ぶどうの葉や新梢に黒褐色の斑点があったら黒とう病(黒痘病)かもしれません。ここではぶどうの重要病害である黒とう病に効く農薬やそのほかの対策方法について説明します。
ブドウで使える、黒とう病に効果がある農薬
ぶどうの黒とう病に使われる代表的な農薬について紹介します。黒とう病の予防には、5回~6回ほどの農薬散布が必要です。回数制限や薬剤耐性菌の発生を防ぐため異なる種類の薬剤を使いローテーション散布しましょう。
デランフロアブル (FRACコード M9)
デランフロアブルはジチアノンを有効成分とする殺菌剤です。
頂芽の展葉2~3枚期、展葉6~8枚期の予防散布に効果的な農薬です。ぶどうには黒とう病以外にもべと病、枝膨病、晩腐病との同時防除も可能です。ただし使用期間が収穫75日前まで、劇物です。
キノンドーフロアブル (FRACコード M1)
キノンドーフロアブルは有機銅を有効成分とする殺菌剤です。
頂芽の展葉2~3枚期、展葉6~8枚期の予防散布に効果的な農薬です。ぶどうには黒とう病以外にもべと病、枝膨病、との同時防除も可能です。使用期間は収穫45日前まで。耐菌性の生じにくく薬害の心配がいらないので使いやすい薬剤です。
アフェットフロアブル (FRACコード M7)
アフェットフロアブルは、ピラゾール系の 殺菌剤ペンチオピラドを主成分とするアニライド系の殺菌剤です。
ぶどうの主要病害(灰色かび病、晩腐病、うどんこ病、褐斑病、さび病)に適用があり、収穫7日前まで使えます。作物への薬害も少ない使いやすい薬剤です。
浸達性と残効性にも優れていることから、予防効果と治療効果の両方を持った 殺菌剤です。
ストロビードライフロアブル (FRACコード 11)
ストロビードライフロアブルは有効成分のクレソキムメチルが果樹の各主要病害に幅広く効く殺菌剤です。
ブドウの主要病害(うどんこ病、灰色かび病、褐斑病、さび病、枝膨病、晩腐病、べと病)に使える薬剤で、予防効果に優れた薬剤ですが、胞子形成阻害効果も示し、二次感染予防にも使えます。
ただしぶどうで品種や散布時期によって薬害が生じるためラベルをよく読んで使ってください。
トリフミン水和剤(FRACコード 3)
トリフミン水和剤はトリフルミゾールを有効成分とした予防と治療効果に優れた薬剤です。
ぶどうには黒とう病の他褐斑病、うどんこ病にも適用があります。浸透性と浸透性にも優れているので効果が長く続く他、雨にもつよい薬剤です。収穫7日前まで使えトップジンなどの耐菌性がでている場合でも、効果を発揮します。
黒とう病とはどんな病気?
黒とう病とは
黒とう病は、カビ(糸状菌)の一種が原因で起こります。
第一の感染源は、昨年にり患した結果母枝や罹病巻ひげで越冬した菌糸です。4月~5月に長雨がつづくと黒とう病の分生胞子の形成され、雨のたびに病原菌が広がっていきます。20℃~25℃ぐらいの温度を好みます。
一般にヨーロッパ系品種がアメリカ系品種に比べて被害を受けやすくシャインマスカットやネオマスカット、甲州などの被害が多い。若葉や新梢ばぢび柔らかい緑色の部分に侵入します。若い木に発生が多く、毎年発生している圃場では、定期的な農薬をつかった防除が大切です。
黒とう病の症状
黒とう病は、枝、新梢、葉柄、葉、果梗、果実、花穂などのあらゆるやわらかい部分に発生します。
発生初期は若葉に淡い褐色の小さな斑点が現れます。次第に黒褐色へとかわっていき、病症部分の真ん中に亀裂がはいり穴が開くこともあります。
新梢には楕円形の斑点が現れる中央部分は灰色で周辺は紫色になり、多発すると成長がとまったり全体が黒くなって枯れることもあります。
大豆大の大きさの果実には黒褐色の斑点が現れると、果実の成長とともに斑点も大きくなり中央が灰色、周りは紫色になり鳥の目のような病斑となります。被害がひどくなると果実の成長が止まり肥大化せず、収穫できなくなります。

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

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防除する際のポイント
黒とう病に限りませんが、菌が一度蔓延し、発病してしまうと、完全に防除するのは非常に難しくなります。このため、防除において最も大事なのは、如何に予防剤などを用いて初発で叩いて、発病させないか、です。
農薬散布は頂芽の展葉2~3枚の時期から、展葉6~8枚期、生育期は開花前に1回,落花直後に1回,小豆粒大期に1回および大豆粒大期に1回、10日~14日に1度散布するのが基本です。
また同じ系統の治療剤・予防剤の連続使用は、農薬が効かなくなる耐性菌の発生を招いてしまいます。菌が抵抗性を持つのを避けるために、系統の異なる薬剤を使うことが重要です。
化学的防除以外の防除方法
発症した葉や枝の除去
黒とう病は雨風により胞子が飛んで伝染します。り患した葉や枝、果実などはすぐに切って取り除きましょう。
また罹病枝や巻きひげは冬の剪定でできるだけ切り取りしましょう。
チッソ(窒素)を減らす
施肥がチッソ過多になると、黒とう病の発生を招きやすくなってしまいます。このため、チッソ過多にならないように適切な施肥量を保つことが重要です。
被覆栽培
黒とう病は雨除けをすることで、被害を防げます。全体が難しい場合でも苗木は雨除け栽培をしましょう。
ボルドー液の散布
ボルドー液は硫酸銅と生石灰を混合して作る殺菌剤です。予防効果は高く、安価な点が特長です。また有機栽培でも使用可能です。硫酸銅と生石灰の割合でボルドー液の種類がきまっており、ぶどうには3-2式~6-3式が使われます。
自分でつくることもできますが、市販のボルドー液もあります。

農家webにはこのほかにもぶどうの病害虫の記事あります
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