さやごと食べるスナップエンドウは、シャキシャキとした食感で、肉厚で甘みが強い栄養価の高い野菜です。スナップエンドウは畑だけでなく、プランター栽培も可能です。
ここでは、寒冷地みられるスナップエンドウの春まき栽培について、種まきから収穫までスナップエンドウを初めて育てる方にもわかりやすく、手順や育て方を説明します。
スナップエンドウの栽培について
スナップエンドウの基礎知識
エンドウには、柔らかいサヤと豆を食べるのスナップエンドウの他に、若いさやを食べるサヤエンドウ、太った豆を食べるグリーンピース(実エンドウ)、新芽を食べる豆苗があります。それぞれ専用の品種がありますが、豆苗以外は基本的に栽培方法は同じです。
スナップエンドウの生育適温は15℃~20℃と、比較的冷涼な気候を好みます。冬の低温にあうことで花芽をつけるので、秋に種をまいて春に収穫するのが一般的です。品種にもよりますが、種まきから植え付けまで10日~2週間、種まきから収穫までは約5か月ほどかかります。冬の寒さに強く育てやすいマメ類です。
作物名 | スナップエンドウ |
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科目 | マメ科エンドウ属 |
原産地 | 中央アジアから中近東 |
発芽適温(地温) | 18〜20℃ |
生育適温 | 15〜20℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0〜6.5 |
育てやすさ | 普通 |
品種
つるあり種とつるなし種がありますが、プランター栽培ではコンパクトなつるなし種がおすすめです。
品種名 | 概要 | 特徴 |
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つるなしスナック2号 | さやが下部からつき、分けつが少ない早生種 うどんこ病に強くプランター栽培向き | |
ニムラサラダスナップ | つるなしの極早生品種。 着莢性が極めて良く、多収穫 柔らかく甘みが強い | |
つるなしあまいえんどうプラス | 草丈が低く、プランター栽培向き 甘くサクサクした触感 |
栽培時期
スナップエンドウの栽培時期は、中間地・暖地では秋に種をまいて春から初夏に収穫をします。寒冷地では、春に種をまいて初夏にかけて収穫をします。
地域 | 播種(タネまき)時期 | 植え付け時期 | 収穫時期 |
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寒冷地 | 3月中旬~4月上旬 | 4月中旬~5月上旬 | 6月中旬~7月中旬 |
中間地 | 10月上旬~11月上旬 | 11月上旬~11月下旬 | 4月下旬~6月上旬 |
暖地 | 10月下旬~11月中旬 | 11月下旬~12月上旬 | 4月中旬~5月下旬 |
スナップエンドウの春まき栽培
春まき栽培のスケジュール
スナップエンドウは寒さに強い野菜で有名で、日本では秋まき栽培が主流ですが、北海道・東北、中部寒冷地など、越冬栽培ができない寒地・寒冷地で、春まき栽培が行われています。収穫時期は、6月中旬から9月頃までがメインですが、ハウス栽培で、2月中旬以降に種まきを行い、4月下旬から6月上旬にかけて収穫するパターンもあります。
スナップエンドウの品種や栽培時期がわかったところで、ここからはプランターでスナップエンドウを育てる手順について説明していきます。タネをプランターに直播する手順で説明します。
セルトレイや、ポリポットに種をまいて育苗してから、植え付けする方法もあります。プランター栽培ではポリポットでの育苗が簡単です。ポリポットでの育苗の方法は、種まきのところで説明しています。
- 2〜3月
- 3月中旬~4月上旬播種(種まき)
株間25㎝を目安に、1株3〜5粒づつ種をまきます。生育状態を確認しながら一株3本ほどになるように間引きを行います。つるあり種では一株から主枝が3〜5本になるように間引きを行います。
- 3月中旬~4月支柱立て、誘引
つるあり種は、一般地の露地栽培では草丈がおおよそ180センチ程度になります。これに見合った高さの支柱を立てて、ネットを張り、ポリテープなどで誘引するのがよいでしょう。
つるなし種は草丈が80~100センチほどなので、低い支柱かネットを用意することになります。
- 4月〜6月
- 6月中旬〜収穫
開花から20日ほどで収穫適期を迎えます。さやがつやのある緑色になり、厚さが1cmほどに膨らんだら収穫のタイミングです。
さやのつけ根をハサミで切って収穫します。
スナップエンドウの春まき栽培 注意点
スナップエンドウは、春まき栽培の場合、できるだけ早くまいて、暑くなるまでに収穫することが大事です。なぜなら、暑くなると、つるの生育が悪くなってしまい、また病害虫の発生も多くなってしまうからです。
肥料
エンドウなどのマメ類は、根粒菌と共生しているのでその働きにより窒素分が供給されます。そのため少ない肥料でも育つことができます。通常と同様に窒素を与えると、枝葉ばかりが茂ってしまい、莢が付かない、実がつかない「つるぼけ」が発生する恐れがあります。
スナップエンドウは、酸性土に弱いのでその対応も必要です。pH6.5〜7.0を目標に、苦土石灰を施用しましょう。
支柱立て、摘芯
スナップエンドウの場合は、草丈が10cmくらいになったら、支柱を立てるようにしましょう。
スナップエンドウでは、つるあり種は、一般地の露地栽培では草丈がおおよそ180センチ程度になります。これに見合った高さの支柱を立てて、ネットを張り、ポリテープなどで誘引するのがよいでしょう。つるなし種は草丈が80~100センチほどなので、低い支柱かネットを用意することになります。
立て方は主に、直立式か、アーチ型になります。立て方の詳しい説明は、下記を参考にしてみてください。
病害虫
スナップエンドウでよく発生する病害虫は、うどんこ病、灰色かび病、軟腐病、アブラムシ類、ハダニ類、ナモグリバエなどです。特に収穫時に暑くなる可能性のある春まき栽培は、病害虫が発生しやすく、防除が大事になってきます。
防除のポイントは、何よりも早期発見、早期の予防です。下記に、それぞれの病気に対して、スナップエンドウで使えるおすすめの農薬、また農薬を使わない防除方法も載せているので、ぜひ防除の参考にしてみてください。
まとめ
スナップエンドウは、別名スナックエンドウとも呼ばれ、栄養価が高い緑黄色野菜ですが、甘さが強いので子供たちにも人気があります。
またスイートピーに似た可愛らしい花も魅力です。品種により白色や赤色の花があります。甘いスナップエンドウを安定的に生産できるよう、当記事を参考にしていただければ幸いです。