芝生の水やり、どのくらいの頻度でやる必要があるの?

散水ノズルで芝に水やりをしている画像です。栽培
栽培芝生

サッカー場などの競技場から公園、ご家庭の庭まで、芝生はさまざまなところに植えられています。芝生の緑色は、心安らぐ空間を与えてくれます。

しかし、芝生を元気で綺麗に維持するためには、適切な水やりがとても重要です。

水やりの頻度や考え方を間違ってしまうと、芝生に悪影響を及ぼしてしまい、最悪の場合枯れて再生ができないことにも繋がります。庭や事務所などで芝生を育てる方は、芝生への水やりの回数やタイミングをしっかりと把握しておきましょう。

この記事では、芝生の水やりの頻度と水やりの方法について、芝の種類別に詳しく解説します。

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まずは芝生の種類を理解する

芝が青々としている画像です。

芝生に使われるイネ科植物(いわゆる芝、芝草)は、一般的に15属30種類以上あると言われています。それらは生育適温や栽培地域の違いによって、大きく「暖地型」「寒地型」に分けられます。

また、芝は日本に自生するものと海外から導入されたものがあります。一般的に日本に自生する芝を「日本芝(日本シバ)」海外から導入された芝を「西洋芝(西洋シバ)」と呼びます。

暖地型/寒地型日本芝/西洋芝芝草の種名
暖地型日本芝野芝(ノシバ)、高麗芝(コウライシバ)、ビロード芝(ビロード芝・キヌシバ)
暖地型西洋芝バミューダグラス、ティフトン芝(ティフトンシバ)、センチビードグラス、セントオーガスチングラス、シーショア・パスパラム
寒地型西洋芝ケンタッキーブルーグラス、クリーピングベントグラス、トールフェスク、アニュアルライグラス、ペレニアルライグラス、クリーピングレッドフェスク、チューイングフェスク、ハードフェスク
暖地型・寒地型、日本芝・西洋芝の主な分類と種名

日本を例に適している芝の種類を説明します。北海道から東北北部では、気温が低いため暖地型の日本芝は適さず、ケンタッキーブルーグラスやベントグラスなどの寒地型西洋芝がよく使われます。逆に九州や沖縄では、高温多湿に強い野芝や高麗芝(コウライシバ)、暖地型西洋芝のバミューダグラスなどがよく使われます。

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水やりの基本的な考え方

芝の葉に付いた水滴の画像です。

まずは、芝生への水やりについて基本的な考え方を整理しておきましょう。水やりの考え方の大事なポイントを以下に示します。

  • 休眠期は基本水やりは不要。
  • 過度な水やりは不要。乾燥している、しそうなときに水やりをするのが基本。
  • 夏場や晴天が続く時期は地中や葉が乾燥しやすいため、高頻度で水やりが必要。
  • 寒地型シバ・暖地型シバ、日本芝・西洋芝で乾燥への強さや生育の特徴が変わるため、水やりの頻度や適期も変わる。
  • 土壌の性質(土質)や日当たりによっても水やりの頻度、量が変わる。

上記のことを踏まえた上で、ご自身で栽培している芝の管理方法を検討していただくと良いと思います。

芝生の手入れ作業

芝生の主な手入れ作業は、以下のものがあります。どれも芝生の生長、生育の管理には欠かせない作業のため、しっかりと頭に入れておく必要があります(もちろん、人工芝の場合は不要ですが…)。

  • 水やり
  • 施肥(肥料を施す)
  • 刈り込み(芝刈り)
  • 除草(雑草取り、草取り)
  • 目土・目砂入れ
  • サッチング(サッチかき)
  • 芝踏み(シバ踏み)
  • 芝張り、芝の張り替え・補修
  • オーバーシーディング、トランジション
  • 病気の予防・対処、害虫の駆除(病害虫管理)

芝生の水やりの適期と頻度

芝生の水やりは、「時期」や「芝張り、施肥」などの作業のタイミングによっても頻度が異なります。水やりのタイミングとしては、主に以下の3つがあります。

  1. 定期的な水やり(時期によって頻度が異なる)
  2. 芝張り(芝生を張る)、播種(種まき)をしたあと
  3. 施肥(肥料を施す)をしたあと

それぞれのタイミングで水やりの鉄器と頻度は異なりますので、順番に解説します。

定期的な水やり

芝生は、時期によっては定期的な水やりが必要となります。水やりをしないと、水切れ(水不足)の状態となり、最悪の場合枯れて再生ができなくなります。

もちろん、芝生の休眠期など不必要な場合もありますので、しっかりと理解した上で水やりをしましょう。また、芝生の種類によっても水やりの適期は異なります。

今回は、暖地型と寒地型に大別して基本的な水やり方法について解説します。品種による詳しい差異については、ホームセンターや園芸的に問い合わせると良いでしょう。

乾燥への強さ

一般的に、高麗芝(コウライシバ)などの日本芝は乾燥に強いため、通常は水やりしなくても問題ありません。晴天が続き、乾燥しているときにのみ水やりをすると良いでしょう。

逆に西洋芝は、乾燥に弱いため雨が降らない日が続いているときには2日〜3日に1回程度、夏場は最低1日1回程度の水やりが必要となります。

暖地型(日本芝)暖地型(西洋芝)寒地型(西洋芝)
1月不要。不要。乾燥が続くようであれば散水する。
2月不要。不要。乾燥が続くようであれば散水する。
3月基本的には不要。乾燥が続くようであれば散水してもOK。萌芽が早まる可能性あり。雑草も生え始めるので草取りなどの作業も行う。基本的には不要。乾燥が続くようであれば散水する。雑草も生え始めるので草取りなどの作業も行う。施肥したあとに適宜散水する。その他定期的な水やりは基本不要。雑草も生え始めるので草取りなどの作業も行う。
4月基本的には不要。乾燥が続くようであれば散水してもOK。萌芽が早まる可能性あり。光合成が活発に行われ始め、生長が著しくなるため、施肥なども行う。晴天が続き、乾燥しているようであれば散水する。施肥したあとに十分に散水する。加えて、乾燥しているようであれば水やりをする。光合成が活発に行われ始め、生長が著しくなるため、施肥なども行う。
5月基本的には不要。晴天が続き、乾燥が続くようであれば散水する。芝生に害虫が付き始めるので注意する。晴天が続き、乾燥しているようであれば散水する。芝生に害虫が付き始めるので注意する。施肥したあとに十分に散水する。加えて、乾燥しているようであれば水やりをする。芝生に害虫が付き始めるので注意する。
6月基本的には不要。晴天が続き、乾燥が続くようであれば散水する。特に、葉が黒く丸まっている場合は水分不足が疑われるので要注意。晴天が続き、乾燥しているようであれば散水する。乾燥が続くようであれば散水する。
7月梅雨の間は、水やり不要。梅雨明け後、晴天が続き乾燥しているようであれば、十分に散水する。特に、葉が黒く丸まっている場合は水分不足が疑われるので要注意。梅雨など、雨天が続いているときは不要。晴天が続き乾燥しているようであれば、十分に散水する。梅雨の間は、水やり不要。梅雨明け後、晴天が続くときは2日おきに十分に散水する。雨が降った場合などは不要。
8月晴天が続き、乾燥しているようであれば十分に散水する。特に、葉が黒く丸まっている場合は水分不足が疑われるので要注意。雨の日以外、ほぼ毎日午前中に水やりをする。真夏は水切れ(水不足)を起こしやすいので注意。雨の日以外、ほぼ毎日午前中に水やりをする。真夏は水切れ(水不足)を起こしやすいので注意。
9月基本的には不要。ただし、残暑や乾燥によって葉が萎れているようであれば散水する。晴天が続き、乾燥しているようであれば、2日〜3日に1回程度散水する。晴天が続き、乾燥しているようであれば、2日〜3日に1回程度散水する。
10月不要。通常は不要。通常は不要。晴天が続き、乾燥しているようであれば、散水する。
11月不要。不要。通常は不要。晴天が続き、乾燥しているようであれば、散水する。
12月不要。不要。通常は不要。晴天が続き、乾燥しているようであれば、散水する。
暖地型・寒地型シバの水やり頻度の違い

芝張り、播種をしたあと

芝を新たに栽培するときには、芝苗を張る「芝張り」の作業や「播種(種まき)」後は、基本的にたっぷりと水やりをしましょう。

芝張り、芝の張り替えなどを行った際には、その当日にたっぷりと水やりをするのはもちろんのこと、その後1ヶ月間程度は、頻繁に水やりをします。この1ヶ月が芝生の養成期間となりますので、可能な限り乾燥させないことが重要です。

芝苗(シバ苗)が購入できる時期は?

芝苗(シバ苗)は、主に3月中旬〜6月頃と9月頃に店頭に並びます。時期になると園芸店やホームセンターなどで芝苗が販売されると思いますので、確認してみてください。

芝苗を植える時期は、一般的に3月〜5月頃と9月頃です。高麗芝の補修や張り替えなど芝苗を植える作業は、3月〜5月頃に購入してすぐに行うと良いでしょう。

また、播種を行ったときも同様に高頻度で水やりが必要となります。種を蒔いたあと十分に水やりを実施し、その後2週間程度は、表面が乾かないようにほぼ毎日水やりをします。特に晴れた日は乾燥しやすいため、1日に2〜3回程度水やりをすると良いでしょう。

保温・保湿のために園芸用の不織布を地面の上に被せることも有効です。発芽後1cm程度になったら、不織布を外してください。

施肥をしたあと

綺麗な芝生を栽培、維持するためには、適切な時期に施肥をすることが重要です。また、施肥をしたあとに水やりをしっかりとすることも重要です。「施肥をしたあとには必ず水やりも十分に行う」ということを覚えておいてください。

ちなみに、高麗芝などの暖地型日本芝であれば4月〜8月頃に月1回程度、寒地型の西洋芝であれば3月〜6月頃、9月〜12月頃に月1回程度の施肥が必要となります。

芝生の水やりの量

芝生に水やりをするとき、1回の量は少し多めかなと思うくらいで十分です。芝生には、枯れ葉などが半分分解したような状態で堆積する層ができます。これを「サッチ」と呼びますが、このサッチが土壌内部への水の浸透を邪魔する場合があります。そのため、少し多めに散水をすることでしっかりと地中へ水分を浸透させることができます。

もちろん、サッチはたまりすぎると芝生内が加湿気味になり、キノコやカビの原因となるだけではなく生育にも影響しますから、「サッチング(サッチをローンレーキなどで除去する作業)」も定期的に必要です。

また、排水性(水はけ)が悪い土壌は水やりの量を少し控えてください。水たまりができるような土壌では、盛土をしたり、明渠や暗渠を設置するなどの改善が必要となる場合もあります。

芝生のエアレーション

芝生は多年草なので、畑の作物のように土を耕すことは基本的にしません。そこで、定期的に芝生にエアレーション(穴あけ作業)をする必要があります。エアレーションを行うことで、通気性や排水性(水はけ)、透水性を上げることができ、根の張りや生長を促すことができます。

芝生の水やりの方法

ご家庭の庭など、小規模な芝生における水やりの方法は、主に2つあります

  1. ジョーロやホースで散水する
  2. スプリンクラーを使う

一般的なやり方 ジョーロやホースで散水する

散水ノズルで芝に水やりをしている画像です。

一般的なやり方として、ジョーロやホースで散水する方法があります。家庭用の水道蛇口に、園芸用のホースを繋げて散水する方法が最も安価でやりやすい方法だと思います。

園芸用のホースで散水する場合には、散水ムラを無くすために広範囲の散水ノズルが付けて行うと良いでしょう。

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効率的なやり方 スプリンクラーを使う

散水用のスプリンクラーの画像です。

広めの庭など、ホースで散水するのは面倒という方には、スプリンクラーを使用した散水をおすすめします。スプリンクラーとは、水圧を利用して飛沫にし、ノズルから散布する装置のことを指します。

スプリンクラーを使用することで、下記のメリットがあります。

  • 人力で広範囲に撒く必要がなく疲れない
  • 人力で撒くよりもムラを少なくできる
  • 一度設置し水を出すだけで、あとは水やりが完了するまで放置できる

また、スプリンクラーには形状や散水のタイプによって、様々な製品が販売されています。

  • 回転しながら円状に散水するもの(インパクト式スプリンクラーなど)
  • 噴水のように散水するもの
  • 土の中に埋め込んであり、使用するときに蓋が持ち上がるもの(ポップアップ式スプリンクラー)
  • 一方向に細かく噴霧するもの(レイルガン式スプリンクラー)
  • チューブから水が噴き出すもの(チューブタイプ)

ご自身の庭の形状や広さにあったものを選択すると良いでしょう。

また、予算の都合がつく場合には、自動化することもおすすめします。特に西洋芝は乾燥に弱いため、自動で散水できる装置があると、栽培の管理が楽になります。家庭用の水道蛇口に取り付けができる自動散水装置(タイマー潅水装置・日射比例潅水装置)もあるので、気になる方は調べてみてください。

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