バラゾウリムシは、春のバラ栽培で最も被害が大きい害虫です。ここではバラにバラゾウリムシが発生した場合に駆除する殺虫剤や農薬以外の対策方法について説明します。
バラゾウリムシの特徴・被害
バラゾウリムシの特徴
バラゾウリムシは、体長3㎜程度の小型のゾウムシでバラゾウリムシは通称で正式名は「クロケシツブチョッキリ」といいます。
バラゾウリムシの成虫の特徴は体長2.7㎜~3㎜、体色は黒色で灰色の微毛におおわれてにぶい光沢があります。体長の割に長い象のような鼻(口吻)と持っています。
その長い口吻で茎や若い蕾に穴をあけて産卵するほか、周辺の葉や茎などにも穴をあけて吸汁し、幼虫は枯れた葉やつぼみを食べて成長します。成虫は4月下旬ごろから発生し、5月~6月がピークです。
成虫は人が近づくと、コロッと土に落ちて逃げてしまう特性も持っています。


画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
バラゾウリムシの被害
バラゾウリムシの被害は、バラの新梢や葉、蕾に現れます。
初期症状は、つぼみのついた花首や新梢の先端に、黒く針を通したような小さな斑点が現れ、茎はその部分が焦げたように黒く変色して枯れてしまいます。花首が被害を受けた場合は、首のところが折れて萎れてつぼみが落ちます。
葉の被害は萎れて乾きチリチリになります。また多発すると花の奇形や、茎が乾いて固まる枯れる、花首が落ちるなどの症状が各所で発生します。

バラにバラゾウリムシが寄生してしまった場合の対処法
バラにバラゾウリムシが寄生しているのを見つけたら、バラゾウリムシに効果のある殺虫剤を使って駆除しましょう。
なるべく農薬を使いたくないという人は、捕殺します。バラゾウリムシは小さいので、手で摑まえるのは難しいので、軍手などをしてつまむか、バラを軽くたたいて衝撃を与え、バラゾウリムシが下に落ちたところをほうきなどを使って集めて捕殺します。下に落ちたバラゾウリムシは、一定時間固まって動かないのでこの時に捕殺しましょう。
土に落ちると、どこにいったかわからなくなる場合には、ビニールシートなどを敷いて行うと簡単です。
被害にあった葉やつぼみなどは、中に卵を産み付けていることもあるので切り取って処分しましょう。下に落ちた葉なども幼虫の餌となりますので、拾って処分しましょう。
殺虫剤を使った後は、3日~7日後にまた被害がでていないか確認し、被害が続いているようでしたらもう一度散布しましょう。
農薬(殺虫剤)の選び方・使用方法について
バラゾウリムシを駆除するためには、バラゾウリムシに効果が認められている殺虫剤(農薬)をつかいます。農薬の適用表の作物名に「ばら」もしくは「花き類・観葉植物」と書かれており、その横に「クロケシツブチョッキリ」と書かれた農薬が使えます。バラゾウリムシと書かれている農薬はないので注意しましょう。
農薬と聞くと、怖い、体に害があるのではないかと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、日本で販売されている農薬は、人畜や環境に影響を与えないことなどの多くの厳しい審査を通ったものだけが、登録されています。
農薬には必ず、適用表と使用上の注意がラベルに記載されています。農薬は、適用表にかかれている作物、病害虫にしか使えません。使い方を間違えると、作物が枯れたり、体に害が及ぶこともあります。必ずラベルを読んで正しい使い方をしましょう。
また農薬は同じ系統の農薬を使い続けると、薬剤抵抗性が発生し効果がなくなることがあります。複数回散布するときはなるべく違う系統の農薬を使う、ローテーション散布をしましょう。商品名が違っても同じ系統の農薬もあるので、系統は殺虫剤にはIRACコードが違うものを選びます。
家庭ではいろいろな農薬を購入するのは難しいという場合は、1年ごとに使う農薬を変えるなどの方法をとりましょう。
また農薬は水に薄めて使うものがほとんどです。農薬の希釈の方法については下記の記事も参考にしてください。
ばらのクロケシツブチョッキリ(バラゾウリムシ)に適用のある農薬
ばらのクロケシツブチョッキリ(バラゾウリムシ)に適用のある農薬は多くなく、商品名が同じでも系統が一緒だったり、同じ成分をつかっているものが多くあります。複数の農薬を使う場合には、成分ごとの使用回数も確認してください。
| 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オルトランDX粒剤 | 2g/株(但し、40g/㎡まで) | 発生初期 | 4回以内 | 生育期株元処理 | 1B,4A | 有効成分が2つ入っている殺虫剤 株元にまくだけで、薬剤がバラに浸透し、 バラに発生しやすい害虫に効果があります。 予防に効果的です。 | |
| ベニカXガード粒剤 | 10g/株(但し、100g/㎡まで) | ー | 発生前〜発生初期 | 4回以内 | 生育期株元処理 | 4A,11A | 株元に散布するだけでバラの害虫だけでなく、 病気にも効果がある殺虫殺菌剤。 オルトランと同じ有効成分が入っているため、合わせて年間4回しか散布できません。 |
| パイベニカVスプレー | 原液 | ー | 発生初期 | 6回以内 | 散布 | 3A | 植物うまれ、天然成分100%の殺虫スプレー剤 有機栽培にもつかえ、原液をスプレーするだけなので 家庭で使いやすい殺虫剤です。 |
| カダンプラスDX | 原液 | ー | 発生初期 | 5回以内 | 散布 | 4A,6 | バラのさまざまな病害虫に効果がある殺虫殺菌剤 浸透移行性があるので、薬剤がかからない葉裏にいる 害虫にも効果があります。 |
バラゾウリムシの予防・対策方法
防虫網
温室やビニールハウスなどでは、施設内にバラゾウリムシが入らないように入口や窓などに防虫網を張りましょう。目合いは1㎜以下のものを設置します。
軍手で捕獲する
バラゾウリムシを捕まえるには、軍手が簡単です。毎日バラをチェックし、バラゾウリムシがいたら軽く衝撃を与えると、軍手に落ちてきます。バラゾウリムシはしばらく固まって動かないので、ビニール袋に入れるなどして捕獲しましょう。
予防
毎年被害が出るという人は、3月下旬から4月までに粒剤をつかって農薬を散布しておきましょう。
また周辺のノバラヤツルバラなどが放置されていると、そこから移動してくるので周りの環境にも注意しましょう。
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