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ジャガイモ

ジャガイモ栽培は春?それとも秋?作型について

ジャガイモの春作、秋作のバナー ジャガイモ

ジャガイモは、別名「馬鈴薯(バレイショ)」と呼ばれ、比較的農作業の負担が少なく簡単に育てることができるため人気の栽培作物です。英名ではPotatoと呼ばれ、食用として世界中で栽培されています。

ジャガイモの栽培時期は、主に春に植え付けする「春作(春植え)」と秋に植え付けする「秋作(秋植え)」があります。「植え付けの時季が違うだけでしょ?」と思われる方も多いと思いますが、実は栽培・収穫の難易度が全く違います。

この記事では、ジャガイモ栽培の時期や作型について、詳しく説明します。

ジャガイモ栽培の流れや土作りの方法、管理作業(手入れ作業)、栽培方法の違いなどについては、下記の記事を参考にしてください。

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ジャガイモに米ぬか肥料は使えるか
ジャガイモは、別名「馬鈴薯(バレイショ)」と呼ばれ、比較的農作業の負担が少なく簡単に育てることができるため人気の栽培作物です。ジャガイモの肥料として米ぬかは使えるか、という話題をよく聞きます。この記事では、ジャガイモの肥料に米ぬかが使えるか、その理由とともに紹介します。
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まずはおさらい!ジャガイモの基本情報

ジャガイモ栽培の様子
作物名科目原産地育てやすさ種芋の価格(円/kg)収穫までの日(目安)栽培できる地域作型栽培方法土壌酸度(pH)連作障害萌芽適温生育適温日当たり光飽和点
ジャガイモナス南アメリカ★★★★★300円〜1,000円程度出芽後、80日〜100日全国春植え栽培
秋植え栽培
露地栽培
プランター・鉢植え栽培
5.0〜6.5あり(1〜2年)15〜20℃15〜20℃日なた25〜30klx

原産地は南アメリカのアンデス山脈でデンプンが多く蓄えられる地下茎が芋の一種として食用されます。食用のジャガイモは、実は根が肥大化したものではなく、茎が肥大化したものです(塊茎と呼びます)。日本では北海道などの大産地で機械化された栽培手法も確立されているだけではなく、栽培の手間がかからないことから家庭菜園や市民農園でも栽培される人気の作物です。

作型は、各地域によって異なりますが、主に春作(春植え)と秋作(秋植え)が一般的です。また、プランターや培養土(用土)の袋で育てる袋栽培などでも育てることが可能です。

ジャガイモ栽培はいつできる?春作(春植え)と秋作(秋植え)について

「さぁ、ジャガイモを育ててみよう」と思ったときに最初に疑問に思うことが、「ジャガイモっていつ育てられるんだろう」ということだと思います。

ジャガイモの栽培スケジュールのカレンダーです。

結論から話しますと、ジャガイモは春作(春植え)と秋作(秋植え)が一般的です。北海道などの寒冷地や九州などの温暖地は、夏作、冬作など特別な作型となります。基本的には、ジャガイモの生育適温に合った作型をそれぞれの地域で選択して栽培されています。秋作のジャガイモは「秋ジャガ」と呼ばれたりします。

本州地域で家庭菜園をされている方は、春作(春植え)か秋作(秋植え)を選択すると良いでしょう。

ジャガイモ栽培 春作(春植え)の場合

春作(春植え栽培)のポイントは、以下の4つです。

  1. 植え付けの時期(霜害に注意)
  2. 植え付け時の株間
  3. 気温が低い時期のマルチによる保温
  4. 春作の収穫時期(梅雨をうまく避ける)

植え付けの時期(霜害に注意)

春作(春植え)の場合、一般地(関東など)では2月下旬〜3月上旬にかけて植え付けるのが一般的です。もちろん、気候によっては4月上旬まで植え付けが可能です。

霜害には注意

春植えの栽培は2月下旬〜3月上旬頃に植え付けますが、萌芽(芽が出てくる)するのは3月下旬以降となります。この時期、朝晩はまだ冷え込むことも多く、霜が下りる場合があります。ジャガイモは、霜には弱く、春に早植えしてしまうと萌芽した後に晩霜(遅霜)の被害に合う可能性があるので植え付けの時期には十分に気をつけましょう。

防霜、防寒の対策も必要です。具体的には、畝の黒マルチ張り(マルチング)はもちろんのこと、晩霜(遅霜)の心配がある場合には、寒冷紗などでトンネルを作りましょう。

植え付け時の株間

春作は、秋作に比べて収量が増えることが多いです。しっかりと30cm〜40cm程度、株間を空けるようにしてください。

気温が低い時期のマルチによる保温

植え付け後は、土壌を保温するためにしばらくの間はマルチをしたままにします。ただし、気温が上がってくるに連れて、地温も上昇してきますので、ある程度の気温が維持できるようになった時期にマルチを剥がしてやります。目安としては、追肥・土寄せをし始めるころにマルチを剥ぐと良いでしょう。1日を通して生育適温を保てるような気温になってきたら、剥がしどきです。

春作の収穫時期(梅雨をうまく避ける)

収穫は、約3ヶ月後の5月〜7月頃となります。収穫するときは、基本的に前日から雨が降っていない、また当日雨が降らない日を選びます。なぜなら、雨が降った日に収穫すると、イモに湿った土が付き、その後の保存中に腐りやすくなるからです。

6月〜7月頃が収穫時期だと、梅雨などの長雨にさらされてしまう場合があります。可能な限り梅雨前の5月頃に収穫することが望ましいですが、難しい場合は梅雨の晴れ間などをうまく利用して収穫しましょう。

春のジャガイモ栽培に関する詳しい栽培の流れは、以下の記事を参考にしてください。

ジャガイモ栽培 秋作(秋植え)の場合

秋作のポイントは、以下の4つです。

  1. 気候の確認、栽培の計画
  2. 種イモの準備、秋作に適した品種の選定
  3. 植え付けの時期(高温に注意しながら、生育適温時期を確保する)
  4. 芽かき作業

気候の確認、栽培の計画

秋ジャガの栽培は、その地域の気候に適した時期に栽培することが成功のコツです。まずは、その地域が秋作に適した気候かを確認しましょう。

基本的に、秋作は温暖地、もしくは一般地(中間地)でなければ、栽培時期を通して生育適温が守れずにうまく生長、収穫ができません。生育初期から生育後半まで、生育適温を保つことができるか確認してください。

生育開始適温(地温)萌芽期の生育適温茎葉の生育適温イモの肥大適温
10℃15℃〜20℃15℃〜20℃15℃〜18℃

種イモの準備、秋作に適した品種の選定

秋ジャガの栽培は、栽培地域の気候を知ることと並んで、秋作に適した品種を選ぶことが非常に重要です。秋作に適した品種とは、「休眠が浅く出芽しやすい(芽が出やすい)」品種のことを指します。秋作は、生育適温の期間が短いので、しっかりと早い時期に芽出しをすることが重要です。

秋作に適した品種には、以下のものがあります(主に家庭菜園用品種)。

  • アンデス赤
  • デジマ
  • ニシユタカ
  • さんじゅう丸
  • 普賢丸
  • 農林1号
  • 西海31号
  • アイユタカ

男爵やメークインなどの品種は、秋作には向きません。男爵やメークインを栽培したい場合には、まず春作で挑戦してみてください。人気のキタアカリは、男爵の中でも休眠が浅い方の品種であるため、秋作でも栽培できます。

また、秋作の場合、植え付け時期が暑い時期となりますので、種イモの腐敗が進みやすいです。種イモは腐敗を防ぐためになるべく切らずに植え付けたほうが良いです。そのため、小さな種イモ(20g〜60g)を選んで購入すると良いでしょう。

種イモが大きい場合は、適切な大きさに切る必要があります。そのときには、腐敗防止のため、切ってから切り口を「じゃがいもシリカ(土壌改良材)」や「草木灰」、「ハイフレッシュ」などを付けてよく乾燥させましょう。

植え付けの時期(高温に注意しながら、生育適温時期を確保する)

秋作は、植え付けの適期を守ることが重要です。秋作の植え付けは、涼しくなり始めた8月下旬〜9月上旬頃に行います。秋は、生育適温となる期間が短いので、植え付けのタイミングが遅れると、生長が不十分となり、結果的に収量や品質に影響が出てしまいます。

よって、植え付けのタイミングは、逃さないようにしましょう。

芽かき作業

秋作の場合、芽かきをしっかりすることも重要なポイントです。芽の数が多いと、小さな塊茎(イモ)になりやすので、勢いがよく強い1本のみ残して、他の芽(茎)はかいてしまいましょう。こうすることで、1本の芽(茎)に養分が集中し、塊茎(イモ)を大きくすることができます。

秋のジャガイモ栽培に関する詳しい栽培の流れは、以下の記事を参考にしてください。

ジャガイモ栽培 春作(春植え)・秋作(秋植え)の違い

先述したとおり、同じジャガイモ栽培でも春、秋で栽培における気をつけるポイントなどが異なります。今一度、春と秋のジャガイモ栽培の違いについて、まとめておきましょう。

項目春作(春植え)秋作(秋植え)
植え付け時期(一般地)2月下旬〜3月上旬頃8月下旬〜9月上旬頃
難易度比較的易しい比較的難しい
適している品種男爵やメークインなど休眠が深い品種アンデス赤、デジマなどの休眠が浅い品種
残す芽の本数(目安)2本/株1本/株

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