梅雨などで、もし草刈りを予定していた日が雨の日だった場合、草刈りを決行しても大丈夫でしょうか?
ここでは雨の日に草刈りをしていいのかどうか、草刈り作業の危険性や危険を防ぐ服装なども合わせて簡単に解説します。
刈払機(草刈り機)を使用する場合
草取り、草刈り、除草作業は危険な作業です。特にチップソーなどを装着した草刈機(刈払機)を使用した事故は毎年農業事故原因の一位、非常に危険な作業の一つと言えるでしょう。
雨が降ると、どうしても視界が悪くなり、足元も泥でぬかるみます。このため、どんなに草刈り作業に慣れている、庭、圃場を熟知しているといっても、刈払機を使用しての作業は極めて危険です。
また、刈払機が水に濡れると、電池式の場合、漏電、感電の危険性もありますし、エンジン式の場合はエアーフィルター(エレメント)が濡れて故障の原因になります。また内部の金物が錆びる危険性もあります。雑草も雨に濡れると倒伏したりと非常に刈りにくくなり、効率も悪くなります。
以上から、雨の日の刈払機の使用はくれぐれも避けるようにしてください。芝生を刈るためや剪定、伐採のために刃物を使用する場合も同じです。
刈払機(草刈り機)を使用しない場合
刈払機(草刈り機)を使用しない場合も、視界が悪く足元も安定しない中での刃物を持っての作業ですし、雨の日は雑草が刈りにくいこともあり、極力作業しない方が無難です。田んぼや湿地など、特にぬかるむ場所の場合はなおさら草刈り作業を延期するようにしてください。
どうしても作業しないといけない場合は、例えば下記のように服装をしっかり整えて行うようにしてください。

軍手は編み目が粗いので、飛来物が隙間を通って手に当たり怪我の元です。出来るだけ軍手よりも厚手の、滑り止めが付いたものが良いでしょう。
とにかく足の切傷が多いため、必ずゴム引きの長靴を履いてください。ゴム引きの厚みのあるもののほうが足の保護にはよいですが、重いので疲れやすくなるため、夏は作業時間を短くしましょう。疲れは事故を引き起こします。スパイク付きだと滑りにくくて安心です。
飛び散るものが体に直接当たるのを防ぐため、暑くても、必ず長袖、長ズボンで。また、作業中の蜂などの害虫からの防除もできます。
前掛けも体の前の危険物を防ぐために出来るだけ装着しましょう。(脛当て(すね当て)でもOKです)
その他 刈払機、草刈機を使用する上での注意点
(前提)疲労、不安がある状態で草刈り作業をしない
草刈り作業に限らないですが、刃物を扱うなど危険な作業を行うときは、何よりも自分の体力、体調が万全であることが重要です。前日、睡眠不足である、また病気明け、他に心配事があり集中できないような場合は、刈払機を使用しての農作業は控えるのが無難です。
疲労を軽減する、安全な動かし方で草刈りする
刈払機の動かし方は、右→左、1.5m程度の範囲内を守る

刈払機の刃は、左(時計と逆方向)回りのため、刈払機を左から右に向かって動かしたり、刃の右側を障害物に当ててしまうと、大きな振動が発生して、腕や腰の負担が増したり、反対方向に跳ね返されてキックバックが起こり、事故の原因となってしまいます。
キックバックとは、回転中の刈刃が障害物や地面に当たって、回転方向と反対側に刈刃が跳ね返ることを言います。キックバックが起こると、作業者自身だけでなく、周りの人にも刈刃が向かって当たる危険性があります。
このため、刈払機は必ず、図のように、体の右側にセットし、右から左に1.5m程度の範囲内を動かすことを繰り返すようにしましょう。
そして、キックバックを防ぐため、刈刃を当てる箇所は上部の左「3分の1」を心がけてください。

前進しながら刈る・こまめにスイッチを切る
後退しながら刈ると、足元などの危険源に気付けず、大変危険です。必ず前進しながら刈るようにしてください。また、作業の都度、こまめにスイッチを切ってください。スイッチを切らずに体制を変えて事故が起こるケースが非常に多いです。
疲労を軽減するには
草刈り作業の疲労を軽減するには、以下の点がポイントになります。
- 刈払機の動かす範囲を限定する。右から左へ横に1.5m程度スライドさせる
- くれぐれも刈払機を振り回したり、上下に動かさない
- 広い範囲を刈る時は、思い切って肩掛式から背負式の刈払機に変える
まとめ
雨の中での草刈り作業は大変危険です。特に刈払機を使用しての作業は中止するようにしましょう。刃物を扱う点では剪定や芝刈り、チェンソーの使用も同じく危険です。
刈払機が雨に濡れて故障した際などは下記記事が役立つかと思います。ご参考にしてみてください。
また、自分でやらずにプロにお任せする手段もあります。草刈りに限らず、防草シートの交換や害虫駆除など、様々なエキスパートにお願いすることができます。