バラの枝や茎に白い粉のようなものがついていたら、カイガラムシかもしれません。ここではバラにカイガラムシが発生した場合に駆除する農薬や農薬以外のその他の対策方法について説明します。
バラに発生しやすいカイガラムシの特徴・被害
バラに発生しやすいカイガラムシの種類と特徴
カイガラムシはカメムシ目に属する属する昆虫で、名前のとおり体に殻をもっているものや、蝋状の物質でおおわれていたりするため、農薬を散布しても付着しにくく、駆除が難しい害虫で有名です。
カイガラムシは種類が多く、色や大きさもさまざまですがバラに発生しやすいのは「バラシロカイガラムシ」です。バラシロカイガラムシの雌成虫の殻の色は白く、直径2~3mmの扁平で丸い形をしています。
バラには、6~10月の春から初秋に発生が多く、高温とやや乾燥した環境を好みます。アリなどの昆虫や、風などで飛ばされてきた幼虫の移動によりバラに寄生します。



画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
バラのカイガラムシの被害
カイガラムシの成虫や幼虫が、バラの枝や幹にびっしりと寄生し、養分を吸収します。発生初期は少数の白い虫が茎に発生しますが、気が付かないうちに樹幹や枝に白くなるほどびっしりと寄生します。
寄生された枝や幹は養分を吸われ、樹勢が悪くなり、最悪の場合は樹勢が衰え枯死することもあります。


写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集
バラにカイガラムシが寄生してしまった場合の対処法
バラにカイガラムシが寄生しているのを見つけたら、まずは物理的にカイガラムシを駆除しましょう。ブラシでそぎ落としたり、シャワーの水圧で吹き飛ばしたりして除去します。シャワーの勢いが強すぎるとバラを痛めることがあるので注意しましょう。
その後は農薬(薬剤)を使って駆除します。成虫は、蝋状の物質で覆われたり、硬い殻があったりするため、農薬を散布しても付着しにくいため、できるだけ物理的に駆除した後に予防として農薬を散布しましょう。
農薬(薬剤)の選び方・使用方法について
バラのカイガラムシ、バラシロカイガラムシに使える農薬は多くありません。
散布の方法や時期にあった農薬を選びましょう。すでにカイガラムシが発生している場合には、「コルト顆粒水和剤」や、直接ジェット噴射できる「カイガラムシエアゾール」、「ホルン」が使えます。ホルンはマシン油が主成分で、有機栽培にも使え天敵などにも影響の少ない薬剤です。
「ベニカXガード粒剤」は株元に散布するだけですが、殺虫成分が根から吸収されるので予防として発生前に散布すると効果的です。
バラシロカイガラムシは年に2~3回発生するので、使用回数の制限があるものもるのでそちらも注意しましょう。また必ずラベルの適用表を確認してから使いましょう。(使用方法を守らないと薬害がでたり、体調などを崩す場合もあります)
ばらのバラシロカイガラムシ・カイガラムシ類を駆除する農薬
| 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コルト顆粒水和剤 | 2000倍 | 100〜300㍑/10a | 発生初期 | 4回以内 | 散布 | 9B | スルホキシイミン系の新規系統の殺虫剤 速効性、浸達性に優れ、天敵にも 影響の少ない薬剤 |
| カイガラムシエアゾール | ー | ー | ー | 4回以内 | 噴射液が均一に付着するように 約30cm離れた所から数回 断続して噴射する。 | 3A,4A | 花き類のカイガラムシ類に適用のある殺虫剤 殺虫効果が約1カ月持続、 冬の越冬成虫にも効果があります。 |
| ボルン | ー | ー | ー | ー | 噴霧液が均一に付着するように 約30cm以上離れた所から数回断続して 噴射する。 | ー | マシン油が主成分で、有機栽培にも使えます。 若齢幼虫にしか効果がないので、 散布時期に注意が必要 |
| ベニカXガード粒剤 | 10g/株(但し、100g/㎡まで) | ー | 発生前〜発生初期 | 4回以内 | 散布 | 4A,11A | バラのさまざまな病害虫に効果がある薬剤 粒剤なので株元にまくだけで簡単です。 |
農薬以外のその他の対策方法
ハダニが大量発生してからの対応は難しいため、毎年発生するという場合には予防措置や農薬を使わない対策をすることが、薬剤散布の回数を減らすことにもつながります。
冬の管理
カイガラムシの予防には冬の管理が大切です。
枝と枝が密集していて、日が当たりにくい圃場では、カイガラムシは発生しやすくなります。しっかり剪定を行い、過繁茂とならないよう込み合う枝の整枝や剪定をしっかり行いましょう。寄生がひどく弱った枝なども整理しましょう。
また成虫が冬を越さないように、剪定と同時にカイガラムシが寄生していないか確認し、薬剤を使った防除をしておきましょう。
天敵の利用
カイガラムシには、生物農薬はありませんが、土着天敵としてヒメアカホシテントウ,クサカゲロウ類,クモ類,寄生蜂がいます。
天敵を活用したい場合には、農薬を使う場合はそれらの天敵に影響の少ない薬剤を使いましょう。
ゼラチンと液体石鹸液
農薬を使いたくないという人には、家で作れる防除液もあります。
材料はゼラチンと液体せっけん、食用油
ゼラチンを規定量で溶かし、液体せっけんを溶かした水の5%、食用油を3%をいれてスプレーするだけ。カイガラムシだけでなくアブラムシにも効果が期待できます。
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