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化学肥料・化成肥料

化成肥料の「14-14-14」とは

14-14-14化成肥料のパッケージ 化学肥料・化成肥料

市販されている化成肥料のパッケージを見てみると「14-14-14」のように、数字が大きく記載されている場合があります。これらの数字は何を表しているのでしょうか?

この記事では、化成肥料の「14-14-14」の数字の意味や実際に含まれる各要素の含有量などについて解説します。

「14-14-14」の数字の意味

化成肥料のパッケージなどに記載されている「14-14-14」の数字は、それぞれ窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の含有保証成分の割合(保証成分量)を示しています。

「14-14-14」の場合は、その肥料の正味重量に対して、窒素(N)が14%、リン酸(P)が14%、カリウム(K)が14%、それぞれ含まれているということになります。ここで一点注意が必要な点として、「kg(キログラム)」ではなく、「%(パーセント)」で表記されるということを覚えておきましょう。

実際の窒素、リン酸、カリウムの含有重量を知りたい場合にはどのように計算すればよいでしょうか?

例えば、「N-P-K:14-14-14」の肥料10kgを畑に散布するとします。その場合、以下の計算式で各要素の含有量を計算できます。

「14-14-14」化成肥料10kgの各要素の含有量計算方法

10kg×0.14(14%)=1.4kg

よって、「N-P-K:14-14-14」の肥料10kgを畑に散布すると、窒素・リン酸・カリウムそれぞれを1.4kgずつ補給したことになります。

ちなみに、「14-14-14」の化成肥料は、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の含有率の合計が30%を超えるため、高度化成肥料と呼ばれます。

パッケージや保証表に記載されている保証成分量について

パッケージや保証票に記載されている保証成分量は、あくまで含有される成分の最低量を示しています(15 肥料取締法について – 農林水産省)。よって、それ以上の成分が含まれる場合もあります。しかし、基本的には大きな誤差はないためそこまで厳密に考える必要はなく、施肥・栽培の計画などに用いて良いでしょう。

プロ農家など、精緻な栽培を目指す方は、保管している肥料の種類によっては都度分析を行って実際の成分量を確認する必要があります。

編集さん
編集さん

実際には「14-14-14」の肥料でも、パッケージには「4-4-4」と記載されている場合もあります。これはパッケージのデザイン等の都合からそうなっています。実際に含まれる保証成分量を正確に把握するには、パッケージ裏面の保証票をしっかりと確認しましょう。

そもそも化成肥料とは?

化成肥料は、化学肥料の一種であり、主要な三大栄養素とされる窒素・りん酸・カリウム(加里)のうち2つ以上を含むものを指します。(「複合肥料」とは、窒素・りん酸・カリウムを2つ以上含む肥料の総称です)。

定義としては、「数種類の肥料に何らかの化学的工程を加えて製造された肥料」が化成肥料です。化成肥料は粒状や固形(ペレット、ブリケット)になっているものが多いです。

なぜ「14-14-14」の配合なのか

それではなぜ、「14-14-14」という配合の化成肥料があるのでしょうか?主に、以下の特徴から、「14-14-14」の肥料が使われています。

  • 「7-7-7」などの普通化成肥料と比較した場合、含有率が2倍あることから、単純に施用量を半分程度にできます。
  • 施用量を抑えられるため、搬送・運搬、散布作業の手間が軽減されます。
  • 施用量を抑えられるため、生産にかかるコストを低減できます。特に肥料が高騰している昨今では重要なコスト低減策です。

生産するためのコストや作業時間を削減し、効率化したいと考える農家にとって、高度化成肥料は必要不可欠です。

「14-14-14」の化成肥料の注意点

但し、「14-14-14」のような高度化成肥料を使う場合には、以下のような注意も必要です。

  • 単純に高濃度であるため、施肥量をしっかり計算し、適切に散布する必要があります。
  • 「7-7-7」など普通化成肥料と比較した場合、体積が半分となります(「7-7-7」場合は20kg必要な散布量が、「14-14-14」の場合は10kgに減る)。そのため、広範囲に均一に散布するなどの用途には不向きとなります。特に手で撒くと斑になりやすいため、肥料散布機などで散布する必要があります。
編集さん
編集さん

高度化成肥料は、栽培や土作りに慣れている人が使うほうが良いでしょう。初心者の方は、「7-7-7」や「8-8-8」などの普通化成肥料を使いましょう。

「8-8-8」と「14-14-14」の違い

よく見かける成分量として、「8-8-8」の化成肥料もあるのではないでしょうか?

「8-8-8」と「14-14-14」の化成肥料の違いは、単純に窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の保証成分量の違いです。「8-8-8」は、「14-14-14」の約半分程度の含有量ということが言えます。

要素
(肥料正味量10kg)
「8−8−8」
の化成肥料
「14−14−14」
の化成肥料
窒素(N)0.8kg1.4kg
リン酸(P)0.8kg1.4kg
カリウム(K)0.8kg1.4kg
「8-8-8」と「14-14-14」の化成肥料の含有量の違い(10kgの肥料の場合)

「8-8-8」の肥料を使うか、「14-14-14」の肥料と使うかは、散布する範囲(面積)や育てる作物、熟練度などによって、異なります。また、形状や材質によっても、肥料と使い分けたほうが良いです。

家庭菜園など初心者は「8-8-8」を使うほうが無難でしょう。各肥料メーカーは、野菜や花など幅広く施用できる肥料として「8-8-8」の化成肥料を多く販売しています。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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