空心菜は、シャキシャキした食感が特徴の中国野菜で、炒めものなどによく使われます。次々と伸びる新芽を収穫するため、長く収穫が楽しめます。
ここでは、空心菜(エンサイ)のプランター栽培について、種まきから収穫まで空心菜を初めて育てる方にもわかりやすく、手順や育て方を説明します。
空心菜の栽培について
空心菜の基礎知識
空芯菜(クウシンサイ)は、東南アジアや中国南部が原産で、茎葉はさつまいもによく似た中国野菜です。茎の中が空洞なため空芯菜と呼ばれますが、別名エンサイ、エンツァイ、ヨウサイ、朝顔のような花を咲かせることからアサガオナとも呼ばれます。
熱帯の植物で、生育適温が20℃~35℃と暑さにつよく、寒さは弱いです。日本では寒さに弱いため1年草として扱われますが、現地では多年草です。空芯菜は、新芽を摘心収穫しながら育てると、脇芽が伸びて、次々と収穫が楽しめます。気温が十分に上がってから植えつけすれば、夏の間次々と収穫が楽しめ、栽培が容易な野菜です。
作物名 | クウシンサイ(エンサイ) |
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科目 | ヒルガオ科サツマイモ属 |
原産地 | 東南アジア原産 |
発芽適温(地温) | 20〜30℃ |
生育適温 | 20〜35℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0〜6.5 |
育てやすさ | 簡単 |
栽培時期
空芯菜の栽培時期は、播種(種まき)時期は5月~7月、苗から始める場合は苗の植えつけ時期は、5月下旬から8月上旬ごろまで行えます。熱帯の植物なので、温度が十分に上がってから5月以降にタネまきや植え付けを行うのがおすすめです。
収穫は種をまいてから約2か月後、植え付けから1.5ヵ月程度から始まります。新芽が次々とでてくるので秋ごろまで長く収穫を楽しむことができます。
種まきから始める空芯菜のプランター栽培の手順
空芯菜のことがわかったところで、ここからはプランターで空芯菜を育てる手順について説明していきます。タネをプランターに直播する手順で説明します。
セルトレイや、ポリポットに種をまいて育苗してから、植え付けする方法もあります。ポリポットでの育苗の方法は、種まきのところで説明しています。
数株しか必要のないプランター栽培では、ホームセンターなどで市販の苗を買ってきて植え付けするのも簡単に栽培することができます。
用意するもの
プランター栽培の手順
- 手順1プランターの準備
プランターに、底が隠れる程度に鉢底石を入れます。
その上から、野菜専用培養土をプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。側面を軽くたたいて土を落ち着かせます。 - 手順2種まき
間隔を15cmほどとり、瓶の底などでまき穴をつくります。
そこに5粒づつ重ならないように種をまき、土をかぶせます。
手で軽く押さえ、水をたっぷり与えます。 - 手順3間引き
本葉が2枚~3枚になったら、生育のよい苗を1カ所につき2~3本になるよう間引きます。根元からハサミで切り取りましょう。
- 手順4摘芯
草丈が20cm程度になったら、摘芯を兼ねて収穫します。主枝を地際から4㎝~5cm、2~3節ほど残してハサミで切り取ります。
- 手順5
- 手順6収穫
草丈が20cmほどになったら収穫のタイミングです。枝先を15cmほどの長さに切って収穫します。葉を2枚~3枚ほど残して摘み取ると、脇芽がまたでてくるので、秋まで収穫が楽しめます。
空芯菜のプランター栽培 育て方
容器・用土
空芯菜は、脇芽をどんどん伸ばして成長するので、長方形のプランターがよいでしょう。深さはそれほど必要がないため、一般的な標準プランターがおすすめです。
用土は野菜の培養土が便利。元肥入りのものは肥料が入っているため追加で与える必要はありません。自分で配合する場合は、自分で配合する場合は、赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を用土に混ぜて施します。
栽培環境・水やり
空芯菜は、生育適温が20℃~35℃と、暖かい気温を好みます。暖かい日当たりのよい場所で管理しましょう。植えつけは地温が十分に上がってからにしましょう。
元々水辺で育つ植物なので、多湿を好みます。土が乾燥しないよう水やりはしっかりおこないましょう。 水やりは、発芽するまでは乾かさずに注意し、その後は土の表面乾いたら鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。乾燥する時期は、敷き藁などをしてたっぷり水やりをすると、育ちがよくなります。
種まき
空芯菜は直まきか、ポリポットなどで育苗をして植えつけする方法もあります。直まきの場合は、株間15㎝ほどに、まき穴をでつくり、そこに5粒づつ種をまき土をかぶせます。
ポリポットで育苗する場合は、植える株数より多く育苗し、よりよい苗を選べることが大きなメリットです。ポリポットでの育苗の方法は下記のとおりです。
- 3号のポリポットに鉢底ネットを入れて、野菜の培養土を入れます。
- 指で深さ1~2cmのまき穴を3ヵ所作ります。
- 1穴に1粒づつ種をまいて、発芽するまで土を乾かさないよう、水やりをします。
- 本葉が1枚~2枚になったら、生育の悪いものをハサミで切って2本に。本葉が4枚~5枚になったら、生育のよいほう1本残して、他の株を根元からきります。
- 草丈が15cm程度になったら、根鉢を崩さないようにして植えつけます。
植え付け
空芯菜の苗は、自分でポリポットなどで育苗したりした場合や、ホームセンターなどでも苗は販売されているので、それらを使う場合は適期にプランターに植え付けします。
市販の苗は2株入っている場合は、なるべくポット苗の根鉢を落とさないようにして、2つにわけます。株間を15cm~20cm程度開けて植え付けします。プランターに穴を空けて、そのまま植えつけします。周りの土を寄せて植え付けして、株元を軽く押さえて水をたっぷり与えましょう。
肥料
空芯菜のプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
追肥は最初の摘心が終わった後に行います。粒状の化成肥料を使う場合には、標準プランターであれば化成肥料10g程度を、全体にばらまき土となじませます。その後は2週間後に同様の追肥をしましょう。錠剤タイプであれば1か月に1回、土の上に置いておくだけ。
また多湿を好むので、液体肥料を水やり代りに使うのもおすすめです。摘心が終わった後、1週間に1度、水に薄めた液肥を与えます。
プランターなどでは元肥や追肥にも使えるハイポネックスジャパンの「マグァンプK 中粒」追肥に便利な固形肥料であれば、「野菜の錠剤」、液体肥料では住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」ハイポネックスジャパンの「野菜の液肥」などが使えます。
病害虫
空芯菜は比較的害虫の少ない作物ですが、アブラムシやアオムシ、ハダニ、バッタ、ヨトウムシ、イモキバガなどの被害にあうことがあります。見つけたらすぐに捕殺します。食害を受けると生育が悪くなります。農薬等を使いたくない場合には、防虫ネットも有効です。
まとめ
空芯菜は、高温多湿に強いので日本の夏でも、栽培しやすい野菜です。株数が少なくとも、次々とわき芽が伸びて収穫が楽しめるので、プランター栽培に向いています。
収穫期間が長いので、肥料を切らさず乾燥させずに、水やりをしっかりして育てましょう。お店で買った空芯菜を水に浸けておくだけでも、根が出て苗にすることもできるのでぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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