バラの花を好むコガネムシは、バラ栽培にとって悩ましい害虫です。ここではバラに発生するコガネムシ類が発生した場合の駆除方法や対策について説明します。
コガネムシの特徴・被害
コガネムシの特徴
コガネムシは、甲虫(コウチュウ)目コガネムシ科の昆虫です。成虫は、硬い鎧に覆われ、赤、紫、黒や緑色の光沢を有する色をしていることから、黄金虫(コガネムシ)と呼ばれています。
種類は多く、体長、色もまちまちです。バラの花に飛来するのはマメコガネ、ヒメコガネ、セマダラコガネ、ドウガネブイブイ,ウスチャコガネ,クロコガネ,クロハナムグリなど多くの種類が知られています。
発生時期は、コガネムシの種類によって異なりますがバラには5月~9月頃、バラの場合は香りのよい品種のバラに成虫が集まりやすく、集団で行動し花弁やつぼみなどを食害します。



画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
コガネムシの被害
コガネムシの被害は、バラの場合は成虫の被害が多く、バラの花弁やつぼみ、雄ずいなどを食害します。また成虫は土中に卵を産むため、幼虫が根を食害することもあります。
天気の良い日に開花した花をみると、中にコガネムシがいるのを発見することもあります。多発すると黒く密集して花を食害して、せっかくの花を台無しにしてしまいます。


コガネムシの被害花 画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
バラにコガネムシが寄生してしまった場合の対処法
バラにコガネムシが飛来しているのを見つけたら、直ちに捕殺するのが最も効果があります。
切り取ったペットボトルやプラコップなどを花にかぶせ、振り落とす、軽くたたくなどをすると、容器に落ちてきます。動きの遅い早朝に駆除するのが効果的です。また株全体を揺らして下に落とすと、しばらく動かなくなるので、網などで摑まえるという方法もあります。
数が多くて捕獲だけではどうにもならないという場合には、農薬散布も有効です。成虫には株元散布よりスプレータイプのほうが使いやすいでしょう。ただし、成虫は飛来してくるので5日~7日に1度続けて散布する必要があります。
駆除がある程度できたら予防として、フェロモントラップなどを仕掛けておくとよいでしょう。
農薬(殺虫剤)の選び方・使用方法について
コガネムシを駆除するためには、コガネムシに効果が認められている殺虫剤(農薬)をつかいます。コガネムシは適用病害虫が「コガネムシ類幼虫」「コガネムシ類成虫」「コガネムシ類」に区分されているので、幼虫しか効果のない殺菌剤を成虫に散布しても効果がないことがあるので注意しましょう。
バラの場合、コガネムシの幼虫の予防に春と秋に株元散布する幼虫に効果のある農薬散布をし、成虫の場合にはスプレータイプの殺虫剤や葉に直接散布する農薬を散布するとよいのがよいでしょう。
また農薬は同じ系統の農薬を使い続けると、薬剤抵抗性が発生し効果がなくなることがあります。複数回散布するときはなるべく違う系統の農薬を使う、ローテーション散布をしましょう。商品名が違っても同じ系統の農薬もあるので、系統は殺虫剤にはIRACコードが違うものを選びます。
家庭ではいろいろな農薬を購入するのは難しいという場合は、1年ごとに使う農薬を変えるなどの方法をとりましょう。
ばらのコガネムシ類に適用のある農薬
| 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オルトランDX粒剤 | 2g/株(但し、40g/㎡まで) | 発生初期 | 4回以内 | 生育期株元処理 | 1B,4A | コガネムシの幼虫に効果のある殺虫剤 株元にまくだけで、薬剤がバラに浸透し、 バラに発生しやすい害虫に効果があります。 予防に効果的です。 | |
| ベニカXガード粒剤 | 10g/株(但し、100g/㎡まで) | ー | 発生前〜発生初期 | 4回以内 | 生育期株元処理 | 4A,11A | 株元に散布するだけでバラの害虫だけでなく、 病気にも効果がある殺虫殺菌剤。 オルトランと同じ有効成分が入っているため、合わせて年間4回しか散布できません。 |
| パイベニカVスプレー | 原液 | ー | 発生初期 | 6回以内 | 散布 | 3A | コガネムシの成虫に効果のある殺虫剤 植物うまれ、天然成分100%の殺虫スプレー剤 有機栽培にもつかえ、原液をスプレーするだけなので 家庭で使いやすい殺虫剤です。 |
| カダンプラスDX | 原液 | ー | 発生初期 | 5回以内 | 散布 | 4A,6 | バラのさまざまな病害虫に効果がある殺虫殺菌剤 浸透移行性があるので、薬剤がかからない葉裏にいる 害虫にも効果があります。 |
コガネムシ類の予防・対策方法
寒冷紗や防虫ネット
つぼみのころに寒冷紗や防虫ネットをかけることで、物理的に成虫の飛来するのを防ぐことができます。
トラップを仕掛ける
フェロモントラップなどを使い、成虫をおびき寄せて捕殺する方法もあります。
市販の「ニューウインズパック」は雄を誘引する性フェロモンと両性を誘引する食物誘引剤を使用し、コガネムシの成虫を誘引、捕獲することで、産卵を防ぐことができます。コガネムシの種類にあった誘引剤を使わないと効果がないので、どんな種類のコガネムシが発生するか確認しましょう。
このほかコガネムシトラップは、ペットボトルや牛乳パックなどを使い自作している農家の方もいます。ペットボトルや牛乳パックの上部にコガネムシの入り口を開け、中に酒、お酢、砂糖、きなこなどを混ぜたものを入れる。または雌をつかまえて入れておくことで、フェロモントラップになる方法をとっている人もいます。
予防
毎年被害が出るという人は、3月下旬から4月までに粒剤をつかって農薬を散布しておきましょう。
また周辺のノバラヤツルバラ、果樹園等があるとなどがあると、そこから移動してくるので周りの環境にも注意しましょう。
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