「ファインセーブ」(有効成分フロメトキン)は、日本化薬(株)と明治製菓ファルマ(株)が共同開発した、非常に新しい殺虫剤です。特にアザミウマに効果を発揮します。
ここでは、農薬ファインセーブとはどんな殺虫剤なのか、特長や、効果と注意点を説明していきます。
ファインセーブとは、どんな殺虫剤?
「ファインセーブ」(有効成分フロメトキン)は、日本化薬(株)と明治製菓ファルマ(株)が共同開発した、非常に新しい殺虫剤です。
ポイントとしては、アザミウマ類に特効性を持つことです。また、サビダニ類、タバココナジラミ類、小型のチョウ目害虫にも有効です。
速効性、残効性に優れ、新しいタイプの作用なので、従来の有機リン系やネオニコチノイド系に抵抗性を持つ害虫(既存剤に感受性の低下した害虫)にも効果を効かせることができます。
ファインセーブの有効成分、性状
- フロメトキン・・・10%
有効成分のフロメトキンは、日本化薬(株)と明治製菓ファルマ(株)が共同で創製した新規殺虫剤です。
フロメトキンは、キノリン骨格を有する殺虫剤で、ミトコンドリアの電子伝達系を阻害することにより殺虫作用を示すものです。
ファインセーブフロアブルの性状は、類白色水和性粘稠懸濁液体になります。農薬の希釈、また効果を高めるための展着剤については下記をご参考ください。


ファインセーブの特長
ファインセーブの最大の特長は、ミトコンドリアの電子伝達系を阻害することにより殺虫作用を示すという、従来の系統ではない効果を持つことです。
このため抵抗性を含むアザミウマに対して、特効的とも言えるほどの、非常に高い防除効果を示すことが挙げられます。また、極めて高い速効性と優れた残効性を有します。
さらにアザミウマ類だけでなく、サビダニ類にも高い効果があり、タバココナジラミ類、小型のチョウ目害虫にも有効と、幅広い殺虫スペクトラムを有しています。
そして、ミツバチ、マルハナバチ、カブリダニ類等の天敵や有用昆虫に対して影響の小さいことも特長の一つと言えるでしょう。
使用するときに注意したい点
植物体への浸透移行性・浸達性が弱い
ファインセーブは、植物体への浸透移行性・浸達性がないため、かけムラがあって害虫にかかっていない場合は効果を発揮することができません。
このため、かけムラのないように葉の表裏や新芽にしっかりと散布するようにしましょう。
ヒメハナカメムシ類やテントウムシ類に影響
ファインセーブはミツバチ、マルハナバチ、カブリダニ類等の天敵や有用昆虫に対して影響の小さいですが、ヒメハナカメムシ類やテントウムシ類には影響があります。
このため、これらの昆虫に影響を与えたくない場合は使用を調整するようにしてください。
その他、使用する際は、使用上の注意をしっかり確認するようにしましょう。
効果・薬害・毒性
ファインセーブフロアブルは以下のように、幅広い「適用作物」と「適用病害虫名」に対応しています。
ファインセーブフロアブル
※記載事項が変更、修正されている場合があります。使用する際にはラベルをよく読み、用法・用量を守ってお使いください。
下記の有効成分を含む農薬の総使用回数(年限)は以下の通りなので、使用回数には注意してください。
- フロメトキン 〜3回
フロメトキンを含む農薬の使用可能回数(年限)は、適用作物によって〜3回と変わってきます。適用作物と使用回数をよく確認するようにしましょう。また、使用時期(収穫何日前、は種、定植、移植何日前など)もしっかりチェックしてください。
ファインガードの効果を高めるために
薬液を広範囲にまく際には、効果的に散布できる散布機(噴霧機)やスプレイヤーの使用をおすすめします。
まとめ
ファインセーブ液剤の最大の特長は、ミトコンドリアの電子伝達系を阻害することにより殺虫作用を示すという、従来の系統ではない効果を持つため、抵抗性を含むアザミウマ幼虫、成虫に対して、特効的とも言えるほどの、非常に高い防除効果を示すことです。薬剤をうまく活用して、病害虫の防除に役立てましょう。