乾腐病は玉ねぎの生育中期から収穫期に発生し、収穫に大きな影響を与えます。ここではタマネギの乾腐病に効く農薬やその他の防除方法について説明します。
乾腐病の特徴と症状
乾腐病の原因・特徴
乾腐病は、タマネギやにんにく、じゃがいも、さつまいも、ユリなどの多くの作物に発生する病気で、フザリウム菌(Fusarium)が原因のカビ(糸状菌)の一種です。
病原菌は土壌感染の他、感染した苗床や種からも感染します。典型的な土壌伝染性病害ですので、圃場に菌を入れないことが最も重要です。
発病適温は24~28℃と比較的高温を好み、土壌が乾燥状態で病状が進行します。また多肥の畑で多く発生します。
乾腐病の症状
タマネギには定植後2か月ごろから発生します。発生初期は鱗茎の片側に病斑が現れるため、下葉が湾曲し黄色くなります。次第に葉が枯れ、りん茎の茎盤に白カビが生じ尻腐れ状態になります。乾腐病にり患した茎盤にはネダニが付着しているのも特徴です。


写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集
タマネギ 乾腐病の防除のポイント
乾腐病が発病した後には対処する方法がありません。そのため予防に重点をおき圃場に菌を持ち込まないことが防除のポイントです。
予防には育苗床土は連作をさけ、土壌消毒を行いましょう。消毒済みの種子、母球を使うか消毒をしましょう。苗床と本畑は別にし、移植の際には苗の根部を薬剤で浸漬処理してから定植させます。病気が発生してしまった場合は、株をすぐに抜き取り圃場外で処分しましょう。
また乾腐病の防除は、農薬を使った化学的防除だけでなく連作をさける、抵抗性品種を使うなどの耕種的防除も重要です。また多肥になると発病率があがるため、適切な肥料管理も大切です。
タマネギの腐敗病に効く農薬
土壌消毒剤
殺菌剤
同じ系統の薬剤を使うと抵抗性が発生する可能性があるため、連用は避けましょう。
| 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | FRACコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ベンレート水和剤 | 50倍 20倍 | セル成型育苗トレイ1箱またはペーパーポット1冊 (30×60cm、使用土壌約5㍑)当り500mL〜1㍑ ー | 定植前 移植直前 | 1回 | 灌注 3分間苗根部浸漬 | 1 | セル育苗の灌注、定植直前の苗浸漬の他、 播種前の倍土混和にも使えます。 |
| トリフミン水和剤 | 50〜100倍 50倍 | セル成型育苗トレイ1箱またはペーパーポット1冊 (30×60cm、使用土壌約5㍑)当り0.5㍑ ー | 定植前 定植直前 | 1回 | 苗床灌注 5分間苗根部浸漬 | 3 | セル育苗の灌注、定植直前の苗浸漬に 使える薬剤です。 |
| 石原フロンサイドSC | 50倍 | 定植直前 | 定植直前 | 1回 | 5分間苗根部浸漬 | 29 | 乾腐病には定植直前の苗浸漬に使えます。 また散布ではべと病、灰色腐敗病などにも適用があります。 |
この他にもたまねぎには多くの農薬が使えます。たまねぎの病気に適用のある農薬は下記からほぼすべての農薬が検索できます。
化学農薬以外の防除方法
抵抗性品種の選別
多発する地域では、乾腐病に抵抗性や耐病性のあるツキサップ、北もみじ86、スーパー北もみじ、カムイなどの品種を選んで植え付けしましょう
適正な施肥管理
多肥は乾腐病が発生しやすくなるため、適切な施肥管理を行いましょう。特に窒素過多には注意が必要です。
圃場の管理
連作は避け、排水をよくし高うね栽培をしましょう。罹患した苗は、すぐに抜き取り圃場外で適切に処理します。
まとめ
タマネギ栽培では、乾腐病の他べと病や白色疫病などの病気にかかりやすいくなります。発生を抑えるには、定植前の予防が重要です。タマネギバエ,ダニ類が寄生することで病状が悪化しますので、こちらの防除も忘れずに行いましょう。

農家webには乾腐病以外にも玉ねぎ栽培で発生しやすい病害虫の防除について、詳しく説明していますので、参考にしてください。
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