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プランター栽培

キウイフルーツのプランター栽培 植え付け方法から年間の栽培管理まで

プランター栽培

キウイフルーツは、甘味と爽やかな酸味が特徴的で、フルーツの王様といわれるほど、栄養価が高い果物です。暑さや病害虫に強いので、他の果樹に比べると栽培しやすく庭植えだけでなくプランターや鉢植えでも育てることができます。

ここでは苗木から育てる、キウイフルーツのプランター栽培について、植え付けから収穫までの育て方の基本から、年間の栽培管理までわかりやすく説明します。

キウイフルーツの栽培について

キウイフルーツの基礎知識

キウイフルーツは、つる性の落葉低木で成長すると3m以上になるため支柱を立てて栽培します。暑さ、寒さにも比較的強く日本全国で栽培が可能です。病害虫に強いので、きちんと管理をすれば無農薬でも育てられるので家庭菜園に向いている果樹です。

雌雄異株のため、果実を収穫するためには、雌木と雄木の両方を栽培する必要があります。雄木には花が咲き、雌木には果実がつきます。選んだ雌木の果肉の色から雄木を選ぶ必要があります。果実は追熟が必要で、収穫してもすぐには食べることはできません。

学名 Actinidia deliciosa
属名 マタタビ科マタタビ属
原産地中国
樹高・草丈3m以上
耐寒性等耐寒性 普通 耐暑性 強い
花言葉「生命力」「豊富」

品種について

キウイフルーツの果実の色は、緑色が一般的ですが最近では黄色や中心の部分が赤色の品種も出回っています。黄色系品種や赤色系品種は甘みが強く収穫時期が早いのが特徴ですが、日持ちがしません。緑色系品種は、日持ちはしますが収穫時期が遅いので、降霜が早い地域では注意が必要です。

栽培する雌木の品種に合わせて、開花時期が雌木の適期にあたる雄木を選びましょう。

果肉の色特徴主な品種一緒に育てる雄木
赤色系品種甘みが強い
極早生
紅妃
レインボーレッド
早雄
黄色系品種甘みが強い
早生
東京ゴールド
ゴールデンキウイ
センセーション・アップル
孫悟空
マック
緑色系品種適度な甘みと酸味
日持ちがする
ヘイワード
エルムウッド
香緑(こうりょく)
トムリ
アツア

キウイフルーツの苗の植えつけ

それではここからは、苗の植えつけ方について説明してきます。

植え付け時期

植え付けや植え替えは、キウイフルーツの休眠期に行います。11月~3月上旬が適期です。寒冷地などでは霜や降雪の心配がある場合には3月以降に行うとよいでしょう。雄木と雌木は必ず別々の鉢に植えつけしましょう。

準備するもの

  • キウイフルーツの苗木
  • 深型プランター
  • 果樹の培養土
  • 鉢底石
  • 支柱(オベリスク)

苗木の選び方

ホームセンターなどでは、植え付け時期になるとキウイフルーツの苗木が販売されます。一般的なものは1~2年生の苗木のポット苗です。1本の棒が長くのびているのが特徴的で、「棒苗」と呼ばれます。

枝が太く充実しているものを選びましょう。病害虫などの影響がないかももちろん確認しましょう。品種名も大切です。きちんと品種名が記載されているものを選びましょう。

夏頃に見かける実つき苗は、葉が良く茂り濃緑色のものを選びましょう。植え替えはすぐ行わず11月頃までそのまま育ててから植え替えします。

容器と土

鉢やプランターは、植えつえる苗の一回り大きな鉢やプランターを用意しましょう。直径と深さが同様の普通鉢(6号~10号)程度のものがよいでしょう。軽量なプラスチックの鉢でかまいません。植え替えが必要になるので、鉢底が持ち上がるタイプの鉢も便利です

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用土は、市販の果樹の培養土が便利です。肥料が入っていない場合には緩効性肥料を混ぜて使います。

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植え付けの手順

キウイフルーツの苗木の植えつけ手順
  • 手順1
    プランターの準備

    容器に、鉢底石を3㎝ほど入れその上に培養土を、容器の2分の1程度の高さまで入れます。

  • 手順2
    植えつけ

    ポットから苗木を取り出し軽く根をほぐしプランターの中央にいれます。培養土を足して、根を埋めます。(接ぎ木の場合は接ぎ木の部分は埋まらないように注意します)
    土と根の隙間がないように、割り箸でつついたり鉢を叩いたりしてなじませ、土の表面を手で押さえます。

  • 手順3
    水やり

    鉢の底から、水がでるまでたっぷり与えます。鉢の縁から3㎝ほどウォータースペースを空けて置きましょう。

  • 手順4
    支柱を立てる

    ツルが伸びるので、オベリスクで支柱を立てます。

  • 手順5
    枝を誘引する

    苗木の枝をらせん状なるよう斜めに誘引し、枝の先端を切り詰めておきます。雄木と雌木を別々に植え付け、10m以内に置いて管理しましょう。

キウイフルーツの栽培 年間スケジュール

キウイフルーツは、春から枝が伸び、5月頃に開花を迎え、夏に果実が肥大して、秋に収穫します。時期に応じた適切な管理が必要です。

キウイフルーツ栽培 年間スケジュール
  • 1月~2月
    休眠期

    寒さが厳しいこの時期は、キウイフルーツの木は休眠しています。水やりは1週間に一度程度、土が乾いたら鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。
    休眠期は、毎年剪定をしましょう。寒冷地以外では植えつけ、植え替えもこの頃の頃に行います。

    2月に春肥(元肥)を与えましょう。この時期の肥料は有機質肥料がおすすめです。匂いが気になる人は、有機入りの化成肥料を使いましょう。8号鉢なら20g程度を土にばら撒いて、軽く土と混ぜておきます。

  • 3月
    萌芽の時期

    次第に暖かくなり、目覚めの時期です。寒冷地では植え付け、植え替えの時期です。萌芽の前までに植え付けは完了させましょう。

    水やりは3日に1度、土の表面が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。

  • 4月
    新梢時期

    暖かくなり、萌芽や新しい枝(新梢)が本格的に成長してくる時期です。日当たりの良い場所で管理し、伸びた枝は誘引しておきます。
    水やりは6月までは、2日1度、土の表面が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。

  • 5月
    開花期

    開花の時期です。ミツバチなどの昆虫が自然に受粉することもありますが、実をつけたい場合は、必ず人工授粉は行いましょう。

    また1カ所に1~3個程度の花蕾が付くので、1個に間引いて摘蕾しておくと、摘果の手間が減ります。

  • 6月
    適果・追肥

    キウイフルーツは、実つきが良く結実後の落下も少ないため、摘果しないと実が小さくなります。適果は必ず行いましょうまた摘心、伸びすぎた徒長枝の剪定もこの時期に行います。

    果実が大きくなるこの時期に追肥を行います。化成肥料を8号鉢であれば10g程度を土にばら撒き、軽く土と混ぜておきます。

  • 7月~9月
    果実過大期

    この時期は果実か肥大する時期なので、水切れしないように毎日たっぷり水を与えます。
    摘心、伸びすぎた徒長枝の剪定、誘引は9月頃まで行います。

  • 10月~11月
    収穫期

    赤色系品種は10月頃から収穫の時期です。収穫が早い方が貯蔵期間が長くなり、遅くすると味がよくなります。冷蔵庫で貯蔵し、食べる分だけ追熟させてから食します。
    収穫が終わったら、お礼肥を与えます。落葉すると肥料を吸収しにくいため11月初旬には肥料を施します。化成肥料を8号鉢であれば8g程度を土にばら撒き、軽く土と混ぜておきます。

    水やりは少しづつ減らし、2日~3日一度たっぷり与えましょう。

  • 12月
    休眠期

    収穫が終われば休眠期に入ります。水やりは5日に1日程度に減らしましょう。
    休眠期は植えつけ、植え替え、剪定の時期です。

キウイフルーツの鉢植えの育て方

栽培環境・水やり

キウイフルーツは、日当たりのよい風通しの良い場所で栽培しましょう。暑さにも強く、寒さにも比較的強いので寒冷地以外では冬の防寒対策も特に必要ありません。梅雨は過湿になると病害虫の危険があるので、雨のあたらない軒下などで管理するとよいでしょう。

水やりは、鉢の表面が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。鉢植えの場合は、休眠期も水やりは続けて行います。4月から6月頃までは2日に1度、7月~9月の果実が大きくなる時期には水切れに注意して1日に1度、涼しい午前中に水やりをしましょう。その後は徐々に少なくしていきます。

肥料

鉢植えの場合は、元肥(春肥)として緩効性肥料を与え、その後は6月と11月に化成肥料を追肥をします。鉢植えの場合は、速効性の化成肥料を株元にばらまいて施肥します。

鉢植えの追肥には、化成肥料がおすすめ。化成肥料は早く効く速効性とゆっくり効く両方の成分を持っているものが多いです。有機肥料は、臭いや虫などが気になるためベランダなどで鉢植えで育てる場合は、有機入りの化成肥料もおすすめです。元肥にも追肥にも使える「マイガーデンベジフル」やハイポネックスジャパンが製造する「錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用」などがよいでしょう。

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支柱立て

ブドウはつる性植物なので、支柱を立ててツルを誘引して育てます。支柱は鉢であればオベリスク仕立てがよいでしょう。あんどん式は、キウイフルーツの枝は太いため、強度が足りません。オベリスク高さ1.5m〜2m程度のものがよいでしょう。ベランダなどで小さくまとまるので、コンパクトに育てることができます。

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人工授粉

雄木と雌木の開花の時期がそろっている場合には、雄花を雌花にこすりつけて人工授粉させます。

花弁が開いた満開の雄花を、摘み取ります。摘み取った雄花を、満開の雌花のめしべの先端にこすりつけます。1個の雄花で10個の雌花を人工授粉させることができます。

開花がそろわない場合は、雄花から花粉をピンセットなどで取り出し、半日ほど乾燥させます。瓶にいれて冷蔵庫で保存しておき時期がきたら、筆などをつかって人工授粉させましょう。

摘果

甘く大きな果実を収穫するには、摘果が重要です。まずは1ヵ所に3個程度実がなるので、良い実をのこして1カ所1果になるように切り取ります。1枝に葉が何枚あるか数えてみましょう。15枚程度付いている場合には、5葉につき1果になるように切り取ります。

病害虫の被害が多い場合には、摘果が終わったら果実袋を袋かけしておくとよいでしょう。

摘心・剪定

摘心は6月~9月に、剪定は休眠期に行います。

摘心

キウイフルーツは、枝やつるなどが3m以上になることもあり、栄養分が枝に取られてしまいます。長い枝や徒長した枝は、風通しや日当たりも悪くするため摘心するのがおすすめです。

果実がついている伸びすぎた枝は15節ほど残して、先端を切り詰めます。果実がついていない枝は、根元から切り取っても問題ありません。

剪定

剪定は本格的に収穫が始まる2年後以降から毎年行います。

  1. オベリスクに誘引した紐を外します。
  2. 発生した枝のうち、20cm以上の長い枝は、株元に近い枝を2~4本残してそれ以外は、すべて切り落とします。20cm以下の短い枝はそのまま残しておきます
  3. 剪定した枝を、低い位置に誘引します

収穫

キウイフルーツは、収穫適期になっても外見ではわかりません。農家などでは糖度計を測定して収穫しますが、家庭菜園の場合は、それぞれの品種の収穫時期に合わせて、収穫をしましょう。赤色系品種は10月下旬、黄色系品種は11月上旬、緑色系品種は11月中旬~下旬が目安です。

果実を握って下にひねると、収穫できます。

貯蔵・追熟

プランター栽培の場合は、それほど多く収穫できないので貯蔵は必要ないかもしれませんが、1か月以上貯蔵する場合は、ポリ袋にいれて冷蔵庫で保存しましょう。傷がついていない果実であることが前提です。

キウイフルーツは、ほとんどの品種が樹上では完熟しないので、収穫してから食べる前に追熟する必要があります。ビニール袋にリンゴとキウイフルーツを入れ、密封しておきます。温度は15℃~20℃、リンゴ1個に対し、10個ほどのキウイフルーツを追熟させることができます。

病害虫

キウイフルーツは剪定や、落ち葉拾いなどの管理をきちんと行えば病害虫の被害にあいにくい果樹です。

害虫は、カイガラムシコガネムシカメムシ、キウイヒヨコバイ、ハマキムシなどの被害にあうことがあります。水やりのときなどによく観察し、害虫をみつけたら、すぐに捕殺しましょう。

病気は、うどんこ病、炭そ病、かいよう病などにかかることがあります。予防には、冬の枯れ葉を除去したり、剪定をしっかり行いましょう。また梅雨は軒下などで雨にあたらないようにする、水やりは木にかからないよう株元に向かって水やりをしましょう。

植え替え

プランターに苗を植えつけた場合は、2年~3年に1度植え替えをしましょう。一回り大きな鉢に植え替えるか、鉢を大きくしたくない場合は、根鉢の底や側面をノコギリなどで3cmほど切り詰めてから、同じ鉢に植え替えましょう。

まとめ

中国が原産ですがその後ニュージランドで栽培が盛んになり、世界中に広がりました。キウイという名はニュージーランドのニュージーランドのシンボルである鳥の「キーウィ」からに由来しています。

キウイフルーツは、果樹の中では病害虫の被害も少なく、育てやすいのでプランターでの栽培をおすすめします。その他でもプランターではブドウも育てることができます。

編集さん
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執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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