もみじの葉が食べられていたりトゲトゲした緑色のケムシをみつけたらイラガかもしれません。こではもみじに発生するイラガのの特徴や駆除、対策の方法について説明します。
もみじ(カエデ類)に発生するイラガの特徴・被害
もみじ(カエデ類)に発生するイラガの特徴
イラガは鱗翅目イラガ科の蛾の総称で、もみじ(カエデ類)に被害をもたらすのは主に「ヒロヘリアオイラガ」の幼虫です。幼虫はイモムシ状で体に毒のあるトゲを持っており、トゲに刺されると電気が流れたような激しい痛みがあることから「デンキムシ」ともよばれます。
幼虫の体長は老齢になると20~25㎜ほど、全体に無数の鋭いトゲを持ち、体色は黄緑色で背中に青い縦の線がはいっています。成虫は翅を開いた状態だと30~40㎜程度、黄緑色で外側のヘリが茶褐色をしています。
繭内で越冬し、春に孵化して成虫になります。発生のピークは7月と10月頃、年に2回発生します。葉裏に卵を産み付けるため若齢幼虫は、葉裏にびっしりと密集します。被害にあった葉は、白っぽく透けてみえるようになり、次第に全体を食害します。

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集
イラガ類の被害
イラガ類の被害は、幼虫による葉の食害です。
若齢幼虫は葉裏に密集し、葉の表の薄皮を残して食害するため葉が透けレース状に白くなります。その後生長した幼虫は、他の葉に移動して葉を食べつくします。食欲旺盛のため、放置すると葉を食べつくされることもあります。

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集
もみじにイラガ類が寄生してしまった場合の対処法
虫食い状態になっている葉をみつけたら、葉裏をチェックしましょう。卵や若齢幼虫の時に対応することが被害を広げるのを防ぐことができます。
見つけたら密集している葉ごと切り落として処分します。イラガは刺毛に触れると電気が走ったような痛みがあり、水ぶくれなどができるので、駆除の際には必ず厚手のゴム手袋や革製の手袋を使用してください。
が飛来しているのを見つけたら、直ちに捕殺するのが最も効果があります。成虫は産卵のために株元にいることが多く、早朝が動きが鈍いため捕殺しやすくなります。
中齢幼虫は、割りばしなどをつかって捕獲しましょう。ビニール袋にいれて殺虫剤などを吹き付けるのが効果的です。踏みつけて駆除する方法もありますが、足に棘がささることもありますので注意しましょう。
その後は農薬(殺虫剤)を散布して発生を防ぎましょう。
農薬(殺虫剤)の選び方・使用方法について
農薬には必ず、適用表と使用上の注意がラベルに記載されています。農薬は、適用表にかかれている作物、病気にしか使えません。使い方を間違えると、作物が枯れたり、体に害が及ぶこともあります。必ずラベルを読んで正しい使い方をしましょう。
ヒロヘリアオイラガを駆除するためには、ヒロヘリアオイラガに効果が認められている殺虫剤(農薬)をつかいます。ヒロヘリアオイラガは適用病害虫が「ヒロヘリアオイラガ」か「イラガ類」と書かれている農薬が使えます。
もみじには、「かえで」の他「樹木類」に適用のある農薬が使えます。
また農薬は同じ種類の農薬を使うと抵抗性が発生して、効果が弱くなることがあります。同じ種類の農薬は使わずなるべく違う種類の農薬をローテーションして使いましょう。
もみじのヒロヘリアオイラガ・イラガ類に適用のある農薬
ケムシジェット (IRACコード 28,3A)
ケムシジェットは樹木類のイラガ類に適用のある農薬で、クロラントラニリプロール、ビフェントリンを有効成分とする殺虫剤です。
噴霧液が均一に付着するように50cm以上離れた所から数回断続して噴射して使います。直接害虫に吹きかけるだけなので誰でも使いやすい家庭用の薬剤です。もみじの最重要害虫であるゴマダラカミキリにも使えます。
ガーデンアースB (IRACコード 3A)
ガーデンアースBは、樹木類のヒロヘリアオイラガに適用のある農薬で、ペルメトリンを有効成分とする殺虫剤です。
使い方は希釈せずそのまま直接害虫に噴射するだけです。ケムシ類にも効果があります。ガーデンアースBは農薬名で商品名は「ケムシがコロリ」です。
アースガーデン4 (IRACコード 3A,4A,6)
アースガーデン4(商品名:アースガーデン 花いとし)は、樹木類のイラガ類に適用のある農薬で、3種の殺虫成分と1種の殺菌成分が配合された殺虫殺菌剤です。
イラガ類の他、アブラムシやハダニ、コナジラミ類、うどんこ病にも使える農薬です。ただし散布回数に制限があります(2回)ので注意しましょう
イラガ類の予防・対策方法
繭の撤去
イラガ類は冬には繭の中で越冬します。冬の間に枝や幹に張り付いた繭を削り取って撤去しましょう。張り付いた繭はわかりずらいですが、防除に効果的です

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集
剪定
株元に産卵する、株元から食穴をあけるため早期発見には株元の枝等は剪定して風通しをよくおくと、カミキリムシの幼虫の被害を発見しやすくなります。
また秋口には弱った株などにカミキリムシの幼虫がいないか確認し、食害されているようなら株ごと抜き取り、翌年の被害を広げないようにしましょう。
剪定
冬の剪定では、弱ったり枯れているような枝は剪定し風通しをよくしましょう。落ち葉なども放置せず集めて廃棄します。
剪定をして葉が重ならないようにすれば害虫の発見にも気が付きやすくなります。また落ち葉などにも繭や他の害虫の卵や菌が残って翌年に発生することも多いので、特に害虫や病気の多い木では大切な作業です。
予防の農薬散布
産卵防止には、5月下旬~6月上旬に農薬散布しておくことも有効です。予防にはスミチオン乳剤を散布します。スミチオンを使う場合にはイラガ類には適用はなくアブラムシに適用があるので、希釈や散布はそれに合わせて行います。スミチオンはゴマダラカミキリの産卵の防除にも有効です。
栽培に役立つ 農家webのサービス
農家web 農薬検索データベース
作物に適用がある農薬を一覧で探したいときには、「農家web農薬検索データベース」が便利です。
検索機能は、適用作物・適用病害虫に合致する農薬を探す「農薬検索」、「除草剤検索」をはじめ、さまざまなキーワードで検索できる「クイック検索」、農薬・除草剤の製品名で検索できる「製品検索」、農薬・除草剤に含まれる成分名で検索できる「成分検索」の4つで、農薬・除草剤の作用性を分類したRACコードや特性、 効果を発揮するためのポイントなど実際の使用に役立つ情報も知ることができます。

農家webかんたん農薬希釈計算アプリ
除草剤、殺虫剤を代表する農薬の液剤は、かなりの割合が原液で、水で希釈して散布するのが一般的です。希釈倍率に合わせて水と混ぜるのですが、希釈倍率が500倍、1000倍と大きく、g(グラム)やL(リットル)などが入り混じっていて、計算が難解だと感じる方も多いのではないでしょうか。
「農家webかんたん農薬希釈計算アプリ」は、使用する農薬の希釈倍数を入力し、散布する面積などから薬量・液量を算出します。面積の単位や薬剤の単位も簡単に行えます。
ラベルを見て希釈倍率を入力するだけでなく、農薬検索データベースと連携しているので、使いたい製品・適用ラベルを選択することで、希釈倍数を自動入力することができます。

農家web かんたん栽培記録
作物を栽培するときに、植え付けから収穫までの栽培記録をつけることは、作物の安全性を守る他にも、ノウハウを蓄積し、よりよい作物を栽培するためにも大切な作業です。
農家webのかんたん栽培記録はこれひとつで、無料で作物ごとに栽培記録できるだけでなく、その作物に発生しやすい病害虫やおすすめ農薬、また農薬に頼らない防除方法も、簡単にカレンダーから確認することができます。会員登録すれば、LINEに予察情報も届きます。パソコン等が苦手でも、タップで簡単に作業日誌をつけられます。
