このページでは、ブルーベリーの肥料に関する基礎知識ややり方、施肥のタイミング、注意点、おすすめ商品など、さまざまな情報をご紹介します。
ブルーベリーの特徴と肥料のやり方の基本
一般的な育て方である「鉢植えや地植えでの栽培」に絞って、肥料のやり方をご説明します。ラビットアイ、ノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュなどの系統(品種もしくは品種の大枠)、栽培している場所や土壌によって、肥料のやり方も変わってきます。また、「どう育てたいか」によっても与える肥料は異なってきます。そのため、目安としてとらえるようにしてください。
庭植え・地植えの場合
庭植え・地植えのブルーベリーの肥料のやり方の基本は、根が広がっている範囲に施すことです。「根の広がる範囲なんて掘り返してみないとわからない」と思われるかもしれませんが、一般的な樹木は基本的に「葉の広がっている範囲が根の広がっている範囲」と言えます。葉の広がっている範囲を確認して、その下の土にまんべんなく散布すると良いでしょう。
施肥するときには、株元にドーナッツ状に散布します。少し広げることと軽く土に混ぜ込むことを意識するとよいでしょう。
「施肥量はどのくらいが良いの?」とよく聞かれますが、品種や樹齢、樹・土壌の状態によって異なるのでなかなか的確なアドバイスはできません。
株の大きさ | 1株あたりの窒素施肥量の目安(年間) |
---|---|
〜5年 | 5g〜12g程度 |
5年〜 | 12g〜20g程度 |
専用肥料には、ラベルの裏に大まかな施肥基準が載っている場合もありますので、参考にすると良いでしょう。
鉢植えの場合
鉢植えのブルーベリーにも同様に施肥が必要です。鉢植のブルーベリーに施肥する場合は、株元(根元)を囲むように肥料を施します。
施肥量は、品種や樹齢、樹の状態、プランター・鉢の大きさなどによって異なります。
株の大きさ | 1株あたりの窒素施肥量の目安(年間) |
---|---|
〜5年 | 3g〜6g程度 |
5年〜 | 6g〜13g程度 |
専用肥料には、ラベルの裏に大まかな施肥基準が載っている場合もありますので、参考にすると良いでしょう。
ブルーベリー肥料やる時期は?
ブルーベリーは「春肥(元肥)」、「芽出し肥(追肥)」、「お礼肥(追肥)」の年3回を基準とするとよいでしょう。
春肥(元肥)とは、葉芽の芽生え(新芽)前の春に肥料を施すことで、一般的に3月が適期です。
芽出し肥(追肥)は、春肥が吸収され土中の養分が不足したタイミング、具体的には5月上旬~中旬が適期です。追肥は5月にまとめてやる他、6月、7月、8月に分けて施肥する方もいます。分けて肥料をやるときには、過剰にならないように施肥量を調整しましょう。
お礼肥(追肥)とは、果実の収穫が済んだ後に肥料を施すことで、一般的には8~10月頃が目安になります。
基本的な考え方としては、元肥には有機肥料、追肥には固形化成肥料を施すと良いでしょう。もちろん、樹の状態や生長度合いによって必要な施肥量は変わってきますので、その場の状況判断が必要です。
時期(目安) | 施肥の名称 |
---|---|
3月頃 | 春肥(元肥) |
5月上旬〜中旬頃 | 芽出し肥(追肥) |
8月〜10月頃 | お礼肥(追肥) |
\ブルーベリーに肥料をやる時期の詳細について/
肥料のやり過ぎには注意「肥料焼け」
肥料は、多ければ多いほどよいというわけではありません。土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなり、植物に障害が発生したり枯れてしまったりすることがあります。これが「肥料焼け」です。
成長が楽しみで、ついつい肥料を多くあげたくなってしまうかもしれませんが、一般に肥料をあげすぎると、かえって植物が弱ることがあり、樹や枝葉に障害が生じることもあります。肥料は過多にならないよう注意しなくてはいけません。また、苗(苗木)は成木に比べ弱いので、特に苗(苗木)の段階では施肥量を減らす工夫が必要です。
ブルーベリーに適したおすすめの肥料
ブルーベリーの原産地は北アメリカで、和名ではアメリカスノキともよばれています。もともと生育していた土壌の性質から、ブルーベリーは酸性の土を好みます。
pH(土壌酸度)で、4.3~5.5程度が好ましいとされています。中でもハイブッシュ系は、ラビットアイ系よりも少し適応範囲が狭く、pH4.3〜4.8程度を好みます。pH(土壌酸度)は植物を育てる上では重要な指標なのでぜひ気にしてみてください。
したがって、施肥後に酸性土壌になるような肥料を選ぶようにします。しかし、梅雨などの大量の雨で流れ出ることによりアルカリ性へと戻ってしまうこともあります。その場合には、ピートモスなどの資材を用いて、土壌酸度の改良および調整をします。
\ブルーベリーのおすすめ肥料一覧/
初心者の方にはブルーベリー専用肥料をおすすめします。中でもハイポネックスのブルーベリー専用肥料は人気です。
\ハイポネックスのブルーベリー肥料に関する詳細/
ブルーベリーを甘くするには、品種選定のほかにも肥料のやり方も重要です。
\ブルーベリーを甘くする肥料のやり方詳細/
ブルーベリー肥料の購入場所
ブルーベリーの肥料は、ホームセンター、100均、インターネットなどで購入可能です。肥料を購入できる主な場所・方法は以下のとおりです。
各購入場所・購入方法のメリット・デメリットをまとめました。購入方法選びの参考にしてください。
購入方法 | ホームセンター | 100均 | インターネット |
---|---|---|---|
メリット |
|
|
|
デメリット |
|
|
|
ホームセンターでブルーベリーの肥料を購入する
ホームセンターで肥料は購入できるのでしょうか?結論から話すと、コメリやカインズ(CAINZ)、コーナンなどは、園芸向けの商品を多数取り扱っており、肥料も購入することができます。一般的なホームセンターであれば、在庫切れなどがない限り販売されているので安心して購入できます。
カインズ、コーナンなどは、一般的なガーデニング用品から少しマニアックな専用肥料まで幅広く取り扱いがあります。また、ブランド独自のオリジナル商品のラインナップもあり、豊富な種類から肥料を選択して購入することができます。
特にコメリは、農家向けの商材も多数取り扱っているため、専用肥料の取り扱いも多いです。農家も使っている肥料かもしれないと考えると、安心感が増しますね。
\コメリで販売されているブルーベリーの肥料/
100均でブルーベリーの肥料を購入する
ダイソーやCanDoなど100均(100円ショップ)でも、ブルーベリーに合う肥料を購入することができます。しかし、ホームセンターと違って「ブルーベリー専用の肥料」が販売されていることは稀です。100均で購入する場合は、一般的な化成肥料や果樹・花木用の肥料を購入して代用すると良いでしょう。
また、ブルーベリーの場合は酸度の調整も必要なため、使用する肥料の種類には十分注意しましょう。
インターネットショッピングでブルーベリーの肥料を購入する
AmazonやYahoo、楽天市場などでも肥料を購入することができます。ホームセンターと同様、品揃えも豊富のため、「ブルーベリーの専用肥料」も簡単に見つけることができます。
店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。事前に在庫状況を確認できる点もメリットです。
ブルーベリーの育て方
育て方は、培地の違いにより、次の2つに大別することができます。
鉢や地植えでの栽培
ブルーベリーは果樹の中では樹高が低く、木も小さいため、鉢植えでも育てることができます。もちろん、畑や庭に地植えして育てることもできます。培地には、用土(鹿沼土、赤玉土、ピートモス)もしくは土が用いられます。
養液栽培
鉢や地植えでの栽培とは別に、養液栽培とよばれる方法でブルーベリーを栽培する場合があります。養液栽培とは、土ではない培地(ヤジガラ培地や発泡樹脂など)に植え付けた作物に対して、水と肥料を混ぜた液体(培養液)を与えることで栽培する方法です。
ブルーベリーの養液栽培の場合、いくつかのメーカーがパッケージとしてポットや培地など一式を販売していて、肥料も各メーカーの仕様に準拠して購入するというのが実情です。
苗の選び方
品種選び
日本で栽培されているブルーベリーは主に、寒冷地向きの「ノーザンハイブッシュ系」・暖地向きの「サザンハイブッシュ系」「ラビットアイ系」の3つの系統があります。
甘みがあって風味のよいとされている品種は、ノーザンハイブッシュ系ではアーリーブルー・ブルーレイ・スパルタンなどがあり、サザンハイブッシュ系ではオニール・シャープブルー・スターなどがあります。丈夫で初心者向けともいわれるラビットアイ系ではティフブルー、クライマックス、ホームベルなどの品種などがあります。
苗木の買い方
苗木は一年中購入できますが、できれば秋ごろから出回る苗で挿し木して、2年以上たっているものが初心者の方にはおすすめです。すぐに実をとることも可能ですが、苗木が弱り枯れてしまうこともあります。できれば5年以上たってから収穫するのがおすすめです。
またブルーベリーは、自家受粉もできますが他家受粉の方が、受粉しやすく実も大きくなる傾向があるためできれば、同じ系統の2品種を育てるのがおすすめです。
剪定
苗は挿し木から5年以上たったものに、結実させたほうがよいと上述しましたが、結実させない場合は冬に、枝先の花芽を切り取って着果させないようにて樹勢の強い木に育てましょう。
また剪定は、生長した株にも必要です。毎年冬に、衰弱したり傷んだ枝など不要な枝を間引いたり、勢いのないサッカー(地際から生える枝)も切り取りましょう。また細いシュート(実のつく枝)に、花芽が多くついているときは、花芽の数を減らすと大きな果実を収穫することができます。
用土について
ブルーベリーの栽培に最も大切なのは、土づくり。ブルーベリーは土壌が酸性でないと健全に育ちません。鉢植えだけでなく、庭植えでもきっちり土壌を整えましょう。
ブルーベリーには、未調整のピートモスを使います。市販のブルーベリーの土もピートモスをベースに作られています。自分で配合する場合は、酸度未調整のピートモス7・鹿沼土3で配合して、水を含ませてよく混ぜてから使いましょう。
庭植えの場合は、定期的にpHをはかって、6.0以下になるようにしましょう。pHが高い場合は硫黄粉末をよく混ぜて土壌改善をしましょう。定期的にピートモスなどを土に混ぜてもよいでしょう。
水やり
鉢植えの場合は、表土が乾いたら鉢底から水がでるまでたっぷり与えるが基本です。特に実のつく5月~7月は水切れに注意します。庭植えは乾燥が続いたときに与えればよいでしょう。ただし、ブルーベリーは根が細く乾燥に弱いので、庭植えは年間を通してバークチップなどでマルチングをして育てましょう。マルチングは雑草対策にも効果があります。
害虫
ブルーベリーは、他の果樹に比べて害虫の被害は少ないですが、アブラムシ、カイガラムシ、コガネムシなどが発生します。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。
増やし方
ブルーベリーは、さし木、とり木、株分けで増やすことができます。挿し木で増やすのが簡単で、冬に剪定した枝を使って増やすこともできます