が必要です。
- 枝が細くて風に弱いため、収穫盛期の実がたくさんなる時期はしっかりと支柱などに誘引することが重要です。
- 果実がたくさん着果したときは、植物の樹勢をよく観察し、弱っていたら思い切って摘果するとよいでしょう。
- ご家庭では、ベランダでのプランター、鉢による栽培、袋栽培も可能です
- 連作障害が起きやすい植物です。連作障害により最悪の場合、ピーマンが枯れる場合があります。ナス科の植物(ナスやトマト・ミニトマトなど)を同じ土で連続して栽培することは極力避けましょう。土壌消毒や微生物、有機物による土作りにより、連作障害を防ぐ方法もあります。
ピーマン栽培のスケジュール


発芽適温 | 生育適温(昼間) | 生育適温(夜間) |
---|---|---|
30〜33℃ | 25〜30℃ | 15〜20℃ |
一般的な露地栽培をベースに考えたピーマン栽培のスケジュールです。品種によっても違いがありますので、購入する種・苗のラベルを参考に年間スケジュールを想像すると良いでしょう。
露地栽培の場合は、施設栽培のように環境の制御が難しいため、生育適温に近い環境となるシーズンに栽培することが望ましいです。もしくはトンネルを使用して保温することで育苗、定植後の生育管理をしやすくするなどの工夫が必要です。
生育適温ですが、昼間(日中帯)の温度と夜間の温度で異なります。
昼間は、可能であれば25℃〜30℃前後で管理できると良いでしょう。夜間は、可能であれば、15℃〜20℃前後で管理できると良いでしょう。夜温(夜間の温度)が高すぎると徒長しやすくなります。逆に10℃以下になってくると生長が止まり、未受精果が増えるので注意が必要です。
育苗の際には、栽培中の生育適温よりも少し高めを保ちます。日中は28℃〜30℃前後で管理します。
夜間については、最初は23℃前後で管理し、その後育苗が進むにつれて温度を下げていきます。
育苗においては、昼夜の温度変化を生長ステージに合わせて広げていきます。苗を周りの環境(気温、湿度)に合わせていくイメージとなります(順化)。
育苗については、下記の記事で詳しく解説しています。
ピーマン栽培の流れ・栽培方法
ピーマン栽培の流れ・栽培方法は下のカレンダーのようになります(一般地の露地栽培の目安)。施設栽培の場合は、加温、換気をすることにより、栽培時期や栽培期間を調整することができます(半促成栽培、促成栽培の作型)。
- 3月〜5月
- 植え付けの2〜3週間前
- 5月〜6月中旬
- 6月〜10月頃
- 6月中旬〜10月頃
- 7月下旬〜8月上旬頃
- 9月〜11月頃片付け
ピーマンの種まき(播種)
ピーマンの種まき(播種)方法は大きく2つあります。
- ポットに種をまく方法
- 育苗箱に種をまく方法
発芽適温は、地温で30〜33℃です。ポットの場合も、育苗箱の場合も適温となるように工夫をしましょう。ポットや育苗箱に培養土を入れ、種まきをします。


種まきの時期を過ぎた場合や健康な苗を手軽に手に入れたい場合は、ホームセンターや園芸店で購入して、育苗、栽培することをおすすめします。現在では、インターネットにて予約購入することもできます。
下の記事に、ピーマンの育苗期の管理方法について詳しく解説していますので、参考にしてください。
ピーマンの育苗


播種から80日ほどで、植え付け(定植)適期となります。本葉11枚〜13枚程度、花が1〜2花咲いている頃が定植の目安です。
育苗は栽培において、とても重要な時期となります。「苗半作」という言葉があるくらい重要です。植え付け(定植)適期になるまで大事に育苗しましょう。
ピーマン栽培のための土作り、畝立て
ピーマンをしっかりと栽培し、美味しい果実を収穫するためには土作りが重要です。
土作りは、植え付けの2週間から3週間前には行い始めましょう。堆肥、元肥(石灰や窒素、リン酸、カリウムなどの化成肥料、または有機質肥料)は、土作りをするときに一緒に混ぜ込みます。
下の記事に堆肥や元肥の施用量の目安、畝立ての方法を説明していますので、参考にしてください。
プランターや鉢による栽培の土作りは、ホームセンターに果菜類用の培養土が販売されているのでそれらを使うと良いでしょう。もちろん、赤玉土や腐植土、堆肥などを用いて独自で用土を用意することも可能ですが、家庭菜園初心者の方には、まず元肥入りの培養土をおすすめします。
培養土が入った袋をそのまま使った栽培(袋栽培)もできます。
ピーマンの植え付け、支柱立て(仮支柱)
本葉11枚〜13枚程度、花が1〜2花程度咲いている頃が植え付けのタイミングです。
植え付けは、晴れて暖かい日の午前中に行いましょう。植え穴、苗にも予め十分に水やりをしてから植え付けます。早く植えたい気持ちは抑えて、十分暖かくなってから植え付けをしましょう。一つの目安として、GW(ゴールデンウィーク)明け頃に植え付け(定植)すると覚えておきましょう。
下の記事に植え付けに関する詳しいことを記載していますので、参考にしてください。


また、植え付けと同時に仮支柱、もしくは支柱を1本立てて誘引しておきます。3本仕立てなど複数本仕立てる場合でも、まずは1本の支柱を立てて、ある程度生長してきてから2本、3本と支柱を立てて誘引していきます。
下の記事にピーマン栽培の支柱の立て方について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
ピーマンの手入れ作業(管理作業)
植え付けがようやく終わると、ピーマンをしっかりと育てるために手入れ作業が必要です。手入れ作業は大きく5つあります。
- 支柱立て、仕立て(整枝)、誘引
- 受粉
- 追肥(肥料)
- 摘果
- 除草・病害虫管理
Q:栽培中に水やりは必要ですか?
A:まず、ピーマンの場合は、水分が多すぎて過湿状態となると病害になりやすいことを頭に入れておきましょう。
露地栽培においては、雨によって土壌に水が染み込んでいるため、基本不要です。しかし、あまりにも雨が降らず暑い日が続いている(3〜5日程度)、葉が萎れる場合には、畝全体が湿るくらいに水やりをしてください。
ちなみにハウス栽培においては、ほぼ毎日水やりをしなければピーマンがうまく育ちません。ハウスの場合は、光合成が促進され必要とする水の量も多くなることから、少量多頻度での潅水がおすすめです。
プランター栽培・袋栽培(バッグ栽培)では、用土の量や質、天候にもよりますが植え付けして根が活着してからは、用土の乾き具合とピーマンの萎れ具合を確認して水やりをします。用土の表面が乾いていれば、水やりをしましょう。
プランターへの水やりの目安としては、春から初夏は週に2回、盛夏〜晩夏は週に3回〜5回程度の頻度になります。1回にやる水の量は、プランターや袋から水が染み出してくるくらいの量です。水やりは、日の出くらいの時間帯に行いましょう。午後〜夜に水やりをすると、過湿となり、病気になったり、徒長しやすくなったりします。







夏場の暑い日を乗り切るために、シートでマルチングをした上から乾燥した稲わらなどを敷くのも一つの手です。マルチ、地温の温度上昇を抑えてくれます。
支柱立て・仕立て(整枝)、誘引
支柱立て、仕立て(整枝)
植え付けられたピーマンは、光合成を活発に行い、どんどん生長します。生長に伴い、主枝(一番太い枝、茎のこと)から「側枝(わき芽)」と呼ばれるものが出てきます。この側枝を整理して、仕立てていくことを整枝作業、仕立て作業と呼んだりします。整枝、仕立て作業は、枝が4本程度になった頃から始めていきます。







ピーマンは7〜11節くらいで1回目の分岐が起き、枝が分かれます。その後、各節においてまた分岐が起き、それを繰り返していきます。


「側枝」を主茎と同じくらい育てて、3本の枝に果実を着けて収穫する生産方法を「3本仕立て」と言います。家庭菜園でのピーマン栽培は、一般的に3本仕立てで行われることが多いです。もちろん、2本仕立てでも十分に栽培、収穫することができます(営農している農家では、2本〜3本仕立てでつり上げ誘引していることが多いです)。
ピーマンの整枝作業は、いたってシンプルです。1番花のすぐ下とそのさらに下から出る側枝が勢いのあるものとなるので、それらを残し、ほかの側枝(脇芽)は摘み取ってしまいます。そのように2本の側枝を伸ばすことで、主枝と合わせて「3本仕立て」となります。


もちろん、3本仕立てにするには支柱もそれに合わせて準備する必要があります。ある程度、植物が生長し仕立て作業を始める段階で、支柱を立てて誘引していきましょう。支柱の立て方は、下記を参考にしてください。
下の記事にピーマン栽培の支柱の立て方について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
仕立てた後、栽培をしていくと主枝や側枝からさらにわき芽が出てきます。基本的にはすべての芽を摘み取り、仕立てた主枝、側枝にのみ着花させるようにしてください。ピーマンは、着果負担が大きくなるとその後の生長が止まってしまうことがあるため、養分をなるべく分散させないことが大事です。
葉が混んでいる場合には、摘葉もして良いでしょう。
誘引
誘引は麻ひもや園芸用ワイヤーなどを使用して、茎と園芸用支柱を縛ります。縛り付ける位置は、ピーマンの成長に合わせて10〜20cm程度の間隔を空けながら誘引すると良いでしょう。
- 生長点(植物の一番上の小さい葉が展開しているところ)付近には誘引しないようにしましょう。
- 誘引をするときには、茎が太くなることを想定してゆとりをもった8の字形にしましょう。茎側の輪はゆるく縛る、支柱側の輪はキツく縛るイメージです。











園芸支柱にそのまま誘引、固定するためのクリップ(品名:くきキャッチ など)などの便利グッズも発売されていますので、麻ひもなどによる誘引が面倒だと思う方は使ってみると良いでしょう。


私が大規模にパプリカを栽培していたときには、誘引紐を使用していました。誘引紐にくくりつけるためのクリップもあります。
受粉(授粉)・花の形の診断方法
トマトやミニトマトのように生育初期の花にホルモン剤(植物成長調整剤)を吹きかけることは基本的にありません。
ピーマンは比較的着果しやすく収穫盛期になると多くの収穫量(収量)が見込めるます。そのため、特に受粉作業は必要ありませんが、花の咲き方を見極められるようになると、栽培の管理がしやすくなるため、その見極め方を紹介します。
花の形・大きさは、花芽の発育中の環境条件や栄養条件によって異なってきます。生育の条件が良く、株に勢いがある場合には、花梗が太く、花柱が長く大きい花が咲きます。この花を「長花柱花」といいます。このような花は、受粉(授粉)が正常におこなわれ結実する可能性が高いです。このとき、花びらが6枚ついていることも一つの目安です。


反対に悪い条件で発育した花は、花柱が短くなります。この花を「短花柱花」といいます。花色が薄くて小さく、落花する可能性が高いです。花が生長点近くで咲いている場合は、株が弱っている証拠となります。
また、長花柱花と短花柱花の中間の花を「中花柱花」と呼びます。
短花柱花になど、花柱が短い場合には、植物自体がうまく生長できずに弱っている可能性が高いです。追肥をすることによって栄養分を与えるとともに、株への負担を減らすため、果実の早めの収穫、摘果を行うと良いでしょう。
追肥
先述したとおり、ピーマンは追肥によって栄養分を補わなければ、うまく生長しません。特にピーマンは肥料が不足すると生理障害が起きやすくなるため、注意が必要です。下記に追肥の一例を紹介しますので参考にしつつ、栄養状態を見ながら追肥をしてください。
- 第1回追肥植え付け(定植)約2〜3週間後に1回目の追肥を行います。株元から10cm程度離れたところに散布します。マルチをしている場合には、マルチに穴を空けるか、マルチをまくって散布しましょう。
肥料(全種類施用) 施用目安量(1株当たり) 油かす 約50g程度 化成肥料 約15g程度 - 第2回以降の追肥2回目からは、15〜20日に1回くらいの頻度で追肥を行います。畝の肩辺りに万遍なく散布するようにしましょう。マルチをしている場合には、マルチをまくって散布しましょう。
肥料(全種類施用) 施用目安量(1株当たり) 油かす 約20g程度 化成肥料 約30g程度
摘花・摘果
適切な生育管理のため、摘花・摘果を行うことも有効です。先述したとおり、株が疲れてくると花がうまく結実せず、実ができづらくなります。そのようなときに、摘花、もしくは摘果することで、株を早期に回復させることができます。
特にピーマンの場合は、連続着果する(各節に連続して果実ができる)ことも多く、そのまま着果・肥大させていくと着果負担(果実が植物になることによる養分の消費)が激しくなり、株が一時的に弱る場合があります。そのようなときには、追肥をするとともに、摘果した方が長く安定的な栽培ができます。
基本的には実になる前の花の段階で、生育診断をしながら摘み取ることが良いです。もし、花を摘み取ることができなかったとしても、小さな果実の段階で摘み取ることで、株への負担を減らすことができます。
摘花・摘果は、晴れた日に手で摘み取りましょう。花や小さな果実は手で簡単に取ることができます。
除草・病害虫管理


放っておくと畝の周りに雑草が生い茂ってきます。雑草は害虫生息の温床にもなるので、こまめに抜き取ることをおすすめします。小さい面積の場合は手や鎌で、広い面積の場合は背負式の草刈り機などで行うと良いでしょう。また、畝の通路に防草シートを敷くことや農耕地用の除草剤を使用することも有効です。
病害虫と聞くと少し怖いですよね。しかし、病害虫に対して適切に処理することでまん延を防ぐこともできます。「ピーマン栽培の生理障害・病害虫管理」にピーマン栽培の主な生理障害、病害虫をまとめました。症状などと照らし合わせながら、適切な対処を行いましょう。
- 害虫(アブラムシやハダニ、アザミウマ(スリップス)、カメムシ、タバコガ、ハスモンヨトウ、ホコリダニなど)を見つけた場合には必ず除去してください。害虫は病気を運んでくることも多いため、感染予防にも繋がります。
- 特にピーマンはハダニ、ホコリダニ、アザミウマ(スリップス)よる被害が多いです。被害が大きくなる前に薬剤の散布も検討してください。
- ピーマンは疫病や青枯れ病など、土壌病害にも弱いので、圃場を汚染しないかつ汚染された株はすぐに抜き去るなど、適切な対処をしてください。
- 生理障害を起こさないように植物の状態を適切に保ちましょう。特に追肥、手入れ(摘花・摘果など)は重要です。生理障害を起こさないことで病害虫発生の予防にもつながります。
ピーマンの収穫作業


開花から15日〜25日ほどで収穫することができます。


収穫の方法は簡単です。ピーマンの果実本体を手で持ち、上に軽く捻ることで収穫できます。果梗の部分が堅い場合は収穫バサミなどで切って収穫します。
更新剪定(更新せん定)のやり方
9月〜11月頃までピーマンを収穫したい、できるだけ長く栽培したいという場合には、更新剪定をしましょう。特にピーマンはたくさんの実を着けるため、7月下旬には実が着きづらくなったり、小さかったりする、いわゆる「なり疲れ」が多く発生します。真夏も暑さもその要因となってきます。
夏以降も収穫を続けたいということであれば、一度更新剪定することを検討しましょう。
時期としては、一般地の場合、7月下旬〜8月上旬頃となります。8月の遅い時期でも更新剪定は可能ですが、回復が遅くなる可能性があります。







高冷地の場合は、真夏の暑さを回避できるので、そのまま夏も栽培・収穫を続けるという栽培方法がとられることが多いです。
更新剪定をするときには、適切な枝の選び方とやり方をしっかりと理解しておく必要があります。ただし、一般的な家庭菜園では、長期作型で栽培されることも少ないことから、更新剪定のやり方については割愛します。
ピーマン栽培の生理障害・病害虫管理
ピーマンを栽培していると、いろいろなトラブルが発生します。しかし、適切な対処方法を知っていれば慌てる必要はありません。代表的な生理障害と病害虫を列挙しますので、参考にしてください。また、各病害虫の詳細については、リンク先の記事をご覧ください