硫酸系肥料(硫酸根肥料)肥料の成分

硫酸マンガン肥料の基本と特徴、使い方

硫酸マンガン肥料は、水溶性のマンガン肥料です。土壌に施用することでマンガンの補給ができるだけではなく、水に溶かして葉面散布材としても利用できるものもあります。

この記事では、硫酸マンガン肥料の基本と特徴、使い方について解説します。

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硫酸マンガン肥料とは

硫酸マンガン肥料は、水溶性であり、代表的なマンガン肥料です。水溶性であるため、吸湿して潮解しやすく速効性があります。この性質から、液体肥料(液肥)や葉面散布肥料としても効果が高いです。通常、複合肥料の原料として使われることが多いです。

硫酸マンガン肥料は、硫酸マンガンを主要な構成化合物としており、通常は硫酸マンガン1水和物(MnSO4・H2O)が肥料として使われます。

硫酸マンガンはマンガン質肥料の一種で、公定規格で水溶性マンガン成分が10%以上と定められています。また、可溶性硫黄1%を保証成分としている硫酸マンガン肥料もあります。

土壌に施用するだけではなく、水に溶かして葉面散布することができるため、マンガン欠乏症(Mn欠乏症)の応急対策としても使えます。例えばメロンのマンガン欠乏症への対策として、濃度0.2%程度の硫酸マンガン水溶液を数日おきに数回葉面散布する方法があります(メロン マンガン欠乏症 – 島根県)。

副成分には、硫酸イオン(硫酸根)が含まれています。硫酸カリウム肥料は、化学的中性の肥料ですが、作物がカリウムを吸収したあとは硫酸イオン(硫酸根)だけが土壌に残るため、生理的酸性の肥料として分類されます。しかし、硫酸マンガン自体、施用量が少ないため、土壌を酸性化させる影響はごく僅かであり、リスクはほとんどありません。

硫酸根とは

硫酸根とは、硫安などの副成分です。硫酸根は、作物に吸収されづらい成分です。そのため、硫酸根が含まれた肥料を多量に施肥すると土壌に蓄積されてしまいます。その結果、土壌酸度(pH)の低下をまねき、植物が健全に生育できない土壌になってしまいます。炭酸カルシウムなどによる酸度矯正も必要となってきます。

また、酸素の少ない還元状態であり、かつ汚泥などが溜まり有機酸が多く含まれる土壌(老朽化水田など)では、有機酸の水素イオンと結合し、有害なガス(硫化水素)を発生させることがあります。硫酸根が蓄積した土壌では、深耕や天地返しなどをして土壌の入れ替えを行ったりしなければならなくなります。

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硫酸マンガン肥料の特徴

硫酸マンガン肥料には、以下の特徴があります。

  • 水溶性で溶解性が高く、土壌施用後によく溶け出し作物に吸収されます。速効性のマンガン質肥料です。微量要素であるマンガンを補給することができます(→マンガンの重要性)。
  • 水によく溶けるため、液体肥料(液肥)や葉面散布肥料としても使えます。
  • 副成分として、硫酸イオンを含んでいます。しかし、硫酸マンガン自体、施用量が少ないため、土壌を酸性化させる影響はごく僅かであり、リスクはほとんどありません。
  • 中性~アルカリ性土壌に施用した場合、硫酸マンガンから放出したマンガンイオンが水酸化イオンと結合し、難溶性の水酸化物に変化します。
  • 土壌酸度(pH)が高いほど、難溶化しやすく、特に石灰の過剰施用などで、カルシウム過剰のアルカリ性土壌では、マンガンが難溶化しやすいです。そのため、そのような土壌では葉面散布、または液体肥料として灌水施肥すると効果的です。
  • マンガンは、作物の生長に必要な量が僅かであるため、多頻度での施用は基本的に不要です。1作1回程度の施用でも十分です。
  • 硫酸マンガンから放出されたマンガンイオンは、鉄やモリブデン、銅などの微量要素の吸収を阻害するため、施肥のやりすぎやムラが出ないように注意が必要です。

硫酸マンガン肥料の使い方

基本的には、イネや麦、野菜、果樹など作物全般に施用することできます。

硫酸マンガンを施肥する場面は、主に以下の2つがあります。

  1. 元肥(基肥)として土壌に散布する
  2. マンガン欠乏症への対策として散布する

元肥(基肥)として土壌に散布する

元肥(基肥)として土壌に散布する場合には、作付け前に10a当たり硫酸マンガンを4kg〜8kg程度、全面散布し、土壌と混合させます。果樹などの作物では、春肥、秋肥の2回などに分割して施肥すると良いでしょう。

また、マンガンは土壌酸度(pH)や塩基のバランスによっても、施用効果、施用量が大幅に変わります。まずは土壌診断で、土壌がどのような状態なのかを知ることが大切です。

マンガン欠乏症への対策として散布する

マンガン欠乏症への応急対策として施肥する場合には、葉面散布が効果的です。野菜や花卉(花き)では0.1%〜0.2%、その他の畑作物では0.2%〜0.3%の硫酸マンガン水溶液を作り、数日(7日程度)おきに2回〜3回程度散布すると良いでしょう。

葉面散布を効果的に行うには
  1. 葉面散布に最も良い時間帯は早朝です。湿度が高く、葉の細胞が水で満たされた完全な膨圧状態にあるときが最適です。涼しくなった夕方でも良いでしょう。
  2. 日中の暑い時間帯は散布を避けましょう。温度が高い時の吸収率は非常に低く、ストレスにさらされ薬害の原因となります。
  3. よく晴れた日の日中帯も避けましょう。散布した溶液が高濃度となり、葉焼けなどの原因となります。
  4. 土壌水分が十分であるときに葉面散布をすることが効果的です。可能であれば、散布する前日に水を撒くこともおすすめです。
  5. 雨や水撒きの直前、風が強い日に葉面散布をするのは避けましょう。
  6. 養分吸収は、葉の表面よりも裏面のほうが盛んに行われますので、裏面を重点的に散布してください。
  7. 二重散布や農薬との混合などは基本的にやめましょう。農薬との混合は専門的な知識が必要です。
編集さん
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マンガンを与えすぎて過剰にするのも良くないことです。マンガン過剰症が発生したり、鉄欠乏症が発生したりする場合があります。微量要素の吸収を阻害することに繋がるため、適量を適切な方法で施肥することが重要です。

硫酸マンガン肥料の注意点

硫酸マンガン肥料の主な注意点を、以下にまとめました。

  • 通常の土壌では、作物にマンガン欠乏症が発生することが稀であるため、むやみに多量、多頻度施用しないようにしましょう。
  • 過剰に施用しないようにしましょう。鉄や銅、モリブデンなどの微量要素の吸収が阻害されます。

マンガンの重要性

マンガン(Mn)は、葉緑素の生成、光合成、ビタミンCの合成などに深く関わります。作物の生長に必要な量は多くありませんが、植物の光合成や生長に大きく関わるため、なくてはならない要素となります。

硫酸マンガン肥料の購入場所

家庭菜園等で使用する肥料は、ホームセンター、インターネットなどで購入可能です。肥料を購入できる主な場所・方法は以下のとおりです。プロ農家の方は、JAや資材店等に相談すると良いでしょう。

肥料を購入できる場所
  • JAなどの農業資材店
  • ホームセンター
    • コメリ
    • カインズ
    • コーナン
    • etc
  • インターネット
    • Amazon
    • 楽天市場
    • ヤフーショッピング
    • etc
執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
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